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非鉄金属

  • 真鍮とは?特徴、メリット・デメリット、性質を解説

    今回は真鍮の特徴や性質について解説します。真鍮は、銅と亜鉛の合金で、別名「黄銅」とも呼ばれる材料です。私たちが生活のなかで用いている5円玉も、真鍮を材料としています。銅と同じく加工性に優れており、世の中で使われている銅の大半は、純銅と真鍮であるとも言われています。参考:真鍮の加工方法を加工実績と共に徹底紹介!!真鍮とは真鍮とは、別名「黄銅」とも呼ばれる銅と亜鉛の合金のことで、亜鉛が20%以上のものを指します。真鍮の英語表記は「Brass」で、音楽のブラスバンドで使われるトランペットなどの楽器は、真鍮で作られています。真鍮は、亜鉛の添加量により特性が大きく変わるため、材料によっては「七三黄銅」や「六四黄銅」といったように、銅と亜鉛の比率を示した名称が使われているものもあります。真鍮は、主に伸ばしたり圧縮したりする加工である、伸銅品として使われることが多い材料です。代表的なものとして、金管楽器以外にも5円硬貨や水洗トイレの給水管、金属模型などが挙げられます。また、見た目が黄金色で美しく、酸化するとアンティークな雰囲気を漂わせることから、アクセサリーに使われることも多くあります。真鍮の特徴真鍮のメリット真鍮のメリットは、優れた加工性と耐食性、電気伝導性・比較的高い強度・価格が安価な点です。加工においては、熱間鍛造性・展延性・転造性・切削加工性に優れており、めっきやはんだ付けがしやすい特徴もあります。高い電気伝導性があるので、端子コネクターのような電気製品の部品として使われることも多くあります。また、真鍮は空気中で徐々に表面が酸化し黒ずんでいくものの、酸化皮膜となって内部を保護するため、全体が腐食するのを防止します。真鍮のデメリット真鍮は、応力腐食割れの一種とされる「置割れ」が発生する場合があります。置割れは、機械加工などを施した真鍮が、日時の経過により、大気中の水分や二酸化炭素などが結晶粒界に腐食を引き起こし、粒界腐食を起こす現象を指します。置割れを回避するには、めっきや塗装を施したり、焼きなましで内部応力を除去するのが有効です。また、ラテックスなどのゴム類に接触すると、ゴムが分解腐食してしまうデメリットもあります。参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法参考:焼き入れとは?焼き入れの種類ごとの特徴に分けて解説!真鍮の種類黄銅(C2600)C2600は、七三黄銅とも呼ばれる材料で、銅と亜鉛の比率が70:30の黄銅です。銅の割合が高く、絞り加工性に優れています。C2600の主な用途は、端子コネクター・配線器具・カメラ部品などです。●C2600の化学成分(単位:%)合金番号CuPbFeZnC260068.5~71.50.05以下0.05以下残部 a)a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条黄銅(C2680)C2680は、銅と亜鉛の比率が65:35の黄銅です。C2600と同様に絞り加工性がよく、深絞り用として採用されています。C2680の用途は、C2600と同じく、端子コネクターや配線器具、カメラ部品などが挙げられます。●C2680の化学成分(単位:%)合金番号CuPbFeZnC268064.0~68.00.05以下0.05以下残部 a)a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条黄銅(C2801)C2801は、六四黄銅とも呼ばれる材料で、銅と亜鉛の比率が60:40の黄銅を指します。冷間加工性に劣るものの、熱間加工性や強度に優れており、展延性も良好です。C2801の主な用途は、衛生管・機械部品・配線器具などが挙げられます。●C2801の化学成分(単位:%)合金番号CuPbFeZnC280159.0~62.00.10以下0.07以下残部 a)a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条参考:C2801(真鍮)の化学成分、機械的性質ネーバル黄銅(C4641)C4641は、黄銅に少量の錫を添加した材料です。C4600台の黄銅を「ネーバル黄銅(海軍黄銅)」とも呼びます。C4641は耐食性(特に耐海水性)がよく、船舶用部品やシャフトなどに用いられます。錫により硬度と強度を向上させていますが、一方で伸びは減少しています。●C4641の化学成分(単位:%)合金番号CuPbFeSnZnC464159.0~62.00.50以下0.20以下0.50~1.00残部 a)a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはZn以外の分析しない元素が含まれる。引用元:JIS H 3250:2021 銅及び銅合金の棒真鍮の機械的性質ここでは真鍮のC2801の機械的性質を以下に示します。●C2801の機械的性質質別製品記号引張試験曲げ試験 a)硬さ試験 a)(参考)厚さの区分(mm)引張強さ b)(N/mm2)伸び b)(%)厚さの区分(mm)曲げ角度 c)内側半径 c)厚さの区分(mm)ビッカース硬さ b)(HV)OC 2801 P-O d)0.30以上1.0以下325以上35以上0.30以上2.0以下180°厚さの1倍--1.0を超え30以下40以上C 2801 R-O d)C 2801 RS-O d)0.30以上1.0以下35以上1.0を超え3.0以下40以上1/4HC 2801 P-1/4H d)0.30以上30以下355~44025以上0.30以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.30以上30以下85~145 f) C 2801 R-1/4H d)C 2801 RS-1/4H d)0.30以上3.0以下0.30以上3.0以下1/2HC 2801 P-1/2H d)0.30以上20以下410~49015以上0.30以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.30以上20以下105~160 f)C 2801 R-1/2H d)C 2801 RS-1/2H d)0.30以上3.0以下0.30以上3.0以下HC 2801 P-H d)0.30以上10以下470以上-0.30以上2.0以下90°厚さの1倍0.30以上10以下130以上 f)C 2801 R-H d)C 2801 RS-H d)0.30以上3.0以下0.30以上3.0以下a):曲げ試験及び硬さ試験に関して規定した厚さの区分を外れるものは、試験を適用しない。b):数値は、整数値に丸める。c):曲げ試験の条件を示す。d):導電用の板及び条にも適用する。f):最小試験力は、4.903Nとする。引用元:JIS H 3100:銅及び銅合金の板及び条真鍮は、亜鉛量や熱処理、加工度などにより、機械的性質が大きく変化します。例えば、亜鉛を多く添加するほど引張強度は大きくなります。ただし、硬さを増すと同時に脆さも増してしまい、亜鉛の割合が45%を超えると実用的ではなくなります。

  • 【Mitsuri加工実績】A5052の板金加工・切削加工等の見積り依頼をするなら!

    A5052はアルミニウムにマグネシウムを添加したアルミ合金です。A5052は扱いやすく、アルミ合金の中でも代表的な定番材料です。弊社の金属加工プラットフォームサービス「Mitsuri」で見積り依頼される案件の中でも、素材としてA5052が選ばれることが多々あります。具体的な見積り依頼実績数をご紹介します。Mitsuriで見積り依頼されたA5052の金属加工案件MitsuriでのA5052加工案件は多岐にわたりますが、その中でも一部抜粋して板金加工と切削加工をカウントするとこれだけあります。 A5052の板金加工のMitsuri見積り依頼207 A5052の切削加工のMitsuri見積り依頼103A5052はアルミ合金の中では、中程度の強度をもち、耐食性・溶接性に優れます。主に板材と丸棒が流通しており、特に板材の流通性が非常に高いため仕入れやすく、依頼に対する見積り回答も多くつきやすいです(*1)。(*1)「依頼に対する見積り回答も多くつきやすい」?→Mitsuriで金属加工の見積りを依頼すると、その依頼に対してMitsuri協力工場が見積り回答をお返しします。A5052の加工案件は複数の協力工場からの見積り回答がつきやすく、1回のご依頼で複数の相見積もりが取れます。Mitsuriで依頼可能なアルミ加工(一例)・切断加工・曲げ加工、板金加工・溶接・切削加工・プレス加工・線材加工一例となりますが、Mitsuriではさまざまなアルミ加工に対応しています。ご希望の加工内容によっては難しい場合もございますが、迷われた方は一度Mitsuriまでご相談ください。A5052の金属加工を依頼するならMitsuriまでお問い合わせください協力工場は日本全国350社以上ございます。A5052の金属加工をご検討中の方は、下のボタンをクリックしてぜひお気軽にお問い合わせください。

  • A1100の特徴、用途、他のアルミ合金との違い

    A1100とは、純度が99%以上の純アルミニウムとして分類される材料のことです。アルミニウムの性質をほぼ受け継いており、比較的軟らかいものの軽量で、導電性や熱伝導性に優れます。塑性加工に適した材料ですが、軟らかいゆえに切削加工は困難です。表面に形成される酸化皮膜によって高い耐食性を示し、アルマイト処理を施すことで耐食性のほか、耐摩耗性なども向上させることができる素材です。アルミ合金の中で、特に表面処理性が高く、アルマイト処理後の外観は良好です。日用品や導電材、建材など、幅広く用いられている材料で、私達の生活に欠かせないものとなっています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A1100の特徴、他のアルミ合金と比較A1100は、導電性や熱伝導性が高い上に、成形加工性や溶接性にも優れたアルミ合金です。空気中で表面に形成される酸化皮膜によって金属内部が保護されるため、耐食性にも優れます。反射性も高く、光や熱、電磁波などをよく反射します。鉄鋼やステンレス鋼と比べると強度に劣るものの、軽量であるために有用性の高い素材です。引用元:株式会社三和鍍金また、アルミ合金全般に言えることですが、A1100には、アルマイト処理と呼ばれる表面処理を行うことで、表面に分厚い酸化皮膜を形成させることが可能です。この酸化皮膜は、自然に形成される数ナノメートル程度の酸化皮膜と異なり、数十マイクロメートルにも達して、優れた耐食性と耐摩耗性を発揮します(上図)。A1100は、特に表面処理性が高く、あらかじめアルマイト処理が施されているものも販売されています。A1100の加工性について、鍛造や圧延、絞りなどの成形加工には適しているものの、切削加工には適していません。ただし、切削加工が不可能というわけではありません。工具が食い込んでしまうのを避けるために切り込み量を加減する、キズの原因となる切り屑の排出をスムーズにするなど、適切な対処を行うことで切削加工も可能です。参考:アルマイト処理について解説!アルマイト処理のメリットについても解説!他のアルミ合金との比較A1100は、1000番手系の中では、強度や切削加工性のバランスが良好でアルマイト処理を施した際の外観が良いという利点があります。A1050は、アルミニウムの純度が99.5%以上のアルミ合金で、A1100と比べると、導電性には優れるものの、軟らか過ぎる上に切削加工性にも劣ります。一方、A1200は、A1100と比較すると、機械的性質や切削性などに大きな違いはなく、表面処理性も特に良いわけではありません。そのため、電気的特性を重視する場合はA1050、A1050よりも強度が欲しい場合はA1100を選ぶと良いでしょう。A1100の2000~8000番手系のアルミ合金と比べたときの最も大きな違いは、その強度です。2000~8000番手系のアルミ合金は、銅(Cu)やマンガン(Mn)、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)などを加えることで、強度をはじめ、切削加工性や耐熱性、耐摩耗性などの様々な性質を改善したものです。例えば、ジュラルミンとして知られるA2017やアルミ缶の素材に使われるA5052は、焼なまし状態でも強度がA1100の倍以上あります。特に、A2017は、適切な熱処理が必要ですが、引張強さが400 MPaを上回ります。また、A5052は、切削加工性が良く、切削加工向けの材料として有用です。参考:アルミ材の種類について【専門家が語る】どのアルミ材を使えばいいか一目でわかる!A1100の化学成分(単位:%)材質名Si + FeCuMnZnその他Al個々合計A11000.95以下 0.05〜0.200.05以下0.10以下0.05以下0.15以下99.00以上A1100の化学成分は、JIS規格(JIS 4000:2014)によって上表のように規定されています。A1100は、純度99.00%以上のアルミに微量の銅(Cu)を加えたものです。添加された銅には、アルマイト処理後の光沢を良好にし、外観を白っぽくする効果があります。これは、A1050やA1200などの他の1000番手のアルミにはない特徴です。A1100の機械的性質材質名質別引張性質ブリネル硬させん断強さ(MPa) 疲れ強さ(MPa) 縦弾性係数×1000(kg/mm2)引張強さ(MPa) 耐力(MPa) 伸び(%)板(1.6mm厚)棒(12.7mmΦ)A1100O903535422360357.0H1211010512222870407.0H141251159183275507.0H161451406153885607.0H181651505134490607.0参照元:株式会社アルミネA1100の機械的性質は、上表の通りです。上表の「O」の性質は焼なましを施した最も軟らかい状態のもので、「H」の性質は冷間加工で生じた加工硬化によって強さが増加した状態のものです。「H」の後に続く数値には以下のような意味があります。・H12:1/4 硬質・H14:1/2 硬質・H16:3/4 硬質・H18:硬質金属は一般に加工硬化が進むと、展延性が低下して破断に至る可能性が高まります。そのため、硬化が進んだ金属に引き続き塑性加工を施すには、加熱して高温状態にし、軟化させる必要があります。A1100では、約200℃へ至るまでに段々と引張強さと耐力が減少して伸び率が増加し、約200℃を超えるとほぼ焼きなまし状態の機械的性質に戻ります。A1100の用途A1100は、日用品や電気機器、建材、タンク類、導電材など、幅広い用途があります。サビにくく腐食しにくい特性を持つことから、各種容器や家庭用品、台所などの器材など、身の回りの物に多く用いられています。高い熱伝導性を活かした熱交換器部品などの用途もあります。導電材料としての用途もあり、銅の代替材料として送電線や配電線にも使われています。反射性が高いことを活かして、照明器具やミラー、反射板などにも用いられます。建築用材料としての用途もありますが、強度が低いために構造材として使用することはできません。また、A1100は、耐食性が高いため、ジュラルミンを芯材として、A1100を外側に圧着したアルクラッド材の素材に使用されます。アルクラッド材は、芯材の高強度と外板の高耐食性を活かし、航空機材料などに利用されています。

  • A2011の特徴、成分、機械的性質、使い方

    A2011は、快削性合金と呼ばれ、高強度を示す2000番台のアルミ合金の中でも、特に切削加工性に優れる材質です。強度、被切削性に優れる一方で、耐食性に劣るという欠点もあり、使用環境によっては対策が必要です。A2011は、さまざまな機械・工業用部品として利用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A2011の特徴(強度、溶接性、耐食性、被切削性)A2011は、強度、被切削性に優れます。A2011は、銅(Cu)を含有するため、高い強度を示す一方で、耐食性は劣ります。また、A2011には鉛(Pb)とビスマス(Bi)が添加されているため、被切削性が良好です。ただし、A2011の溶融溶接性は低く、結合には主にリベット、ボルト接合、抵抗スポット溶接が用いられます。参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!A2011の用途A2011は、ボリュームシャフト、光学部品、ネジ部品などに用いられています。A2011の化学成分<A2011の成分、組成(単位:%)>材料記号SiFeCuMnMgCrZnV, Bi, Pb, Zr, Ni などTiその他AlA20110.40以下0.7以下5.0~6.0ーーー0.30以下Bi 0.20~0.6,Pb 0.20~0.6ー0.05以下(計0.15以下)残部引用元:JISH4040:アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A2011の化学成分を上表に示しました。A2011では、Cu(銅)を添加することで、引張強さ・硬さなど機械的性質を高めています。ただし、銅には耐食性を低下させるという欠点もあります。また、Pb(鉛)とBi(ビスマス)は切削加工性を向上させる目的で添加されています。A2011の機械的性質<A2011の機械的性質>質別引張性質ブリネル硬さ(HB W 10/500)せん断強さ(N/mm2)疲れ強さ(N/mm2)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸び(%)1.6mm 厚(L=50mm)12.5mm径(L=5D)T3380295ー1395220125T8405310ー10100240125引用元:株式会社UACJ「アルミポケットブック第2版」p38A2011の機械的性質は上表の通りです。A2011の物理的性質<A2011の物理的性質>質別密度(20℃)(Mg/m3)溶解温度範囲(℃)導電率(20℃)(IACS,%)熱伝導度(20℃)(kW/m•℃)縦弾性係数(kN/mm2)T32.82541〜638390.1570.6T8450.17引用元:株式会社UACJ「アルミポケットブック第2版」p50A2011の物理的性質は上表の通りです。A2011の使い方・選び方前述した通り、A2011は鉛(Pb)を0.2~0.6%含みます。鉛は、環境負荷物質として規制されている場合もあるため、選定時には注意が必要です。ただし、近年では非鉛快削アルミ合金として、鉛の代わりにスズ(Sn)を添加した材質も開発されているため、場合によってはこのような材料を選定すると良いでしょう。

  • A6061の特徴、成分、機械的性質

    A6061は、アルミニウム(Al)にマグネシウム(Mg)とシリコン(Si)を加えた【Al-Mg-Si(6000)系】のアルミ合金です。No.6000系のアルミ合金は、熱伝導率の関係で、溶接個所や周辺部位にまで熱による強度低下が起きるため、ボルトやナットなどの機械的な接合で用いられることが多い材料です。A6061も同様の特徴がある一方で、耐食性に優れているため、自動車用部品などに採用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A6061の特徴(耐食性)A6061は耐食性に優れていますが、溶接継手強度は低い特徴があります。しかし、T6処理(溶体化処理後、人工時効硬化処理を施したもの)を施すことで、引張強さは260N/mm2以上、耐力は240N/mm2以上まで強度を高めることが可能です。流通している材料の形状は、丸棒と板が一般的です。A6061の化学成分JIS規格の【JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線】にて記載されている化学成分は下記表の通りです。<A6061の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnTiその他a)Al個々合計A60610.40~0.80.7以下0.15~0.400.15以下0.8~1.20.04~0.350.25以下0.15以下0.05以下0.15以下残部注記a):その他の元素とは、この表で示されていないが存在の予知される場合又は通常の分析過程において、規定の値を超えるおそれがある場合に、製造業者の判断によって分析する元素である。“個々”の値は、表で示されている元素以外の個々の成分値であり、“合計”の値は、個々の成分値を合計したものである。引用元:JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A6061の機械的性質JIS規格の【JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線】にて記載されている機械的性質は下記表の通りです。<A6061の押出棒の機械的性質>合金番号質別a)引張試験径、厚さ又は対辺距離mm断面積cm2引張強さN/mm2耐力N/mm2伸びb)%A50mmA6061Oe)全て-145以下110以下16以上-T4d)T4511d)全て-180以上110以上16以上14以上T42f)全て-175以上85以上16以上-T6d)T62f)T6511d)6以下-260以上240以上8以上7以上6を超え-260以上240以上10以上9以上<A6061の引抜棒及び引抜線の機械的性質>合金番号質別a)引張試験径、厚さ又は対辺距離mm断面積cm2引張強さN/mm2耐力N/mm2伸びb)%A50mmA6061Oe)3以下-145以下---3を超え100以下-145以下-18以上-H133以上10以下-155以上205以下---H1810以下-210以上---T39d)6以下-310以上---6を超え-260以上---T43以下-205以上---3を超え100以下300以下205以上110以上18以上16以上T42f)3以下-205以上--3を超え100以下300以下205以上95以上18以上-T6T62f)3以下-290以上---3を超え100以下300以下290以上240以上10以上9以上T89d)6以下-300以上---注記a):質別は、JIS H 0001によるb):伸びの測定は、標点距離の異なる次の二つの方法のいずれかを採用する。特に、注文者からの指定がない場合は、A50mmによる。ただし、A50mmの規定がない場合は、Aによる。A50mm:50mm標点距離における伸びA:5.65√S0の標点距離における伸び(S0:試験片の平行部の断面積、mm2)d):押出後の冷却が制御され、室温で固溶状態が保たれた材料に適用してもよい。e):質別Oの材料は、質別T42又はT62の材料の基礎となるものであり、注文者からの要求がある場合は、注文者において適切な熱処理をした場合に、質別T42又はT62の材料の性能を保証しなければならない。f):質別T42の材料の機械的性質は、注文者が質別Oの材料を用いて溶体化処理後、十分な安定状態で自然時効硬化処理をした場合に適用する。また、質別T62の材料の機械的性質は、注文者が質別Oの材料を用いて溶体化処理後、人工時効硬化処理した場合に適用する。ただし、注文者において溶体化処理する前に何らかの冷間加工又は熱間加工をした場合には、規格値より低くなることがある。引用元:JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A6061の物理的性質質別導電率(20℃, IACS,%)熱伝導率(25℃、kW/(m・℃))線膨張係数(20~100℃×10-⁶)縦弾性係数(×1000Kg/kgf/mm²)比重溶解温度範囲(℃)T4400.1523.67.002.70582~652T6430.1723.67.002.70582~652引用元:阪根商事株式会社A6061の用途A6061は耐食性に優れる一方で、溶接性に劣ることから以下のような用途に採用されています。用途例:ボルトやリベット接合の構造用材・自動車用部品などA6061の使い分けアルミ合金の代表的なものにA5052とA2017(ジュラルミン)があります。ここでは、これらの材料とA6061の使い分けをご紹介します。A6061とA5052の使い分けA5052は耐食性・溶接性に優れているのが特徴です。また、強度についてもアルミ合金のなかでは中程度の数値を示しています。A6061は耐食性が高く、T6処理を行うことで高い強度を得られますが、溶接継手強度が低い点はデメリットです。これらを比較すると、強度はA6061の方が優れており、溶接継手としてはA6061の方が不向きのため、強度を重視したい場合はA6061を、溶接が必要な製品を作る場合はA5052を用いるのがおすすめです。参考:A5052の化学成分、機械的性質、強度A6061とA2017(ジュラルミン)の使い分けA2017はアルミ合金のなかでも優れた強度を持ち、T6処理を施したA6061よりも強度が高い特徴があります。しかし耐食性に関しては劣るので、強度を重視したい場合はA2017を、ある程度の強度と耐食性を備えた材料を使いたい場合はA6061を使うのがおすすめです。参考:A2017(ジュラルミン)の強度|A2024・A7075との関係

  • C5191(りん青銅)の特徴、機械的性質、物理的性質

    C5191は、りん青銅と呼ばれる金属材料の一種です。りん青銅は、銅(Cu)とスズ(Sn)の合金である青銅に、りん(P)を加えることで、青銅内部に含まれる酸化銅を脱酸した金属です。C5191は、りん青銅のなかでもスズの含有量が多く、強度や耐摩耗性を向上させています。参考:【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!参考:リン青銅とは!?特性や用途について専門家が解説!C5191(りん青銅)の特徴(導電性、耐摩耗性、耐応力腐食割れ)C5191(りん青銅)は、展延性・耐摩耗性・耐食性・耐応力腐食割れに優れており、ばね材に適した材料です。JIS規格の【JIS H 3110:2018】では、高性能のばね性を要求するものは、ばね用りん青銅を用いるのがよいとされています。C5191は、スズ(Sn)を5.5~7.0%と多く含有している金属材料です。りん青銅はスズを多く含有するほど、強度と耐摩耗性が向上しますが、その一方で導電性や熱伝導率の値は低下する特徴があります。C5191の用途は、電気機器用ばね・スイッチ・コネクタ・ヒューズグリップ・しゅう動片軸受けなどが代表的です。参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法参考:銅の加工ならMitsuri!1コ〜お受けいたします!C5191の化学成分<C5191 板及び条の化学成分(単位:%)>合金番号CuPbFeSnZnMnNiPC5191a)0.02以下0.10以下5.5~7.0a)0.20以下--0.03~0.35a)注記a):Cuを分析し、Cu+Sn+P=99.5以上とする。引用元:JIS H 3110:2018 りん青銅及び洋白の板及び条C5191の機械的性質<C5191 板及び条の機械的性質>質別製品記号引張試験曲げ試験硬さ試験厚さの区分mm引張強さN/mm2伸び%厚さの区分a)mm曲げ角度b)内側半径b)厚さの区分mmビッカース硬さc)HVOC5191 P-OC5191 R-O0.10以上5.0以下315以上42以上0.10以上1.6以下180°又はW厚さの0.5倍--0.10以上0.50以下1/4HC5191 P-1/4HC5191 R-1/4H0.10以上5.0以下390~51035以上0.10以上1.6以下180°又はW厚さの1倍0.10以上5.0以下100~1600.10以上0.50以下1/2HC5191 P-1/2HC5191 R-1/2H0.10以上5.0以下490~61020以上0.10以上1.6以下180°又はW厚さの1.5倍0.10以上5.0以下150~2050.10以上0.50以下HC5191 P-HC5191 R-H0.10以上5.0以下590~6858以上0.10以上1.6以下180°又はW厚さの2倍0.10以上5.0以下180~2300.10以上0.50以下EHC5191 P-EHC5191 R-EH0.10以上0.20未満635~720----0.50以上5.0以下200~2400.20以上5.0以下5以上SHC5191 P-SHC5191 R-SH0.10以上5.0以下690以上----0.05以上5.0以下210以上注記a):各欄の上段は、試験片を板又は条の圧延方向に取った場合、下段は試験片を板又は条の圧延方向と直角に取った場合を示す。b):曲げ試験の試験条件を示す。Wは、W曲げ試験を表す。c):最小試験力は、1.961Nとする。引用元:JIS H 3110:2018 りん青銅及び洋白の板及び条C5191の物理的性質<C5191の物理的性質>液相融点(℃)固相融点(℃)比熱線膨張係数(20~300℃)[×10-⁶・K]縦弾性係数[kN/mm²]導電率[%IACS]体積低効率[10-3μΩ・m]熱伝導率[W/(m・K)]比重(20℃)104591037718.010513133.0678.83引用元:阪根商事株式会社

  • C2801(真鍮)の化学成分、機械的性質

    C2801は、黄銅(銅と亜鉛の合金)の一種で、銅(Cu)約60%、亜鉛(Zn)約40%の成分割合を持つことから六四黄銅に分類されます。また、「真鍮」とも呼ばれ、加工性に優れ、安価でかつ市場性が高いことから、日用品や宝飾、工業用品、治具などさまざまな所で使用されている材料です。参考:【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!参考:【黄銅とは?】特性や用途について専門家が詳しく解説!C2801の特徴と用途C2801は、冷間加工性には劣るものの、熱間加工性に優れた黄銅です。また、強度、展延性、メッキ性にも優れ、さらに安価で市場性が良いことから、幅広い用途で使用されています。C2801の用途としては、配線器具の部品、熱交換機、衛生管、機械部品などの工業用品、切削ケースなどの治具、ネームプレートなどの日用品、アクセサリー金具、チェーンなどの宝飾が挙げられます。参考:真鍮の加工方法を加工実績と共に徹底紹介!!C2801の化学成分<C2801の成分、組成(単位:%)>材料記号CuPbFeSnZnAlMnNiPZrC280159.0~62.00.10以下0.07以下-残部-----引用元:JISH3100:銅及び銅合金の板及び条C2801の化学成分は上表の通りです。C2801の機械的性質質別製品記号引張試験曲げ試験硬さ試験(参考)厚さの区分(mm)引張強さ(N/mm2)伸び(%)厚さの区分(mm)曲げ角度内側半径厚さの区分(mm)ビッカース硬さ(HV)OC 2801 P-O0.30以上 1.0 以下325以上35以上0.30以上2.0以下180°厚さの1倍––1.0を超え 30 以下40以上C 2801 R-OC 2801 RS-O0.30以上 1.0 以下35以上1.0を超え 3.0 以下40以上1/4HC 2801 P-1/4H0.30以上 30 以下355~44025以上0.30以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.30以上30以下85~145 C 2801 R-1/4HC 2801 RS-1/4H0.30以上 3.0 以下0.30以上3.0以下1/2HC 2801 P-1/2H0.30以上 20 以下410~49015以上0.30以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.30以上20以下105~160C 2801 R-1/2HC 2801 RS-1/2H0.30以上 3.0 以下0.30以上3.0以下HC 2801 P-H0.30以上 10以下470以上–0.30以上2.0以下90°厚さの1倍0.30以上10以下130以上C 2801 R-HC 2801 RS-H0.30以上 3.0以下0.30以上3.0以下 引用元:JISH3100:銅及び銅合金の板及び条C2801の機械的性質は上表の通りです。

  • C1020(無酸素銅)特徴、用途、機械的性質

    C1020とは、無酸素銅と呼ばれる純銅の代表的な材料のことです。純銅は銅の成分が99.90%以上で構成されている材料を表しており、代表的なものとして、C1020(無酸素銅)、C1100(タフピッチ銅)、リン脱酸銅(C1220)が挙げられます。C1020(無酸素銅)は、銅の純度が99.96%以上と高く、その他の元素を含まないことから優れた特性を示し、さまざまな用途で使われています。参考:【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!C1020の特徴純銅の共通の特徴は、導電性・熱伝導性・展延性・絞り加工性に優れ、耐候性・耐食性も良好である点です。C1020(無酸素銅)は、酸素を含まないことから、高温加熱しても水素脆化が発生しません。そのためC1020は、溶接やろう付けを必要とする製品に適した材料です。参考:水素脆性割れとは?原因と対策、ベーキング処理参考:銅の加工ならMitsuri!1コ〜お受けいたします!C1020の用途C1020(無酸素銅)は不純物を含まないため、導電性・熱伝導性に優れた材料です。この特徴から、電気用・化学工業用などの製品に多く採用されています。用途例)バスバー・ヒートスプレッダー・トランス用コイル材・ガスケットC1020の化学成分<C1020の化学成分(単位:%)>合金番号CuPbFeSnZnAlMnNiPZrC102099.96以上---------引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条C1020の機械的性質<C1020の板及び条の機械的性質>質別製品記号d)引張試験曲げ試験a)硬さ試験a)(参考)厚さの区分mm引張強さb)N/mm2伸びb)%厚さの区分mm曲げ角度c)内側半径c)厚さの区分mmビッカース硬さb)HVOC1020 P-OC1020 PS-O0.10以上0.15未満195以上20以上0.10以上2.0以下180°密着--0.15以上0.30未満30以上0.30以上30以下35以上C1020 R-OC1020 RS-O0.10以上0.15未満20以上0.15以上0.30未満30以上0.30以上4.0以下35以上1/4HC1020 P-1/4HC1020 PS-1/4H0.10以上0.15未満215~28515以上0.10以上2.0以下180°厚さの0.5倍0.30以上30以下55~100e)0.15以上0.30未満20以上0.30以上30以下215~27525以上C1020 R-1/4HC1020 RS-1/4H0.10以上0.15未満215~28515以上0.30以上4.0以下0.15以上0.30未満20以上0.30以上4.0以下215~27525以上1/2HC1020 P-1/2HC1020 PS-1/2H0.10以上0.15未満235~315-0.10以上2.0以下180°厚さの1倍0.20以上20以下75~120e)0.15以上0.30未満10以上0.30以上20以下245~31515以上C1020 R-1/2HC1020 RS-1/2H0.10以上0.15未満235~315-0.10以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.20以上4.0以下0.15以上0.30未満10以上0.30以上4.0以下245~31515以上HC1020 P-HC1020 PS-H0.10以上10以下275以上-0.10以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.20以上10以下80以上e)C1020 R-HC1020 RS-H0.10以上4.0以下0.20以上4.0以下注記a):曲げ試験及び硬さ試験に関して規定した厚さの区分を外れるものは、試験を適用しない。b):数値は、整数値に丸める。c):曲げ試験の条件を示す。d):導電用の板及び条にも適用する。e):最小試験力は、1.961Nとする。引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

  • A7075(超々ジュラルミン)化学成分、強度、腐食、機械的性質

    A7075は、Al-Zn-Mg-Cu系の成分を持つアルミ合金です。A7075は、一般に「超々ジュラルミン」と呼ばれ、アルミ合金の中でもトップクラスの強度を有する材質の一つです。強度に優れる一方、応力腐食割れや耐食性に劣るという欠点があるものの、航空機、スポーツ用品、機械部品など、さまざまな分野で使用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A7075の特徴・用途、耐食性A7075の特徴は、非常に高い強度を持つことです。また、鉄鋼材料と比較して軽量であることから、さまざまな用途で使用されています。ただし、A7075は価格が高いため、多くの場合、強度が必要とされる箇所に限って使用されます。A7075の用途としては、航空機、人工衛星、ロケット、自動車部品、溶接構造材や各種金型などの工業用部品、スキー板や金属バットなどのスポーツ用品、自転車、ロボットなどが挙げられます。このように幅広い分野で利用されているA7075ですが、応力腐食割れや耐食性に劣るという難点があることから、使用環境によっては対策が必要です。参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法A7075の化学成分<A7075の成分、組成(単位:%)>材料記号SiFeCuMnMgCrZnTiその他AlA70750.40以下0.50以下1.2~2.00.30以下2.1~2.90.18~0.285.1~6.10.20以下0.05以下(計0.15以下)残部引用元:JISH4000:アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条A7075の化学成分を上表に示しました。A7075は、Al-Zn-Mg-Cu系のアルミ合金です。A7075では、Zn(亜鉛)とMg(マグネシウム)に加え、Cu(銅)を添加することで、非常に高い強度を得ています。A7075の機械的性質(強度、硬度等)<A7075(質別:T6)の機械的性質>ブリネル硬さ(HB)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)せん断強さ(N/mm2)疲れ強さ(N/mm2)伸び(%)板伸び(%)棒150570505330160119A7075の機械的性質を上表に示しました。A7075は、アルミ合金の中でも、非常に高い強度を示す反面、溶接性や耐食性に劣ります。A7075の物理的性質<A7075の物理的性質>融点℃密度(g/cm3)ヤング率(縦弾性係数)GPa剛性率(横弾性係数)GPaポアソン比線膨張率(ppm/K)定圧比熱(J/kg•K)熱伝導率(W/m•K)約660.42.870.7260.3323.6962130A7075の物理的性質は上表の通りです。

  • A6063の化学成分、機械的性質、強度、耐力

    A6063は、A6000系(Al-Mg-Si系)のなかでも代表的な押出用合金です。A6061より強度は劣るものの、押出加工性が良好で複雑な断面形状でも成形できるほか、耐食性と表面処理性にも優れています。主な用途としては、サッシなどの建築用材・土木用材・車両用材・家電製品などに採用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A6063の化学成分<合金番号6063の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnTiその他Al個々合計60630.20~0.60.35以下0.10以下0.10以下0.45~0.90.10以下0.10以下0.10以下0.05以下0.15以下残部引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材A6063の機械的性質(引っ張り強さ、耐力、伸び等)<合金番号6063の機械的性質>合金番号質別a)引張試験硬さ試験試験箇所の肉厚(mm)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸びb)(%)試験箇所の肉厚(mm)HV5A50mmA6063T112以下120以上60以上12以上---12を超え25以下110以上55以上12以上---T4c)25以下130以上65以上12以上14以上--T5d)12以下150以上110以上8以上7以上0.8以上58以上12を超え25以下145以上105以上8以上7以上T6c)3以下205以上170以上8以上---3を超え25以下205以上170以上10以上---T64c)15以上180以上120以上10以上12以上--T66c)10以下245以上200以上6以上8以上--10を超え25以下225以上180以上6以上8以上--a):質別は、JIS H 0001による。b):伸びの測定は、標点距離の異なる次の二つの方法のいずれかを採用する。特に、注文者からの指定がない場合は、A50mmによる。ただし、A50mmの規定がない場合は、Aによる。A50mm:50mm標点距離における伸びA:5.65√S0の標点距離における伸び(S0:試験片の平行部の断面積、mm2)c):押出後び冷却が制御され、室温で固溶状態が保たれた材料に適用してもよい。d):質別T5の機械的性質は、引張試験又は硬さ試験のいずれかによる。引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材A6063の物理的性質(密度、比重等)<合金番号6063の物理的性質>質別導電率(20℃, IACS,%)熱伝導率(25℃、kW/(m・℃))線膨張係数(20~100℃×10-⁶)縦弾性係数(×1000Kg/kgf/mm²)比重溶解温度範囲(℃)T5550.2123.47.002.69625~655T6530.2023.47.002.69625~655引用元:阪根商事株式会社A6063の加工性(押出加工性、耐食性、溶接の継手効率)A6063はアルミ合金のなかでも代表的な押出用材料です。押出加工性に優れているため、高精度の製品を成形できます。また、アルミニウムの特徴である酸化皮膜を形成することから、耐食性も良好です。溶接に関しては継手効率が低く、ビスやリベット、ボルトナットなどによる接合を採用しているケースが多いです。参考:【押し出し加工】とは?仕組みや特徴、種類、製品例について徹底解説!参考:【アルミの基礎】アルミの加工上の特性やメリット/デメリットまで徹底解説!参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!

  • 真鍮とは?特徴、メリット・デメリット、性質を解説

    今回は真鍮の特徴や性質について解説します。真鍮は、銅と亜鉛の合金で、別名「黄銅」とも呼ばれる材料です。私たちが生活のなかで用いている5円玉も、真鍮を材料としています。銅と同じく加工性に優れており、世の中で使われている銅の大半は、純銅と真鍮であるとも言われています。参考:真鍮の加工方法を加工実績と共に徹底紹介!!真鍮とは真鍮とは、別名「黄銅」とも呼ばれる銅と亜鉛の合金のことで、亜鉛が20%以上のものを指します。真鍮の英語表記は「Brass」で、音楽のブラスバンドで使われるトランペットなどの楽器は、真鍮で作られています。真鍮は、亜鉛の添加量により特性が大きく変わるため、材料によっては「七三黄銅」や「六四黄銅」といったように、銅と亜鉛の比率を示した名称が使われているものもあります。真鍮は、主に伸ばしたり圧縮したりする加工である、伸銅品として使われることが多い材料です。代表的なものとして、金管楽器以外にも5円硬貨や水洗トイレの給水管、金属模型などが挙げられます。また、見た目が黄金色で美しく、酸化するとアンティークな雰囲気を漂わせることから、アクセサリーに使われることも多くあります。真鍮の特徴真鍮のメリット真鍮のメリットは、優れた加工性と耐食性、電気伝導性・比較的高い強度・価格が安価な点です。加工においては、熱間鍛造性・展延性・転造性・切削加工性に優れており、めっきやはんだ付けがしやすい特徴もあります。高い電気伝導性があるので、端子コネクターのような電気製品の部品として使われることも多くあります。また、真鍮は空気中で徐々に表面が酸化し黒ずんでいくものの、酸化皮膜となって内部を保護するため、全体が腐食するのを防止します。真鍮のデメリット真鍮は、応力腐食割れの一種とされる「置割れ」が発生する場合があります。置割れは、機械加工などを施した真鍮が、日時の経過により、大気中の水分や二酸化炭素などが結晶粒界に腐食を引き起こし、粒界腐食を起こす現象を指します。置割れを回避するには、めっきや塗装を施したり、焼きなましで内部応力を除去するのが有効です。また、ラテックスなどのゴム類に接触すると、ゴムが分解腐食してしまうデメリットもあります。参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法参考:焼き入れとは?焼き入れの種類ごとの特徴に分けて解説!真鍮の種類黄銅(C2600)C2600は、七三黄銅とも呼ばれる材料で、銅と亜鉛の比率が70:30の黄銅です。銅の割合が高く、絞り加工性に優れています。C2600の主な用途は、端子コネクター・配線器具・カメラ部品などです。●C2600の化学成分(単位:%)合金番号CuPbFeZnC260068.5~71.50.05以下0.05以下残部 a)a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条黄銅(C2680)C2680は、銅と亜鉛の比率が65:35の黄銅です。C2600と同様に絞り加工性がよく、深絞り用として採用されています。C2680の用途は、C2600と同じく、端子コネクターや配線器具、カメラ部品などが挙げられます。●C2680の化学成分(単位:%)合金番号CuPbFeZnC268064.0~68.00.05以下0.05以下残部 a)a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条黄銅(C2801)C2801は、六四黄銅とも呼ばれる材料で、銅と亜鉛の比率が60:40の黄銅を指します。冷間加工性に劣るものの、熱間加工性や強度に優れており、展延性も良好です。C2801の主な用途は、衛生管・機械部品・配線器具などが挙げられます。●C2801の化学成分(単位:%)合金番号CuPbFeZnC280159.0~62.00.10以下0.07以下残部 a)a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条参考:C2801(真鍮)の化学成分、機械的性質ネーバル黄銅(C4641)C4641は、黄銅に少量の錫を添加した材料です。C4600台の黄銅を「ネーバル黄銅(海軍黄銅)」とも呼びます。C4641は耐食性(特に耐海水性)がよく、船舶用部品やシャフトなどに用いられます。錫により硬度と強度を向上させていますが、一方で伸びは減少しています。●C4641の化学成分(単位:%)合金番号CuPbFeSnZnC464159.0~62.00.50以下0.20以下0.50~1.00残部 a)a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはZn以外の分析しない元素が含まれる。引用元:JIS H 3250:2021 銅及び銅合金の棒真鍮の機械的性質ここでは真鍮のC2801の機械的性質を以下に示します。●C2801の機械的性質質別製品記号引張試験曲げ試験 a)硬さ試験 a)(参考)厚さの区分(mm)引張強さ b)(N/mm2)伸び b)(%)厚さの区分(mm)曲げ角度 c)内側半径 c)厚さの区分(mm)ビッカース硬さ b)(HV)OC 2801 P-O d)0.30以上1.0以下325以上35以上0.30以上2.0以下180°厚さの1倍--1.0を超え30以下40以上C 2801 R-O d)C 2801 RS-O d)0.30以上1.0以下35以上1.0を超え3.0以下40以上1/4HC 2801 P-1/4H d)0.30以上30以下355~44025以上0.30以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.30以上30以下85~145 f) C 2801 R-1/4H d)C 2801 RS-1/4H d)0.30以上3.0以下0.30以上3.0以下1/2HC 2801 P-1/2H d)0.30以上20以下410~49015以上0.30以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.30以上20以下105~160 f)C 2801 R-1/2H d)C 2801 RS-1/2H d)0.30以上3.0以下0.30以上3.0以下HC 2801 P-H d)0.30以上10以下470以上-0.30以上2.0以下90°厚さの1倍0.30以上10以下130以上 f)C 2801 R-H d)C 2801 RS-H d)0.30以上3.0以下0.30以上3.0以下a):曲げ試験及び硬さ試験に関して規定した厚さの区分を外れるものは、試験を適用しない。b):数値は、整数値に丸める。c):曲げ試験の条件を示す。d):導電用の板及び条にも適用する。f):最小試験力は、4.903Nとする。引用元:JIS H 3100:銅及び銅合金の板及び条真鍮は、亜鉛量や熱処理、加工度などにより、機械的性質が大きく変化します。例えば、亜鉛を多く添加するほど引張強度は大きくなります。ただし、硬さを増すと同時に脆さも増してしまい、亜鉛の割合が45%を超えると実用的ではなくなります。

  • 【Mitsuri加工実績】A5052の板金加工・切削加工等の見積り依頼をするなら!

    A5052はアルミニウムにマグネシウムを添加したアルミ合金です。A5052は扱いやすく、アルミ合金の中でも代表的な定番材料です。弊社の金属加工プラットフォームサービス「Mitsuri」で見積り依頼される案件の中でも、素材としてA5052が選ばれることが多々あります。具体的な見積り依頼実績数をご紹介します。Mitsuriで見積り依頼されたA5052の金属加工案件MitsuriでのA5052加工案件は多岐にわたりますが、その中でも一部抜粋して板金加工と切削加工をカウントするとこれだけあります。 A5052の板金加工のMitsuri見積り依頼207 A5052の切削加工のMitsuri見積り依頼103A5052はアルミ合金の中では、中程度の強度をもち、耐食性・溶接性に優れます。主に板材と丸棒が流通しており、特に板材の流通性が非常に高いため仕入れやすく、依頼に対する見積り回答も多くつきやすいです(*1)。(*1)「依頼に対する見積り回答も多くつきやすい」?→Mitsuriで金属加工の見積りを依頼すると、その依頼に対してMitsuri協力工場が見積り回答をお返しします。A5052の加工案件は複数の協力工場からの見積り回答がつきやすく、1回のご依頼で複数の相見積もりが取れます。Mitsuriで依頼可能なアルミ加工(一例)・切断加工・曲げ加工、板金加工・溶接・切削加工・プレス加工・線材加工一例となりますが、Mitsuriではさまざまなアルミ加工に対応しています。ご希望の加工内容によっては難しい場合もございますが、迷われた方は一度Mitsuriまでご相談ください。A5052の金属加工を依頼するならMitsuriまでお問い合わせください協力工場は日本全国350社以上ございます。A5052の金属加工をご検討中の方は、下のボタンをクリックしてぜひお気軽にお問い合わせください。

  • A1100の特徴、用途、他のアルミ合金との違い

    A1100とは、純度が99%以上の純アルミニウムとして分類される材料のことです。アルミニウムの性質をほぼ受け継いており、比較的軟らかいものの軽量で、導電性や熱伝導性に優れます。塑性加工に適した材料ですが、軟らかいゆえに切削加工は困難です。表面に形成される酸化皮膜によって高い耐食性を示し、アルマイト処理を施すことで耐食性のほか、耐摩耗性なども向上させることができる素材です。アルミ合金の中で、特に表面処理性が高く、アルマイト処理後の外観は良好です。日用品や導電材、建材など、幅広く用いられている材料で、私達の生活に欠かせないものとなっています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A1100の特徴、他のアルミ合金と比較A1100は、導電性や熱伝導性が高い上に、成形加工性や溶接性にも優れたアルミ合金です。空気中で表面に形成される酸化皮膜によって金属内部が保護されるため、耐食性にも優れます。反射性も高く、光や熱、電磁波などをよく反射します。鉄鋼やステンレス鋼と比べると強度に劣るものの、軽量であるために有用性の高い素材です。引用元:株式会社三和鍍金また、アルミ合金全般に言えることですが、A1100には、アルマイト処理と呼ばれる表面処理を行うことで、表面に分厚い酸化皮膜を形成させることが可能です。この酸化皮膜は、自然に形成される数ナノメートル程度の酸化皮膜と異なり、数十マイクロメートルにも達して、優れた耐食性と耐摩耗性を発揮します(上図)。A1100は、特に表面処理性が高く、あらかじめアルマイト処理が施されているものも販売されています。A1100の加工性について、鍛造や圧延、絞りなどの成形加工には適しているものの、切削加工には適していません。ただし、切削加工が不可能というわけではありません。工具が食い込んでしまうのを避けるために切り込み量を加減する、キズの原因となる切り屑の排出をスムーズにするなど、適切な対処を行うことで切削加工も可能です。参考:アルマイト処理について解説!アルマイト処理のメリットについても解説!他のアルミ合金との比較A1100は、1000番手系の中では、強度や切削加工性のバランスが良好でアルマイト処理を施した際の外観が良いという利点があります。A1050は、アルミニウムの純度が99.5%以上のアルミ合金で、A1100と比べると、導電性には優れるものの、軟らか過ぎる上に切削加工性にも劣ります。一方、A1200は、A1100と比較すると、機械的性質や切削性などに大きな違いはなく、表面処理性も特に良いわけではありません。そのため、電気的特性を重視する場合はA1050、A1050よりも強度が欲しい場合はA1100を選ぶと良いでしょう。A1100の2000~8000番手系のアルミ合金と比べたときの最も大きな違いは、その強度です。2000~8000番手系のアルミ合金は、銅(Cu)やマンガン(Mn)、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)などを加えることで、強度をはじめ、切削加工性や耐熱性、耐摩耗性などの様々な性質を改善したものです。例えば、ジュラルミンとして知られるA2017やアルミ缶の素材に使われるA5052は、焼なまし状態でも強度がA1100の倍以上あります。特に、A2017は、適切な熱処理が必要ですが、引張強さが400 MPaを上回ります。また、A5052は、切削加工性が良く、切削加工向けの材料として有用です。参考:アルミ材の種類について【専門家が語る】どのアルミ材を使えばいいか一目でわかる!A1100の化学成分(単位:%)材質名Si + FeCuMnZnその他Al個々合計A11000.95以下 0.05〜0.200.05以下0.10以下0.05以下0.15以下99.00以上A1100の化学成分は、JIS規格(JIS 4000:2014)によって上表のように規定されています。A1100は、純度99.00%以上のアルミに微量の銅(Cu)を加えたものです。添加された銅には、アルマイト処理後の光沢を良好にし、外観を白っぽくする効果があります。これは、A1050やA1200などの他の1000番手のアルミにはない特徴です。A1100の機械的性質材質名質別引張性質ブリネル硬させん断強さ(MPa) 疲れ強さ(MPa) 縦弾性係数×1000(kg/mm2)引張強さ(MPa) 耐力(MPa) 伸び(%)板(1.6mm厚)棒(12.7mmΦ)A1100O903535422360357.0H1211010512222870407.0H141251159183275507.0H161451406153885607.0H181651505134490607.0参照元:株式会社アルミネA1100の機械的性質は、上表の通りです。上表の「O」の性質は焼なましを施した最も軟らかい状態のもので、「H」の性質は冷間加工で生じた加工硬化によって強さが増加した状態のものです。「H」の後に続く数値には以下のような意味があります。・H12:1/4 硬質・H14:1/2 硬質・H16:3/4 硬質・H18:硬質金属は一般に加工硬化が進むと、展延性が低下して破断に至る可能性が高まります。そのため、硬化が進んだ金属に引き続き塑性加工を施すには、加熱して高温状態にし、軟化させる必要があります。A1100では、約200℃へ至るまでに段々と引張強さと耐力が減少して伸び率が増加し、約200℃を超えるとほぼ焼きなまし状態の機械的性質に戻ります。A1100の用途A1100は、日用品や電気機器、建材、タンク類、導電材など、幅広い用途があります。サビにくく腐食しにくい特性を持つことから、各種容器や家庭用品、台所などの器材など、身の回りの物に多く用いられています。高い熱伝導性を活かした熱交換器部品などの用途もあります。導電材料としての用途もあり、銅の代替材料として送電線や配電線にも使われています。反射性が高いことを活かして、照明器具やミラー、反射板などにも用いられます。建築用材料としての用途もありますが、強度が低いために構造材として使用することはできません。また、A1100は、耐食性が高いため、ジュラルミンを芯材として、A1100を外側に圧着したアルクラッド材の素材に使用されます。アルクラッド材は、芯材の高強度と外板の高耐食性を活かし、航空機材料などに利用されています。

  • A2011の特徴、成分、機械的性質、使い方

    A2011は、快削性合金と呼ばれ、高強度を示す2000番台のアルミ合金の中でも、特に切削加工性に優れる材質です。強度、被切削性に優れる一方で、耐食性に劣るという欠点もあり、使用環境によっては対策が必要です。A2011は、さまざまな機械・工業用部品として利用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A2011の特徴(強度、溶接性、耐食性、被切削性)A2011は、強度、被切削性に優れます。A2011は、銅(Cu)を含有するため、高い強度を示す一方で、耐食性は劣ります。また、A2011には鉛(Pb)とビスマス(Bi)が添加されているため、被切削性が良好です。ただし、A2011の溶融溶接性は低く、結合には主にリベット、ボルト接合、抵抗スポット溶接が用いられます。参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!A2011の用途A2011は、ボリュームシャフト、光学部品、ネジ部品などに用いられています。A2011の化学成分<A2011の成分、組成(単位:%)>材料記号SiFeCuMnMgCrZnV, Bi, Pb, Zr, Ni などTiその他AlA20110.40以下0.7以下5.0~6.0ーーー0.30以下Bi 0.20~0.6,Pb 0.20~0.6ー0.05以下(計0.15以下)残部引用元:JISH4040:アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A2011の化学成分を上表に示しました。A2011では、Cu(銅)を添加することで、引張強さ・硬さなど機械的性質を高めています。ただし、銅には耐食性を低下させるという欠点もあります。また、Pb(鉛)とBi(ビスマス)は切削加工性を向上させる目的で添加されています。A2011の機械的性質<A2011の機械的性質>質別引張性質ブリネル硬さ(HB W 10/500)せん断強さ(N/mm2)疲れ強さ(N/mm2)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸び(%)1.6mm 厚(L=50mm)12.5mm径(L=5D)T3380295ー1395220125T8405310ー10100240125引用元:株式会社UACJ「アルミポケットブック第2版」p38A2011の機械的性質は上表の通りです。A2011の物理的性質<A2011の物理的性質>質別密度(20℃)(Mg/m3)溶解温度範囲(℃)導電率(20℃)(IACS,%)熱伝導度(20℃)(kW/m•℃)縦弾性係数(kN/mm2)T32.82541〜638390.1570.6T8450.17引用元:株式会社UACJ「アルミポケットブック第2版」p50A2011の物理的性質は上表の通りです。A2011の使い方・選び方前述した通り、A2011は鉛(Pb)を0.2~0.6%含みます。鉛は、環境負荷物質として規制されている場合もあるため、選定時には注意が必要です。ただし、近年では非鉛快削アルミ合金として、鉛の代わりにスズ(Sn)を添加した材質も開発されているため、場合によってはこのような材料を選定すると良いでしょう。

  • A6061の特徴、成分、機械的性質

    A6061は、アルミニウム(Al)にマグネシウム(Mg)とシリコン(Si)を加えた【Al-Mg-Si(6000)系】のアルミ合金です。No.6000系のアルミ合金は、熱伝導率の関係で、溶接個所や周辺部位にまで熱による強度低下が起きるため、ボルトやナットなどの機械的な接合で用いられることが多い材料です。A6061も同様の特徴がある一方で、耐食性に優れているため、自動車用部品などに採用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A6061の特徴(耐食性)A6061は耐食性に優れていますが、溶接継手強度は低い特徴があります。しかし、T6処理(溶体化処理後、人工時効硬化処理を施したもの)を施すことで、引張強さは260N/mm2以上、耐力は240N/mm2以上まで強度を高めることが可能です。流通している材料の形状は、丸棒と板が一般的です。A6061の化学成分JIS規格の【JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線】にて記載されている化学成分は下記表の通りです。<A6061の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnTiその他a)Al個々合計A60610.40~0.80.7以下0.15~0.400.15以下0.8~1.20.04~0.350.25以下0.15以下0.05以下0.15以下残部注記a):その他の元素とは、この表で示されていないが存在の予知される場合又は通常の分析過程において、規定の値を超えるおそれがある場合に、製造業者の判断によって分析する元素である。“個々”の値は、表で示されている元素以外の個々の成分値であり、“合計”の値は、個々の成分値を合計したものである。引用元:JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A6061の機械的性質JIS規格の【JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線】にて記載されている機械的性質は下記表の通りです。<A6061の押出棒の機械的性質>合金番号質別a)引張試験径、厚さ又は対辺距離mm断面積cm2引張強さN/mm2耐力N/mm2伸びb)%A50mmA6061Oe)全て-145以下110以下16以上-T4d)T4511d)全て-180以上110以上16以上14以上T42f)全て-175以上85以上16以上-T6d)T62f)T6511d)6以下-260以上240以上8以上7以上6を超え-260以上240以上10以上9以上<A6061の引抜棒及び引抜線の機械的性質>合金番号質別a)引張試験径、厚さ又は対辺距離mm断面積cm2引張強さN/mm2耐力N/mm2伸びb)%A50mmA6061Oe)3以下-145以下---3を超え100以下-145以下-18以上-H133以上10以下-155以上205以下---H1810以下-210以上---T39d)6以下-310以上---6を超え-260以上---T43以下-205以上---3を超え100以下300以下205以上110以上18以上16以上T42f)3以下-205以上--3を超え100以下300以下205以上95以上18以上-T6T62f)3以下-290以上---3を超え100以下300以下290以上240以上10以上9以上T89d)6以下-300以上---注記a):質別は、JIS H 0001によるb):伸びの測定は、標点距離の異なる次の二つの方法のいずれかを採用する。特に、注文者からの指定がない場合は、A50mmによる。ただし、A50mmの規定がない場合は、Aによる。A50mm:50mm標点距離における伸びA:5.65√S0の標点距離における伸び(S0:試験片の平行部の断面積、mm2)d):押出後の冷却が制御され、室温で固溶状態が保たれた材料に適用してもよい。e):質別Oの材料は、質別T42又はT62の材料の基礎となるものであり、注文者からの要求がある場合は、注文者において適切な熱処理をした場合に、質別T42又はT62の材料の性能を保証しなければならない。f):質別T42の材料の機械的性質は、注文者が質別Oの材料を用いて溶体化処理後、十分な安定状態で自然時効硬化処理をした場合に適用する。また、質別T62の材料の機械的性質は、注文者が質別Oの材料を用いて溶体化処理後、人工時効硬化処理した場合に適用する。ただし、注文者において溶体化処理する前に何らかの冷間加工又は熱間加工をした場合には、規格値より低くなることがある。引用元:JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A6061の物理的性質質別導電率(20℃, IACS,%)熱伝導率(25℃、kW/(m・℃))線膨張係数(20~100℃×10-⁶)縦弾性係数(×1000Kg/kgf/mm²)比重溶解温度範囲(℃)T4400.1523.67.002.70582~652T6430.1723.67.002.70582~652引用元:阪根商事株式会社A6061の用途A6061は耐食性に優れる一方で、溶接性に劣ることから以下のような用途に採用されています。用途例:ボルトやリベット接合の構造用材・自動車用部品などA6061の使い分けアルミ合金の代表的なものにA5052とA2017(ジュラルミン)があります。ここでは、これらの材料とA6061の使い分けをご紹介します。A6061とA5052の使い分けA5052は耐食性・溶接性に優れているのが特徴です。また、強度についてもアルミ合金のなかでは中程度の数値を示しています。A6061は耐食性が高く、T6処理を行うことで高い強度を得られますが、溶接継手強度が低い点はデメリットです。これらを比較すると、強度はA6061の方が優れており、溶接継手としてはA6061の方が不向きのため、強度を重視したい場合はA6061を、溶接が必要な製品を作る場合はA5052を用いるのがおすすめです。参考:A5052の化学成分、機械的性質、強度A6061とA2017(ジュラルミン)の使い分けA2017はアルミ合金のなかでも優れた強度を持ち、T6処理を施したA6061よりも強度が高い特徴があります。しかし耐食性に関しては劣るので、強度を重視したい場合はA2017を、ある程度の強度と耐食性を備えた材料を使いたい場合はA6061を使うのがおすすめです。参考:A2017(ジュラルミン)の強度|A2024・A7075との関係

  • C5191(りん青銅)の特徴、機械的性質、物理的性質

    C5191は、りん青銅と呼ばれる金属材料の一種です。りん青銅は、銅(Cu)とスズ(Sn)の合金である青銅に、りん(P)を加えることで、青銅内部に含まれる酸化銅を脱酸した金属です。C5191は、りん青銅のなかでもスズの含有量が多く、強度や耐摩耗性を向上させています。参考:【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!参考:リン青銅とは!?特性や用途について専門家が解説!C5191(りん青銅)の特徴(導電性、耐摩耗性、耐応力腐食割れ)C5191(りん青銅)は、展延性・耐摩耗性・耐食性・耐応力腐食割れに優れており、ばね材に適した材料です。JIS規格の【JIS H 3110:2018】では、高性能のばね性を要求するものは、ばね用りん青銅を用いるのがよいとされています。C5191は、スズ(Sn)を5.5~7.0%と多く含有している金属材料です。りん青銅はスズを多く含有するほど、強度と耐摩耗性が向上しますが、その一方で導電性や熱伝導率の値は低下する特徴があります。C5191の用途は、電気機器用ばね・スイッチ・コネクタ・ヒューズグリップ・しゅう動片軸受けなどが代表的です。参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法参考:銅の加工ならMitsuri!1コ〜お受けいたします!C5191の化学成分<C5191 板及び条の化学成分(単位:%)>合金番号CuPbFeSnZnMnNiPC5191a)0.02以下0.10以下5.5~7.0a)0.20以下--0.03~0.35a)注記a):Cuを分析し、Cu+Sn+P=99.5以上とする。引用元:JIS H 3110:2018 りん青銅及び洋白の板及び条C5191の機械的性質<C5191 板及び条の機械的性質>質別製品記号引張試験曲げ試験硬さ試験厚さの区分mm引張強さN/mm2伸び%厚さの区分a)mm曲げ角度b)内側半径b)厚さの区分mmビッカース硬さc)HVOC5191 P-OC5191 R-O0.10以上5.0以下315以上42以上0.10以上1.6以下180°又はW厚さの0.5倍--0.10以上0.50以下1/4HC5191 P-1/4HC5191 R-1/4H0.10以上5.0以下390~51035以上0.10以上1.6以下180°又はW厚さの1倍0.10以上5.0以下100~1600.10以上0.50以下1/2HC5191 P-1/2HC5191 R-1/2H0.10以上5.0以下490~61020以上0.10以上1.6以下180°又はW厚さの1.5倍0.10以上5.0以下150~2050.10以上0.50以下HC5191 P-HC5191 R-H0.10以上5.0以下590~6858以上0.10以上1.6以下180°又はW厚さの2倍0.10以上5.0以下180~2300.10以上0.50以下EHC5191 P-EHC5191 R-EH0.10以上0.20未満635~720----0.50以上5.0以下200~2400.20以上5.0以下5以上SHC5191 P-SHC5191 R-SH0.10以上5.0以下690以上----0.05以上5.0以下210以上注記a):各欄の上段は、試験片を板又は条の圧延方向に取った場合、下段は試験片を板又は条の圧延方向と直角に取った場合を示す。b):曲げ試験の試験条件を示す。Wは、W曲げ試験を表す。c):最小試験力は、1.961Nとする。引用元:JIS H 3110:2018 りん青銅及び洋白の板及び条C5191の物理的性質<C5191の物理的性質>液相融点(℃)固相融点(℃)比熱線膨張係数(20~300℃)[×10-⁶・K]縦弾性係数[kN/mm²]導電率[%IACS]体積低効率[10-3μΩ・m]熱伝導率[W/(m・K)]比重(20℃)104591037718.010513133.0678.83引用元:阪根商事株式会社

  • C2801(真鍮)の化学成分、機械的性質

    C2801は、黄銅(銅と亜鉛の合金)の一種で、銅(Cu)約60%、亜鉛(Zn)約40%の成分割合を持つことから六四黄銅に分類されます。また、「真鍮」とも呼ばれ、加工性に優れ、安価でかつ市場性が高いことから、日用品や宝飾、工業用品、治具などさまざまな所で使用されている材料です。参考:【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!参考:【黄銅とは?】特性や用途について専門家が詳しく解説!C2801の特徴と用途C2801は、冷間加工性には劣るものの、熱間加工性に優れた黄銅です。また、強度、展延性、メッキ性にも優れ、さらに安価で市場性が良いことから、幅広い用途で使用されています。C2801の用途としては、配線器具の部品、熱交換機、衛生管、機械部品などの工業用品、切削ケースなどの治具、ネームプレートなどの日用品、アクセサリー金具、チェーンなどの宝飾が挙げられます。参考:真鍮の加工方法を加工実績と共に徹底紹介!!C2801の化学成分<C2801の成分、組成(単位:%)>材料記号CuPbFeSnZnAlMnNiPZrC280159.0~62.00.10以下0.07以下-残部-----引用元:JISH3100:銅及び銅合金の板及び条C2801の化学成分は上表の通りです。C2801の機械的性質質別製品記号引張試験曲げ試験硬さ試験(参考)厚さの区分(mm)引張強さ(N/mm2)伸び(%)厚さの区分(mm)曲げ角度内側半径厚さの区分(mm)ビッカース硬さ(HV)OC 2801 P-O0.30以上 1.0 以下325以上35以上0.30以上2.0以下180°厚さの1倍––1.0を超え 30 以下40以上C 2801 R-OC 2801 RS-O0.30以上 1.0 以下35以上1.0を超え 3.0 以下40以上1/4HC 2801 P-1/4H0.30以上 30 以下355~44025以上0.30以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.30以上30以下85~145 C 2801 R-1/4HC 2801 RS-1/4H0.30以上 3.0 以下0.30以上3.0以下1/2HC 2801 P-1/2H0.30以上 20 以下410~49015以上0.30以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.30以上20以下105~160C 2801 R-1/2HC 2801 RS-1/2H0.30以上 3.0 以下0.30以上3.0以下HC 2801 P-H0.30以上 10以下470以上–0.30以上2.0以下90°厚さの1倍0.30以上10以下130以上C 2801 R-HC 2801 RS-H0.30以上 3.0以下0.30以上3.0以下 引用元:JISH3100:銅及び銅合金の板及び条C2801の機械的性質は上表の通りです。

  • C1020(無酸素銅)特徴、用途、機械的性質

    C1020とは、無酸素銅と呼ばれる純銅の代表的な材料のことです。純銅は銅の成分が99.90%以上で構成されている材料を表しており、代表的なものとして、C1020(無酸素銅)、C1100(タフピッチ銅)、リン脱酸銅(C1220)が挙げられます。C1020(無酸素銅)は、銅の純度が99.96%以上と高く、その他の元素を含まないことから優れた特性を示し、さまざまな用途で使われています。参考:【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!C1020の特徴純銅の共通の特徴は、導電性・熱伝導性・展延性・絞り加工性に優れ、耐候性・耐食性も良好である点です。C1020(無酸素銅)は、酸素を含まないことから、高温加熱しても水素脆化が発生しません。そのためC1020は、溶接やろう付けを必要とする製品に適した材料です。参考:水素脆性割れとは?原因と対策、ベーキング処理参考:銅の加工ならMitsuri!1コ〜お受けいたします!C1020の用途C1020(無酸素銅)は不純物を含まないため、導電性・熱伝導性に優れた材料です。この特徴から、電気用・化学工業用などの製品に多く採用されています。用途例)バスバー・ヒートスプレッダー・トランス用コイル材・ガスケットC1020の化学成分<C1020の化学成分(単位:%)>合金番号CuPbFeSnZnAlMnNiPZrC102099.96以上---------引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条C1020の機械的性質<C1020の板及び条の機械的性質>質別製品記号d)引張試験曲げ試験a)硬さ試験a)(参考)厚さの区分mm引張強さb)N/mm2伸びb)%厚さの区分mm曲げ角度c)内側半径c)厚さの区分mmビッカース硬さb)HVOC1020 P-OC1020 PS-O0.10以上0.15未満195以上20以上0.10以上2.0以下180°密着--0.15以上0.30未満30以上0.30以上30以下35以上C1020 R-OC1020 RS-O0.10以上0.15未満20以上0.15以上0.30未満30以上0.30以上4.0以下35以上1/4HC1020 P-1/4HC1020 PS-1/4H0.10以上0.15未満215~28515以上0.10以上2.0以下180°厚さの0.5倍0.30以上30以下55~100e)0.15以上0.30未満20以上0.30以上30以下215~27525以上C1020 R-1/4HC1020 RS-1/4H0.10以上0.15未満215~28515以上0.30以上4.0以下0.15以上0.30未満20以上0.30以上4.0以下215~27525以上1/2HC1020 P-1/2HC1020 PS-1/2H0.10以上0.15未満235~315-0.10以上2.0以下180°厚さの1倍0.20以上20以下75~120e)0.15以上0.30未満10以上0.30以上20以下245~31515以上C1020 R-1/2HC1020 RS-1/2H0.10以上0.15未満235~315-0.10以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.20以上4.0以下0.15以上0.30未満10以上0.30以上4.0以下245~31515以上HC1020 P-HC1020 PS-H0.10以上10以下275以上-0.10以上2.0以下180°厚さの1.5倍0.20以上10以下80以上e)C1020 R-HC1020 RS-H0.10以上4.0以下0.20以上4.0以下注記a):曲げ試験及び硬さ試験に関して規定した厚さの区分を外れるものは、試験を適用しない。b):数値は、整数値に丸める。c):曲げ試験の条件を示す。d):導電用の板及び条にも適用する。e):最小試験力は、1.961Nとする。引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

  • A7075(超々ジュラルミン)化学成分、強度、腐食、機械的性質

    A7075は、Al-Zn-Mg-Cu系の成分を持つアルミ合金です。A7075は、一般に「超々ジュラルミン」と呼ばれ、アルミ合金の中でもトップクラスの強度を有する材質の一つです。強度に優れる一方、応力腐食割れや耐食性に劣るという欠点があるものの、航空機、スポーツ用品、機械部品など、さまざまな分野で使用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A7075の特徴・用途、耐食性A7075の特徴は、非常に高い強度を持つことです。また、鉄鋼材料と比較して軽量であることから、さまざまな用途で使用されています。ただし、A7075は価格が高いため、多くの場合、強度が必要とされる箇所に限って使用されます。A7075の用途としては、航空機、人工衛星、ロケット、自動車部品、溶接構造材や各種金型などの工業用部品、スキー板や金属バットなどのスポーツ用品、自転車、ロボットなどが挙げられます。このように幅広い分野で利用されているA7075ですが、応力腐食割れや耐食性に劣るという難点があることから、使用環境によっては対策が必要です。参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法A7075の化学成分<A7075の成分、組成(単位:%)>材料記号SiFeCuMnMgCrZnTiその他AlA70750.40以下0.50以下1.2~2.00.30以下2.1~2.90.18~0.285.1~6.10.20以下0.05以下(計0.15以下)残部引用元:JISH4000:アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条A7075の化学成分を上表に示しました。A7075は、Al-Zn-Mg-Cu系のアルミ合金です。A7075では、Zn(亜鉛)とMg(マグネシウム)に加え、Cu(銅)を添加することで、非常に高い強度を得ています。A7075の機械的性質(強度、硬度等)<A7075(質別:T6)の機械的性質>ブリネル硬さ(HB)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)せん断強さ(N/mm2)疲れ強さ(N/mm2)伸び(%)板伸び(%)棒150570505330160119A7075の機械的性質を上表に示しました。A7075は、アルミ合金の中でも、非常に高い強度を示す反面、溶接性や耐食性に劣ります。A7075の物理的性質<A7075の物理的性質>融点℃密度(g/cm3)ヤング率(縦弾性係数)GPa剛性率(横弾性係数)GPaポアソン比線膨張率(ppm/K)定圧比熱(J/kg•K)熱伝導率(W/m•K)約660.42.870.7260.3323.6962130A7075の物理的性質は上表の通りです。

  • A6063の化学成分、機械的性質、強度、耐力

    A6063は、A6000系(Al-Mg-Si系)のなかでも代表的な押出用合金です。A6061より強度は劣るものの、押出加工性が良好で複雑な断面形状でも成形できるほか、耐食性と表面処理性にも優れています。主な用途としては、サッシなどの建築用材・土木用材・車両用材・家電製品などに採用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A6063の化学成分<合金番号6063の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnTiその他Al個々合計60630.20~0.60.35以下0.10以下0.10以下0.45~0.90.10以下0.10以下0.10以下0.05以下0.15以下残部引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材A6063の機械的性質(引っ張り強さ、耐力、伸び等)<合金番号6063の機械的性質>合金番号質別a)引張試験硬さ試験試験箇所の肉厚(mm)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸びb)(%)試験箇所の肉厚(mm)HV5A50mmA6063T112以下120以上60以上12以上---12を超え25以下110以上55以上12以上---T4c)25以下130以上65以上12以上14以上--T5d)12以下150以上110以上8以上7以上0.8以上58以上12を超え25以下145以上105以上8以上7以上T6c)3以下205以上170以上8以上---3を超え25以下205以上170以上10以上---T64c)15以上180以上120以上10以上12以上--T66c)10以下245以上200以上6以上8以上--10を超え25以下225以上180以上6以上8以上--a):質別は、JIS H 0001による。b):伸びの測定は、標点距離の異なる次の二つの方法のいずれかを採用する。特に、注文者からの指定がない場合は、A50mmによる。ただし、A50mmの規定がない場合は、Aによる。A50mm:50mm標点距離における伸びA:5.65√S0の標点距離における伸び(S0:試験片の平行部の断面積、mm2)c):押出後び冷却が制御され、室温で固溶状態が保たれた材料に適用してもよい。d):質別T5の機械的性質は、引張試験又は硬さ試験のいずれかによる。引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材A6063の物理的性質(密度、比重等)<合金番号6063の物理的性質>質別導電率(20℃, IACS,%)熱伝導率(25℃、kW/(m・℃))線膨張係数(20~100℃×10-⁶)縦弾性係数(×1000Kg/kgf/mm²)比重溶解温度範囲(℃)T5550.2123.47.002.69625~655T6530.2023.47.002.69625~655引用元:阪根商事株式会社A6063の加工性(押出加工性、耐食性、溶接の継手効率)A6063はアルミ合金のなかでも代表的な押出用材料です。押出加工性に優れているため、高精度の製品を成形できます。また、アルミニウムの特徴である酸化皮膜を形成することから、耐食性も良好です。溶接に関しては継手効率が低く、ビスやリベット、ボルトナットなどによる接合を採用しているケースが多いです。参考:【押し出し加工】とは?仕組みや特徴、種類、製品例について徹底解説!参考:【アルミの基礎】アルミの加工上の特性やメリット/デメリットまで徹底解説!参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!