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フェライト系ステンレス

  • フェライト系ステンレス鋼の基礎知識まとめ

    フェライト系ステンレスとは、主要な化学成分が鉄とクロムであるクロム系ステンレスの一種です。耐食性や耐熱性、加工性に優れた合金で、常に磁性を持つという特徴があります。オーステナイト系ステンレスと比べると、耐食性や加工性、強度が低い材料ですが、ニッケルを含まないことから安価で、オーステナイト系ステンレスの代替材料として用いられることがあります。ただし、マルテンサイト系ステンレスよりは、耐食性や耐熱性、加工性に優れています。多様な鋼種が存在し、幅広い特性を持ちます。そのため、屋内用途の家庭用品や厨房機器から、屋外用途の建築部材、厳しい腐食環境下で用いられる高耐腐食性部品まで、様々な用途に使用されています。参考:【SUS(ステンレス)種類と見分け方】用途・特徴を専門家が徹底解説!フェライト系ステンレスの組成・成分フェライト系ステンレスは、金属組織が「フェライト相」であるステンレス鋼です。フェライト相は、炭素をほとんど溶かすことができないため、軟らかく変形しやすいという特徴があります。マルテンサイト系ステンレスと同じく、クロムが主要成分である「クロム系ステンレス」に分類され、ニッケルをほぼ含有しません。代表的な鋼種のSUS430ではクロム含有率が約18%で、マルテンサイト系の代表鋼種SUS410の約13%と比べると、クロム含有率が高くなっています。ただし、鋼種によって異なり、クロム含有率が約11%と低い鋼種や約32%と高い鋼種があります。鋼種名C(%)Si(%)Mn(%)P(%)S(%)Cr(%)SUS4300.12以下0.75以下1.00以下0.040以下0.030以下16.00〜18.00フェライト系の代表鋼種SUS430の化学成分は、JIS規格(JIS G 4303:2012)によって上表のように定められています。フェライト系には、このSUS430を基準として、クロム・炭素の含有率を変えた鋼種や様々な合金元素を添加した鋼種が多数存在します。下図は、主要なフェライト系を挙げたもので、各鋼種の化学成分とSUS430に付加した性質が示されています。引用元:日本ステンレス協会例えば、SUS430LXは、加工性と溶接性を向上させるために、炭素(C)の含有量を減らして、チタン(Ti)とニオブ(Nb)を添加したものです。炭素の減少によって、軟らかくなるとともに延性が向上するため、加工性が改善します。また、炭素の減少及びチタンとニオブの添加によって、加熱後の冷却時に生じる粒界腐食が起こりにくくなるため、溶接性が向上します。参考:SUS430(ステンレス鋼)成分、磁性、加工性参考:SUS304とSUS430の意味とは? 使い分けや特徴も分かりやすく解説!フェライト系ステンレスの物理的性質と磁性鋼種名密度g/cm3比熱J(kg・K)熱膨張係数(0~100℃)10-6/K熱伝導率W/(m・K)比電気抵抗(室温)μΩ・cmヤング率MPaSUS430(フェライト系)7.704610.426.460200,000SUS304(オーステナイト系)7.935017.316.372193,000SUS410(マルテンサイト系)7.75469.924.957200,000参照元:日本ステンレス協会フェライト系ステンレス(SUS430)の物理的性質は、上表の通りです。比較のため、オーステナイト系(SUS304)とマルテンサイト系(SUS410)の物理的性質も併せて記載しています。フェライト系は、オーステナイト系に比べて、熱伝導率が高いものの熱膨張係数が低くなっています。そのため、常温から高温にわたっての寸法変化が少なく、部分的に膨張するといったことも少なくなるため、熱疲労特性に優れます。また、オーステナイト系とは異なり、常に磁性を示します。これは、結晶構造に起因しており、「体心立方構造」のフェライト系とマルテンサイト系は常磁性、「面心立方構造」のオーステナイト系は非磁性です。フェライト系ステンレスの機械的性質鋼種名耐力MPa引張強さMPa伸び%絞り%硬さHBWHRBS又はHRBWHVSUS430(フェライト系)205以上450以上22以上50以上183以下90以下200以下SUS304(オーステナイト系)205以上520以上40以上60以上187以下90以下200以下SUS410(マルテンサイト系)焼なまし状態−−−−200以下93以下210以下SUS410(マルテンサイト系)焼入焼戻し状態345以上540以上25以上55以上159以上84以上166以上フェライト系ステンレス(SUS430)の機械的性質は、JIS規格(JIS G 4303:2012)によって上表のように定められています。比較のため、オーステナイト系(SUS304)とマルテンサイト系(SUS410)の機械的性質も載せました。フェライト系は、オーステナイト系と比べて、耐力と硬さに大きな違いはありませんが、引張強さと伸び率が劣っています。それは、変形しやすく、破断までの変形量が小さいことを意味します。しかし、フェライト系は、加工硬化しにくいため、必ずしもオーステナイト系より延性に劣るわけではありません。また、フェライト系は、熱処理によって硬化することがほとんどなく、焼なまし状態で使用されることが多い素材です。そのため、焼なまし状態の機械的性質が加工後もほぼ維持されます。一方、オーステナイト系やマルテンサイト系は、加工や熱処理によって強度を高めることが可能です。つまり、フェライト系は、強度が必要だったり負荷が大きかったりする用途には向きません。フェライト系ステンレスの耐食性フェライト系ステンレスの耐食性は、鋼種によりますが、オーステナイト系よりもわずかに劣り、マルテンサイトより優れます。ステンレスの高い耐食性はクロムによって実現されていますが、クロム含有率が同等のフェライト系とオーステナイト系を比較すると、オーステナイト系がより高い耐食性を示します。しかし、クロムはフェライト相を安定化させることから、フェライト系には、クロム含有率が大きく、高い耐食性を持つ鋼種が豊富です。その中には、SUS447J1といったクロム含有率が約30%にも達するフェライト系が存在します。また、クロムには、耐酸化性(高温での酸化に耐える性質)を向上させる効果もあります。引用元:International Stainless Steel Forum (ISSF)フェライト系の中には、モリブデンを添加することで耐食性を向上させた鋼種があります。モリブデンは、表面腐食や隙間腐食のほか、孔食(表面の穴を起点に侵食していく局部腐食)に対する耐食性を高める効果があります。特に、モリブデンを約2%添加したSUS444は、上図のようにSUS316を超えるPRE(好食性指数:耐孔食性の尺度)を示します。また、PREは、塩化物環境における耐食性の指標ともなるため、SUS444などは海水に対しても強い耐性があります。下図は孔食の例です。引用元:谷津テックス株式会社そのほか、フェライト系には、以下のように、合金元素を加えたり化学成分を調整したりすることで耐食性を改善したものがあります。・チタン(Ti)…添加することで耐粒界腐食性が向上・ニオブ(Nb)…添加することで耐粒界腐食性が向上・アルミニウム(Al)…添加することで耐酸化性が向上・銅(Cu)…添加することで大気中や海水中の耐食性が向上・炭素(C)…減少させることで耐粒界腐食性が向上また、フェライト系は、ニッケルを含有しないことから、オーステナイト系の欠点である応力腐食割れがほぼ発生しないという特徴があります。応力腐食割れは、腐食性の環境下の材料に応力が作用して生じる経年損傷です。オーステナイト系では、主に塩化物環境下で応力腐食割れが発生します。下図は応力腐食割れの例です。引用元:谷津テックス株式会社参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法フェライト系ステンレスの脆化・低温脆性フェライト系ステンレスは、高温及び低温環境下において脆化が起こることがあります。475℃脆化フェライト系は、数時間から数十時間にわたって400℃〜540℃程度の高温にさらされると脆化が起こります。この現象は、鉄が多い組織とクロムが多い組織に分離することで起こり、475℃で急激に進行することから「475℃脆化」と呼ばれます。475℃脆化が起こると、硬さが上昇しますが、延性・靭性は低下するために壊れやすくなり、耐食性も低下します。この脆化は、600℃以上の温度で一定時間保持し、クロムを再固溶させることで解消することが可能です。σ相脆化また、フェライト系は、550℃〜800℃程度の温度域で数百時間以上保持されることでも脆化が起こります。この脆化は、鉄とクロムの金属間化合物から構成される「σ相」が析出することで起こることから「σ相脆化」と呼ばれます。σ相は硬いものの脆いため、割れや亀裂の原因になることがあります。σ相脆化の解消には、800℃以上の温度で一定時間保持することが必要です。なお、σ相脆化は、フェライト系だけでなくオーステナイト系でも起こります。低温脆性フェライト系には、ある温度以下で衝撃抵抗が急激に低下する「延性-脆性遷移温度」が存在するため、低温で使用すると脆性破壊が起こる危険性があります。この性質は、「低温脆性」と呼ばれ、マルテンサイト系などの体心立方構造を持つ金属に共通のものです。フェライト系における低温脆性の改善には、炭素と窒素の含有率を小さくしたり、チタンとニオブを添加したりすることが有効です。なお、炭素と窒素の含有率を従来よりも低下させたフェライト系ステンレス鋼を「高純度フェライト系ステンレス鋼」と呼びます。フェライト系ステンレスの加工性フェライト系ステンレスは、オーステナイト系ほどではありませんが、通常の鉄鋼と同等程度には加工しやすい素材です。また、マルテンサイト系よりも加工性に優れます。ただし、絞り加工性については、フェライト系のほうがオーステナイト系よりも優れています。さらに、フェライト系は、オーステナイト系とは異なり、加工硬化しにくく、加工変態(オーステナイトがマルテンサイトに変化すること)も起こらないため、加工難度は低くなっています。なお、フェライト系の加工性を向上させるには、炭素・窒素含有量の低減とチタン・ニオブの添加が有効です。被削性については、SUS430Fのように硫黄を添加することで向上します。溶接性については、加熱することによる475℃脆化の発生、熱影響部における結晶粒の粗大化に注意する必要があります。475℃脆化は、延性・靭性・耐食性の低下に繋がりますが、溶接後の冷却速度を上げることで回避することが可能です。一方、結晶粒の粗大化は、熱影響部の延性・靭性を著しく低下させます。延性の低下は、700℃~750℃の熱処理によって解消できますが、靭性については回復しません。結晶粒の粗大化には、チタンやジルコニウムの添加が有効です。また、フェライト系では、オーステナイト系の溶接時に起こる粒界腐食は起こりにくくなっています。フェライト系の耐粒界腐食性は、炭素含有量の低減、チタンとニオブの添加によって、さらに向上させることが可能です。フェライト系ステンレスの主な用途フェライト系ステンレスは、鋼種によって大きく特性が異なることから、鋼種によって用途も違ってきます。そのため、フェライト系を以下のように5つのグループに分類して、用途を挙げていきます。クロム含有量が10%〜14%SUS405・SUS409・SUS410L等を含むグループで、クロム含有率が少なく、最も低価格なものです。このグループは、耐食性が低いことから、多少のサビは許容される用途に用いられています。コンテナやバス、乗用車の腐食しにくい部品などに使用されています。クロム含有量が14%〜18%SUS430に対応するグループで、フェライト系で最も広く使用されています。SUS304よりも安価であることから、一部のSUS304の代替材料として用いられることが多くなっています。屋内パネルや家庭用品、洗濯機のドラム、鍋釜類などの屋内用途で主に使用されています。クロム含有量が14%〜18%でTiやNb等の安定化元素を含むSUS430LX・SUS430F等が含まれるグループで、安定化元素を添加することで加工性や溶接性を向上させています。多くの鋼種でSUS304に近い特性を示し、流し台や排ガス装置、洗濯機の溶接部分などに用いられています。クロム含有量が18%以上でMoを含むSUS434・SUS436・SUS444等を含むグループで、モリブデンを含むことから高い耐食性を示します。主な用途には、屋外パネルや各種タンク、電子レンジ部品などが挙げられます。クロム含有量が18%〜30%SUS445・SUSXM27・SUS447等が含まれるグループで、クロム含有量を増やしモリブデンなどを添加したものです。フェライト系の中では、最も耐食性が高いグループとなっています。海水中など、厳しい腐食環境下で主に用いられており、薬品に触れる化学プラントなどの用途が挙げられます。

  • SUS430(ステンレス鋼)成分、磁性、加工性

    SUS430は、フェライト系ステンレスの代表的な材料です。クロム(Cr)を16~18%含むことから、18Crステンレス(18クロムステンレス)と呼ばれています。レアメタルで高価な材料であるニッケル(Ni)を含まないため、安価で手に入れられるほか、耐食性に優れているので、幅広い用途で使われています。ただしSUS430は、焼入れで硬くすることができません。また、475℃付近の高温状態が続くと、硬さが向上する代わりに延性と靭性が低下する、「475℃脆化」を起こすため、溶接する際は注意が必要です。参考:【SUS(ステンレス)種類と見分け方】用途・特徴を専門家が徹底解説!参考:SUS304とSUS430の意味とは? 使い分けや特徴も分かりやすく解説!SUS430の化学成分<SUS430の化学成分(単位:%)>種類の記号CSiMnPSCrMoNAlSUS4300.12以下0.75以下1.00以下0.040以下0.030以下16.00~18.00---※Niは0.60%を超えてはならない。引用元:JIS G 4303:2012SUS430は、マルテンサイト系ステンレスより、クロム(Cr)の含有率が比較的高い材料です。耐食性は、オーステナイト系ステンレスに劣るものの、マルテンサイト系ステンレスよりは優れています。また、耐高温腐食性に優れているほか、腐食環境下で材料に亀裂が入る「応力腐食割れ」が発生しにくいのも特徴です。SUS430の磁性の強さ、用途フェライト系ステンレスであるSUS430は、強い磁性を持ちます。一般的にオーステナイト系ステンレス以外(フェライト系・マルテンサイト系など)の種類は磁性を持つので、ステンレス鋼の種類を判別するために磁石を使うことがあります。SUS430は安価かつ、耐食性や耐熱性のある材料のため、主にスプーンやフォークといった日用品や、冷蔵庫などの家電部品、厨房機器などの用途に使われています。SUS430の機械的性質(加工性)<SUS430の焼きなまし状態の機械的性質>種類耐力Mpa(N/mm2)引張強さMpa(N/mm2)伸び絞り硬さHBWHRBS又はHRBWHVSUS430205以上450以上22以上50以上183以下90以下200以下引用元:JIS G 4303:2012SUS430は、フェライト系ステンレスのなかでは、引張強さの数値が高い材料です。ただし、引張強さと伸び率はSUS304に劣ります。オーステナイト系ステンレスのように変態も発生しない材料のため、加工しやすい特徴があります。

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    L字金具の種類・使い方一覧

    L字金具とは、その名の通りL字形をした金具で、主に物を固定するために使用されます。最近では、家庭でのDIYなどに使用されることが多く、棚の固定や補強などによく利用されている金具の一つです。そのため、L字金具はホームセンターなどにおいて、気軽に購入することができます。今回は、この「L字金具」をテーマに、L字金具とはという説明から始め、L字金具に関する基礎的な知識のほか、代表的なL字金具の種類や、L字金具の使い方などについて、詳しくご紹介していきます。これからDIYなどにおいて、L字金具の使用を検討している方や、L字金具について知識を深めたい方はぜひご一読ください。L字金具とは引用元:株式会社ミスミグループ本社L字金具とは、上図に示したような金具で、角度90度のL字形をしていることから「L字金具」と言います。他にも、幅広金具と呼ばれることもあります。L字金具は、主に物を固定する際に使用されるため、固定に必要なビスやボルトなどを通す穴が開いています。L字金具の種類次に、L字金具の種類について見ていきましょう。一口でL字金具と言っても、材質やサイズの違うさまざまな種類があり、それぞれ耐荷重性や強度などが異なります。そのため、DIYなどにおいて使用する際には、事前に必要な耐荷重性や強度などを確認した上で、適切な材質、サイズのL字金具を選ぶことをおすすめします。なお、L字金具の材質には、主に強度の高いステンレスやスチールが用いられます。塗装などの表面処理を施し、耐腐食性や意匠性に優れたL字金具なども存在します。また、L字金具に用いる材質の板厚を大きくすることで、さらに耐荷重性及び強度を高めることができることから、特厚L字金具と呼ばれる金具もあります。他にも、L字金具の固定のためのビス用の穴の数を増やし、より強固に固定ができる多孔式L字金具なども存在します。このように、用途に合わせて最適なL字金具を選定することは非常に重要となります。参考記事こちらの記事では、ステンレスについて、その特徴や、加工方法など詳しく解説しています。また、ステンレス加工を得意としているMitsuriイチオシのメーカーについてもご紹介しています。ステンレスについて知識を深めたい方は、ぜひご覧ください。⇒ステンレスに関して板金加工の種類ごとにご紹介!おすすめの工場も!Mitsuriでは、さまざまな種類のL字金具の製作を依頼できる多数のメーカーと提携しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。L字金具の使い方最後に、L字金具の使い方について見ていきましょう。L字金具には、主に以下のような3つの使い方があります。1.棚受け金具棚受け用に使用されるL字金具は、棚受けの強度を高め、補強する目的で使用されます。通常、棚受け用には強度の高いステンレス製もしくはスチール製のL字金具が利用されることが多いですが、デザイン性を高めるために木製のL字金具が用いられることもあります。ただし、木製のL字金具は金属製のL字金具と比較して、強度や耐荷重性に劣るので注意しましょう。2.ジョイント金具ジョイント金具とは、木材などの板材を直角につなげる目的で使用されるL字金具です。棚などの製作には欠かせない金具の一つです。3.家具の固定用金具L字金具は、タンスや食器棚などの家具を壁に固定し、転倒を防止する用途でも用いられます。特に地震などの災害対策において、欠かせない金具となっています。Mitsuriでは、こちらでご紹介したようなさまざまな用途で使用されるL字金具の製作を依頼できる多数のメーカーと提携しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。L字金具についてまとめ今回は、L字金具をテーマに、L字金具とはという説明から始め、L字金具に関する基礎的な知識のほか、代表的なL字金具の種類や、L字金具の使い方などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。L字金具の種類は、材質や形状、またサイズなど、多岐に渡ります。そのため、L字金具をご購入の際には、事前に必要な耐荷重やサイズなどを確認し、用途に応じて適切なL字金具を選定することをおすすめいたします。L字金具を製作・販売しているメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!L字金具でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • フェライト系ステンレス鋼の基礎知識まとめ

    フェライト系ステンレスとは、主要な化学成分が鉄とクロムであるクロム系ステンレスの一種です。耐食性や耐熱性、加工性に優れた合金で、常に磁性を持つという特徴があります。オーステナイト系ステンレスと比べると、耐食性や加工性、強度が低い材料ですが、ニッケルを含まないことから安価で、オーステナイト系ステンレスの代替材料として用いられることがあります。ただし、マルテンサイト系ステンレスよりは、耐食性や耐熱性、加工性に優れています。多様な鋼種が存在し、幅広い特性を持ちます。そのため、屋内用途の家庭用品や厨房機器から、屋外用途の建築部材、厳しい腐食環境下で用いられる高耐腐食性部品まで、様々な用途に使用されています。参考:【SUS(ステンレス)種類と見分け方】用途・特徴を専門家が徹底解説!フェライト系ステンレスの組成・成分フェライト系ステンレスは、金属組織が「フェライト相」であるステンレス鋼です。フェライト相は、炭素をほとんど溶かすことができないため、軟らかく変形しやすいという特徴があります。マルテンサイト系ステンレスと同じく、クロムが主要成分である「クロム系ステンレス」に分類され、ニッケルをほぼ含有しません。代表的な鋼種のSUS430ではクロム含有率が約18%で、マルテンサイト系の代表鋼種SUS410の約13%と比べると、クロム含有率が高くなっています。ただし、鋼種によって異なり、クロム含有率が約11%と低い鋼種や約32%と高い鋼種があります。鋼種名C(%)Si(%)Mn(%)P(%)S(%)Cr(%)SUS4300.12以下0.75以下1.00以下0.040以下0.030以下16.00〜18.00フェライト系の代表鋼種SUS430の化学成分は、JIS規格(JIS G 4303:2012)によって上表のように定められています。フェライト系には、このSUS430を基準として、クロム・炭素の含有率を変えた鋼種や様々な合金元素を添加した鋼種が多数存在します。下図は、主要なフェライト系を挙げたもので、各鋼種の化学成分とSUS430に付加した性質が示されています。引用元:日本ステンレス協会例えば、SUS430LXは、加工性と溶接性を向上させるために、炭素(C)の含有量を減らして、チタン(Ti)とニオブ(Nb)を添加したものです。炭素の減少によって、軟らかくなるとともに延性が向上するため、加工性が改善します。また、炭素の減少及びチタンとニオブの添加によって、加熱後の冷却時に生じる粒界腐食が起こりにくくなるため、溶接性が向上します。参考:SUS430(ステンレス鋼)成分、磁性、加工性参考:SUS304とSUS430の意味とは? 使い分けや特徴も分かりやすく解説!フェライト系ステンレスの物理的性質と磁性鋼種名密度g/cm3比熱J(kg・K)熱膨張係数(0~100℃)10-6/K熱伝導率W/(m・K)比電気抵抗(室温)μΩ・cmヤング率MPaSUS430(フェライト系)7.704610.426.460200,000SUS304(オーステナイト系)7.935017.316.372193,000SUS410(マルテンサイト系)7.75469.924.957200,000参照元:日本ステンレス協会フェライト系ステンレス(SUS430)の物理的性質は、上表の通りです。比較のため、オーステナイト系(SUS304)とマルテンサイト系(SUS410)の物理的性質も併せて記載しています。フェライト系は、オーステナイト系に比べて、熱伝導率が高いものの熱膨張係数が低くなっています。そのため、常温から高温にわたっての寸法変化が少なく、部分的に膨張するといったことも少なくなるため、熱疲労特性に優れます。また、オーステナイト系とは異なり、常に磁性を示します。これは、結晶構造に起因しており、「体心立方構造」のフェライト系とマルテンサイト系は常磁性、「面心立方構造」のオーステナイト系は非磁性です。フェライト系ステンレスの機械的性質鋼種名耐力MPa引張強さMPa伸び%絞り%硬さHBWHRBS又はHRBWHVSUS430(フェライト系)205以上450以上22以上50以上183以下90以下200以下SUS304(オーステナイト系)205以上520以上40以上60以上187以下90以下200以下SUS410(マルテンサイト系)焼なまし状態−−−−200以下93以下210以下SUS410(マルテンサイト系)焼入焼戻し状態345以上540以上25以上55以上159以上84以上166以上フェライト系ステンレス(SUS430)の機械的性質は、JIS規格(JIS G 4303:2012)によって上表のように定められています。比較のため、オーステナイト系(SUS304)とマルテンサイト系(SUS410)の機械的性質も載せました。フェライト系は、オーステナイト系と比べて、耐力と硬さに大きな違いはありませんが、引張強さと伸び率が劣っています。それは、変形しやすく、破断までの変形量が小さいことを意味します。しかし、フェライト系は、加工硬化しにくいため、必ずしもオーステナイト系より延性に劣るわけではありません。また、フェライト系は、熱処理によって硬化することがほとんどなく、焼なまし状態で使用されることが多い素材です。そのため、焼なまし状態の機械的性質が加工後もほぼ維持されます。一方、オーステナイト系やマルテンサイト系は、加工や熱処理によって強度を高めることが可能です。つまり、フェライト系は、強度が必要だったり負荷が大きかったりする用途には向きません。フェライト系ステンレスの耐食性フェライト系ステンレスの耐食性は、鋼種によりますが、オーステナイト系よりもわずかに劣り、マルテンサイトより優れます。ステンレスの高い耐食性はクロムによって実現されていますが、クロム含有率が同等のフェライト系とオーステナイト系を比較すると、オーステナイト系がより高い耐食性を示します。しかし、クロムはフェライト相を安定化させることから、フェライト系には、クロム含有率が大きく、高い耐食性を持つ鋼種が豊富です。その中には、SUS447J1といったクロム含有率が約30%にも達するフェライト系が存在します。また、クロムには、耐酸化性(高温での酸化に耐える性質)を向上させる効果もあります。引用元:International Stainless Steel Forum (ISSF)フェライト系の中には、モリブデンを添加することで耐食性を向上させた鋼種があります。モリブデンは、表面腐食や隙間腐食のほか、孔食(表面の穴を起点に侵食していく局部腐食)に対する耐食性を高める効果があります。特に、モリブデンを約2%添加したSUS444は、上図のようにSUS316を超えるPRE(好食性指数:耐孔食性の尺度)を示します。また、PREは、塩化物環境における耐食性の指標ともなるため、SUS444などは海水に対しても強い耐性があります。下図は孔食の例です。引用元:谷津テックス株式会社そのほか、フェライト系には、以下のように、合金元素を加えたり化学成分を調整したりすることで耐食性を改善したものがあります。・チタン(Ti)…添加することで耐粒界腐食性が向上・ニオブ(Nb)…添加することで耐粒界腐食性が向上・アルミニウム(Al)…添加することで耐酸化性が向上・銅(Cu)…添加することで大気中や海水中の耐食性が向上・炭素(C)…減少させることで耐粒界腐食性が向上また、フェライト系は、ニッケルを含有しないことから、オーステナイト系の欠点である応力腐食割れがほぼ発生しないという特徴があります。応力腐食割れは、腐食性の環境下の材料に応力が作用して生じる経年損傷です。オーステナイト系では、主に塩化物環境下で応力腐食割れが発生します。下図は応力腐食割れの例です。引用元:谷津テックス株式会社参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法フェライト系ステンレスの脆化・低温脆性フェライト系ステンレスは、高温及び低温環境下において脆化が起こることがあります。475℃脆化フェライト系は、数時間から数十時間にわたって400℃〜540℃程度の高温にさらされると脆化が起こります。この現象は、鉄が多い組織とクロムが多い組織に分離することで起こり、475℃で急激に進行することから「475℃脆化」と呼ばれます。475℃脆化が起こると、硬さが上昇しますが、延性・靭性は低下するために壊れやすくなり、耐食性も低下します。この脆化は、600℃以上の温度で一定時間保持し、クロムを再固溶させることで解消することが可能です。σ相脆化また、フェライト系は、550℃〜800℃程度の温度域で数百時間以上保持されることでも脆化が起こります。この脆化は、鉄とクロムの金属間化合物から構成される「σ相」が析出することで起こることから「σ相脆化」と呼ばれます。σ相は硬いものの脆いため、割れや亀裂の原因になることがあります。σ相脆化の解消には、800℃以上の温度で一定時間保持することが必要です。なお、σ相脆化は、フェライト系だけでなくオーステナイト系でも起こります。低温脆性フェライト系には、ある温度以下で衝撃抵抗が急激に低下する「延性-脆性遷移温度」が存在するため、低温で使用すると脆性破壊が起こる危険性があります。この性質は、「低温脆性」と呼ばれ、マルテンサイト系などの体心立方構造を持つ金属に共通のものです。フェライト系における低温脆性の改善には、炭素と窒素の含有率を小さくしたり、チタンとニオブを添加したりすることが有効です。なお、炭素と窒素の含有率を従来よりも低下させたフェライト系ステンレス鋼を「高純度フェライト系ステンレス鋼」と呼びます。フェライト系ステンレスの加工性フェライト系ステンレスは、オーステナイト系ほどではありませんが、通常の鉄鋼と同等程度には加工しやすい素材です。また、マルテンサイト系よりも加工性に優れます。ただし、絞り加工性については、フェライト系のほうがオーステナイト系よりも優れています。さらに、フェライト系は、オーステナイト系とは異なり、加工硬化しにくく、加工変態(オーステナイトがマルテンサイトに変化すること)も起こらないため、加工難度は低くなっています。なお、フェライト系の加工性を向上させるには、炭素・窒素含有量の低減とチタン・ニオブの添加が有効です。被削性については、SUS430Fのように硫黄を添加することで向上します。溶接性については、加熱することによる475℃脆化の発生、熱影響部における結晶粒の粗大化に注意する必要があります。475℃脆化は、延性・靭性・耐食性の低下に繋がりますが、溶接後の冷却速度を上げることで回避することが可能です。一方、結晶粒の粗大化は、熱影響部の延性・靭性を著しく低下させます。延性の低下は、700℃~750℃の熱処理によって解消できますが、靭性については回復しません。結晶粒の粗大化には、チタンやジルコニウムの添加が有効です。また、フェライト系では、オーステナイト系の溶接時に起こる粒界腐食は起こりにくくなっています。フェライト系の耐粒界腐食性は、炭素含有量の低減、チタンとニオブの添加によって、さらに向上させることが可能です。フェライト系ステンレスの主な用途フェライト系ステンレスは、鋼種によって大きく特性が異なることから、鋼種によって用途も違ってきます。そのため、フェライト系を以下のように5つのグループに分類して、用途を挙げていきます。クロム含有量が10%〜14%SUS405・SUS409・SUS410L等を含むグループで、クロム含有率が少なく、最も低価格なものです。このグループは、耐食性が低いことから、多少のサビは許容される用途に用いられています。コンテナやバス、乗用車の腐食しにくい部品などに使用されています。クロム含有量が14%〜18%SUS430に対応するグループで、フェライト系で最も広く使用されています。SUS304よりも安価であることから、一部のSUS304の代替材料として用いられることが多くなっています。屋内パネルや家庭用品、洗濯機のドラム、鍋釜類などの屋内用途で主に使用されています。クロム含有量が14%〜18%でTiやNb等の安定化元素を含むSUS430LX・SUS430F等が含まれるグループで、安定化元素を添加することで加工性や溶接性を向上させています。多くの鋼種でSUS304に近い特性を示し、流し台や排ガス装置、洗濯機の溶接部分などに用いられています。クロム含有量が18%以上でMoを含むSUS434・SUS436・SUS444等を含むグループで、モリブデンを含むことから高い耐食性を示します。主な用途には、屋外パネルや各種タンク、電子レンジ部品などが挙げられます。クロム含有量が18%〜30%SUS445・SUSXM27・SUS447等が含まれるグループで、クロム含有量を増やしモリブデンなどを添加したものです。フェライト系の中では、最も耐食性が高いグループとなっています。海水中など、厳しい腐食環境下で主に用いられており、薬品に触れる化学プラントなどの用途が挙げられます。

  • SUS430(ステンレス鋼)成分、磁性、加工性

    SUS430は、フェライト系ステンレスの代表的な材料です。クロム(Cr)を16~18%含むことから、18Crステンレス(18クロムステンレス)と呼ばれています。レアメタルで高価な材料であるニッケル(Ni)を含まないため、安価で手に入れられるほか、耐食性に優れているので、幅広い用途で使われています。ただしSUS430は、焼入れで硬くすることができません。また、475℃付近の高温状態が続くと、硬さが向上する代わりに延性と靭性が低下する、「475℃脆化」を起こすため、溶接する際は注意が必要です。参考:【SUS(ステンレス)種類と見分け方】用途・特徴を専門家が徹底解説!参考:SUS304とSUS430の意味とは? 使い分けや特徴も分かりやすく解説!SUS430の化学成分<SUS430の化学成分(単位:%)>種類の記号CSiMnPSCrMoNAlSUS4300.12以下0.75以下1.00以下0.040以下0.030以下16.00~18.00---※Niは0.60%を超えてはならない。引用元:JIS G 4303:2012SUS430は、マルテンサイト系ステンレスより、クロム(Cr)の含有率が比較的高い材料です。耐食性は、オーステナイト系ステンレスに劣るものの、マルテンサイト系ステンレスよりは優れています。また、耐高温腐食性に優れているほか、腐食環境下で材料に亀裂が入る「応力腐食割れ」が発生しにくいのも特徴です。SUS430の磁性の強さ、用途フェライト系ステンレスであるSUS430は、強い磁性を持ちます。一般的にオーステナイト系ステンレス以外(フェライト系・マルテンサイト系など)の種類は磁性を持つので、ステンレス鋼の種類を判別するために磁石を使うことがあります。SUS430は安価かつ、耐食性や耐熱性のある材料のため、主にスプーンやフォークといった日用品や、冷蔵庫などの家電部品、厨房機器などの用途に使われています。SUS430の機械的性質(加工性)<SUS430の焼きなまし状態の機械的性質>種類耐力Mpa(N/mm2)引張強さMpa(N/mm2)伸び絞り硬さHBWHRBS又はHRBWHVSUS430205以上450以上22以上50以上183以下90以下200以下引用元:JIS G 4303:2012SUS430は、フェライト系ステンレスのなかでは、引張強さの数値が高い材料です。ただし、引張強さと伸び率はSUS304に劣ります。オーステナイト系ステンレスのように変態も発生しない材料のため、加工しやすい特徴があります。

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    L字金具の種類・使い方一覧

    L字金具とは、その名の通りL字形をした金具で、主に物を固定するために使用されます。最近では、家庭でのDIYなどに使用されることが多く、棚の固定や補強などによく利用されている金具の一つです。そのため、L字金具はホームセンターなどにおいて、気軽に購入することができます。今回は、この「L字金具」をテーマに、L字金具とはという説明から始め、L字金具に関する基礎的な知識のほか、代表的なL字金具の種類や、L字金具の使い方などについて、詳しくご紹介していきます。これからDIYなどにおいて、L字金具の使用を検討している方や、L字金具について知識を深めたい方はぜひご一読ください。L字金具とは引用元:株式会社ミスミグループ本社L字金具とは、上図に示したような金具で、角度90度のL字形をしていることから「L字金具」と言います。他にも、幅広金具と呼ばれることもあります。L字金具は、主に物を固定する際に使用されるため、固定に必要なビスやボルトなどを通す穴が開いています。L字金具の種類次に、L字金具の種類について見ていきましょう。一口でL字金具と言っても、材質やサイズの違うさまざまな種類があり、それぞれ耐荷重性や強度などが異なります。そのため、DIYなどにおいて使用する際には、事前に必要な耐荷重性や強度などを確認した上で、適切な材質、サイズのL字金具を選ぶことをおすすめします。なお、L字金具の材質には、主に強度の高いステンレスやスチールが用いられます。塗装などの表面処理を施し、耐腐食性や意匠性に優れたL字金具なども存在します。また、L字金具に用いる材質の板厚を大きくすることで、さらに耐荷重性及び強度を高めることができることから、特厚L字金具と呼ばれる金具もあります。他にも、L字金具の固定のためのビス用の穴の数を増やし、より強固に固定ができる多孔式L字金具なども存在します。このように、用途に合わせて最適なL字金具を選定することは非常に重要となります。参考記事こちらの記事では、ステンレスについて、その特徴や、加工方法など詳しく解説しています。また、ステンレス加工を得意としているMitsuriイチオシのメーカーについてもご紹介しています。ステンレスについて知識を深めたい方は、ぜひご覧ください。⇒ステンレスに関して板金加工の種類ごとにご紹介!おすすめの工場も!Mitsuriでは、さまざまな種類のL字金具の製作を依頼できる多数のメーカーと提携しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。L字金具の使い方最後に、L字金具の使い方について見ていきましょう。L字金具には、主に以下のような3つの使い方があります。1.棚受け金具棚受け用に使用されるL字金具は、棚受けの強度を高め、補強する目的で使用されます。通常、棚受け用には強度の高いステンレス製もしくはスチール製のL字金具が利用されることが多いですが、デザイン性を高めるために木製のL字金具が用いられることもあります。ただし、木製のL字金具は金属製のL字金具と比較して、強度や耐荷重性に劣るので注意しましょう。2.ジョイント金具ジョイント金具とは、木材などの板材を直角につなげる目的で使用されるL字金具です。棚などの製作には欠かせない金具の一つです。3.家具の固定用金具L字金具は、タンスや食器棚などの家具を壁に固定し、転倒を防止する用途でも用いられます。特に地震などの災害対策において、欠かせない金具となっています。Mitsuriでは、こちらでご紹介したようなさまざまな用途で使用されるL字金具の製作を依頼できる多数のメーカーと提携しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。L字金具についてまとめ今回は、L字金具をテーマに、L字金具とはという説明から始め、L字金具に関する基礎的な知識のほか、代表的なL字金具の種類や、L字金具の使い方などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。L字金具の種類は、材質や形状、またサイズなど、多岐に渡ります。そのため、L字金具をご購入の際には、事前に必要な耐荷重やサイズなどを確認し、用途に応じて適切なL字金具を選定することをおすすめいたします。L字金具を製作・販売しているメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!L字金具でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。