住宅にも使用されている!建築板金の特徴と活用部材6種を特集

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私たちが住んでいる住宅にも板金加工が使用されていることをご存知でしょうか。

今回は、住宅に使われている建築用金について、素材として扱われる多い金属素材の種類と、活用されている建築部材例についてご紹介します。

建築板金とは

建築板金とは、金属板を加工して屋根や外壁、ダクトなどを施工することです。製品には、建築物の外部部材(屋根など)と内部部材(設備など)の2種類があり、多く使用される素材はガルバリウム鋼板や亜鉛メッキ鋼板などのカラー鋼板、ステンレスなどが挙げられます。窯業系の素材と異なり、金属板は薄くて長い板を自在に加工して使うことができるため、曲線や円形といった複雑な形状にも対応できるメリットを持ちます。

住宅などの小規模な建築物から美術館やドームなど大スパンを必要とする大型建築物など、様々な建築において建築板金が使われています。

多く使用される金属素材

ここでは、金属板金において扱われることの多い3つの素材についてご紹介します。

①ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、鋼板の上にアルミ55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の合金層を重ねたものです。従来の亜鉛100%の鋼板(亜鉛鉄板)に比べ、耐熱性に優れた素材と言えます。

耐食性、加工性にも優れ、特に耐食性については、亜鉛鉄板の犠牲防食機能(②亜鉛メッキ鋼板にて説明)とアルミニウムの長期耐久性を併せ持ち、酸化雪や酸化雨、海岸地域で活躍します。

②亜鉛メッキ鋼板

亜鉛メッキ鋼板とは、表面に亜鉛の薄膜を施した鋼板で、亜鉛鉄板、トタン板とも呼ばれます。鋼板を亜鉛で覆うことにより、保護膜を作り、サビや変色を防いで耐久性が向上します。傷やピンホールができた場合にも、鉄より先に亜鉛が優先して腐食されることで、鉄の腐食を防ぎ、強度が維持される(犠牲防食)効果をもちます。

亜鉛の付着のさせ方には融解によるものと電気によるものがありますが、一般的に亜鉛メッキ鋼版と言うときは、高温で溶かした亜鉛の中に漬けて付着させた融解亜鉛メッキ鋼板を示します。

③ステンレス

ステンレスとは、鉄中にクロムを12%以上添加した高合金鋼のことをいい、さびにくさを特徴とする金属です。ステンレスの中に含まれるクロムが空気中の酸素と結合し、その表面に、薄い酸化膜を作ることで、さびにくさを実現しています。

また、熱に強い・加工しやすい・強度があるなどの優れた特徴をもち、雨風にさらされることの多い建築・土木分野で多用されます。デザイン性にも優れ、メンテナンスのしやすさも、特徴のひとつです。

住宅における活用部材例

建築板金が使用されている部材例として、外部部材4種、内部部材2種の6種をご紹介します。

外部部材…屋根・外壁・雨樋・外装

内部部材…ダクト・シンク

屋根

板金加工品の屋根は、瓦屋根に比べ重さが約10分の1と軽く、柱や梁などの構造体への負担を軽減する効果があります。住宅の屋根素材には、ガルバリウム鋼板やステンレスが多く用いられ、この鋼板を使うことで、耐食性・加工性・耐熱性・熱反射性を高めることが可能です。

また、見た目は瓦でありながら、金属材をプレス成形している金属瓦などもあり、住宅のデザイン性に応じた板金加工品が活用されています。

外壁

スチールなどの表面材を成形して断熱材を裏打ちした金属サイディングが多く用いられ、断熱性・防音防水性・耐久性に優れています。また、10年経っても色落ちが少ないことから壁素材として多用されています。

金属製を用いるデメリットとして、傷がつきやすい点と、もらいサビに注意が必要な点が挙げられます。

雨樋

かつては、大型建築に使用されることが多かったステンレスやガルバリウム鋼板の雨樋が、近年では一般住宅にも普及して使用されています。

樹脂製の雨樋も多くみられますが、金属製の方が錆びにくく耐久性に優れており、またデザイン性の良さなどから、寺社や純和風住宅で使用されることもあります。

外装

破風や軒天井の施工にもガルバリウム鋼板が使用されています。

かつては木材が使用されることの多かった外装ですが、日本は湿気が多いため、雨漏れがなくても痛みがちな破風や軒天井をガルバリウム鋼板で包み込むことでケアをし、長持ちさせることができます。

ダクト

空調機械から室内へ、また厨房などで空気を流すために、主に薄い亜鉛鋼板やステンレスが使用されます。油汚れの多い厨房などは、ステンレスを用いることで、清掃がしやすくさびにくい美観を保つことができます。

カーブ部分や接合部には、溶接ではなく主にシーミング(ハゼ組)を用います。シーミングとは、材料の縁を曲げて絡ませながら接合させる技術です。

シンク

キッチンでは、ステンレスを使用したシンクが多く流通しています。レーザーカッターやベンディングマシンなどで成形後、手板金で加工され、仕上げ研ぎをして製品となります。

使いやすさのために、防汚アンダーコートの吹付けや静音加工のためのゴムシート貼付加工が行われることもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

私たちが住む住宅にも、様々な部材として板金加工の技術が用いられていることがわかります。生活に根ざした身近なところでも活躍している板金加工について、今後益々興味を深めていれば幸いです。

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