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溶接

  • 溶接の基礎知識

    【5分でわかる】溶接記号の見方、書き方溶接記号の見方、書き方について動画でも解説しています!噛み砕いて解説しているので、ぜひ参考にしてください!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください!溶接の基礎知識溶接とは、熱や圧力またはその両方を加えることで、材料を一体化させる加工方法です。さまざまな接合方法があり、液相・固相など材料の状態によって、融接・圧接・ろう接に分けられます。溶接が学べる記事一覧▶溶接記号の一覧【基礎講座】溶接指示を徹底理解!種類と書き方をマスターしよう▶溶接ビードを解説【専門家が語る】溶接ビードの除去方法も解説!▶溶接とは?【専門家が解説】素人でも3分でわかります!▶溶接歪みの原因について解説!修正法やそもそも歪みを出さない溶接法についてもご紹介!▶溶接の知見を得よう【10の基本知見】知らないと恥ずかしいかも?基本質問集▶【溶接の資格】種類一覧!費用と取り方&難易度別!プロの溶接工が取っておくべき資格▶溶接の種類【基礎講座】使い分けとメリット!3分でわかる金属加工で代表的な溶接とは▶ナット溶接とは|ウェルドナット(溶接ナット)の種類もご紹介!▶溶接加工の見積りを依頼するならMitsuri!見積りを決める要素に関しても解説!▶溶接方法について専門家が解説!【協力工場140社以上】溶接でお困りならMitsuri!▶アングルの溶接ならMitsuri!【全国どこでも】1コ〜お受けいたします!▶溶接時のスラグはなぜでるのかを解説!スラグ巻き込みの原因と対処法についてもご紹介!▶タップ溶接を解説!【専門家が語る】素人でも3分で理解できます!▶【板金溶接】加工方法の種類から加工実績まで詳しく解説!▶溶接の自動化とは?自動溶接・ロボット溶接▶溶接加工とは?代表的な種類とメリット・デメリットを解説材質と溶接▶真鍮の溶接についてはこの記事だけでOK!専門家が解説します!▶アルミと鉄の溶接は難しい!異種金属溶接について専門家が解説▶ステンレスと鉄の溶接は可能!異材溶接での違いと気をつけるべきポイント▶ステンレス溶接の種類や溶接方法を銅種別に徹底解説!▶アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!▶銅の溶接が難しい理由と銅の溶接事例▶鉄の溶接ならMitsuri!【全国どこでも】1コ~お受けいたします!溶接に関する記事をもっと見る:溶接のカテゴリ|記事一覧融接の基礎知識融接は、溶融状態で接合する溶接方法です。アーク溶接(被覆アーク溶接、マグ溶接、ミグ溶接、ティグ溶接等)の他に、高密度エネルギーを用いる溶接方法もあります(電子ビーム溶接、レーザー溶接、プラズマアーク溶接等)。アーク溶接が学べる記事▶アーク溶接【基礎】種類と原理!電圧設定・温度分布まで詳細解説▶TIG(ティグ)溶接とは【専門家が解説】特徴や加工方法について詳細をお伝えします!▶【マグ溶接】マグ溶接原理や特徴を解説!!他の溶接との違いはどこにある?▶ミグ溶接を徹底解説!【専門家が語る】素人でも3分で理解できます!ビーム溶接が学べる記事▶【レーザー溶接】仕組み(原理)やメリット・デメリットなどの特徴をご紹介!!融接について学べるその他の記事▶融接とは?代表的な種類とメリット・デメリットを解説融接に関する記事をもっと見る:融接のカテゴリ|記事一覧圧接の基礎知識圧接は、固相状態で接合する溶接方法です。抵抗溶接、スタッド溶接、ガス圧接、摩擦圧接などがあります。▶圧接とは?代表的な種類や特徴、メリット・デメリットを解説抵抗溶接が学べる記事▶抵抗溶接について!原理や特徴を解説しています!▶スタッドボルト溶接ならMitsuri!溶接法についても解説しています!▶スタッド溶接とは【専門家が解説】素人でもわかりやすくお伝えします!▶シーム溶接とは?メリット・デメリットやスポット溶接との違いに関しても解説!▶プロジェクション溶接のメリット・デメリットを他の溶接手法と比較しながら解説します!▶【スポット溶接】メリット・デメリットや他の溶接との違いを専門家が解説!▶炭酸ガスアーク溶接とは?【3分でわかる】向いている金属もご紹介!圧接に関する記事をもっと見る:圧接のカテゴリ|記事一覧ろう接の基礎知識ろう接とは母材をできるだけ溶融させず、母材の融点より低い金属を溶加材として、母材間に流し込んで溶接する方法です。ろう接に関連する記事▶【はんだ付け】基礎からコツ、不良事例とその対策、資格までご紹介!▶ろう付けとは?代表的な種類や特徴、メリット・デメリットを解説ろう接に関する記事をもっと見る:ろう接のカテゴリ|記事一覧摩擦撹拌接合(FSW)の基礎知識摩擦撹拌接合とは、摩擦熱で軟化させて金属を撹拌して接合する溶接方法です。FSW(Friction Sir Welding)とも呼ばれます。摩擦撹拌接合に関連する記事▶リベット接合とは?【3分でわかる】長所・短所も解説!▶接合加工基礎知識!板金加工品にも使われる「カシメ加工」を徹底解説摩擦撹拌接合に関する記事をもっと見る:摩擦撹拌接合のカテゴリ|記事一覧

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    継手とは?種類や形状等を解説!

    継手とは、配管同士を接続する際に使用する部品の総称を指します。継手は、私たちの身近なところにおいて、非常に幅広い用途で利用されています。例えば、住宅などの建物の設備に欠かすことができない水道には、多くの配管が使用されており、配管と同様、継手も多く使用されています。他にも、工場やプラント設備のパイプラインなどにおいても、多くの配管や継手が必要となります。今回は、この「継手」をテーマに、継手とは何かという説明からはじめ、継手の形状や種類について、それぞれ詳しく解説します。継手について知識を深めたい方や、これから継手の購入を検討されている方は、ぜひご一読ください。参考:継手の加工を得意としている工場3選!最適な素材や加工事例についてもご紹介!継手とは継手とは、バルブと管を接続したり、管と管を接続し延長する配管部材を指します。さらに、継手は、配管ルートの曲げ方向を変えたり、管路を合流・分岐させたりすることができます。その他にも、配管の太さを変えたり、配管を塞ぎ流れを止めたり、またバルブなどの機器との接続や脱着をしやすくするなど、非常に多くの機能を果たします。このように、継手は、非常に多くの役割を担っており、私たちの生活において欠かすことができない部品の一つとなっています。継手の用途としては、給湯・給水分野や排水分野などの水回りでの使用のほか、産業設備、各種造船、またプラント設備などの各種工場、また消火活動などの防災分野など、幅広い分野において利用されています。継手の形状次に、継手の形状について見ていきましょう。上述した通り、継手には非常に多くの役割があります。そのため、各役割に応じてさまざまな形状の継手が存在します。下表に、一般的な継手の形状についてまとめました。この表からも、用途に応じてさまざまな継手の形状があることが分かります。<一般的な継手の形状>以下、継手の各形状について、代表的な4つの用途に分けてそれぞれ見ていきましょう。1.配管を延長する継手配管の長さを延長する継手には、主に以下の2種類の継手が用いられます。ソケットソケットは、同じ太さの直管同士を連結するための継手です。一般に外ネジ同士での接続を行います。ニップルソケット同様、ニップルも同じ太さの直管同士を連結するための継手です。一般に、内ネジ同士での接続を行います。2.配管を曲げる継手配管を曲げて流体の流れを変える継手には、主に次の継手が用いられます。エルボエルボは、上図に示した通り、L字形をした継手で、配管同士をつなげ流れの向きを変えたい時に利用されます。エルボの角度には、45度、90度、180度などさまざまで、用途に応じて選定されます。3.配管の太さを変える継手配管の太さを拡大させたり、縮小させたりする継手には、主に以下の2種類の継手が用いられます。レジューサレジューサはインクリーザーとも呼ばれ、太さの異なる配管同士の接続に利用されます。複数のレジューサを用いて、徐々に配管の太さを調整することもあります。ブシュブシュはブッシングとも呼ばれ、レジューサ同様、太さの異なる配管同士の接続に利用されます。一般に、外ネジと内ネジでの接続を行います。4.配管を分岐させる継手配管を分岐させる継手には、主に以下の2種類の継手が用いられます。ティーティー(T)は、チーズとも呼ばれ、アルファベットのT字の形状を持つ継手です。配管を連結させ、流体の流れを1方向から2方向へと分岐するために利用される継手です。クロスクロスは、配管を三方に分岐するために利用される継手です。継手の種類最後に、代表的な4種類の継手について、それぞれの特徴をご紹介いたします。黒継手黒継手は、可鍛鋳鉄でできた継手です。可鍛鋳鉄とは、溶融させた鋳鉄を急激に冷やし、焼き鈍し処理を施した金属です。冷温水、冷却水、消火用水、蒸気、ガス、空気、油など、さまざまな流体の使用が可能で、幅広い分野で利用されている継手です。白継手白継手は、前述した黒継手の表面に溶融亜鉛メッキ加工を施した継手です。メッキ加工により、黒継手と比較してより耐腐食性が高い継手となっています。工業用水、冷温水、冷却水、消火用水、ガス、空気、油など、黒継手同様、さまざまな流体への使用に適した継手です。ステンレス継手ステンレス継手は、その名の通りステンレス製の継手です。ステンレスの優れた耐腐食性を活かして、特に工場やプラントなどの分野において広く利用されている継手です。黄銅製継手黄銅製の継手は、特に水洗トイレの給水管や洗浄管などに利用されることが多く、私たちの生活の身近な所で広く活躍している継手となっています。参考記事こちらの記事では、黄銅について、その特性や用途、また黄銅に関する歴史など、幅広い内容について詳しく解説しています。黄銅についてより知識を深めたい方は、ぜひご覧ください。⇒【黄銅とは?】特性や用途について専門家が詳しく解説!継手の見積り依頼ならMitsuri今回は、「継手」をテーマに、継手とは何かという説明からはじめ、継手の形状や種類について詳しくご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。継手の形状、またその種類は多岐に渡ります。そのため、使用する場所や用途などに応じて適切な継手を選定することが非常に大切となります。また、継手の加工をメーカーに依頼する際には、メーカーによって対応できる材質や継手の種類などが異なりますので、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。継手の加工を依頼できるメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!継手の加工でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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    プレス金型とは?金型の機能・名称に関しても解説!

    プレス金型は、プレス加工の際に必要な、製品を成形するためのもの。プレス加工品はさまざまな分野で活用されており、私たちの生活にかかせないものとなっています。ただし、品質の良いプレス加工品を提供するには、プレス金型の設計・製造から綿密に行う必要があります。また、一口にプレス金型と言ってもいくつか種類があるのをご存知でしょうか?この記事では、プレス金型の種類について解説するだけでなく、機能や構成している部品の名称についても紹介します。「プレス加工と金型の関係性とは何か?」「プレス金型にはどういう種類があるのか?」「プレス金型はどういった部品で構成されているか?」上記のような疑問がある方は、ぜひご一読ください。プレス加工と金型の関係性プレス加工とは、被加工材を専用の加工機にてプレスすることで、製品を成形する加工方法です。プレス加工をするには、専用の加工機だけでは生産できず、事前に雄と雌の対になったプレス金型を用意する必要があります。プレス加工は、金型の製作に初期費用がかかってしまうものの、大量生産が可能で品質のバラつきが少ないのが特徴です。プレス加工は、自動車部品や家電製品、電子機器など幅広い分野で利用されており、現在では必要不可欠な技術と言えます。参考記事以下の記事にて、プレス加工の基礎知識や種類について詳細を解説していますので、ぜひチェックしてみてください。⇒プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!金型とは引用元:パンチ工業株式会社金型とは、被加工材の塑性変形、および流動性を利用して成形するための金属の型のこと。今回ご紹介するプレス金型は、上図のように上下に分かれた型の間に被加工材をセットし、プレスすることで製品を成形します。プレス用の金型以外だと、プラスチック用・鍛造用・鋳造用・ダイカスト用・ガラス用・ゴム用が代表的です。参考記事金型の種類については、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。⇒【金型製作】金型の種類と基礎や流れについて徹底解説!!プレス金型は、せん断加工のための「抜き型」、曲げ加工のための「曲げ型」、絞り加工のための「絞り型」などがあります。これらの金型を駆使することで、世の中の自動車部品や家電部品などが作られています。金型の機能金型には製品を作るために重要な機能が多数備わっています。製品を成形する機能はもちろんのこと、プレス機械へ取り付けるための機能・被加工材の位置決めをする機能・雄と雌の型を位置設定をする機能も有します。これらは、金型を構成する部品によって成り立っており、いずれかの機能が欠けてしまうとプレス加工できません。プレス金型の種類プレス金型の種類①【単発型】単発型は、ひとつの金型に対し、せん断加工・曲げ加工・絞り加工などの工程をひとつのみ行えるタイプです。他のプレス金型と比べて最もシンプルで、金型の製作費や製品のコストも安価なのが特徴です。そのため、少ないロットやサイズの大きな製品の加工に適しています。しかし、人の手でプレス機械を動かして加工する型のため、連続加工や自動化はできず、生産性に劣る点には注意が必要です。また、単発型を複数並べて、自動で生産できるようにした「タンデム加工」というものもあります。プレス金型の種類②【順送型】順送型は、せん断加工・曲げ加工・絞り加工など、複数の加工方法をひとつの型に搭載したもののことを言います。別名「プログレ型」と呼ばれることも。このタイプは、被加工材をプレスをする度に材料が順送りされ、製品を成形します。ロール状であるコイル材を用いてプレス加工するので生産効率が良く、大量生産に最適。機械による作業のため、品質も安定します。ただし、単発型に比べて金型の作りが複雑で製作が難しいため、金型の製作費用は比較的高価です。プレス金型の種類③【トランスファー型】トランスファー型は、単発型が複数並んだ状態のタイプ。トランスファー型に被加工材を順番に通すことで、自動加工が可能です。材料はコイル材を用い、順番に加工した材料を次の工程に移していきます。次の工程に移す作業はフィンガーと呼ばれる治具により行われ、連続して加工。自動加工で生産するので大量生産に適しており、歩留まりも良いのが特徴です。ただし、トランスファー型は搬送機構の設計が難しく、型の製作コストも高めな点には注意してください。プレス金型の構成引用元:プレス金型の基礎プレス金型の構成は上図の通りです。以下で代表的な部品について解説します。パンチパンチは、被加工材を押し付けるための工具。別名「ポンチ」や「雄型」とも呼ばれます。せん断加工・曲げ加工・絞り加工、いずれもパンチを用いることで成形が可能。ただしパンチだけでは成形できず、対となる「ダイ」も必要です。ダイダイはパンチの受けを意味しています。別名「雌型」と呼ばれることも。プレス金型で作られる製品は、パンチとダイの形状により加工後の形状が決まります。品質の良い製品を生産するためには、パンチとダイの位置関係も高い精度で製作する必要があります。ダイセットダイセットは、金型をプレス機械に固定するためのもの。ガイドポストにより上下のダイセットが連結されており、ダイやパンチなどの部品も保持します。品質の良い製品を生産するには、上下のダイセットの作りも高い精度が必要です。また、他の部品の交換のしやすさも重要なポイントとなります。ガイドポストガイドポストは、上下のダイセット芯合わせをするための部品のこと。ガイドポストがあることで、上下の型を正確に嵌め合わせることが可能です。本部品がないと上下の型の位置関係がズレてしまい、製品の品質が悪くなってしまうほか、金型の部品の損傷にも繋がります。パンチプレートパンチプレートは、パンチの位置関係と垂直を保持するための板のことを言います。こちらも、製品の精度を保つために欠かせない部品です。ストリッパプレートストリッパプレートは被加工材を押さえつけ、変形したりズレたりないようにするためのもの。また、パンチの先端が破損しないためのガイドの役割もあります。バッキングプレートバッキングプレートは、プレス加工時にパンチがダイセットにめり込むのを防止するための部品です。本部品自体に強度が必要なため一般的に熱処理が施されています。別名「バックアッププレート」「バックプレート」とも呼ばれることも。ダイプレートダイプレートは、プレス加工時のダイの破損を防ぐための板のこと。ダイプレートは、ダイと一体化されているものや、入れ子式になっているものがあります。プレス金型の一括見積りを依頼するなら【Mitsuri】今回はプレス金型について解説しましたがいかがでしたでしょうか。プレス加工をする上で、プレス金型は必ず必要です。プレス金型があることで、製品の大量生産や品質の安定化を実現しています。ただし、品質の良い製品を生産するには、金型の設計・製作の段階から高い精度で行わなければなりません。また、プレス金型には、単発型・順送型・トランスファー型があり、各種類によってメリットとデメリットが異なります。プレス加工をする際には、いずれの種類が適しているのかを見極めることも重要です。もしプレス金型の製作でお困りのことがあれば、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国に250社以上の協力企業と提携しているので、お客様の希望に沿うプレス金型メーカーが見つかります。お見積りは複数社から可能です。プレス加工メーカーについての相談も承っておりますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。

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    レーザーでの精密微細加工とは?メリットやおすすめの工場もご紹介!

    レーザーでの微細加工は、金属をはじめ、セラミックやガラスなどさまざまな素材に非常に細かな加工を施すことができる加工方法です。金属加工における先端技術の中でも特に注目を集めており、精密機械をはじめ幅広い業界や分野で高いニーズがあります。ただ、肉眼で識別できないほどの微細な切断や穴開けなどの加工を依頼したい、と思ってもレーザーでの微細加工についての知識や得意とする企業の情報がないと難しいですよね。この記事では、レーザーを使った微細加工のメリットや種類、レーザー微細加工を得意とする企業をご紹介します。板金をはじめ金属へのレーザー微細加工の依頼を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。レーザー加工が微細加工に適している理由レーザー加工は、名前のとおりレーザー光線を利用して切削や穴開けなどを行う加工方法です。レーザーを使って微細加工を行う際、レーザー光線が持つ波長のパルス幅が短い「超短波パルスレーザー」を採用しています。超短波パルスレーザーとは超短波パルスレーザーとは、パルス幅が非常に短いレーザー光で、波長によってナノ秒レーザーやフェムト秒レーザー、ピコ秒レーザーなどに区別されます。パルス幅が短い程、光の直進距離が短くなるため、より精密な加工が可能となります。超パルスレーザーのパルス幅について名称パルス幅光の直進距離フェムト秒10-15秒0.3umピコ秒10-12秒0.3mmナノ秒10-9秒30mm通常のレーザー加工では、発生する熱によって変形や反りなどが出る可能性がありますが、超短波パルスレーザーは素材を原子化し、素材にピンポイントで加工を施すことが可能です。よって、熱による損傷を起こす前に低温状態で加工できます。参考記事金属へのレーザー加工については、下記記事にて詳しく解説しています。⇒【レーザー加工】原理や種類、メリット・デメリットを専門家が紹介!!精密レーザー微細加工の種類精密性を求められるレーザー微細加工と言っても種類は多岐に上ります。代表的な加工であるのは微細穴加工と溝加工です。双方順にご説明します。レーザー微細加工の種類【微細穴加工】微細穴加工は、直径1mm未満ほどのごく小さな穴を開ける加工です。レーザーを使用することで1個から高密度での多数の穴加工も可能になります。印刷用の治具や金型などの用途で採用されています。レーザー微細加工の種類【微細溝加工】微細溝加工は、幅1mm以下の溝を素材につける加工です。狭いピッチで均等、あるいは不均等な溝形状の加工を入れる方法で、コネクター端子や半導体などに使用されています。従来は加工幅に成形した砥石を用いて職人によって加工されていましたが、レーザーを使用することで作業効率と安全性が確保され、熱による素材の変形を軽減することで、より高品質な製品が製作可能になりました。レーザー微細加工のメリットレーザーを使った微細加工を行うメリットについて見てきましょう。バリやドロスが少ないレーザーを使った微細加工では、金属や樹脂を加工した際に出る素材の出っ張りであるバリや、切断時に物質が溶けて溶解物として付着するドロスを軽減できます。微細加工に使用するレーザー光は集光性、指向性が確保されており、照射部分をピンポイントで融解できます。加工エリアが小さいため、熱による変形を最小限に抑えられるのです。また、精密さが特徴であり、従来の刃物や砥石を使った加工とは違い接触不要なため、加工時の歪みやクラック(ひび割れ)が起こるリスクも少なくなります。ごく薄い板金などの穴加工、溝加工にも適した加工方法です。多様な材質に対応レーザーでの微細加工は、金属だけでなくセラミックやガラスなどの硬脆材や樹脂などにも採用できます。溝の深さや幅を数μm単位で調節することで、規則正しい溝を任意の場所に高精度で施すことが可能です。レーザー微細加工の加工事例レーザー微細加工の加工事例をご紹介します。1.狭ピッチ溝研削加工(コネクタ端子金型の入れ子)引用元:株式会社ナガセインテグレックスピッチ精度:0.8μm2.超硬材料の微細溝研削加工引用元:株式会社ナガセインテグレックス超硬材料へ50µmピッチの微細溝を研削加工。3.タイバーカットパンチ研削加工(超硬材料)引用元:株式会社ナガセインテグレックスピッチ精度:1.1μmレーザー微細加工に強い工場3選!【箔形状等の薄い形状の加工なら】株式会社リプス・ワークス引用元:株式会社リプス・ワークス①会社概要本社:東京都大田区東糀谷6-4-17 OTAテクノCORE409TEL:03-3745-0330FAX:03-3745-0331設立:2009年5月加工:焼結・熱処理、メッキ加工、表面処理加工などの各種金属加工、試作品開発加工、各種切削 など 素材:ステンレス、アルミ、鉄、合金、樹脂 などHP:https://lps-works.com/②会社の紹介株式会社リプス・ワークスは、都内大田区に拠点を構え、試作品の開発加工や切削などの金属製品加工を行っています。③メリット・デメリット超短パルスレーザー加工機によるレーザー微細加工では、従来からの円柱や半球形状に加え、複雑な形状のエンボス加工を多く受注しています。エンボス加工の範囲や深さなども任意に調節できます。ただ、納期の短縮は可能かどうかは、受注量などの条件によっても異なりますので、事前に相談してみましょう。④製品紹介株式会社リプス・ワークスの製品例は次のとおりです。SUS304への複合エンボス加工モリブデン(Mo)への高アスペクト微細ストレート穴加工タングステン(W)へのストレート穴あけ加工【金属、ガラス、樹脂等様々な素材に対応】株式会社ナノプロセス引用元:株式会社ナノプロセス①会社概要本社:静岡県浜松市西区大久保町1349TEL:053-482-1800FAX:053-485-1512設立:2007年4月加工:レーザー加工、試作、装置開発 など 素材:アルミ、タングステン、モリブデン、チタンなど金属全般、セラミック、シリコン、各種ガラス などHP:https://www.nanoprocess.jp/②会社の紹介株式会社ナノプロセスは、浜松市にあるレーザー加工や試作品の製作、装置の開発を行っている企業です。③メリット・デメリットレーザーを使った微細加工に特化し、穴加工や溝・切断加工、マーキングや多段加工など多種の加工に対応しています。マイクロメートルレベルでの深穴や深溝、貫通加工が可能で、従来の機械加工では取り扱いが難しいタングステンやチタン、モリブデンといった脆性材料の加工も受注しています。早期納品ができるかどうかは事前に確認するようにしてください。④製品紹介株式会社ナノプロセスの製品例は次のとおりです。アルミナ穴加工窒化アルミ加工面(SEM画像)アルミナ異形加工【レーザー微細穴あけ加工なら】東成イービー東北株式会社引用元:東成イービー東北株式会社①会社概要本社:福島県郡山市待池台1‐26TEL:024-963-2411FAX:024-963-0455設立:1987年11月2日加工:電子ビーム溶接加工、各種レーザ加工、レーザクリーニング など 素材:ステンレス、アルミ、銅 などHP:https://www.ebtohoku.co.jp/index.html②会社の紹介東成イービー東北株式会社は福島県郡山市に本社があり、レーザーを使用した加工やクリーニング、電子ビーム溶接加工を受注する企業です。③メリット・デメリット超短パルスレーザーによる微細加工では、幅広い材質に加工が可能です。ステンレスやアルミ、銅などの金属だけでなく、シリコンやタングステンといった素材にも数十μm単位で加工を施せます。ただ、遠方からの依頼を受けられるかどうかは、事前に問い合わせた方が無難でしょう。④製品紹介東成イービー東北株式会社の製品例は次のとおりです。タングステンWへの微細穴あけ加工(穴径    φ0.030mm・φ0.050mm)シリコンSiへの微細穴あけ加工ステンレスSUS304への微細穴あけ加工レーザーでの微細加工の一括見積もりを依頼するなら【Mitsuri】レーザーでの微細加工について、得意とするメーカーを含めてご紹介してきました。幅広い材料に緻密な加工ができる微細加工は、現時点では特殊な加工方法であり企業や製作所によって受注可能な素材や製品、生産数などに違いがあります。また、実績がある加工方法や分野なども異なるため、事前に依頼できるかどうか確認することをおすすめします。レーザーでの微細加工を依頼するメーカーをお探しの際には、一度Mitsuriにご相談ください。提携している日本全国250社以上の企業から、お客様の要望に合った最適なメーカーを紹介いたいます。また、Mitsuriでのお見積りは複数の企業から一度にもらうことが可能です。まずは一度お気軽にお問い合わせください。

  • TIG(ティグ)溶接とは【専門家が解説】特徴や加工方法について詳細をお伝えします!

    TIG(ティグ)溶接は、高性能・高品質、かつ美麗な仕上がりが得られるアーク溶接法の一つです。また、導電性を持つ金属ならばほぼ適用可能で、鉄鋼やステンレス鋼のほか、アルミニウム合金やマグネシウム合金なども溶接することができます。しかし、アーク溶接には、被覆アーク溶接やマグ溶接、ミグ溶接などの多様な溶接法があるため、TIG(ティグ)溶接が他の溶接法とどのように異なり、優れているのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。そこで、今回の記事では、TIG(ティグ)溶接の詳細や原理、また特徴について説明していきます。また、実際のTIG(ティグ)溶接の方法・工程を動画と併せて解説していきますので、溶接をご依頼するときの参考にしてください。TIG(ティグ)溶接とはTIG(ティグ)溶接は、Tungsten Inert Gas(タングステン不活性ガス)溶接を略したもので、アーク溶接法の一種です。そのアーク溶接法の中でも、タングステンを電極に用いた非溶極式に分類され、溶接部をアルゴンなどの不活性ガスでシールドしながら、必要に応じて溶加材を溶かし込んで溶接する方式です。アーク溶接溶接には、融接、圧接、ろう接の3種類の方法があります。これらの方法は、以下のように被溶接材料(母材)を接合しますが、TIG(ティグ)溶接は融接による溶接法の一つです。溶接の種類●融接…熱で母材を溶かし、必要に応じて溶かした溶加材を加え、凝固させて接合●圧接…圧力を母材に加えて接合●ろう接…母材を溶かすことなく、溶加材のみを溶かし、溶加材を接着剤のように用いて母材を接合融接による溶接法は、母材を溶かす手段により、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接に分けられます。TIG(ティグ)溶接は、これらの溶接法の中のアーク溶接にあたります。融接の種類●ガス溶接…可燃性ガスを燃焼させることで発生する熱で母材を溶融●アーク溶接…気体中の放電現象に伴って発生する熱で母材を溶融●レーザー溶接…レーザー光を照射することで母材を溶融●電子ビーム溶接…加速した電子を衝突させることで母材を溶融参考:【アーク溶接とは!?】代表的な種類や特徴と「メリット・デメリット」を解説非溶極式アーク溶接アーク溶接は、母材を溶かすと共に、電極を溶かし溶加材としても用いる溶極式と、消耗しない電極を用い、別に溶加材を添加する非溶極式に分けられます。TIG(ティグ)溶接は、非溶極式のアーク溶接法で、融点が3380℃と金属の中で最も高融点のタングステン、もしくはタングステン合金を電極として使用します。なお、タングステンを電極に用いる非溶極式には、プラズマ溶接という溶接法もあります。下図のようにTIG(ティグ)溶接と非常に似通った方法ですが、その違いは、電極をノズルとプラズマガスで包み込むことで、アークが広がらないように絞っていることです。それにより、そのアークは電流密度が高く、熱効率や熱集中性もTIG(ティグ)溶接と比べて高くなります。そのため、精度が高く、速度が早い優れた溶接法と言えるでしょう。ただし、プラズマ溶接は、TIG(ティグ)溶接よりも高コストであるというデメリットがあります。ガスシールドアーク溶接アーク溶接では、アーク放電を安定的に維持する、酸化を防止するなどの目的から溶接部をガスでシールドする場合があり、シールドガスを用いる方式をガスシールドアーク溶接と言います。TIG(ティグ)溶接は、ガスシールドアーク溶接に分類されますが、特にシールドガスに不活性ガスを用いることからイナートガスアーク溶接と呼ばれることもあります。TIG(ティグ)溶接で使用されるシールドガスは、酸素を含まないアルゴン・ヘリウム・アルゴンとヘリウムの混合ガス・アルゴンと水素の混合ガスの4種類に限られています。その理由は、電極に用いるタングステンが高温下で酸化しやすく、千数百℃程度まで融点が低下してしまうことがあるからです。なお、ヘリウムや水素を含んだ混合ガスは、アーク放電の発熱量の上昇による、溶け込み深さの増大や溶接速度の向上を目的として用いられます。しかし、水素含有の混合ガスでは、水素を吸収して強度が低下する水素脆化が生じることがあるため、使用可能なのはオーステナイト系ステンレス鋼とニッケル合金に限られます。交流TIG(ティグ)溶接アルミニウムやマグネシウムをTIG(ティグ)溶接する場合は、アーク放電のクリーニング作用を活かすことができる交流が主に使用されています。TIG(ティグ)溶接では通常、電極が陰極、母材が陽極の正極性で、直流を流して溶接を行います。これは、電子を放出する電極に比べ、電子が衝突する母材側がより加熱されることを理由とします。一方、電極が陽極、母材が陰極の逆極性では、電子が衝突する電極が消耗すると同時に、電子を放出する母材表面の酸化物が還元され、酸化物が取り除かれるクリーニング作用が生じます。逆極性での溶接は、電極の消耗により長時間の溶接ができないという欠点があるものの、酸化膜の融点が2000℃超と高く、正極性での溶接が困難なアルミニウムやマグネシウムなどでは極めて有効です。そこで、アルミニウムやマグネシウムには、クリーニング作用を活かすと共に電極の消耗も抑制した交流TIG(ティグ)溶接が用いられています。TIG(ティグ)溶接の原理次に、TIG(ティグ)溶接の原理を説明していきます。TIG(ティグ)溶接では、電極と母材間に高電圧を加え、高電流を流すことで起こるアーク放電によって生じる熱を利用して溶接します。アーク放電は、電極と母材間の電位差によって不活性ガスの電離が進行し、本来絶縁体である気体が導電性を持つプラズマとなることで起こります。プラズマは、電流路になってアーク放電を保つ役割を果たすとともに、熱を発生して母材や溶加棒を溶かします。細いタングステン電極と母材との間に生じるアーク放電は、電極から母材に向かって拡がるベルのような形状となり、中心部で1万数千℃、外周部でも1万℃程度の高温を示します。このアーク放電の維持には、適切な電圧と電流の供給が必要です。その電圧と電流の関係は不活性ガスがアルゴンの場合、下のグラフのようになり、アークが長いほど必要な電圧は大きくなります。ただし、TIG(ティグ)溶接機は一般に、溶接電流のみが設定可能で、設定された電流を出力するために電圧を自動で増減する定電流特性を備えたものが多いです。引用元:一般社団法人 日本溶接協会 溶接情報センターアーク放電を維持するために必要な電圧と電流は、使用する不活性ガスによっても大きく異なります。例えば、溶接電流を200Aとすると、下のグラフのようにヘリウムではアルゴンの約2倍の電圧が必要です。そのため、ヘリウムを不活性ガスに用いる場合は、溶接機の最大電圧が十分に高いものを選ぶ必要があります。引用元:一般社団法人 日本溶接協会 溶接情報センターTIG(ティグ)溶接では、下図のような装置構成で溶接が行われます。装置構成に見られるように、溶接電源に母材を接続し、通常はトーチの電極を陰極、母材を陽極とします。そして、リモコンボックスやトーチの手元のスイッチで、ガスの供給や電流の入切を操作して溶接を実施します。アーク放電が発生すると、下図のように、母材と溶接する金属、および溶加棒が溶け出して溶融池を形成します。この溶融池が凝固したものがビードとなるので、溶接の性能や品質、仕上がりの美しさは溶融池の状態によって左右されます。引用元:独立行政法人 産業技術総合研究所 加工技術データベースTIG(ティグ)溶接の特徴次は、TIG(ティグ)溶接の特徴について見ていきましょう。融接の特徴まず、TIG(ティグ)溶接は、融接による溶接法の一つであることから、融接に共通した以下の特徴があります。融接の特徴・溶接継手の強度が高い。・気密性や水密性に優れる。・溶接熱で母材の性質が変化することがある。・局所的な加熱と冷却により、変形する、または残留応力が生じることがある。・外観からの溶接品質の確認が困難である。圧接と比べた融接の特徴・溶接継手の構造を簡素化できる。・厚さに制限がほとんどない。●溶接継手について溶接における、2つの母材の接合部分、もしくは接合しようとしている部分を溶接継手といいます。代表的な溶接継手には、以下の突合せ溶接継手、重ね溶接継手、隅肉溶接継手が挙げられます。引用元:株式会社新東アーク溶接の特徴ティグ溶接は、アーク溶接の一つでもあることから、アーク溶接に共通した以下のような特徴があります。アーク溶接の特徴・アーク放電の温度が5000℃以上と高温であるため、高温で割れる金属は溶接できない。・接合する母材が導電体でないと溶接できない。ガス溶接に比べたアーク溶接の特徴・熱集中性に優れるため、溶接精度が高い。・エネルギー密度が大きいため、高融点金属の溶接が可能で、溶接速度も早い。・レーザー溶接や電子ビーム溶接と比べたアーク溶接の特徴・熱集中性に劣るため、溶接精度が低い。・エネルギー密度が小さいため、溶け込みが浅く、溶接速度が遅い。・溶接速度が遅く、溶接範囲が広いため、歪みが発生しやすい。・溶接装置が安価。参考記事レーザー溶接については、以下の記事に詳細がございますので、参考にしてください⇒【レーザー溶接】仕組み(原理)やメリット・デメリットなどの特徴をご紹介!!非溶極式アーク溶接の特徴TIG(ティグ)溶接は、アーク溶接の中でも非溶極式の溶接法ですが、非溶極式であるということから以下のような特徴を持ちます。なお、上の写真は、溶接用のタングステン電極棒です。ティグ溶接の特徴・タングステンの融点は金属中で最も高いので、あらゆる金属の溶接が可能。・溶加材を別途加える必要がある。・電極の溶融を考慮する必要がないため、溶加材の種類や添加量、溶接電流を独立して設定できる。・溶加材の溶融に時間がかかるため、溶接速度が遅い。・長時間の作業が可能。・アーク長を一定に保ちやすい。ガスシールドアーク溶接の特徴TIG(ティグ)溶接はまた、シールドガスを使用するアーク溶接でもあります。そのため、TIG(ティグ)溶接は、ガスシールドアーク溶接に共通する以下のような特徴を持ちます。ガスシールドアーク溶接と共通する特徴・シールドガスを別に用意する必要がある。・風の影響を受けやすいため、防風対策が必要になることがある。・大気の混入によるブローホールやピットの発生を抑制できる。・被覆剤を使用する場合に生じる凝固スラグが発生しない。TIG(ティグ)溶接の特徴TIG(ティグ)溶接は、アーク溶接の他の溶接法と比較して、以下の特徴を持ちます。他の溶接法と比較した特徴・鉄鋼・ステンレス鋼・ニッケル合金・銅合金・アルミニウム合金・チタン合金・マグネシウム合金など、ほとんどの金属を溶接できる。・高品質・高性能の溶接継手が得られ、ビードの外観にも優れる。・広範囲の電流域で溶接に適したアーク放電が得られる。・溶接姿勢の制約が少ない。・溶融池が安定しているため、その挙動を明瞭に観察できる。・有害な溶接ヒューム(溶融金属の蒸気)の発生が少ない。・火花が出ないため、スパッタの発生がほとんどない。・静音性に優れる。・手動溶接では、同時にトーチと溶加棒を操作しなければならず、熟練と技量が要求される。・不活性ガスやタングステンが比較的高価なため、溶接経費がやや高い。溶接姿勢について引用元:独立行政法人 産業技術総合研究所 加工技術データベース溶接姿勢は、溶接する際の作業者と溶接部の位置関係を指す言葉です。溶接姿勢には、上図に見られるような、下向、立向上進、立向下進、上向、横向の5つの姿勢があります。これらの溶接姿勢は、溶融池に作用する重力の方向を変えるため、溶接速度や溶け込み深さ、ビード形状などに下表のような影響を与えます。引用元:一般社団法人 日本溶接協会 溶接情報センターTIG(ティグ)溶接のメリット・デメリットTIG(ティグ)溶接は、初心者でも扱いやすい溶接方法であるため、個人がDIYや趣味などで溶接する時やプロが鉄工所で細かい溶接をする時など、幅広い用途に活用されています。そんなTIG(ティグ)溶接のメリットとデメリットを見てみましょう。メリットTIG(ティグ)溶接の主なメリットは次のようなことです。TIG(ティグ)溶接のメリット①溶接する金属を選ばない②耐食性や靭性に優れた溶接で強度を高める③溶接の品質が良い④溶接部の仕上がりがきれい⑤共付け(ナメ付け)が可能⑥火花が出ては困る環境下での溶接が可能⑦作業音が静か①溶接する金属を選ばないTIG(ティグ)溶接は、金属の中で最も融点の高いタングステンを電極としているため、炭素鋼・ステンレス鋼・低合金鋼などの鉄系金属からニッケル合金・銅合金・アルミニウム合金・チタン合金・マグネシウム合金などの非鉄系金属まで、工業用で使用されるほとんどの金属の溶接が可能です。②耐食性や靭性に優れた溶接で強度を高めるTIG(ティグ)溶接は、溶接部を保護するシールドガスにより、耐食性や靭性に優れた溶接が可能なので、強度を高めることができます。③溶接の品質が良い不活性ガスを使用して溶接するTIG(ティグ)溶接は、溶けた金属(スラグ)や金属粒がパチパチ跳ねるスパッタや金属表面の穴やくぼみ(ピット)ができにくい溶接方法です。そのため、溶接後に溶接部のスラグ清掃やスパッタ除去の手間が必要ない美しい仕上がりが見込めます。溶接肉も少ないので、薄板・複雑な形状の溶接など、精密な溶接も質が良くできます。TIG(ティグ)溶接は、シールドガスで溶接部を保護し、空気をシャットアウトしながら溶接するため、金属表面が酸化しにくくスラグも発生せず、不純物の混入も少なくなるので、溶接部位の欠陥が起きにくくなります。ですからTIG(ティグ)溶接は、RT検査・PT検査・MT検査などの検査の合格率も高く、品質の良い溶接法なのです。④溶接部の仕上がりがきれい電極が解けないため母材の溶接部の視野がきちんと確保でき、複雑な形状でもよく見て溶接することができます。また、溶接速度が遅いため、初心者でもゆっくり丁寧に溶接作業ができるので、溶接部が滑らかで光沢がある美しい仕上がりになります。⑤共付け(ナメ付け)が可能ナメ付けとも呼ばれる共付けとは、溶加棒(溶接棒・フィラーワイヤともいう)を使用せずに母材同士を直接接合する溶接のことで、TIG(ティグ)溶接ならではの溶接法です。共付けする場合、溶接部には余分な溶接肉が付かず、母材同士の馴染みも良い仕上がりになります。ステンレスの薄板などを接合するのに適しています。⑥火花が出ては困る環境下での溶接が可能スラグ・火花などが出てはいけない環境下でも、火花が出ないTIG(ティグ)溶接法なら溶接することができます。例えば原子力発電所や繊維工場など、火花で火災や事故などが起きやすい環境下での溶接に、TIG(ティグ)溶接は向いています。⑦作業音が静か火花を散らさず溶接できるため、他の溶接方法より作業中の騒音が極めて少なく、作業への集中力を高めるのはもちろん、周りへの迷惑も少なくなります。デメリットメリットが多いと思われるTIG(ティグ)溶接にも、当然デメリットがあります。TIG(ティグ)溶接のデメリット①風の影響を受けやすい②溶接速度が遅い③ランニングコストがかかる④作業者の熟練度で仕上がりが左右される⑤保護メガネが必要(電気性眼炎予防)①風の影響を受けやすいTIG(ティグ)溶接は、溶接部位をシールドガスで覆う必要がありますが、シールドガスは風が吹くと飛んでしまうため、屋外の溶接には向いていないといえます。屋外でTIG(ティグ)溶接を行う場合は、風除けをするなどの溶接環境を養生する、アルゴン流量を増やす、大溶量ガスレンズに変えるなどの対策が必要になり、コストや手間、作業時間がかさみます。②溶接速度が遅いTIG(ティグ)溶接は、溶接速度が他の溶接法より遅いため、溶接作業に時間がかかり、大量生産や短時間での溶接には向かない溶接法です。作業効率を上げるためには、対策として電流を上げる方法しかありません。作業効率を優先したい場合は、半自動溶接や被覆アーク溶接に変更する方が良いでしょう。③ランニングコストがかかるタングステンの電極は消耗が少ないので溶接を長時間連続してできますが、シールドガスに使用する不活性ガス(アルゴンガスやヘリウムガスなど)が高価なため、ランニングコストがかかるのがデメリットです。シールドガスの流量を適切にすることや、シールドガスの仕入れ値を交渉するくらいで、根本的な解決は難しくなります。④作業者の熟練度で仕上がりが左右される手作業で細かく精密な溶接を美しく仕上げるためには、技術の習得が必要になります。ローリング・浮かし・溶加棒の送り方などの技術を身に着けなければなりません。しかも、シールドガスが高価なため練習を重ねにくく、習得に個人差が出ることもあり、作業者の熟練度の違いで仕上がりの美観が違ってきます。⑤保護メガネが必要(電気性眼炎予防)TIG(ティグ)溶接は、火花などは発生しませんが、強い光が発生します。この光が直接目に入ると角膜や網膜へダメージを与えるため、角膜炎症・白内障・網膜損傷などを招く危険性があります。電気性眼炎などを防ぐためにも、保護メガネなどを着用する必要があります。TIG(ティグ)溶接はどういう製品に向いているかTIG(ティグ)溶接は、他の溶接方法では難しいとされるステンレスやアルミの母材を溶接する時に向いている方法です。火花やスパッタがないためクリアな視界で溶接でき、美しい仕上がりが実現できますので、什器など複雑な形状や細かい溶接、また仕上がりの美観を重視する製品の溶接に適しているといえます。しかしTIG(ティグ)溶接は、他の溶接方法に比べ溶接速度が遅いため、作業効率から考えると、溶接箇所があまり多くない製品作製に用いることをおすすめします。つまりTIG(ティグ)溶接は、作業効率より美観重視の溶接方法ということになります。他にも、ステンレスの薄物同士の接合や、溶加棒を使用しない共付け(ナメ付け)にも、TIG(ティグ)溶接がおすすめです。●TIG(ティグ) 溶接に向いている製品例・バイクや車の部品・パイプ類の接合・船の部品の接合・小物製作・ステンレスやアルミの材質の接合・溶接部の美観が重要な製品の接合TIG(ティグ)溶接の方法、工程を動画で解説引用元:OPEN EV 沖縄県教育委員会 教育支援ビデオそれでは、TIG(ティグ)溶接は実際にどのように行うのか、上のアルミニウムのTIG(ティグ)溶接の動画を参考に解説していきます。動画では、厚さ2mmの1000系アルミ板を、初めに溶加棒なしで、次に溶加棒ありで溶接しています。また、溶接継手の構造は板金を並べる形の突合せ溶接継手、溶接姿勢は下向姿勢で溶接しています。TIG(ティグ)溶接の準備溶接するにあたって、まず以下の道具を用意し、正常に使用できるか確認しておく必要があります。用意する道具・ティグ溶接機・タングステン電極・溶加棒・シールドガス・遮光マスク・革製などの溶接用手袋・難燃性の防護服特に、タングステン電極はグラインダなどで先端の形状を整える必要がありますが、動画にあるように、アルミ溶接の場合は先端を鈍角に研磨して使用します。また、アルミ溶接では、溶接前に母材の脱脂が必要なことも注意してください。TIG(ティグ)溶接の実工程溶接の実作業では、まず2枚のアルミ板を接合する並びにそろえ、両端を仮付けします。このとき、電極を材料から2mm程度離してアークを発生させます。なお、溶極式のアーク溶接では、電極を接触させてアークを発生させる接触法が用いられますが、非溶極式では、電極が消耗するため、電極を材料に接触させないようにしましょう。●溶加棒なし次に、仮付けしたアルミ板を溶接していきます。溶接は、トーチを45°程度傾け、溶融池が電極前にちょうど見える位の速度で行っていきます。溶加棒を用いない場合の仕上がりは、ビードがへこんでおらず、かつ裏側まで溶けている状態であれば良い品質であると言えるでしょう。●溶加棒あり溶加棒ありの溶接にあたり、利き腕が右の場合は、溶加棒を左にトーチを右に持ち、右から左へと溶接します。溶接方法は溶加棒なしと同様ですが、溶加棒はアークに触れるとはじかれてしまうので、溶融池に横から差し込みながら溶接していきます。溶加棒を用いた場合の仕上がりは、ビードの盛り上がり高さが均一で、溶加棒なしと同様に裏側まで溶けている状態であれば良い品質と言えます。TIG(ティグ)溶接の製品事例製品事例①引用元:株式会社大畠製作所アルミを交流TIG(ティグ)溶接した製品事例のアルミ製ハンドルです。油分や細かな傷等をスコッチブライトで仕上げられています。製品事例②引用元:モリヤス・アイアンワークスチタンをTIG(ティグ)溶接したバイクのマフラーの製品事例です。精密に角度切りしたパイプを共付け(ナメ付け)し、なめらかで光沢のある美しい溶接面に仕上げられています。向かって左のステー部は強度が必要なため、溶加棒を使用し接合していますので溶接ビードがあります。TIG(ティグ)溶接は、金属中で最も高融点のタングステンを電極に用い、溶接部をアルゴンなどの不活性ガスで覆いながら溶接する方式のアーク溶接法の一つです。TIG(ティグ)溶接は、アーク放電で発生する熱によって金属を溶かし、溶融した金属を凝固させることで溶接します。そのようなアーク溶接法の原理を利用していますが、タングステン電極や不活性ガスを用いることから、多様な金属の溶接が可能で、溶接欠陥の少ない溶接法となっています。一方、TIG(ティグ)溶接は、素材や溶接形状によって溶接方法を多様に変えることが必要な溶接法でもあります。そのため、溶接可能な素材や形状、また仕上がりは、メーカーに大きく異なります。Mitsuriでしたら、日本全国に協力工場が350社以上あるため、TIG(ティグ)溶接を専門とするメーカーをご紹介できます。TIG(ティグ)溶接でお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい。

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    穴開け加工とは【専門家が解説】タップ加工、リーマー加工との違いを説明!

    価格が安くなるねじ切り図面の書き方についてはこちら!価格が安くなるねじ切り指示の書き方を解説しています!20〜30%ほどの低減につながる可能性がございますのでぜひご覧ください!5分ほどで視聴可能です!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください!機械加工における穴開け加工の方法には、タップ加工やリーマー加工といった方法があります。特に穴開け加工はドリルを用いて削る、開けるといった方法が一般的ですが、さまざまな方法があり、製品の素材や用途によってどの方法を採用すべきかが異なります。この記事では、機械加工における穴開け加工の中でも、一般的な金属物質にも使いやすいタップ加工やリーマー加工について詳しく解説していきます。主な加工事例についてもご紹介しますので、穴開け加工の方法でお悩みの方は最後まで読んでみてください。機械加工における穴開け加工とはタップ加工とはタップ加工は、穴開け加工などによって開けられた穴(下穴)にめねじ(ねじが入る筋)を切る加工のことです。外周にらせん状の溝があり、切れ刃が付いているタップというねじ状の工具を使って行われます。一般的には、ボール盤などの機械にタップを取り付けて加工を行うことが多いですが、タップハンドルを使った手作業での穴開け加工も増えています。●タップ加工の手順タップ加工の準備として、以下の点を事前に確認しましょう。確認ポイント・加工ワーク(タップハンドルなどタップを固定する部材)を確実にクランプ(緩まないよう固定)しておく・加工対象と下穴径に合ったタップを選ぶ・適切な切削速度に設定する・用途に合った切削油を用意する一般的なタップ加工の手順は次のとおりです。タップ加工の手順①適切な大きさ、深さの下穴を開ける②切削油を塗る③タップをゆっくりと時計回りに挿入して、ねじを切る●タップ加工で使用する切削油切削油は、使用する機械で推奨されている種類、素材に適したオイル含有率などで選びます。切削油の種類鉱物油ベース:タップ加工で最も一般的、切削特性と安定性に優れ、機械に負担をかけない合成切削油:安定性に優れているが機械への負担が高くなりやすい準合成切削油:切削特性に優れ、幅広い被削材のあらゆる種類の加工に推奨植物ベースオイル:タップ加工用エマルジョンの中で最も切削特性が高いストレートオイル:タップ加工において最適な切削条件の安定性の高いエマルジョンで、旋盤や小型部品機械で使われる●タップ加工でのクーラント供給クーラント(機械や部材を冷却する液体)の供給は、タップ加工において重要なポイントです。クーラントを使うことで、切りくず排出、ねじの品質や使用している工具の寿命など広く影響を及ぼします。クーラントの供給方法として、長い切りくずが出るような深穴などのタップ加工に適した内部給油、その他の一般的な加工に使われる外部給油があります。●タップの下穴サイズタップ加工において、タップ加工サイズと、開いている下穴の直径との関係から必要なサイズを用意することになります。下穴の直径は、ねじの外径からピッチを引いた直径前後と見ておけば問題ありません。あくまでも目安程度ですが、下記表を参考にしてください。※ステンレス鋼など削りにくい材料の場合は、標準よりもやや大きい下穴だとやりやすいでしょう。引用元:NMRI●タップの種類下穴の形状や切りくずへの対処法によってタップの種類を選びますが、次の4種類が代表的です。①ハンドタップ:切り屑をタップ本体自体に抱え込む、止まり穴・通り穴両方に使用②ポイントタップ:切り屑を前方に排出する、通り穴に使用③スパイラルタップ:切り屑を後方に排出する、主に止まり穴に使用④ロールタップ:切り屑が出ない方法、止まり穴用・通り穴用が別々各種類ごとの切りくずの排出方法の違いは、以下のようになります。引用元:sanvik(左から、ハンドタップ、ポイントタップ、スパイラルタップ、ロールタップ)それぞれの方法に適した素材は、以下の表をご参照ください。<材料別タップ選定の目安>引用元:モノタロウ(◎:最適、○:使用可能、△:やや問題あり、×:不適)リーマー加工とはリーマー加工は、ドリルなどによってあらかじめ開けられた穴の内径を、リーマー(リーマ)と呼ばれる棒状の部材を通すことで、所定の穴寸法に広げながら、滑らかな面できれいな円の穴を作る作業を指します。基本的には、穴の内径寸法や面の粗さ、真円度といった精度が要求されるごく小さな穴開け加工に多く使われる加工で、精度の高い施工ができる機械技術と熟練した操作が要求されます。機械を使ったリーマー加工では、複数の加工ステップをひとつのリーマー工具を使ってまとめることにより、加工時間と手間を短縮することができます。●機械によるリーマー加工現在はボール盤(木材や金属に穴を開ける、穴を堀る工作機械)を使ったリーマー加工が一般的です。注意点として、ボール盤使用時には主軸、チャック、スリーブなどの振れやガタつき、ゴミが挟まっていないか、加工対象物の下穴の口が、水平になっているかどうかを確認してから施工しましょう。●リーマー加工の手順準備として、次の点をチェックしましょう。チェックポイント・対象物がしっかりクランプして固定されている・貫通穴の場合、切りくずが排出できるスペースを確保している・薄い部材をリーマー加工する場合、クランプの力が部品全体に均一にかかる一般的なリーマー加工の手順は、以下のとおりです。リーマー加工の手順①リーマー加工用の切削油を準備する②リーマーの位置をセットする③ゆっくり圧をかけながらリーマーを挿入し、抜く●リーマー加工の切削油リーマー加工用では、加工対象物とリーマー自体が直接擦れるため、潤滑油の役割を果たす切削油が仕上がりを左右します。切削油を使うことで、切りくず排出のサポートや、工具自体の寿命を伸ばすことに貢献できます。材質、加工条件によって異なる油剤を選ぶことが推奨されています。基本的には油性(不水溶性)の切削油が使われ、深穴や止まり穴(突き抜けずに止まる穴)の場合は、クーラントスルー(内部給油)方式と呼ばれる方法を用いると、加工部の切削油不足を防げます。水溶性切削油を使う場合は、エマルジョンタイプ(水で希釈すると乳白色の液となるタイプ)のものを濃度20%以上で使用するのがおすすめです。●リーマー加工の下穴リーマー加工では、先に開けられている下穴に合わせて加工が行われるため、適確な寸法の取りしろを設ける必要があります。この取りしろが少ないと、仕上げ面が十分に綺麗になりにくく、反対に多すぎると切りくずが溝につまるなどして加工しにくくなってしまうからです。下穴の取りしろおよその目安は次の表の通りです。(リーマーの種類や工作物の材質によって異なるので注意)<リーマの取りしろ目安>引用元:モノタロウ●リーマー加工における注意点角度のある面でのリーマー加工では、入り口角度は5度以下にし、振れ(取り付けたリーマー自体の揺れ)はできる限り小さくしましょう。リーマーと下穴のオフセットは最低限まで小さく抑えておくと、びびり(ビリビリと音を出しながら震える状態)を防げます。リーマー加工はあくまでの穴を少し広げながら整える加工であり、下穴自体の中心のズレ、真直度(対象物の垂直方向の軸との狂い)を修正することはできません。下穴の真直度は0.05mm(0.02インチ)以下が推奨されています。穴開け加工事例機械加工の穴開け加工事例を複数ご紹介していきます。タップ加工例引用元:ポン押し卒業265引用元:ポン押し卒業265スパイラルタップによる施工例引用元:有限会社茂木製作所M4サイズ0.7タップ加工(2ヶ所)リーマー加工例引用元:城陽富士加工株式会社炭素鋼(S50C、硬度HRC53)プレートへの高精度穴加工(中央部三連穴の右)引用元:旋盤市場止まり穴用のマシンリーマー加工まとめ機械加工での穴開け加工は、部材の形状や用途、下穴の状態などにより、適切な加工方法を用いることが重要です。タップ加工やリーマー加工などで穴開け加工を検討している場合に、ぜひ参考にしてください。Mitsuriは、日本全国に所在する140社以上の協力企業から、穴開け加工を得意とする製作所や工場をご案内できます。お客様のご要望、条件に合わせて最適な業者をご照会致します。穴開け加工をご検討の際には、ぜひ一度Mitsuriにご相談下さい!

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    板金部品の展開図の重要性と求め方を徹底解説!

    板金加工の図面には、特有の注意点があります。本記事では板金加工に必要な展開図の基礎と寸法の求め方が学べます。機械設計部署に初めて所属された方、板金図面について再確認したい方に向けた記事です。板金加工における展開図の重要性板金図面作成時には、一般的な三面図に加えて展開図、つまり加工前の平らな状態を示しておくことが良い加工に繋がります。その理由は以下の2つです。展開図が必要な2つの理由(1) 材料の板厚を含んだ寸法で表現するため(2) 塑性加工による伸び・歪みを考慮するため(1) 材料の板厚を含んだ寸法で表現するため寸法を示す際、下図のように部品の最大外形で記載するのが一般的です。加工前の材料寸法は、単純にa:35mm+b:35mm=70mmではありません。a・b寸法ともに板厚を含んだ値であるため、板厚の2mmを考慮する必要があります。引用元:MONOist(2) 塑性加工による伸び・歪みを考慮するため板金加工による曲げ加工は、材料の塑性という特性を利用して加工しています。塑性とは、変形させた後でも変形が残る性質のことです。塑性は延性と展性という2種類の性質に分けられますが、どちらも材料の伸びを伴います。この材料の伸びを考慮する必要があります。参考:板金加工における【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!!  展開図を示しておくことで、加工時のトラブルを防止することが出来ます。材料の無駄や確認連絡のための工数削減など、コスト削減にも繋がります。参考:【板金加工 図面】図面の基礎を徹底解説!必要性から書き方・読み方まで  展開寸法の求め方・展開図の書き方展開図を書く為には、展開寸法が必要です。展開寸法は、加工前の材料寸法を指します。展開寸法の求め方にはいくつか種類がありますが、今回は「外側寸法加算法」と「中心線による計算方法」の2種類を学習します。(1) 外側寸法加算法あらかじめ加工したい部材と同じ板厚の材料を用いて曲げ加工を行い、加工前の寸法と加工後の寸法を控えておきます。加工後寸法は、材料の伸びによって加工前寸法より大きくなるので、「加工後の寸法-加工前の寸法=伸び量」上記で計算した伸び量を考慮して展開寸法を決める方法が、外側寸法加算法です。以下の図を用いて、具体的に計算してみます。図1:展開寸法の求め方加工後に必要な寸法は、A寸法(30㎜)とB寸法(50㎜)です。あらかじめ調べておいた伸び量αは、2㎜です。必要な展開寸法Lは、30mm+50mm-2mm=78mm※ 曲げ回数が複数回必要な部品では、回数分を伸び量αに乗じた計算が必要です。(2) 中心線による計算方法中心線による計算方法では、曲げ加工時の曲げ局部に注目します。材料は曲げ局部に近い内側では圧縮され(展性)、外側では引っ張られます(延性)が、中立の線(板厚中立軸)は圧縮も引っ張りもされません。中立軸は加工前後での寸法が変わらないため、中立軸の距離がそのまま展開寸法になります。Q.【練習問題】中心線による計算を実際に練習してみましょう。図2:中心線による計算方法。曲げRは2mm(事前に測定済)、図の縮尺は不正確。中立軸を①・②・③の3つに分けて考えます。板厚は6.0mmなので、材料表面から3mmの位置に中心軸が存在します。曲げRを2mmとすると、①=30mm-6.0mm(板厚)-2.0mm(R)=22mm②={(6.0mm×1/2(材料表面から中立軸までの距離)+2.0mm(R))×2}×3.14×1/4=7.85mm※{中カッコ}は円の直径を求めています。③=24mm-6.0mm-2.0mm=16mmよって展開寸法は、=①+②+③=22mm+7.85mm+16mm=45.85mm板金加工の展開図の書き方!板金展開ソフトを使って書く簡単な形状の板金部品であれば容易に展開が出来ますが、特殊形状の円筒のように複雑な板金部品の場合、展開の難易度が高くなります。最近では3DCADが一般的になり、板金部品も3DCADで設計することが増えたため、CADソフト内蔵の簡易プログラムで展開図も作成されることがあります。しかし、複雑な形状の部品展開や、より正確な展開寸法が必要な場合は、板金専用の展開ソフトが使用されることが多いです。特に人気があるのは、CAD TOOLとVectorです。① CAD TOOLCAD TOOLは、キャデナス・ウェブ・ツー・キャド株式会社製のソフトウエアです。数値入力後、展開図とリアルタイムで連動するプレビューや、座標値、補助寸法線付きなどの出力オプション、CADソフト(AutoCADなど)へのダイレクト表示、曲げシミュレーション・圧力容器コマンドが装備されている点が特徴的です。  ② VectorVectorは、安田和俊さん(個人)によって開発された板金展開プログラムです。Ver.2.0以前はフリーですが、それより上位Ver.はユーザー登録を行わないとデータ出力機能が使用出来ないのでご注意ください。58種類の展開が可能で、展開面積の計算ができる点やdxf出力(Ver.2.0以前はフリー)、dxf出力時に切断補助線を作図できる点が特徴です。  ソフトで展開図を書くメリット板金加工の展開図を書くにあたって、展開ソフトを使用するメリットはたくさんあります。展開図をソフトで書くメリット(1) 豊富な展開パターンをコマンド化できる(2) 設計後の完成形を直感的にイメージしながら作図ができる(3) 後工程で使える機能的な展開図を出力できる※CADTOOLの場合(1) 豊富な展開パターンをコマンド化できるダクトやシュート、パイプ、分岐管等、一般的な製缶業務で使用される展開パターンはもちろん、その他これまで特にニーズのあったパターンなど、全64種類もの展開コマンドが用意されています。さらに、一つのコマンドに対して複数の寸法入力の方法が用意されているものもあり、一つのコマンドから数種類の展開図を作成することが可能です。他にも、「任意形状と丸コマンド(寸法入力のみならず、入り口の形状を作図することが可能なコマンド)」や、「厚肉対応展開コマンド(入力する径が外径か内径かを選択でき、板厚を考慮した展開図の作成が可能なコマンド)」なども一部コマンドには含まれます。CADTOOLの場合、すべてのパターンを合わせると286パターンにもなり、製缶業務の効率を大幅に改善できます。(2) 設計後の完成形を直感的にイメージしながら作図ができるCADによる作図に比べ、展開ソフトで作図すると、寸法の一部の数値を変更すると展開図がどのように変化するか分かりづらかったり、数値を入力した後の完成形のイメージがしにくいなど、操作による図の変化が直感的にわかりにくいデメリットがあります。しかし、寸法を入力すると同時にリアルタイムで展開図の変化が確認できるリアルタイムプレビュー機能や、表示を切り替えて展開図・正面図・上面図・アイソメ図を確認することで完成形がよりイメージしやすくなる形状表示機能のある展開ソフトを使用すれば、CADに劣らないほどの自由な作図ができます。(3) 後工程で使える機能的な展開図を出力できる後工程で使用することを想定した出力オプションもあります。例えば、けがきをする際に役に立つ補助線・寸法線付きの展開図の出力や、他のシステムへ利用できるよう展開図の座標値出力等です。紙やデータでの出力に対応し、紙の場合には実寸で印刷することもできます。データ出力形式は、xls, csv, bmpだけでなく、CADで利用できるDXF形式にも対応しています。さらに、AutoCADなど一部のCADでは「CAD通信機能」を使用して、CAD上に直接データを出力できます。設計完了後、「部品を発注したいけどどこの加工業者がいいのか?」「図面作図スピードが上がったので、見積りもスピーディーな業者はないか?」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国250社以上のメーカーと提携しており、ご希望に沿うメーカーが見つかります。① Mitsuriでのお見積りは案件を公開して待つだけ!② 複数のお見積りが届く!  ⇒金額重視or納期重視?ニーズに合うものを選べる!③ 案件の5割以上が1日以内に見積りを取得!下記のボタンから、ぜひお気軽にお問い合わせください!

  • 溶接記号の一覧【基礎講座】溶接指示を徹底理解!種類と書き方をマスターしよう

    【5分でわかる】溶接記号の見方、書き方溶接記号の見方、書き方について動画でも解説しています!噛み砕いて解説しているので、ぜひ参考にしてください!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネルを運営中!こちらからご覧ください!溶接記号は規格化されていて、溶接記号を見ればひと目で、溶接の種類、開先の形状・深さ・角度、ルート間隔、非破壊検査方法などが分かります。製図者の指示通りに溶接するために、溶接記号の理解は必要不可欠です。代表的な補助記号も合わせて学びましょう。溶接記号の基本形を学ぼう図1:溶接記号の基本形、基線・矢・基本記号の例 溶接記号とは、JIS規格で定められた溶接の仕方を指示するための記号です。図1に溶接記号の基本形を図示しました。溶接記号の基本形は、溶接する箇所を示す「矢」と水平に引いた「基線」です。基線に合わせて、基本記号と寸法を書きます。「表面形状の補助記号」や「仕上方法の補助記号」「尾」はオプションで、特に指示がなければ書きません。母材の開先(かいさき)方向は、基本記号を基線の下側に書くか、上側に書くかで区別します。基線の下側に基本記号が書かれている場合は、矢が指す側から溶接します。基線の上側に基本記号が書かれている場合は、矢の反対側から溶接します。基本記号に「ルート間隔」や「開先角度」を書き、基本記号の左側に「開先深さ」を書きます。参考:溶接の種類はこの記事だけでOK!3分でわかる金属加工で代表的溶接方法! 溶接記号全般 基本記号一覧I型開先V型開先レ型開先J型開先U型開先K型開先X型開先すみ肉溶接開先形状基本記号V型フレア溶接レ型フレア溶接へり溶接プラグ溶接・スロット溶接ビード溶接肉盛溶接キーホール溶接スポット溶接・プロジェクション溶接シーム溶接スタッド溶接サーフェス継手スカーフ継手図2:溶接の基本記号一覧図2に、溶接の基本記号一覧を示しました。基本記号とは、溶接部の開先形状や溶接方法を指示する記号です。開先(かいさき)とは別名「グルーブ」とも呼ばれ、母材をつなぎ合わせる溝を指します。開先は溶接部の強度を確保するために重要な箇所で、様々な種類があります。適切な開先形状を選ぶことで、溶接作業を楽にできたり、溶接の欠陥が起きにくくなったり、溶着量が少なくて済んだりします。ただし、開先を取るには母材の加工が必要なので、溶接指示は上記メリットと加工のロスや手間を考慮したうえで、バランス良く選択する必要があります。図3:突合せ溶接の断面図図3は、実際の溶接状態(左)と溶接記号で指示した図(右)です。基本記号の左側に書いてある数字(24)は開先の深さ、基本記号の下に書いてある数字は、ルート間隔(4)と開先の角度(90°)を示しています。これらは開先の形状が異なっていても、意味は同じです。開先はI型、V型、レ型、J型、U型、K型、X型など、様々な種類があります。J型開先はレ型開先と形状が似ていますが、母材の片側にアールが付いており、開先加工が難しい点で異なります。またU型開先も同様に、両側にアールが付いているため、開先加工が難しいです。 すみ肉溶接の溶接記号図4:すみ肉溶接(T字)  図5:すみ肉溶接(平行) 鋼板同士をT字につなぎ合わせたり(図4)、平行に重ねたものをつなぎ合わせたり(図5)する溶接方法を「すみ肉溶接」といいます。すみ肉溶接の溶接記号は、三角の記号で表します。基線よりも下側に基本記号がある場合は、矢の示している箇所をすみ肉溶接します。基線より上側に基本記号がある場合は、矢の反対側をすみ肉溶接します。基本記号の前にある数値は、溶接の脚の長さです。一般的には、両側で溶接の脚長を同じにすることが多いですが、下記の図ではわかりやすいように異なる寸法で示しています。図6:すみ肉溶接の溶接記号の書き方と実際の溶接断続すみ肉溶接(並列・千鳥)の溶接記号すみ肉溶接には、連続すみ肉溶接と断続すみ肉溶接(タップ溶接)があります。さらに断続すみ肉溶接は、並列断続すみ肉溶接と千鳥断続すみ肉溶接の2種類に分類できます。千鳥の溶接記号は、上下の三角記号を互い違いにずらして書きます(図7)。図7:すみ肉溶接の分類と並列・千鳥の溶接記号の書き方図8に千鳥断続すみ肉溶接の溶接記号と、実際の溶接状態を表しました。基線の下側基本記号は、溶接の脚長(6)、溶接の幅(30)、溶接の数( (3) )、溶接のピッチ(120)を示しています。※並列断続すみ肉溶接において矢の反対側も同じ溶接である場合、基線の片側の数値は省略できます。図8:千鳥断続すみ肉溶接の溶接記号と実際の溶接状態図9:並列断続すみ肉溶接の溶接記号と実際の溶接状態溶接補助記号の一覧表面形状平ら凸へこみ止端仕上げ溶接補助記号仕上げ方法チッピング研削切削指定なし溶接補助記号CGMF裏波溶接裏当て現場溶接全周溶接全周現場溶接溶接補助記号非破壊検査方法RT放射線透過試験(JIS Z3104)UT超音波探傷試験(JIS Z3060)MT磁粉探傷試験PT浸透探傷試験 LT漏れ試験VT目視試験STひずみ測定試験AET(AT)アコースティック・エミッション試験ET渦電流探傷試験TT赤外線サーモグラフィ試験〇全周試験(試験記号の後に付加)溶接補助記号は基本記号と合わせて表示し、溶接に必要な情報を追加します。表面形状(平ら、凸、へこみ、止端仕上げ)やビード仕上げ、裏波溶接、裏当てなどを指示します。溶接補助記号① 裏波溶接図10:溶接補助記号の例、V型開先の裏波溶接裏波溶接の補助記号は、基線に黒の半円です(図10左)。裏波溶接は、突合わせ溶接のルート側面の隙間を完全に覆うようにビード(溶接時にできる帯状の盛り上がり)を出したい場合に用いられます。矢を示している側とは反対の面の指示になるので、裏波溶接の補助記号は基本記号の反対側に配置します。裏波溶接の補助記号前に書かれている数字は、必要なビードの高さです。裏波溶接をすると、母材同士の隙間のない完全溶込が確実な状態になります。高い強度が期待できるほか、異物混入も防げるメリットがあります。溶接補助記号② 裏当て裏当てとは「裏当て金」という材料を、溶接する側と反対面に配置する溶接です。裏当ての溶接補助記号も、基本記号の反対側に配置します。裏当て金は一方の面から溶接する際に、反対側への溶け落ちを防ぐために使用し、母材と一緒に溶接します。溶接補助記号③ 表面形状(平ら・凸・へこみ・止端仕上げ)表面形状の溶接補助記号は、ビード(溶接時にできる帯状の盛り上がり)表面の仕上げ方を指示します。表面形状突合せ溶接平ら凸へこみ止端仕上げ母材の面とビードが交わるラインを仕上げる指示溶接補助記号④ 現場溶接と工場溶接、全周溶接図11:全周現場溶接の溶接指示例図11は、全周現場溶接の指示例です。現場溶接とは、組立現場での溶接です。建築や大型設備の溶接で指示されることがあります。全周溶接は、接合部の全周に渡って、全てを同じ溶接方法でおこなう溶接です。全周現場溶接は、現場でおこなう全周溶接です。溶接補助記号⑤ 非破壊検査図12:非破壊検査の溶接記号例図12は、非破壊検査の溶接記号例です。非破壊検査は、モノを壊さずに欠陥を調べる検査です。製品の品質担保のためにおこなわれ、外観検査と併用されるのが一般的です。時期(欠陥発生中か欠陥発生後か)や欠陥箇所(表面、表層部、内部、全て)、欠陥形状、材質によって適切な検査を選びます。溶接の検査において主におこなわれるのは、放射線透過試験や超音波探傷試験です。溶接部内部の欠陥有無、欠陥形状や大きさを調べます。非破壊検査の記号は基線を2段にし、上段に書きます。溶接の依頼をご検討されている場合、一度Mitsuriをご利用してみてください。日本全国で250社以上の協力企業があり、お客様のご要望に叶う企業が見つかります。下の赤いボタンをクリックして、お問い合わせください。

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    鉄のレーザー 加工ならMitsuri!【協力工場140社以上】最適な工場をご紹介します!

    鉄のレーザー加工の中でも、鉄板を綺麗にカットしていく工程は非常に重要です。「鉄をレーザーカットしたいけど、どこにお願いすればいいのかわからない」「板厚が厚くても対応できる工場が中々見つからない」など、鉄板をレーザーカットできる工場を探すのに悩んだことがある方は多いのではないでしょうか。板厚が厚くなるほど対応できる機械が少ないので、レーザーカットができる工場を探すのが難しくなります。本記事では、Mitsuriで対応可能な鉄のレーザーカットについて詳しくご説明していきましょう。レーザーでカットできる鉄の板厚についてレーザーカットを行うためのレーザー加工機は、主に3種類の加工機が主流となっています。3種類の加工機は波長や媒体が異なり、それぞれで対応できる鉄板の板厚も変わってきます。レーザー加工機のメジャーな3種類①CO2レーザー加工機②YAGレーザー加工機③ファイバーレーザー加工機①CO2レーザー加工機二酸化炭素をレーザーの媒質として使用するレーザーです。一般的に流通しているレーザー加工機の中でも、CO2レーザーを利用している企業が非常に多いです。対応できる鉄板の板厚は「0.1mm~9mm」になります。②YAGレーザー加工機YAGレーザーは「イットリウム」「アルミニウム」「ガーネット」の頭文字をとって名付けられた固体レーザーになります。高出力の細いレーザー光なので、薄い鉄板も歪みを少なく切断することが可能です。対応できる板厚は「0.05mm~10mm」になります。③ファイバーレーザー加工機ファイバーレーザーは、媒体に光ファイバーを利用した固体レーザーになります。非常に小さい焦点設計なので、レーザーの出力が強く厚い鉄板も切断することが可能です。対応できる鉄板の板厚は「0.1mm~20mm」になります。このようにそれぞれの加工機で対応できる板厚が異なるので、外注する際には何のレーザー加工機を使用しているか確認するのがオススメです。では、Mitsuriが提携している企業が対応できる鉄板の板厚についてご紹介していきます。主流のCO2レーザーカットなら板厚0.1mm~9mmまで対応可能Mitsuriが提携している工場の中で、CO2レーザーカットを使用している会社であれば板厚0.1mm~9mmまでの鉄板を切断可能です。9mm以上になってしまうと切断面のバリやダレ、焦げが多く出たり、寸法に誤差が出る可能性が高くなってしまいます。シャーリングなどの工作機械を用いての切断は、誤差が生じやすく、綺麗に切断するのは難しいです。しかし、レーザーカットなら、高い精度で鉄板を切断していくことができます。レーザーカットを使用することで、複雑な形状や工作機械で切れない鉄板も綺麗にカットすることが可能です。ファイバーレーザーカットできる鉄の板厚についてCO2レーザーの100倍の放射力により、深い加工も高速で行えるファイバーレーザーであれば、板厚20mmまでの鉄板を切断することができます。鉄板の厚みが20mmだと、CO2レーザーでは切断できません。しかし、ファイバーレーザーなら簡単に切断できます。ファイバーレーザーカットは、光ファイバーを媒質に用いたレーザー加工機です。光ファイバーを使用する事で極めて小さい焦点にすることができ、照射威力を高められることで鉄を素早く溶かし切ることができます。そのため、高速で複雑なカットが行える点が魅力的なポイントとなっています。ファイバーレーザーの特徴・光ファイバーを用いた固体レーザー・1,064nmの波長を使用し、極細の焦点で切断・複雑な形状にも対応可能・歪の少ない切断ができるまた、ファイバーレーザーなら、高反射材である「銅」や「真鍮」も切断することが可能です。全国的にみてもファイバーレーザーカット加工機を導入している会社は少ないです。高速で複雑な形状もカットできるファイバーレーザーは、鉄板の切断にお悩みの方に非常にオススメの方法となります。参考記事そのほかの金属のレーザー加工について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。⇒金属をレーザー加工ならMitsuri!【小ロットの依頼もOK】どこよりもカンタンに依頼ができます!鉄板のレーザー加工事例Mitsuriの協力会社の中から、レーザーカットによる加工事例をいくつかご紹介していきます引用元:株式会社 かねよしレーザーカッターにより、厚い鉄板も綺麗にカットすることが可能です。切断面も非常に綺麗に仕上げることができるので、バリ取りを行う時間なども短縮できます。引用元:株式会社 大畠製作所鉄製のライナーをレーザーカットにより作成しています。側面も綺麗に仕上げることができ、写真のようにコーナー部分やR部分も自在にカットすることが可能です。その他の鉄加工についてレーザーカット以外にも、Mitsuriではさまざまな鉄加工について対応することが可能です。その他Mitsuriで依頼可能な加工曲げ・絞り加工鉄溶接切削加工鉄加工と一括りにしても多くの作業工程があり、それぞれで専門的な知識や技術が必要になります。そのような鉄加工も、小ロットから対応できるので是非ご相談ください!参考記事そのほかの鉄加工について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。⇒【鉄 加工】加工工程全てご紹介!!受け入れ先の見つからない小ロットの案件もOK!!まとめMitsuriで対応できる板厚やレーザー加工についてご紹介しました。レーザーカットは厚い鉄板も複雑な形状にカットできます。そのため、レーザー加工はさまざまな分野で活躍しており、複雑化していく製品形状に対応するために欠かせない加工方法のひとつとなっています。しかし、レーザーカットを高いレベルで行える企業を探すのは大変です。Mitsuriは、日本全国に提携している工場があり、およそ140社以上の会社の中からお客様に提供しています。まずは相談から初めてください。鉄板のレーザーカットでお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!

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    真鍮の曲げ加工ならMitsuri!

    「真鍮を曲げる加工時に特徴はあるのか?」「真鍮の曲げ加工を依頼したいけど、どの板厚まで対応してもらえるのか?」上記のようなお悩みをお持ちでしたら、是非この記事を参考にしてみてください。この記事では、冷間加工や熱間加工における真鍮の曲げ加工時の特徴から、真鍮の曲げ加工の対応可能板厚まで詳しく解説していきます。参考記事真鍮のその他の加工については以下の記事で詳しく解説しています。⇒【真鍮(銅) 加工】真鍮の加工方法を加工実績と共に徹底紹介!!真鍮の曲げ加工時の特徴真鍮の曲げ加工としては、冷間加工と熱間加工の2通りの方法を選択できます。なぜなら、真鍮は銅と亜鉛の合金で、展延性に優れているからです。参考記事銅、真鍮の素材については以下の記事で詳しく解説しています。⇒【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!そのため、大きめのRをつけるなどの比較的簡単な加工は冷間加工で行い、小さめのR加工や波曲線のような複雑な加工は熱間加工で行うといったように、フレキシブルに加工方法を選択することができるのが特徴です。では、冷間加工と熱間加工とは具体的にどういった加工方法なのかを次に解説していきます。①冷間加工冷間加工は塑性変形を利用し、常温から再結晶温度未満で行う加工のことを指します。棒材などに板材をハンマーで叩いて巻き付けるように曲げる加工は冷間加工になります。冷間加工のメリットとして、常温から再結晶温度未満で加工を行うため、金属の変形抵抗が保たれています。そのため、素材の形状や精度が損なわれずに済むといったことが挙げられます。デメリットとしては、冷間加工は常温から再結晶温度未満で加工を行うので、金属の変形抵抗が高いため、加工に大きな力が必要になる点が挙げられます。②熱間加工熱間加工は、再結晶温度以上に加熱して金属の変形抵抗を下げることによって金属の変形能力を高める加工方法です。熱間加工のメリットとして、変形抵抗が大幅に下がっているため加工がしやすく、スプリングのような螺旋形に見られる連続した曲げ加工も容易に行うことができます。デメリットとして、変形抵抗の低下によって素材が本来備えていた形状や精度が損なわれてしまう点が挙げられます。Mitsuriでは板厚t0.5mm~t9mmまでの真鍮の曲げ加工に対応しています。t0.5mm~t1mm程度の真鍮製品の例としては、バスバー(主に配電盤や操作盤で使用される、大容量の電流を導電する部品)や電池端子などが挙げられます。他にも、真鍮製の鉄道模型の車体部分やアクセサリーの装飾パーツなど、精度が必要な曲げ加工もお任せください。真鍮曲げ加工の製品事例引用元:株式会社 太洋加工製品:真鍮丸管材 φ10.0mm×t1.5mm×複合R引用元:有限会社 長井技研加工製品:センサブラケット材質:C2801P 板厚:t1.0mm引用元:有限会社イシダ製作所真鍮製 板厚:t2.0mm サイズ:60mm×20mm×R32mm引用元:株式会社 岩津発条製作所加工製品:引張バネ 材質:真鍮(黄銅線)C2600W-1/2H線径:1.2mm 外径:20mm 公差:±0.1mmまとめ 真鍮は展延性が高く加工しやすい素材ですが、冷間加工が可能とはいえ自分で加工するには硬い素材です。専用の工具があったとしても骨の折れる作業になります。また、熱間加工をするには機材が必要で、使用頻度が高くなければ機材をそろえる費用に頭を悩まされます。さらに、曲げ加工の精度を求めると熟練の技術が必要になります。そんなときは一度、Mitsuriにご相談ください!Mitsuriは100社以上の工場と提携しておりますので、ニーズに沿ったご提案をさせていただきます。

  • 溶接の基礎知識

    【5分でわかる】溶接記号の見方、書き方溶接記号の見方、書き方について動画でも解説しています!噛み砕いて解説しているので、ぜひ参考にしてください!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください!溶接の基礎知識溶接とは、熱や圧力またはその両方を加えることで、材料を一体化させる加工方法です。さまざまな接合方法があり、液相・固相など材料の状態によって、融接・圧接・ろう接に分けられます。溶接が学べる記事一覧▶溶接記号の一覧【基礎講座】溶接指示を徹底理解!種類と書き方をマスターしよう▶溶接ビードを解説【専門家が語る】溶接ビードの除去方法も解説!▶溶接とは?【専門家が解説】素人でも3分でわかります!▶溶接歪みの原因について解説!修正法やそもそも歪みを出さない溶接法についてもご紹介!▶溶接の知見を得よう【10の基本知見】知らないと恥ずかしいかも?基本質問集▶【溶接の資格】種類一覧!費用と取り方&難易度別!プロの溶接工が取っておくべき資格▶溶接の種類【基礎講座】使い分けとメリット!3分でわかる金属加工で代表的な溶接とは▶ナット溶接とは|ウェルドナット(溶接ナット)の種類もご紹介!▶溶接加工の見積りを依頼するならMitsuri!見積りを決める要素に関しても解説!▶溶接方法について専門家が解説!【協力工場140社以上】溶接でお困りならMitsuri!▶アングルの溶接ならMitsuri!【全国どこでも】1コ〜お受けいたします!▶溶接時のスラグはなぜでるのかを解説!スラグ巻き込みの原因と対処法についてもご紹介!▶タップ溶接を解説!【専門家が語る】素人でも3分で理解できます!▶【板金溶接】加工方法の種類から加工実績まで詳しく解説!▶溶接の自動化とは?自動溶接・ロボット溶接▶溶接加工とは?代表的な種類とメリット・デメリットを解説材質と溶接▶真鍮の溶接についてはこの記事だけでOK!専門家が解説します!▶アルミと鉄の溶接は難しい!異種金属溶接について専門家が解説▶ステンレスと鉄の溶接は可能!異材溶接での違いと気をつけるべきポイント▶ステンレス溶接の種類や溶接方法を銅種別に徹底解説!▶アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!▶銅の溶接が難しい理由と銅の溶接事例▶鉄の溶接ならMitsuri!【全国どこでも】1コ~お受けいたします!溶接に関する記事をもっと見る:溶接のカテゴリ|記事一覧融接の基礎知識融接は、溶融状態で接合する溶接方法です。アーク溶接(被覆アーク溶接、マグ溶接、ミグ溶接、ティグ溶接等)の他に、高密度エネルギーを用いる溶接方法もあります(電子ビーム溶接、レーザー溶接、プラズマアーク溶接等)。アーク溶接が学べる記事▶アーク溶接【基礎】種類と原理!電圧設定・温度分布まで詳細解説▶TIG(ティグ)溶接とは【専門家が解説】特徴や加工方法について詳細をお伝えします!▶【マグ溶接】マグ溶接原理や特徴を解説!!他の溶接との違いはどこにある?▶ミグ溶接を徹底解説!【専門家が語る】素人でも3分で理解できます!ビーム溶接が学べる記事▶【レーザー溶接】仕組み(原理)やメリット・デメリットなどの特徴をご紹介!!融接について学べるその他の記事▶融接とは?代表的な種類とメリット・デメリットを解説融接に関する記事をもっと見る:融接のカテゴリ|記事一覧圧接の基礎知識圧接は、固相状態で接合する溶接方法です。抵抗溶接、スタッド溶接、ガス圧接、摩擦圧接などがあります。▶圧接とは?代表的な種類や特徴、メリット・デメリットを解説抵抗溶接が学べる記事▶抵抗溶接について!原理や特徴を解説しています!▶スタッドボルト溶接ならMitsuri!溶接法についても解説しています!▶スタッド溶接とは【専門家が解説】素人でもわかりやすくお伝えします!▶シーム溶接とは?メリット・デメリットやスポット溶接との違いに関しても解説!▶プロジェクション溶接のメリット・デメリットを他の溶接手法と比較しながら解説します!▶【スポット溶接】メリット・デメリットや他の溶接との違いを専門家が解説!▶炭酸ガスアーク溶接とは?【3分でわかる】向いている金属もご紹介!圧接に関する記事をもっと見る:圧接のカテゴリ|記事一覧ろう接の基礎知識ろう接とは母材をできるだけ溶融させず、母材の融点より低い金属を溶加材として、母材間に流し込んで溶接する方法です。ろう接に関連する記事▶【はんだ付け】基礎からコツ、不良事例とその対策、資格までご紹介!▶ろう付けとは?代表的な種類や特徴、メリット・デメリットを解説ろう接に関する記事をもっと見る:ろう接のカテゴリ|記事一覧摩擦撹拌接合(FSW)の基礎知識摩擦撹拌接合とは、摩擦熱で軟化させて金属を撹拌して接合する溶接方法です。FSW(Friction Sir Welding)とも呼ばれます。摩擦撹拌接合に関連する記事▶リベット接合とは?【3分でわかる】長所・短所も解説!▶接合加工基礎知識!板金加工品にも使われる「カシメ加工」を徹底解説摩擦撹拌接合に関する記事をもっと見る:摩擦撹拌接合のカテゴリ|記事一覧

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    継手とは?種類や形状等を解説!

    継手とは、配管同士を接続する際に使用する部品の総称を指します。継手は、私たちの身近なところにおいて、非常に幅広い用途で利用されています。例えば、住宅などの建物の設備に欠かすことができない水道には、多くの配管が使用されており、配管と同様、継手も多く使用されています。他にも、工場やプラント設備のパイプラインなどにおいても、多くの配管や継手が必要となります。今回は、この「継手」をテーマに、継手とは何かという説明からはじめ、継手の形状や種類について、それぞれ詳しく解説します。継手について知識を深めたい方や、これから継手の購入を検討されている方は、ぜひご一読ください。参考:継手の加工を得意としている工場3選!最適な素材や加工事例についてもご紹介!継手とは継手とは、バルブと管を接続したり、管と管を接続し延長する配管部材を指します。さらに、継手は、配管ルートの曲げ方向を変えたり、管路を合流・分岐させたりすることができます。その他にも、配管の太さを変えたり、配管を塞ぎ流れを止めたり、またバルブなどの機器との接続や脱着をしやすくするなど、非常に多くの機能を果たします。このように、継手は、非常に多くの役割を担っており、私たちの生活において欠かすことができない部品の一つとなっています。継手の用途としては、給湯・給水分野や排水分野などの水回りでの使用のほか、産業設備、各種造船、またプラント設備などの各種工場、また消火活動などの防災分野など、幅広い分野において利用されています。継手の形状次に、継手の形状について見ていきましょう。上述した通り、継手には非常に多くの役割があります。そのため、各役割に応じてさまざまな形状の継手が存在します。下表に、一般的な継手の形状についてまとめました。この表からも、用途に応じてさまざまな継手の形状があることが分かります。<一般的な継手の形状>以下、継手の各形状について、代表的な4つの用途に分けてそれぞれ見ていきましょう。1.配管を延長する継手配管の長さを延長する継手には、主に以下の2種類の継手が用いられます。ソケットソケットは、同じ太さの直管同士を連結するための継手です。一般に外ネジ同士での接続を行います。ニップルソケット同様、ニップルも同じ太さの直管同士を連結するための継手です。一般に、内ネジ同士での接続を行います。2.配管を曲げる継手配管を曲げて流体の流れを変える継手には、主に次の継手が用いられます。エルボエルボは、上図に示した通り、L字形をした継手で、配管同士をつなげ流れの向きを変えたい時に利用されます。エルボの角度には、45度、90度、180度などさまざまで、用途に応じて選定されます。3.配管の太さを変える継手配管の太さを拡大させたり、縮小させたりする継手には、主に以下の2種類の継手が用いられます。レジューサレジューサはインクリーザーとも呼ばれ、太さの異なる配管同士の接続に利用されます。複数のレジューサを用いて、徐々に配管の太さを調整することもあります。ブシュブシュはブッシングとも呼ばれ、レジューサ同様、太さの異なる配管同士の接続に利用されます。一般に、外ネジと内ネジでの接続を行います。4.配管を分岐させる継手配管を分岐させる継手には、主に以下の2種類の継手が用いられます。ティーティー(T)は、チーズとも呼ばれ、アルファベットのT字の形状を持つ継手です。配管を連結させ、流体の流れを1方向から2方向へと分岐するために利用される継手です。クロスクロスは、配管を三方に分岐するために利用される継手です。継手の種類最後に、代表的な4種類の継手について、それぞれの特徴をご紹介いたします。黒継手黒継手は、可鍛鋳鉄でできた継手です。可鍛鋳鉄とは、溶融させた鋳鉄を急激に冷やし、焼き鈍し処理を施した金属です。冷温水、冷却水、消火用水、蒸気、ガス、空気、油など、さまざまな流体の使用が可能で、幅広い分野で利用されている継手です。白継手白継手は、前述した黒継手の表面に溶融亜鉛メッキ加工を施した継手です。メッキ加工により、黒継手と比較してより耐腐食性が高い継手となっています。工業用水、冷温水、冷却水、消火用水、ガス、空気、油など、黒継手同様、さまざまな流体への使用に適した継手です。ステンレス継手ステンレス継手は、その名の通りステンレス製の継手です。ステンレスの優れた耐腐食性を活かして、特に工場やプラントなどの分野において広く利用されている継手です。黄銅製継手黄銅製の継手は、特に水洗トイレの給水管や洗浄管などに利用されることが多く、私たちの生活の身近な所で広く活躍している継手となっています。参考記事こちらの記事では、黄銅について、その特性や用途、また黄銅に関する歴史など、幅広い内容について詳しく解説しています。黄銅についてより知識を深めたい方は、ぜひご覧ください。⇒【黄銅とは?】特性や用途について専門家が詳しく解説!継手の見積り依頼ならMitsuri今回は、「継手」をテーマに、継手とは何かという説明からはじめ、継手の形状や種類について詳しくご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。継手の形状、またその種類は多岐に渡ります。そのため、使用する場所や用途などに応じて適切な継手を選定することが非常に大切となります。また、継手の加工をメーカーに依頼する際には、メーカーによって対応できる材質や継手の種類などが異なりますので、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。継手の加工を依頼できるメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!継手の加工でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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    プレス金型とは?金型の機能・名称に関しても解説!

    プレス金型は、プレス加工の際に必要な、製品を成形するためのもの。プレス加工品はさまざまな分野で活用されており、私たちの生活にかかせないものとなっています。ただし、品質の良いプレス加工品を提供するには、プレス金型の設計・製造から綿密に行う必要があります。また、一口にプレス金型と言ってもいくつか種類があるのをご存知でしょうか?この記事では、プレス金型の種類について解説するだけでなく、機能や構成している部品の名称についても紹介します。「プレス加工と金型の関係性とは何か?」「プレス金型にはどういう種類があるのか?」「プレス金型はどういった部品で構成されているか?」上記のような疑問がある方は、ぜひご一読ください。プレス加工と金型の関係性プレス加工とは、被加工材を専用の加工機にてプレスすることで、製品を成形する加工方法です。プレス加工をするには、専用の加工機だけでは生産できず、事前に雄と雌の対になったプレス金型を用意する必要があります。プレス加工は、金型の製作に初期費用がかかってしまうものの、大量生産が可能で品質のバラつきが少ないのが特徴です。プレス加工は、自動車部品や家電製品、電子機器など幅広い分野で利用されており、現在では必要不可欠な技術と言えます。参考記事以下の記事にて、プレス加工の基礎知識や種類について詳細を解説していますので、ぜひチェックしてみてください。⇒プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!金型とは引用元:パンチ工業株式会社金型とは、被加工材の塑性変形、および流動性を利用して成形するための金属の型のこと。今回ご紹介するプレス金型は、上図のように上下に分かれた型の間に被加工材をセットし、プレスすることで製品を成形します。プレス用の金型以外だと、プラスチック用・鍛造用・鋳造用・ダイカスト用・ガラス用・ゴム用が代表的です。参考記事金型の種類については、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。⇒【金型製作】金型の種類と基礎や流れについて徹底解説!!プレス金型は、せん断加工のための「抜き型」、曲げ加工のための「曲げ型」、絞り加工のための「絞り型」などがあります。これらの金型を駆使することで、世の中の自動車部品や家電部品などが作られています。金型の機能金型には製品を作るために重要な機能が多数備わっています。製品を成形する機能はもちろんのこと、プレス機械へ取り付けるための機能・被加工材の位置決めをする機能・雄と雌の型を位置設定をする機能も有します。これらは、金型を構成する部品によって成り立っており、いずれかの機能が欠けてしまうとプレス加工できません。プレス金型の種類プレス金型の種類①【単発型】単発型は、ひとつの金型に対し、せん断加工・曲げ加工・絞り加工などの工程をひとつのみ行えるタイプです。他のプレス金型と比べて最もシンプルで、金型の製作費や製品のコストも安価なのが特徴です。そのため、少ないロットやサイズの大きな製品の加工に適しています。しかし、人の手でプレス機械を動かして加工する型のため、連続加工や自動化はできず、生産性に劣る点には注意が必要です。また、単発型を複数並べて、自動で生産できるようにした「タンデム加工」というものもあります。プレス金型の種類②【順送型】順送型は、せん断加工・曲げ加工・絞り加工など、複数の加工方法をひとつの型に搭載したもののことを言います。別名「プログレ型」と呼ばれることも。このタイプは、被加工材をプレスをする度に材料が順送りされ、製品を成形します。ロール状であるコイル材を用いてプレス加工するので生産効率が良く、大量生産に最適。機械による作業のため、品質も安定します。ただし、単発型に比べて金型の作りが複雑で製作が難しいため、金型の製作費用は比較的高価です。プレス金型の種類③【トランスファー型】トランスファー型は、単発型が複数並んだ状態のタイプ。トランスファー型に被加工材を順番に通すことで、自動加工が可能です。材料はコイル材を用い、順番に加工した材料を次の工程に移していきます。次の工程に移す作業はフィンガーと呼ばれる治具により行われ、連続して加工。自動加工で生産するので大量生産に適しており、歩留まりも良いのが特徴です。ただし、トランスファー型は搬送機構の設計が難しく、型の製作コストも高めな点には注意してください。プレス金型の構成引用元:プレス金型の基礎プレス金型の構成は上図の通りです。以下で代表的な部品について解説します。パンチパンチは、被加工材を押し付けるための工具。別名「ポンチ」や「雄型」とも呼ばれます。せん断加工・曲げ加工・絞り加工、いずれもパンチを用いることで成形が可能。ただしパンチだけでは成形できず、対となる「ダイ」も必要です。ダイダイはパンチの受けを意味しています。別名「雌型」と呼ばれることも。プレス金型で作られる製品は、パンチとダイの形状により加工後の形状が決まります。品質の良い製品を生産するためには、パンチとダイの位置関係も高い精度で製作する必要があります。ダイセットダイセットは、金型をプレス機械に固定するためのもの。ガイドポストにより上下のダイセットが連結されており、ダイやパンチなどの部品も保持します。品質の良い製品を生産するには、上下のダイセットの作りも高い精度が必要です。また、他の部品の交換のしやすさも重要なポイントとなります。ガイドポストガイドポストは、上下のダイセット芯合わせをするための部品のこと。ガイドポストがあることで、上下の型を正確に嵌め合わせることが可能です。本部品がないと上下の型の位置関係がズレてしまい、製品の品質が悪くなってしまうほか、金型の部品の損傷にも繋がります。パンチプレートパンチプレートは、パンチの位置関係と垂直を保持するための板のことを言います。こちらも、製品の精度を保つために欠かせない部品です。ストリッパプレートストリッパプレートは被加工材を押さえつけ、変形したりズレたりないようにするためのもの。また、パンチの先端が破損しないためのガイドの役割もあります。バッキングプレートバッキングプレートは、プレス加工時にパンチがダイセットにめり込むのを防止するための部品です。本部品自体に強度が必要なため一般的に熱処理が施されています。別名「バックアッププレート」「バックプレート」とも呼ばれることも。ダイプレートダイプレートは、プレス加工時のダイの破損を防ぐための板のこと。ダイプレートは、ダイと一体化されているものや、入れ子式になっているものがあります。プレス金型の一括見積りを依頼するなら【Mitsuri】今回はプレス金型について解説しましたがいかがでしたでしょうか。プレス加工をする上で、プレス金型は必ず必要です。プレス金型があることで、製品の大量生産や品質の安定化を実現しています。ただし、品質の良い製品を生産するには、金型の設計・製作の段階から高い精度で行わなければなりません。また、プレス金型には、単発型・順送型・トランスファー型があり、各種類によってメリットとデメリットが異なります。プレス加工をする際には、いずれの種類が適しているのかを見極めることも重要です。もしプレス金型の製作でお困りのことがあれば、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国に250社以上の協力企業と提携しているので、お客様の希望に沿うプレス金型メーカーが見つかります。お見積りは複数社から可能です。プレス加工メーカーについての相談も承っておりますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。

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    レーザーでの精密微細加工とは?メリットやおすすめの工場もご紹介!

    レーザーでの微細加工は、金属をはじめ、セラミックやガラスなどさまざまな素材に非常に細かな加工を施すことができる加工方法です。金属加工における先端技術の中でも特に注目を集めており、精密機械をはじめ幅広い業界や分野で高いニーズがあります。ただ、肉眼で識別できないほどの微細な切断や穴開けなどの加工を依頼したい、と思ってもレーザーでの微細加工についての知識や得意とする企業の情報がないと難しいですよね。この記事では、レーザーを使った微細加工のメリットや種類、レーザー微細加工を得意とする企業をご紹介します。板金をはじめ金属へのレーザー微細加工の依頼を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。レーザー加工が微細加工に適している理由レーザー加工は、名前のとおりレーザー光線を利用して切削や穴開けなどを行う加工方法です。レーザーを使って微細加工を行う際、レーザー光線が持つ波長のパルス幅が短い「超短波パルスレーザー」を採用しています。超短波パルスレーザーとは超短波パルスレーザーとは、パルス幅が非常に短いレーザー光で、波長によってナノ秒レーザーやフェムト秒レーザー、ピコ秒レーザーなどに区別されます。パルス幅が短い程、光の直進距離が短くなるため、より精密な加工が可能となります。超パルスレーザーのパルス幅について名称パルス幅光の直進距離フェムト秒10-15秒0.3umピコ秒10-12秒0.3mmナノ秒10-9秒30mm通常のレーザー加工では、発生する熱によって変形や反りなどが出る可能性がありますが、超短波パルスレーザーは素材を原子化し、素材にピンポイントで加工を施すことが可能です。よって、熱による損傷を起こす前に低温状態で加工できます。参考記事金属へのレーザー加工については、下記記事にて詳しく解説しています。⇒【レーザー加工】原理や種類、メリット・デメリットを専門家が紹介!!精密レーザー微細加工の種類精密性を求められるレーザー微細加工と言っても種類は多岐に上ります。代表的な加工であるのは微細穴加工と溝加工です。双方順にご説明します。レーザー微細加工の種類【微細穴加工】微細穴加工は、直径1mm未満ほどのごく小さな穴を開ける加工です。レーザーを使用することで1個から高密度での多数の穴加工も可能になります。印刷用の治具や金型などの用途で採用されています。レーザー微細加工の種類【微細溝加工】微細溝加工は、幅1mm以下の溝を素材につける加工です。狭いピッチで均等、あるいは不均等な溝形状の加工を入れる方法で、コネクター端子や半導体などに使用されています。従来は加工幅に成形した砥石を用いて職人によって加工されていましたが、レーザーを使用することで作業効率と安全性が確保され、熱による素材の変形を軽減することで、より高品質な製品が製作可能になりました。レーザー微細加工のメリットレーザーを使った微細加工を行うメリットについて見てきましょう。バリやドロスが少ないレーザーを使った微細加工では、金属や樹脂を加工した際に出る素材の出っ張りであるバリや、切断時に物質が溶けて溶解物として付着するドロスを軽減できます。微細加工に使用するレーザー光は集光性、指向性が確保されており、照射部分をピンポイントで融解できます。加工エリアが小さいため、熱による変形を最小限に抑えられるのです。また、精密さが特徴であり、従来の刃物や砥石を使った加工とは違い接触不要なため、加工時の歪みやクラック(ひび割れ)が起こるリスクも少なくなります。ごく薄い板金などの穴加工、溝加工にも適した加工方法です。多様な材質に対応レーザーでの微細加工は、金属だけでなくセラミックやガラスなどの硬脆材や樹脂などにも採用できます。溝の深さや幅を数μm単位で調節することで、規則正しい溝を任意の場所に高精度で施すことが可能です。レーザー微細加工の加工事例レーザー微細加工の加工事例をご紹介します。1.狭ピッチ溝研削加工(コネクタ端子金型の入れ子)引用元:株式会社ナガセインテグレックスピッチ精度:0.8μm2.超硬材料の微細溝研削加工引用元:株式会社ナガセインテグレックス超硬材料へ50µmピッチの微細溝を研削加工。3.タイバーカットパンチ研削加工(超硬材料)引用元:株式会社ナガセインテグレックスピッチ精度:1.1μmレーザー微細加工に強い工場3選!【箔形状等の薄い形状の加工なら】株式会社リプス・ワークス引用元:株式会社リプス・ワークス①会社概要本社:東京都大田区東糀谷6-4-17 OTAテクノCORE409TEL:03-3745-0330FAX:03-3745-0331設立:2009年5月加工:焼結・熱処理、メッキ加工、表面処理加工などの各種金属加工、試作品開発加工、各種切削 など 素材:ステンレス、アルミ、鉄、合金、樹脂 などHP:https://lps-works.com/②会社の紹介株式会社リプス・ワークスは、都内大田区に拠点を構え、試作品の開発加工や切削などの金属製品加工を行っています。③メリット・デメリット超短パルスレーザー加工機によるレーザー微細加工では、従来からの円柱や半球形状に加え、複雑な形状のエンボス加工を多く受注しています。エンボス加工の範囲や深さなども任意に調節できます。ただ、納期の短縮は可能かどうかは、受注量などの条件によっても異なりますので、事前に相談してみましょう。④製品紹介株式会社リプス・ワークスの製品例は次のとおりです。SUS304への複合エンボス加工モリブデン(Mo)への高アスペクト微細ストレート穴加工タングステン(W)へのストレート穴あけ加工【金属、ガラス、樹脂等様々な素材に対応】株式会社ナノプロセス引用元:株式会社ナノプロセス①会社概要本社:静岡県浜松市西区大久保町1349TEL:053-482-1800FAX:053-485-1512設立:2007年4月加工:レーザー加工、試作、装置開発 など 素材:アルミ、タングステン、モリブデン、チタンなど金属全般、セラミック、シリコン、各種ガラス などHP:https://www.nanoprocess.jp/②会社の紹介株式会社ナノプロセスは、浜松市にあるレーザー加工や試作品の製作、装置の開発を行っている企業です。③メリット・デメリットレーザーを使った微細加工に特化し、穴加工や溝・切断加工、マーキングや多段加工など多種の加工に対応しています。マイクロメートルレベルでの深穴や深溝、貫通加工が可能で、従来の機械加工では取り扱いが難しいタングステンやチタン、モリブデンといった脆性材料の加工も受注しています。早期納品ができるかどうかは事前に確認するようにしてください。④製品紹介株式会社ナノプロセスの製品例は次のとおりです。アルミナ穴加工窒化アルミ加工面(SEM画像)アルミナ異形加工【レーザー微細穴あけ加工なら】東成イービー東北株式会社引用元:東成イービー東北株式会社①会社概要本社:福島県郡山市待池台1‐26TEL:024-963-2411FAX:024-963-0455設立:1987年11月2日加工:電子ビーム溶接加工、各種レーザ加工、レーザクリーニング など 素材:ステンレス、アルミ、銅 などHP:https://www.ebtohoku.co.jp/index.html②会社の紹介東成イービー東北株式会社は福島県郡山市に本社があり、レーザーを使用した加工やクリーニング、電子ビーム溶接加工を受注する企業です。③メリット・デメリット超短パルスレーザーによる微細加工では、幅広い材質に加工が可能です。ステンレスやアルミ、銅などの金属だけでなく、シリコンやタングステンといった素材にも数十μm単位で加工を施せます。ただ、遠方からの依頼を受けられるかどうかは、事前に問い合わせた方が無難でしょう。④製品紹介東成イービー東北株式会社の製品例は次のとおりです。タングステンWへの微細穴あけ加工(穴径    φ0.030mm・φ0.050mm)シリコンSiへの微細穴あけ加工ステンレスSUS304への微細穴あけ加工レーザーでの微細加工の一括見積もりを依頼するなら【Mitsuri】レーザーでの微細加工について、得意とするメーカーを含めてご紹介してきました。幅広い材料に緻密な加工ができる微細加工は、現時点では特殊な加工方法であり企業や製作所によって受注可能な素材や製品、生産数などに違いがあります。また、実績がある加工方法や分野なども異なるため、事前に依頼できるかどうか確認することをおすすめします。レーザーでの微細加工を依頼するメーカーをお探しの際には、一度Mitsuriにご相談ください。提携している日本全国250社以上の企業から、お客様の要望に合った最適なメーカーを紹介いたいます。また、Mitsuriでのお見積りは複数の企業から一度にもらうことが可能です。まずは一度お気軽にお問い合わせください。

  • TIG(ティグ)溶接とは【専門家が解説】特徴や加工方法について詳細をお伝えします!

    TIG(ティグ)溶接は、高性能・高品質、かつ美麗な仕上がりが得られるアーク溶接法の一つです。また、導電性を持つ金属ならばほぼ適用可能で、鉄鋼やステンレス鋼のほか、アルミニウム合金やマグネシウム合金なども溶接することができます。しかし、アーク溶接には、被覆アーク溶接やマグ溶接、ミグ溶接などの多様な溶接法があるため、TIG(ティグ)溶接が他の溶接法とどのように異なり、優れているのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。そこで、今回の記事では、TIG(ティグ)溶接の詳細や原理、また特徴について説明していきます。また、実際のTIG(ティグ)溶接の方法・工程を動画と併せて解説していきますので、溶接をご依頼するときの参考にしてください。TIG(ティグ)溶接とはTIG(ティグ)溶接は、Tungsten Inert Gas(タングステン不活性ガス)溶接を略したもので、アーク溶接法の一種です。そのアーク溶接法の中でも、タングステンを電極に用いた非溶極式に分類され、溶接部をアルゴンなどの不活性ガスでシールドしながら、必要に応じて溶加材を溶かし込んで溶接する方式です。アーク溶接溶接には、融接、圧接、ろう接の3種類の方法があります。これらの方法は、以下のように被溶接材料(母材)を接合しますが、TIG(ティグ)溶接は融接による溶接法の一つです。溶接の種類●融接…熱で母材を溶かし、必要に応じて溶かした溶加材を加え、凝固させて接合●圧接…圧力を母材に加えて接合●ろう接…母材を溶かすことなく、溶加材のみを溶かし、溶加材を接着剤のように用いて母材を接合融接による溶接法は、母材を溶かす手段により、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接に分けられます。TIG(ティグ)溶接は、これらの溶接法の中のアーク溶接にあたります。融接の種類●ガス溶接…可燃性ガスを燃焼させることで発生する熱で母材を溶融●アーク溶接…気体中の放電現象に伴って発生する熱で母材を溶融●レーザー溶接…レーザー光を照射することで母材を溶融●電子ビーム溶接…加速した電子を衝突させることで母材を溶融参考:【アーク溶接とは!?】代表的な種類や特徴と「メリット・デメリット」を解説非溶極式アーク溶接アーク溶接は、母材を溶かすと共に、電極を溶かし溶加材としても用いる溶極式と、消耗しない電極を用い、別に溶加材を添加する非溶極式に分けられます。TIG(ティグ)溶接は、非溶極式のアーク溶接法で、融点が3380℃と金属の中で最も高融点のタングステン、もしくはタングステン合金を電極として使用します。なお、タングステンを電極に用いる非溶極式には、プラズマ溶接という溶接法もあります。下図のようにTIG(ティグ)溶接と非常に似通った方法ですが、その違いは、電極をノズルとプラズマガスで包み込むことで、アークが広がらないように絞っていることです。それにより、そのアークは電流密度が高く、熱効率や熱集中性もTIG(ティグ)溶接と比べて高くなります。そのため、精度が高く、速度が早い優れた溶接法と言えるでしょう。ただし、プラズマ溶接は、TIG(ティグ)溶接よりも高コストであるというデメリットがあります。ガスシールドアーク溶接アーク溶接では、アーク放電を安定的に維持する、酸化を防止するなどの目的から溶接部をガスでシールドする場合があり、シールドガスを用いる方式をガスシールドアーク溶接と言います。TIG(ティグ)溶接は、ガスシールドアーク溶接に分類されますが、特にシールドガスに不活性ガスを用いることからイナートガスアーク溶接と呼ばれることもあります。TIG(ティグ)溶接で使用されるシールドガスは、酸素を含まないアルゴン・ヘリウム・アルゴンとヘリウムの混合ガス・アルゴンと水素の混合ガスの4種類に限られています。その理由は、電極に用いるタングステンが高温下で酸化しやすく、千数百℃程度まで融点が低下してしまうことがあるからです。なお、ヘリウムや水素を含んだ混合ガスは、アーク放電の発熱量の上昇による、溶け込み深さの増大や溶接速度の向上を目的として用いられます。しかし、水素含有の混合ガスでは、水素を吸収して強度が低下する水素脆化が生じることがあるため、使用可能なのはオーステナイト系ステンレス鋼とニッケル合金に限られます。交流TIG(ティグ)溶接アルミニウムやマグネシウムをTIG(ティグ)溶接する場合は、アーク放電のクリーニング作用を活かすことができる交流が主に使用されています。TIG(ティグ)溶接では通常、電極が陰極、母材が陽極の正極性で、直流を流して溶接を行います。これは、電子を放出する電極に比べ、電子が衝突する母材側がより加熱されることを理由とします。一方、電極が陽極、母材が陰極の逆極性では、電子が衝突する電極が消耗すると同時に、電子を放出する母材表面の酸化物が還元され、酸化物が取り除かれるクリーニング作用が生じます。逆極性での溶接は、電極の消耗により長時間の溶接ができないという欠点があるものの、酸化膜の融点が2000℃超と高く、正極性での溶接が困難なアルミニウムやマグネシウムなどでは極めて有効です。そこで、アルミニウムやマグネシウムには、クリーニング作用を活かすと共に電極の消耗も抑制した交流TIG(ティグ)溶接が用いられています。TIG(ティグ)溶接の原理次に、TIG(ティグ)溶接の原理を説明していきます。TIG(ティグ)溶接では、電極と母材間に高電圧を加え、高電流を流すことで起こるアーク放電によって生じる熱を利用して溶接します。アーク放電は、電極と母材間の電位差によって不活性ガスの電離が進行し、本来絶縁体である気体が導電性を持つプラズマとなることで起こります。プラズマは、電流路になってアーク放電を保つ役割を果たすとともに、熱を発生して母材や溶加棒を溶かします。細いタングステン電極と母材との間に生じるアーク放電は、電極から母材に向かって拡がるベルのような形状となり、中心部で1万数千℃、外周部でも1万℃程度の高温を示します。このアーク放電の維持には、適切な電圧と電流の供給が必要です。その電圧と電流の関係は不活性ガスがアルゴンの場合、下のグラフのようになり、アークが長いほど必要な電圧は大きくなります。ただし、TIG(ティグ)溶接機は一般に、溶接電流のみが設定可能で、設定された電流を出力するために電圧を自動で増減する定電流特性を備えたものが多いです。引用元:一般社団法人 日本溶接協会 溶接情報センターアーク放電を維持するために必要な電圧と電流は、使用する不活性ガスによっても大きく異なります。例えば、溶接電流を200Aとすると、下のグラフのようにヘリウムではアルゴンの約2倍の電圧が必要です。そのため、ヘリウムを不活性ガスに用いる場合は、溶接機の最大電圧が十分に高いものを選ぶ必要があります。引用元:一般社団法人 日本溶接協会 溶接情報センターTIG(ティグ)溶接では、下図のような装置構成で溶接が行われます。装置構成に見られるように、溶接電源に母材を接続し、通常はトーチの電極を陰極、母材を陽極とします。そして、リモコンボックスやトーチの手元のスイッチで、ガスの供給や電流の入切を操作して溶接を実施します。アーク放電が発生すると、下図のように、母材と溶接する金属、および溶加棒が溶け出して溶融池を形成します。この溶融池が凝固したものがビードとなるので、溶接の性能や品質、仕上がりの美しさは溶融池の状態によって左右されます。引用元:独立行政法人 産業技術総合研究所 加工技術データベースTIG(ティグ)溶接の特徴次は、TIG(ティグ)溶接の特徴について見ていきましょう。融接の特徴まず、TIG(ティグ)溶接は、融接による溶接法の一つであることから、融接に共通した以下の特徴があります。融接の特徴・溶接継手の強度が高い。・気密性や水密性に優れる。・溶接熱で母材の性質が変化することがある。・局所的な加熱と冷却により、変形する、または残留応力が生じることがある。・外観からの溶接品質の確認が困難である。圧接と比べた融接の特徴・溶接継手の構造を簡素化できる。・厚さに制限がほとんどない。●溶接継手について溶接における、2つの母材の接合部分、もしくは接合しようとしている部分を溶接継手といいます。代表的な溶接継手には、以下の突合せ溶接継手、重ね溶接継手、隅肉溶接継手が挙げられます。引用元:株式会社新東アーク溶接の特徴ティグ溶接は、アーク溶接の一つでもあることから、アーク溶接に共通した以下のような特徴があります。アーク溶接の特徴・アーク放電の温度が5000℃以上と高温であるため、高温で割れる金属は溶接できない。・接合する母材が導電体でないと溶接できない。ガス溶接に比べたアーク溶接の特徴・熱集中性に優れるため、溶接精度が高い。・エネルギー密度が大きいため、高融点金属の溶接が可能で、溶接速度も早い。・レーザー溶接や電子ビーム溶接と比べたアーク溶接の特徴・熱集中性に劣るため、溶接精度が低い。・エネルギー密度が小さいため、溶け込みが浅く、溶接速度が遅い。・溶接速度が遅く、溶接範囲が広いため、歪みが発生しやすい。・溶接装置が安価。参考記事レーザー溶接については、以下の記事に詳細がございますので、参考にしてください⇒【レーザー溶接】仕組み(原理)やメリット・デメリットなどの特徴をご紹介!!非溶極式アーク溶接の特徴TIG(ティグ)溶接は、アーク溶接の中でも非溶極式の溶接法ですが、非溶極式であるということから以下のような特徴を持ちます。なお、上の写真は、溶接用のタングステン電極棒です。ティグ溶接の特徴・タングステンの融点は金属中で最も高いので、あらゆる金属の溶接が可能。・溶加材を別途加える必要がある。・電極の溶融を考慮する必要がないため、溶加材の種類や添加量、溶接電流を独立して設定できる。・溶加材の溶融に時間がかかるため、溶接速度が遅い。・長時間の作業が可能。・アーク長を一定に保ちやすい。ガスシールドアーク溶接の特徴TIG(ティグ)溶接はまた、シールドガスを使用するアーク溶接でもあります。そのため、TIG(ティグ)溶接は、ガスシールドアーク溶接に共通する以下のような特徴を持ちます。ガスシールドアーク溶接と共通する特徴・シールドガスを別に用意する必要がある。・風の影響を受けやすいため、防風対策が必要になることがある。・大気の混入によるブローホールやピットの発生を抑制できる。・被覆剤を使用する場合に生じる凝固スラグが発生しない。TIG(ティグ)溶接の特徴TIG(ティグ)溶接は、アーク溶接の他の溶接法と比較して、以下の特徴を持ちます。他の溶接法と比較した特徴・鉄鋼・ステンレス鋼・ニッケル合金・銅合金・アルミニウム合金・チタン合金・マグネシウム合金など、ほとんどの金属を溶接できる。・高品質・高性能の溶接継手が得られ、ビードの外観にも優れる。・広範囲の電流域で溶接に適したアーク放電が得られる。・溶接姿勢の制約が少ない。・溶融池が安定しているため、その挙動を明瞭に観察できる。・有害な溶接ヒューム(溶融金属の蒸気)の発生が少ない。・火花が出ないため、スパッタの発生がほとんどない。・静音性に優れる。・手動溶接では、同時にトーチと溶加棒を操作しなければならず、熟練と技量が要求される。・不活性ガスやタングステンが比較的高価なため、溶接経費がやや高い。溶接姿勢について引用元:独立行政法人 産業技術総合研究所 加工技術データベース溶接姿勢は、溶接する際の作業者と溶接部の位置関係を指す言葉です。溶接姿勢には、上図に見られるような、下向、立向上進、立向下進、上向、横向の5つの姿勢があります。これらの溶接姿勢は、溶融池に作用する重力の方向を変えるため、溶接速度や溶け込み深さ、ビード形状などに下表のような影響を与えます。引用元:一般社団法人 日本溶接協会 溶接情報センターTIG(ティグ)溶接のメリット・デメリットTIG(ティグ)溶接は、初心者でも扱いやすい溶接方法であるため、個人がDIYや趣味などで溶接する時やプロが鉄工所で細かい溶接をする時など、幅広い用途に活用されています。そんなTIG(ティグ)溶接のメリットとデメリットを見てみましょう。メリットTIG(ティグ)溶接の主なメリットは次のようなことです。TIG(ティグ)溶接のメリット①溶接する金属を選ばない②耐食性や靭性に優れた溶接で強度を高める③溶接の品質が良い④溶接部の仕上がりがきれい⑤共付け(ナメ付け)が可能⑥火花が出ては困る環境下での溶接が可能⑦作業音が静か①溶接する金属を選ばないTIG(ティグ)溶接は、金属の中で最も融点の高いタングステンを電極としているため、炭素鋼・ステンレス鋼・低合金鋼などの鉄系金属からニッケル合金・銅合金・アルミニウム合金・チタン合金・マグネシウム合金などの非鉄系金属まで、工業用で使用されるほとんどの金属の溶接が可能です。②耐食性や靭性に優れた溶接で強度を高めるTIG(ティグ)溶接は、溶接部を保護するシールドガスにより、耐食性や靭性に優れた溶接が可能なので、強度を高めることができます。③溶接の品質が良い不活性ガスを使用して溶接するTIG(ティグ)溶接は、溶けた金属(スラグ)や金属粒がパチパチ跳ねるスパッタや金属表面の穴やくぼみ(ピット)ができにくい溶接方法です。そのため、溶接後に溶接部のスラグ清掃やスパッタ除去の手間が必要ない美しい仕上がりが見込めます。溶接肉も少ないので、薄板・複雑な形状の溶接など、精密な溶接も質が良くできます。TIG(ティグ)溶接は、シールドガスで溶接部を保護し、空気をシャットアウトしながら溶接するため、金属表面が酸化しにくくスラグも発生せず、不純物の混入も少なくなるので、溶接部位の欠陥が起きにくくなります。ですからTIG(ティグ)溶接は、RT検査・PT検査・MT検査などの検査の合格率も高く、品質の良い溶接法なのです。④溶接部の仕上がりがきれい電極が解けないため母材の溶接部の視野がきちんと確保でき、複雑な形状でもよく見て溶接することができます。また、溶接速度が遅いため、初心者でもゆっくり丁寧に溶接作業ができるので、溶接部が滑らかで光沢がある美しい仕上がりになります。⑤共付け(ナメ付け)が可能ナメ付けとも呼ばれる共付けとは、溶加棒(溶接棒・フィラーワイヤともいう)を使用せずに母材同士を直接接合する溶接のことで、TIG(ティグ)溶接ならではの溶接法です。共付けする場合、溶接部には余分な溶接肉が付かず、母材同士の馴染みも良い仕上がりになります。ステンレスの薄板などを接合するのに適しています。⑥火花が出ては困る環境下での溶接が可能スラグ・火花などが出てはいけない環境下でも、火花が出ないTIG(ティグ)溶接法なら溶接することができます。例えば原子力発電所や繊維工場など、火花で火災や事故などが起きやすい環境下での溶接に、TIG(ティグ)溶接は向いています。⑦作業音が静か火花を散らさず溶接できるため、他の溶接方法より作業中の騒音が極めて少なく、作業への集中力を高めるのはもちろん、周りへの迷惑も少なくなります。デメリットメリットが多いと思われるTIG(ティグ)溶接にも、当然デメリットがあります。TIG(ティグ)溶接のデメリット①風の影響を受けやすい②溶接速度が遅い③ランニングコストがかかる④作業者の熟練度で仕上がりが左右される⑤保護メガネが必要(電気性眼炎予防)①風の影響を受けやすいTIG(ティグ)溶接は、溶接部位をシールドガスで覆う必要がありますが、シールドガスは風が吹くと飛んでしまうため、屋外の溶接には向いていないといえます。屋外でTIG(ティグ)溶接を行う場合は、風除けをするなどの溶接環境を養生する、アルゴン流量を増やす、大溶量ガスレンズに変えるなどの対策が必要になり、コストや手間、作業時間がかさみます。②溶接速度が遅いTIG(ティグ)溶接は、溶接速度が他の溶接法より遅いため、溶接作業に時間がかかり、大量生産や短時間での溶接には向かない溶接法です。作業効率を上げるためには、対策として電流を上げる方法しかありません。作業効率を優先したい場合は、半自動溶接や被覆アーク溶接に変更する方が良いでしょう。③ランニングコストがかかるタングステンの電極は消耗が少ないので溶接を長時間連続してできますが、シールドガスに使用する不活性ガス(アルゴンガスやヘリウムガスなど)が高価なため、ランニングコストがかかるのがデメリットです。シールドガスの流量を適切にすることや、シールドガスの仕入れ値を交渉するくらいで、根本的な解決は難しくなります。④作業者の熟練度で仕上がりが左右される手作業で細かく精密な溶接を美しく仕上げるためには、技術の習得が必要になります。ローリング・浮かし・溶加棒の送り方などの技術を身に着けなければなりません。しかも、シールドガスが高価なため練習を重ねにくく、習得に個人差が出ることもあり、作業者の熟練度の違いで仕上がりの美観が違ってきます。⑤保護メガネが必要(電気性眼炎予防)TIG(ティグ)溶接は、火花などは発生しませんが、強い光が発生します。この光が直接目に入ると角膜や網膜へダメージを与えるため、角膜炎症・白内障・網膜損傷などを招く危険性があります。電気性眼炎などを防ぐためにも、保護メガネなどを着用する必要があります。TIG(ティグ)溶接はどういう製品に向いているかTIG(ティグ)溶接は、他の溶接方法では難しいとされるステンレスやアルミの母材を溶接する時に向いている方法です。火花やスパッタがないためクリアな視界で溶接でき、美しい仕上がりが実現できますので、什器など複雑な形状や細かい溶接、また仕上がりの美観を重視する製品の溶接に適しているといえます。しかしTIG(ティグ)溶接は、他の溶接方法に比べ溶接速度が遅いため、作業効率から考えると、溶接箇所があまり多くない製品作製に用いることをおすすめします。つまりTIG(ティグ)溶接は、作業効率より美観重視の溶接方法ということになります。他にも、ステンレスの薄物同士の接合や、溶加棒を使用しない共付け(ナメ付け)にも、TIG(ティグ)溶接がおすすめです。●TIG(ティグ) 溶接に向いている製品例・バイクや車の部品・パイプ類の接合・船の部品の接合・小物製作・ステンレスやアルミの材質の接合・溶接部の美観が重要な製品の接合TIG(ティグ)溶接の方法、工程を動画で解説引用元:OPEN EV 沖縄県教育委員会 教育支援ビデオそれでは、TIG(ティグ)溶接は実際にどのように行うのか、上のアルミニウムのTIG(ティグ)溶接の動画を参考に解説していきます。動画では、厚さ2mmの1000系アルミ板を、初めに溶加棒なしで、次に溶加棒ありで溶接しています。また、溶接継手の構造は板金を並べる形の突合せ溶接継手、溶接姿勢は下向姿勢で溶接しています。TIG(ティグ)溶接の準備溶接するにあたって、まず以下の道具を用意し、正常に使用できるか確認しておく必要があります。用意する道具・ティグ溶接機・タングステン電極・溶加棒・シールドガス・遮光マスク・革製などの溶接用手袋・難燃性の防護服特に、タングステン電極はグラインダなどで先端の形状を整える必要がありますが、動画にあるように、アルミ溶接の場合は先端を鈍角に研磨して使用します。また、アルミ溶接では、溶接前に母材の脱脂が必要なことも注意してください。TIG(ティグ)溶接の実工程溶接の実作業では、まず2枚のアルミ板を接合する並びにそろえ、両端を仮付けします。このとき、電極を材料から2mm程度離してアークを発生させます。なお、溶極式のアーク溶接では、電極を接触させてアークを発生させる接触法が用いられますが、非溶極式では、電極が消耗するため、電極を材料に接触させないようにしましょう。●溶加棒なし次に、仮付けしたアルミ板を溶接していきます。溶接は、トーチを45°程度傾け、溶融池が電極前にちょうど見える位の速度で行っていきます。溶加棒を用いない場合の仕上がりは、ビードがへこんでおらず、かつ裏側まで溶けている状態であれば良い品質であると言えるでしょう。●溶加棒あり溶加棒ありの溶接にあたり、利き腕が右の場合は、溶加棒を左にトーチを右に持ち、右から左へと溶接します。溶接方法は溶加棒なしと同様ですが、溶加棒はアークに触れるとはじかれてしまうので、溶融池に横から差し込みながら溶接していきます。溶加棒を用いた場合の仕上がりは、ビードの盛り上がり高さが均一で、溶加棒なしと同様に裏側まで溶けている状態であれば良い品質と言えます。TIG(ティグ)溶接の製品事例製品事例①引用元:株式会社大畠製作所アルミを交流TIG(ティグ)溶接した製品事例のアルミ製ハンドルです。油分や細かな傷等をスコッチブライトで仕上げられています。製品事例②引用元:モリヤス・アイアンワークスチタンをTIG(ティグ)溶接したバイクのマフラーの製品事例です。精密に角度切りしたパイプを共付け(ナメ付け)し、なめらかで光沢のある美しい溶接面に仕上げられています。向かって左のステー部は強度が必要なため、溶加棒を使用し接合していますので溶接ビードがあります。TIG(ティグ)溶接は、金属中で最も高融点のタングステンを電極に用い、溶接部をアルゴンなどの不活性ガスで覆いながら溶接する方式のアーク溶接法の一つです。TIG(ティグ)溶接は、アーク放電で発生する熱によって金属を溶かし、溶融した金属を凝固させることで溶接します。そのようなアーク溶接法の原理を利用していますが、タングステン電極や不活性ガスを用いることから、多様な金属の溶接が可能で、溶接欠陥の少ない溶接法となっています。一方、TIG(ティグ)溶接は、素材や溶接形状によって溶接方法を多様に変えることが必要な溶接法でもあります。そのため、溶接可能な素材や形状、また仕上がりは、メーカーに大きく異なります。Mitsuriでしたら、日本全国に協力工場が350社以上あるため、TIG(ティグ)溶接を専門とするメーカーをご紹介できます。TIG(ティグ)溶接でお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい。

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    穴開け加工とは【専門家が解説】タップ加工、リーマー加工との違いを説明!

    価格が安くなるねじ切り図面の書き方についてはこちら!価格が安くなるねじ切り指示の書き方を解説しています!20〜30%ほどの低減につながる可能性がございますのでぜひご覧ください!5分ほどで視聴可能です!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください!機械加工における穴開け加工の方法には、タップ加工やリーマー加工といった方法があります。特に穴開け加工はドリルを用いて削る、開けるといった方法が一般的ですが、さまざまな方法があり、製品の素材や用途によってどの方法を採用すべきかが異なります。この記事では、機械加工における穴開け加工の中でも、一般的な金属物質にも使いやすいタップ加工やリーマー加工について詳しく解説していきます。主な加工事例についてもご紹介しますので、穴開け加工の方法でお悩みの方は最後まで読んでみてください。機械加工における穴開け加工とはタップ加工とはタップ加工は、穴開け加工などによって開けられた穴(下穴)にめねじ(ねじが入る筋)を切る加工のことです。外周にらせん状の溝があり、切れ刃が付いているタップというねじ状の工具を使って行われます。一般的には、ボール盤などの機械にタップを取り付けて加工を行うことが多いですが、タップハンドルを使った手作業での穴開け加工も増えています。●タップ加工の手順タップ加工の準備として、以下の点を事前に確認しましょう。確認ポイント・加工ワーク(タップハンドルなどタップを固定する部材)を確実にクランプ(緩まないよう固定)しておく・加工対象と下穴径に合ったタップを選ぶ・適切な切削速度に設定する・用途に合った切削油を用意する一般的なタップ加工の手順は次のとおりです。タップ加工の手順①適切な大きさ、深さの下穴を開ける②切削油を塗る③タップをゆっくりと時計回りに挿入して、ねじを切る●タップ加工で使用する切削油切削油は、使用する機械で推奨されている種類、素材に適したオイル含有率などで選びます。切削油の種類鉱物油ベース:タップ加工で最も一般的、切削特性と安定性に優れ、機械に負担をかけない合成切削油:安定性に優れているが機械への負担が高くなりやすい準合成切削油:切削特性に優れ、幅広い被削材のあらゆる種類の加工に推奨植物ベースオイル:タップ加工用エマルジョンの中で最も切削特性が高いストレートオイル:タップ加工において最適な切削条件の安定性の高いエマルジョンで、旋盤や小型部品機械で使われる●タップ加工でのクーラント供給クーラント(機械や部材を冷却する液体)の供給は、タップ加工において重要なポイントです。クーラントを使うことで、切りくず排出、ねじの品質や使用している工具の寿命など広く影響を及ぼします。クーラントの供給方法として、長い切りくずが出るような深穴などのタップ加工に適した内部給油、その他の一般的な加工に使われる外部給油があります。●タップの下穴サイズタップ加工において、タップ加工サイズと、開いている下穴の直径との関係から必要なサイズを用意することになります。下穴の直径は、ねじの外径からピッチを引いた直径前後と見ておけば問題ありません。あくまでも目安程度ですが、下記表を参考にしてください。※ステンレス鋼など削りにくい材料の場合は、標準よりもやや大きい下穴だとやりやすいでしょう。引用元:NMRI●タップの種類下穴の形状や切りくずへの対処法によってタップの種類を選びますが、次の4種類が代表的です。①ハンドタップ:切り屑をタップ本体自体に抱え込む、止まり穴・通り穴両方に使用②ポイントタップ:切り屑を前方に排出する、通り穴に使用③スパイラルタップ:切り屑を後方に排出する、主に止まり穴に使用④ロールタップ:切り屑が出ない方法、止まり穴用・通り穴用が別々各種類ごとの切りくずの排出方法の違いは、以下のようになります。引用元:sanvik(左から、ハンドタップ、ポイントタップ、スパイラルタップ、ロールタップ)それぞれの方法に適した素材は、以下の表をご参照ください。<材料別タップ選定の目安>引用元:モノタロウ(◎:最適、○:使用可能、△:やや問題あり、×:不適)リーマー加工とはリーマー加工は、ドリルなどによってあらかじめ開けられた穴の内径を、リーマー(リーマ)と呼ばれる棒状の部材を通すことで、所定の穴寸法に広げながら、滑らかな面できれいな円の穴を作る作業を指します。基本的には、穴の内径寸法や面の粗さ、真円度といった精度が要求されるごく小さな穴開け加工に多く使われる加工で、精度の高い施工ができる機械技術と熟練した操作が要求されます。機械を使ったリーマー加工では、複数の加工ステップをひとつのリーマー工具を使ってまとめることにより、加工時間と手間を短縮することができます。●機械によるリーマー加工現在はボール盤(木材や金属に穴を開ける、穴を堀る工作機械)を使ったリーマー加工が一般的です。注意点として、ボール盤使用時には主軸、チャック、スリーブなどの振れやガタつき、ゴミが挟まっていないか、加工対象物の下穴の口が、水平になっているかどうかを確認してから施工しましょう。●リーマー加工の手順準備として、次の点をチェックしましょう。チェックポイント・対象物がしっかりクランプして固定されている・貫通穴の場合、切りくずが排出できるスペースを確保している・薄い部材をリーマー加工する場合、クランプの力が部品全体に均一にかかる一般的なリーマー加工の手順は、以下のとおりです。リーマー加工の手順①リーマー加工用の切削油を準備する②リーマーの位置をセットする③ゆっくり圧をかけながらリーマーを挿入し、抜く●リーマー加工の切削油リーマー加工用では、加工対象物とリーマー自体が直接擦れるため、潤滑油の役割を果たす切削油が仕上がりを左右します。切削油を使うことで、切りくず排出のサポートや、工具自体の寿命を伸ばすことに貢献できます。材質、加工条件によって異なる油剤を選ぶことが推奨されています。基本的には油性(不水溶性)の切削油が使われ、深穴や止まり穴(突き抜けずに止まる穴)の場合は、クーラントスルー(内部給油)方式と呼ばれる方法を用いると、加工部の切削油不足を防げます。水溶性切削油を使う場合は、エマルジョンタイプ(水で希釈すると乳白色の液となるタイプ)のものを濃度20%以上で使用するのがおすすめです。●リーマー加工の下穴リーマー加工では、先に開けられている下穴に合わせて加工が行われるため、適確な寸法の取りしろを設ける必要があります。この取りしろが少ないと、仕上げ面が十分に綺麗になりにくく、反対に多すぎると切りくずが溝につまるなどして加工しにくくなってしまうからです。下穴の取りしろおよその目安は次の表の通りです。(リーマーの種類や工作物の材質によって異なるので注意)<リーマの取りしろ目安>引用元:モノタロウ●リーマー加工における注意点角度のある面でのリーマー加工では、入り口角度は5度以下にし、振れ(取り付けたリーマー自体の揺れ)はできる限り小さくしましょう。リーマーと下穴のオフセットは最低限まで小さく抑えておくと、びびり(ビリビリと音を出しながら震える状態)を防げます。リーマー加工はあくまでの穴を少し広げながら整える加工であり、下穴自体の中心のズレ、真直度(対象物の垂直方向の軸との狂い)を修正することはできません。下穴の真直度は0.05mm(0.02インチ)以下が推奨されています。穴開け加工事例機械加工の穴開け加工事例を複数ご紹介していきます。タップ加工例引用元:ポン押し卒業265引用元:ポン押し卒業265スパイラルタップによる施工例引用元:有限会社茂木製作所M4サイズ0.7タップ加工(2ヶ所)リーマー加工例引用元:城陽富士加工株式会社炭素鋼(S50C、硬度HRC53)プレートへの高精度穴加工(中央部三連穴の右)引用元:旋盤市場止まり穴用のマシンリーマー加工まとめ機械加工での穴開け加工は、部材の形状や用途、下穴の状態などにより、適切な加工方法を用いることが重要です。タップ加工やリーマー加工などで穴開け加工を検討している場合に、ぜひ参考にしてください。Mitsuriは、日本全国に所在する140社以上の協力企業から、穴開け加工を得意とする製作所や工場をご案内できます。お客様のご要望、条件に合わせて最適な業者をご照会致します。穴開け加工をご検討の際には、ぜひ一度Mitsuriにご相談下さい!

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    板金部品の展開図の重要性と求め方を徹底解説!

    板金加工の図面には、特有の注意点があります。本記事では板金加工に必要な展開図の基礎と寸法の求め方が学べます。機械設計部署に初めて所属された方、板金図面について再確認したい方に向けた記事です。板金加工における展開図の重要性板金図面作成時には、一般的な三面図に加えて展開図、つまり加工前の平らな状態を示しておくことが良い加工に繋がります。その理由は以下の2つです。展開図が必要な2つの理由(1) 材料の板厚を含んだ寸法で表現するため(2) 塑性加工による伸び・歪みを考慮するため(1) 材料の板厚を含んだ寸法で表現するため寸法を示す際、下図のように部品の最大外形で記載するのが一般的です。加工前の材料寸法は、単純にa:35mm+b:35mm=70mmではありません。a・b寸法ともに板厚を含んだ値であるため、板厚の2mmを考慮する必要があります。引用元:MONOist(2) 塑性加工による伸び・歪みを考慮するため板金加工による曲げ加工は、材料の塑性という特性を利用して加工しています。塑性とは、変形させた後でも変形が残る性質のことです。塑性は延性と展性という2種類の性質に分けられますが、どちらも材料の伸びを伴います。この材料の伸びを考慮する必要があります。参考:板金加工における【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!!  展開図を示しておくことで、加工時のトラブルを防止することが出来ます。材料の無駄や確認連絡のための工数削減など、コスト削減にも繋がります。参考:【板金加工 図面】図面の基礎を徹底解説!必要性から書き方・読み方まで  展開寸法の求め方・展開図の書き方展開図を書く為には、展開寸法が必要です。展開寸法は、加工前の材料寸法を指します。展開寸法の求め方にはいくつか種類がありますが、今回は「外側寸法加算法」と「中心線による計算方法」の2種類を学習します。(1) 外側寸法加算法あらかじめ加工したい部材と同じ板厚の材料を用いて曲げ加工を行い、加工前の寸法と加工後の寸法を控えておきます。加工後寸法は、材料の伸びによって加工前寸法より大きくなるので、「加工後の寸法-加工前の寸法=伸び量」上記で計算した伸び量を考慮して展開寸法を決める方法が、外側寸法加算法です。以下の図を用いて、具体的に計算してみます。図1:展開寸法の求め方加工後に必要な寸法は、A寸法(30㎜)とB寸法(50㎜)です。あらかじめ調べておいた伸び量αは、2㎜です。必要な展開寸法Lは、30mm+50mm-2mm=78mm※ 曲げ回数が複数回必要な部品では、回数分を伸び量αに乗じた計算が必要です。(2) 中心線による計算方法中心線による計算方法では、曲げ加工時の曲げ局部に注目します。材料は曲げ局部に近い内側では圧縮され(展性)、外側では引っ張られます(延性)が、中立の線(板厚中立軸)は圧縮も引っ張りもされません。中立軸は加工前後での寸法が変わらないため、中立軸の距離がそのまま展開寸法になります。Q.【練習問題】中心線による計算を実際に練習してみましょう。図2:中心線による計算方法。曲げRは2mm(事前に測定済)、図の縮尺は不正確。中立軸を①・②・③の3つに分けて考えます。板厚は6.0mmなので、材料表面から3mmの位置に中心軸が存在します。曲げRを2mmとすると、①=30mm-6.0mm(板厚)-2.0mm(R)=22mm②={(6.0mm×1/2(材料表面から中立軸までの距離)+2.0mm(R))×2}×3.14×1/4=7.85mm※{中カッコ}は円の直径を求めています。③=24mm-6.0mm-2.0mm=16mmよって展開寸法は、=①+②+③=22mm+7.85mm+16mm=45.85mm板金加工の展開図の書き方!板金展開ソフトを使って書く簡単な形状の板金部品であれば容易に展開が出来ますが、特殊形状の円筒のように複雑な板金部品の場合、展開の難易度が高くなります。最近では3DCADが一般的になり、板金部品も3DCADで設計することが増えたため、CADソフト内蔵の簡易プログラムで展開図も作成されることがあります。しかし、複雑な形状の部品展開や、より正確な展開寸法が必要な場合は、板金専用の展開ソフトが使用されることが多いです。特に人気があるのは、CAD TOOLとVectorです。① CAD TOOLCAD TOOLは、キャデナス・ウェブ・ツー・キャド株式会社製のソフトウエアです。数値入力後、展開図とリアルタイムで連動するプレビューや、座標値、補助寸法線付きなどの出力オプション、CADソフト(AutoCADなど)へのダイレクト表示、曲げシミュレーション・圧力容器コマンドが装備されている点が特徴的です。  ② VectorVectorは、安田和俊さん(個人)によって開発された板金展開プログラムです。Ver.2.0以前はフリーですが、それより上位Ver.はユーザー登録を行わないとデータ出力機能が使用出来ないのでご注意ください。58種類の展開が可能で、展開面積の計算ができる点やdxf出力(Ver.2.0以前はフリー)、dxf出力時に切断補助線を作図できる点が特徴です。  ソフトで展開図を書くメリット板金加工の展開図を書くにあたって、展開ソフトを使用するメリットはたくさんあります。展開図をソフトで書くメリット(1) 豊富な展開パターンをコマンド化できる(2) 設計後の完成形を直感的にイメージしながら作図ができる(3) 後工程で使える機能的な展開図を出力できる※CADTOOLの場合(1) 豊富な展開パターンをコマンド化できるダクトやシュート、パイプ、分岐管等、一般的な製缶業務で使用される展開パターンはもちろん、その他これまで特にニーズのあったパターンなど、全64種類もの展開コマンドが用意されています。さらに、一つのコマンドに対して複数の寸法入力の方法が用意されているものもあり、一つのコマンドから数種類の展開図を作成することが可能です。他にも、「任意形状と丸コマンド(寸法入力のみならず、入り口の形状を作図することが可能なコマンド)」や、「厚肉対応展開コマンド(入力する径が外径か内径かを選択でき、板厚を考慮した展開図の作成が可能なコマンド)」なども一部コマンドには含まれます。CADTOOLの場合、すべてのパターンを合わせると286パターンにもなり、製缶業務の効率を大幅に改善できます。(2) 設計後の完成形を直感的にイメージしながら作図ができるCADによる作図に比べ、展開ソフトで作図すると、寸法の一部の数値を変更すると展開図がどのように変化するか分かりづらかったり、数値を入力した後の完成形のイメージがしにくいなど、操作による図の変化が直感的にわかりにくいデメリットがあります。しかし、寸法を入力すると同時にリアルタイムで展開図の変化が確認できるリアルタイムプレビュー機能や、表示を切り替えて展開図・正面図・上面図・アイソメ図を確認することで完成形がよりイメージしやすくなる形状表示機能のある展開ソフトを使用すれば、CADに劣らないほどの自由な作図ができます。(3) 後工程で使える機能的な展開図を出力できる後工程で使用することを想定した出力オプションもあります。例えば、けがきをする際に役に立つ補助線・寸法線付きの展開図の出力や、他のシステムへ利用できるよう展開図の座標値出力等です。紙やデータでの出力に対応し、紙の場合には実寸で印刷することもできます。データ出力形式は、xls, csv, bmpだけでなく、CADで利用できるDXF形式にも対応しています。さらに、AutoCADなど一部のCADでは「CAD通信機能」を使用して、CAD上に直接データを出力できます。設計完了後、「部品を発注したいけどどこの加工業者がいいのか?」「図面作図スピードが上がったので、見積りもスピーディーな業者はないか?」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国250社以上のメーカーと提携しており、ご希望に沿うメーカーが見つかります。① Mitsuriでのお見積りは案件を公開して待つだけ!② 複数のお見積りが届く!  ⇒金額重視or納期重視?ニーズに合うものを選べる!③ 案件の5割以上が1日以内に見積りを取得!下記のボタンから、ぜひお気軽にお問い合わせください!

  • 溶接記号の一覧【基礎講座】溶接指示を徹底理解!種類と書き方をマスターしよう

    【5分でわかる】溶接記号の見方、書き方溶接記号の見方、書き方について動画でも解説しています!噛み砕いて解説しているので、ぜひ参考にしてください!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネルを運営中!こちらからご覧ください!溶接記号は規格化されていて、溶接記号を見ればひと目で、溶接の種類、開先の形状・深さ・角度、ルート間隔、非破壊検査方法などが分かります。製図者の指示通りに溶接するために、溶接記号の理解は必要不可欠です。代表的な補助記号も合わせて学びましょう。溶接記号の基本形を学ぼう図1:溶接記号の基本形、基線・矢・基本記号の例 溶接記号とは、JIS規格で定められた溶接の仕方を指示するための記号です。図1に溶接記号の基本形を図示しました。溶接記号の基本形は、溶接する箇所を示す「矢」と水平に引いた「基線」です。基線に合わせて、基本記号と寸法を書きます。「表面形状の補助記号」や「仕上方法の補助記号」「尾」はオプションで、特に指示がなければ書きません。母材の開先(かいさき)方向は、基本記号を基線の下側に書くか、上側に書くかで区別します。基線の下側に基本記号が書かれている場合は、矢が指す側から溶接します。基線の上側に基本記号が書かれている場合は、矢の反対側から溶接します。基本記号に「ルート間隔」や「開先角度」を書き、基本記号の左側に「開先深さ」を書きます。参考:溶接の種類はこの記事だけでOK!3分でわかる金属加工で代表的溶接方法! 溶接記号全般 基本記号一覧I型開先V型開先レ型開先J型開先U型開先K型開先X型開先すみ肉溶接開先形状基本記号V型フレア溶接レ型フレア溶接へり溶接プラグ溶接・スロット溶接ビード溶接肉盛溶接キーホール溶接スポット溶接・プロジェクション溶接シーム溶接スタッド溶接サーフェス継手スカーフ継手図2:溶接の基本記号一覧図2に、溶接の基本記号一覧を示しました。基本記号とは、溶接部の開先形状や溶接方法を指示する記号です。開先(かいさき)とは別名「グルーブ」とも呼ばれ、母材をつなぎ合わせる溝を指します。開先は溶接部の強度を確保するために重要な箇所で、様々な種類があります。適切な開先形状を選ぶことで、溶接作業を楽にできたり、溶接の欠陥が起きにくくなったり、溶着量が少なくて済んだりします。ただし、開先を取るには母材の加工が必要なので、溶接指示は上記メリットと加工のロスや手間を考慮したうえで、バランス良く選択する必要があります。図3:突合せ溶接の断面図図3は、実際の溶接状態(左)と溶接記号で指示した図(右)です。基本記号の左側に書いてある数字(24)は開先の深さ、基本記号の下に書いてある数字は、ルート間隔(4)と開先の角度(90°)を示しています。これらは開先の形状が異なっていても、意味は同じです。開先はI型、V型、レ型、J型、U型、K型、X型など、様々な種類があります。J型開先はレ型開先と形状が似ていますが、母材の片側にアールが付いており、開先加工が難しい点で異なります。またU型開先も同様に、両側にアールが付いているため、開先加工が難しいです。 すみ肉溶接の溶接記号図4:すみ肉溶接(T字)  図5:すみ肉溶接(平行) 鋼板同士をT字につなぎ合わせたり(図4)、平行に重ねたものをつなぎ合わせたり(図5)する溶接方法を「すみ肉溶接」といいます。すみ肉溶接の溶接記号は、三角の記号で表します。基線よりも下側に基本記号がある場合は、矢の示している箇所をすみ肉溶接します。基線より上側に基本記号がある場合は、矢の反対側をすみ肉溶接します。基本記号の前にある数値は、溶接の脚の長さです。一般的には、両側で溶接の脚長を同じにすることが多いですが、下記の図ではわかりやすいように異なる寸法で示しています。図6:すみ肉溶接の溶接記号の書き方と実際の溶接断続すみ肉溶接(並列・千鳥)の溶接記号すみ肉溶接には、連続すみ肉溶接と断続すみ肉溶接(タップ溶接)があります。さらに断続すみ肉溶接は、並列断続すみ肉溶接と千鳥断続すみ肉溶接の2種類に分類できます。千鳥の溶接記号は、上下の三角記号を互い違いにずらして書きます(図7)。図7:すみ肉溶接の分類と並列・千鳥の溶接記号の書き方図8に千鳥断続すみ肉溶接の溶接記号と、実際の溶接状態を表しました。基線の下側基本記号は、溶接の脚長(6)、溶接の幅(30)、溶接の数( (3) )、溶接のピッチ(120)を示しています。※並列断続すみ肉溶接において矢の反対側も同じ溶接である場合、基線の片側の数値は省略できます。図8:千鳥断続すみ肉溶接の溶接記号と実際の溶接状態図9:並列断続すみ肉溶接の溶接記号と実際の溶接状態溶接補助記号の一覧表面形状平ら凸へこみ止端仕上げ溶接補助記号仕上げ方法チッピング研削切削指定なし溶接補助記号CGMF裏波溶接裏当て現場溶接全周溶接全周現場溶接溶接補助記号非破壊検査方法RT放射線透過試験(JIS Z3104)UT超音波探傷試験(JIS Z3060)MT磁粉探傷試験PT浸透探傷試験 LT漏れ試験VT目視試験STひずみ測定試験AET(AT)アコースティック・エミッション試験ET渦電流探傷試験TT赤外線サーモグラフィ試験〇全周試験(試験記号の後に付加)溶接補助記号は基本記号と合わせて表示し、溶接に必要な情報を追加します。表面形状(平ら、凸、へこみ、止端仕上げ)やビード仕上げ、裏波溶接、裏当てなどを指示します。溶接補助記号① 裏波溶接図10:溶接補助記号の例、V型開先の裏波溶接裏波溶接の補助記号は、基線に黒の半円です(図10左)。裏波溶接は、突合わせ溶接のルート側面の隙間を完全に覆うようにビード(溶接時にできる帯状の盛り上がり)を出したい場合に用いられます。矢を示している側とは反対の面の指示になるので、裏波溶接の補助記号は基本記号の反対側に配置します。裏波溶接の補助記号前に書かれている数字は、必要なビードの高さです。裏波溶接をすると、母材同士の隙間のない完全溶込が確実な状態になります。高い強度が期待できるほか、異物混入も防げるメリットがあります。溶接補助記号② 裏当て裏当てとは「裏当て金」という材料を、溶接する側と反対面に配置する溶接です。裏当ての溶接補助記号も、基本記号の反対側に配置します。裏当て金は一方の面から溶接する際に、反対側への溶け落ちを防ぐために使用し、母材と一緒に溶接します。溶接補助記号③ 表面形状(平ら・凸・へこみ・止端仕上げ)表面形状の溶接補助記号は、ビード(溶接時にできる帯状の盛り上がり)表面の仕上げ方を指示します。表面形状突合せ溶接平ら凸へこみ止端仕上げ母材の面とビードが交わるラインを仕上げる指示溶接補助記号④ 現場溶接と工場溶接、全周溶接図11:全周現場溶接の溶接指示例図11は、全周現場溶接の指示例です。現場溶接とは、組立現場での溶接です。建築や大型設備の溶接で指示されることがあります。全周溶接は、接合部の全周に渡って、全てを同じ溶接方法でおこなう溶接です。全周現場溶接は、現場でおこなう全周溶接です。溶接補助記号⑤ 非破壊検査図12:非破壊検査の溶接記号例図12は、非破壊検査の溶接記号例です。非破壊検査は、モノを壊さずに欠陥を調べる検査です。製品の品質担保のためにおこなわれ、外観検査と併用されるのが一般的です。時期(欠陥発生中か欠陥発生後か)や欠陥箇所(表面、表層部、内部、全て)、欠陥形状、材質によって適切な検査を選びます。溶接の検査において主におこなわれるのは、放射線透過試験や超音波探傷試験です。溶接部内部の欠陥有無、欠陥形状や大きさを調べます。非破壊検査の記号は基線を2段にし、上段に書きます。溶接の依頼をご検討されている場合、一度Mitsuriをご利用してみてください。日本全国で250社以上の協力企業があり、お客様のご要望に叶う企業が見つかります。下の赤いボタンをクリックして、お問い合わせください。

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    鉄のレーザー 加工ならMitsuri!【協力工場140社以上】最適な工場をご紹介します!

    鉄のレーザー加工の中でも、鉄板を綺麗にカットしていく工程は非常に重要です。「鉄をレーザーカットしたいけど、どこにお願いすればいいのかわからない」「板厚が厚くても対応できる工場が中々見つからない」など、鉄板をレーザーカットできる工場を探すのに悩んだことがある方は多いのではないでしょうか。板厚が厚くなるほど対応できる機械が少ないので、レーザーカットができる工場を探すのが難しくなります。本記事では、Mitsuriで対応可能な鉄のレーザーカットについて詳しくご説明していきましょう。レーザーでカットできる鉄の板厚についてレーザーカットを行うためのレーザー加工機は、主に3種類の加工機が主流となっています。3種類の加工機は波長や媒体が異なり、それぞれで対応できる鉄板の板厚も変わってきます。レーザー加工機のメジャーな3種類①CO2レーザー加工機②YAGレーザー加工機③ファイバーレーザー加工機①CO2レーザー加工機二酸化炭素をレーザーの媒質として使用するレーザーです。一般的に流通しているレーザー加工機の中でも、CO2レーザーを利用している企業が非常に多いです。対応できる鉄板の板厚は「0.1mm~9mm」になります。②YAGレーザー加工機YAGレーザーは「イットリウム」「アルミニウム」「ガーネット」の頭文字をとって名付けられた固体レーザーになります。高出力の細いレーザー光なので、薄い鉄板も歪みを少なく切断することが可能です。対応できる板厚は「0.05mm~10mm」になります。③ファイバーレーザー加工機ファイバーレーザーは、媒体に光ファイバーを利用した固体レーザーになります。非常に小さい焦点設計なので、レーザーの出力が強く厚い鉄板も切断することが可能です。対応できる鉄板の板厚は「0.1mm~20mm」になります。このようにそれぞれの加工機で対応できる板厚が異なるので、外注する際には何のレーザー加工機を使用しているか確認するのがオススメです。では、Mitsuriが提携している企業が対応できる鉄板の板厚についてご紹介していきます。主流のCO2レーザーカットなら板厚0.1mm~9mmまで対応可能Mitsuriが提携している工場の中で、CO2レーザーカットを使用している会社であれば板厚0.1mm~9mmまでの鉄板を切断可能です。9mm以上になってしまうと切断面のバリやダレ、焦げが多く出たり、寸法に誤差が出る可能性が高くなってしまいます。シャーリングなどの工作機械を用いての切断は、誤差が生じやすく、綺麗に切断するのは難しいです。しかし、レーザーカットなら、高い精度で鉄板を切断していくことができます。レーザーカットを使用することで、複雑な形状や工作機械で切れない鉄板も綺麗にカットすることが可能です。ファイバーレーザーカットできる鉄の板厚についてCO2レーザーの100倍の放射力により、深い加工も高速で行えるファイバーレーザーであれば、板厚20mmまでの鉄板を切断することができます。鉄板の厚みが20mmだと、CO2レーザーでは切断できません。しかし、ファイバーレーザーなら簡単に切断できます。ファイバーレーザーカットは、光ファイバーを媒質に用いたレーザー加工機です。光ファイバーを使用する事で極めて小さい焦点にすることができ、照射威力を高められることで鉄を素早く溶かし切ることができます。そのため、高速で複雑なカットが行える点が魅力的なポイントとなっています。ファイバーレーザーの特徴・光ファイバーを用いた固体レーザー・1,064nmの波長を使用し、極細の焦点で切断・複雑な形状にも対応可能・歪の少ない切断ができるまた、ファイバーレーザーなら、高反射材である「銅」や「真鍮」も切断することが可能です。全国的にみてもファイバーレーザーカット加工機を導入している会社は少ないです。高速で複雑な形状もカットできるファイバーレーザーは、鉄板の切断にお悩みの方に非常にオススメの方法となります。参考記事そのほかの金属のレーザー加工について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。⇒金属をレーザー加工ならMitsuri!【小ロットの依頼もOK】どこよりもカンタンに依頼ができます!鉄板のレーザー加工事例Mitsuriの協力会社の中から、レーザーカットによる加工事例をいくつかご紹介していきます引用元:株式会社 かねよしレーザーカッターにより、厚い鉄板も綺麗にカットすることが可能です。切断面も非常に綺麗に仕上げることができるので、バリ取りを行う時間なども短縮できます。引用元:株式会社 大畠製作所鉄製のライナーをレーザーカットにより作成しています。側面も綺麗に仕上げることができ、写真のようにコーナー部分やR部分も自在にカットすることが可能です。その他の鉄加工についてレーザーカット以外にも、Mitsuriではさまざまな鉄加工について対応することが可能です。その他Mitsuriで依頼可能な加工曲げ・絞り加工鉄溶接切削加工鉄加工と一括りにしても多くの作業工程があり、それぞれで専門的な知識や技術が必要になります。そのような鉄加工も、小ロットから対応できるので是非ご相談ください!参考記事そのほかの鉄加工について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。⇒【鉄 加工】加工工程全てご紹介!!受け入れ先の見つからない小ロットの案件もOK!!まとめMitsuriで対応できる板厚やレーザー加工についてご紹介しました。レーザーカットは厚い鉄板も複雑な形状にカットできます。そのため、レーザー加工はさまざまな分野で活躍しており、複雑化していく製品形状に対応するために欠かせない加工方法のひとつとなっています。しかし、レーザーカットを高いレベルで行える企業を探すのは大変です。Mitsuriは、日本全国に提携している工場があり、およそ140社以上の会社の中からお客様に提供しています。まずは相談から初めてください。鉄板のレーザーカットでお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!

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    真鍮の曲げ加工ならMitsuri!

    「真鍮を曲げる加工時に特徴はあるのか?」「真鍮の曲げ加工を依頼したいけど、どの板厚まで対応してもらえるのか?」上記のようなお悩みをお持ちでしたら、是非この記事を参考にしてみてください。この記事では、冷間加工や熱間加工における真鍮の曲げ加工時の特徴から、真鍮の曲げ加工の対応可能板厚まで詳しく解説していきます。参考記事真鍮のその他の加工については以下の記事で詳しく解説しています。⇒【真鍮(銅) 加工】真鍮の加工方法を加工実績と共に徹底紹介!!真鍮の曲げ加工時の特徴真鍮の曲げ加工としては、冷間加工と熱間加工の2通りの方法を選択できます。なぜなら、真鍮は銅と亜鉛の合金で、展延性に優れているからです。参考記事銅、真鍮の素材については以下の記事で詳しく解説しています。⇒【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!そのため、大きめのRをつけるなどの比較的簡単な加工は冷間加工で行い、小さめのR加工や波曲線のような複雑な加工は熱間加工で行うといったように、フレキシブルに加工方法を選択することができるのが特徴です。では、冷間加工と熱間加工とは具体的にどういった加工方法なのかを次に解説していきます。①冷間加工冷間加工は塑性変形を利用し、常温から再結晶温度未満で行う加工のことを指します。棒材などに板材をハンマーで叩いて巻き付けるように曲げる加工は冷間加工になります。冷間加工のメリットとして、常温から再結晶温度未満で加工を行うため、金属の変形抵抗が保たれています。そのため、素材の形状や精度が損なわれずに済むといったことが挙げられます。デメリットとしては、冷間加工は常温から再結晶温度未満で加工を行うので、金属の変形抵抗が高いため、加工に大きな力が必要になる点が挙げられます。②熱間加工熱間加工は、再結晶温度以上に加熱して金属の変形抵抗を下げることによって金属の変形能力を高める加工方法です。熱間加工のメリットとして、変形抵抗が大幅に下がっているため加工がしやすく、スプリングのような螺旋形に見られる連続した曲げ加工も容易に行うことができます。デメリットとして、変形抵抗の低下によって素材が本来備えていた形状や精度が損なわれてしまう点が挙げられます。Mitsuriでは板厚t0.5mm~t9mmまでの真鍮の曲げ加工に対応しています。t0.5mm~t1mm程度の真鍮製品の例としては、バスバー(主に配電盤や操作盤で使用される、大容量の電流を導電する部品)や電池端子などが挙げられます。他にも、真鍮製の鉄道模型の車体部分やアクセサリーの装飾パーツなど、精度が必要な曲げ加工もお任せください。真鍮曲げ加工の製品事例引用元:株式会社 太洋加工製品:真鍮丸管材 φ10.0mm×t1.5mm×複合R引用元:有限会社 長井技研加工製品:センサブラケット材質:C2801P 板厚:t1.0mm引用元:有限会社イシダ製作所真鍮製 板厚:t2.0mm サイズ:60mm×20mm×R32mm引用元:株式会社 岩津発条製作所加工製品:引張バネ 材質:真鍮(黄銅線)C2600W-1/2H線径:1.2mm 外径:20mm 公差:±0.1mmまとめ 真鍮は展延性が高く加工しやすい素材ですが、冷間加工が可能とはいえ自分で加工するには硬い素材です。専用の工具があったとしても骨の折れる作業になります。また、熱間加工をするには機材が必要で、使用頻度が高くなければ機材をそろえる費用に頭を悩まされます。さらに、曲げ加工の精度を求めると熟練の技術が必要になります。そんなときは一度、Mitsuriにご相談ください!Mitsuriは100社以上の工場と提携しておりますので、ニーズに沿ったご提案をさせていただきます。