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鍛造加工

  • 型鍛造とは?特徴、メリット・デメリット、製品例

    今回は型鍛造の特徴、メリット・デメリット、製品例について解説します。鍛造とは、金属の塊に圧力をかけて目的の形に成形する加工方法です。鍛造は日本で古くから活用されており、高い強度を必要とする農具の鋤や日本刀といったものを作るのに採用されていました。鍛造には大きく分けて「型鍛造」「自由鍛造」の2種類があります。今回ご紹介する型鍛造は、専用の金型を用いて金属材料を成形する手法で、自由鍛造とは異なる特徴があります。参考:【鍛造加工とは?】加工方法や種類、歴史について1から解説します!参考:【鍛造と鋳造の違いとは?】工程や製品の比較でわかりやすく解説参考:【第3回】鍛造加工で使用する機械・道具とは?昔ながらの工具から最新機械までご紹介!型鍛造とは?型鍛造とは、別名「型打ち鍛造」とも呼ばれる手法で、専用の金型を用いて鍛造を行うことを指します。金型は上下で一対の構造になっており、間に金属材料を入れて圧力をかけ、成型を行います。参考:【金型製作】金型の種類と基礎や流れについて徹底解説!!型鍛造は、さらに細かく分けると「密閉鍛造」「半密閉鍛造」「閉塞鍛造」「中空鍛造」の4つがあります。●密閉鍛造引用元:株式会社イプロス Tech Note 鍛造加工とは?鍛造加工の種類は?:鍛造加工の基礎知識1密閉鍛造は、上下の型に隙間なく材料を閉じ込めて成形する手法です。バリが出ないので、除去する工程を省くことができ、製造時間の短縮と材料費を削減できます。●半密閉鍛造引用元:株式会社イプロス Tech Note 鍛造加工とは?鍛造加工の種類は?:鍛造加工の基礎知識1半密閉鍛造は、上下の型に材料を閉じ込めて成形を行いますが、目的の形状から余分に材料をはみ出させて鍛造する手法です。こうすることによって、型内に材料を充満させられるほか、余分な体積をバリとして逃すことができます。しかし、バリを後工程にて除去する必要があります。●閉塞鍛造引用元:鍛造事典 鍛造の種類Ⅰ(金型および変型方式・加工温度)閉塞鍛造は、上図のように上下の型に材料を閉じ込めたあと、パンチで押し込み圧力をかけて、型全体に流動させる手法です。パンチの形状や数によって複雑な形状を成形することもできます。●中空鍛造引用元:鍛造事典 鍛造の種類Ⅰ(金型および変型方式・加工温度)中空鍛造は、上図のように上下の型に材料を閉じ込めて、成型ピンを挿入することで、中空形状を成形する手法です。成型ピンは横からだけでなく、上下からも挿入させれば、より複雑な形状にすることもできます。また、鍛造には「熱間鍛造」「冷間鍛造」「温間鍛造」「半溶融鍛造」といった材料の加熱温度による違いもあります。●熱間鍛造熱間鍛造は、金属が再結晶する温度(約1200℃程度)に熱してから行う鍛造法です。高温に加熱することで金属が柔らかくなるほか、金属の結晶が正常に変化します。熱間鍛造は、複雑な形状でも強度を確保しやすいメリットがあります。●冷間鍛造冷間鍛造は、常温で行う鍛造を指します。金属が硬い状態のまま加工を行うため、高い精度が得られますが、成形するために高い圧力を必要とします。●温間鍛造温間鍛造は、熱間鍛造と冷間鍛造の間(一般的に300~800℃程度、1000℃まで拡大することも)で行われる鍛造を指します。冷間鍛造では成形が難しい複雑な形状の加工や、高硬度の材料にも対応が可能です。●半溶融鍛造半溶融鍛造は、鍛造と鋳造(溶融させた金属を成型する工法)の間のような手法で、主に車のアルミホイール成型などで採用されています。材料を半凝固状態で加圧して成形を行うため、鋳造のように自由な形状が作れるほか、鋳造で問題となる巣ができにくく、鍛造のように強度も得られます。参考:【鍛造と鋳造の違いとは?】工程や製品の比較でわかりやすく解説型鍛造の特徴型鍛造は、目的の製品に合った専用金型を使って成形する鍛造のため、同じ形状の製品を大量生産するのに適しています。専用金型での成形は寸法精度が高く、短時間で成形できるのもポイントです。型鍛造に限らず、自由鍛造にも共通している特徴は、「鍛流線」と呼ばれる金属組織の流れが形成されることで、金属材料が機械的性質が向上する点にあります。これにより、切削加工や鋳造で作られた製品に比べて耐久性が高く、肉厚を薄く作ることもできます。ただし型鍛造は、専用金型を作るのに初期費用がかかるので、小ロットの生産には適していません。型鍛造のメリット・デメリットメリット●材料を節約できる。型鍛造は、完成形状に近いものを成形するため、後工程で除去する金属の量が少なく済みます。これにより無駄になる材料が少なく、材料費の節約が可能です。後加工にかかる時間も削減できるので、作業効率の向上も期待できます。●内部欠陥のない成形が可能。型鍛造は、鋳造と違って内部欠陥がなく製品を成形できるほか、圧力が加えられることで金属の結晶粒が細かくなり、耐久性を向上させられます。●鍛流線の形成により、機械的性質が向上する。鍛造で作られた製品は、切削加工や鋳造で作られたものと違って「鍛流線」と呼ばれる金属組織の流れが形成されます。鍛流線が形成された金属は、硬さ・引張強度などの機械的性質を高められます。●専用金型を使った大量生産が可能。型鍛造は、目的の製品を作るために専用金型を用意します。専用金型はひとつの製品を作るのに使いまわしが効くほか、素早くに成形できるので大量生産に適しています。●自由鍛造よりも高い寸法精度が得られる。型鍛造は、専用金型による成形のため、ハンマーで叩くなどして成形する自由鍛造に比べて高い寸法精度が得られます。デメリット●専用金型の製作にコストがかかる。型鍛造は、専用金型を要するため、自由鍛造に比べて初期コストがかかります。金型の設計・製作に時間もかかるので、少ロットの生産には不向きです。●自由鍛造に比べて歩留まりが落ちる。型鍛造は、半密閉鍛造のようなバリが出る手法の場合は、後加工で除去する必要があるので、自由鍛造に比べて歩留まりが落ちるデメリットがあります。型鍛造の製品例型鍛造は、専用金型に金属材料を入れて成型する手法のため、自由鍛造に比べて小型部品や量産品を製造するのに適しています。型鍛造で作られている製品は、主に以下の製品が挙げられます。・ベアリング、フック、ボルトなどの工業製品・レンチ、スパナ、ペンチなどの工具類・クランクシャフト、コネクティングロッドなどの自動車部品・電車や航空機などに用いられる部品・ナイフ、フォーク、スプーンなどのカトラリー類・ハサミ、爪切りなどの日用品型鍛造の工程型鍛造の基本的な工程は以下の通りです。1.材料の切り出し2.材料の加熱3.鍛造4.バリ取り・表面処理型鍛造では、始めに金属の塊から材料の切り出しを行います。材料のサイズは専用の金型に合うように切り出します。加工用の寸法に切り出された金属の塊は「ビレット」と呼ばれます。次にビレットを加熱して金属を成形しやすくします。そのあと、加熱したビレットを専用金型に入れて成形します。始めに使う型は粗型で、最終形状に近いおおよその形状を作ります。次に仕上げ型を用いて精度の高い寸法に仕上げます。鍛造した製品はバリ処理や表面処理などを行い、製品が完成します。自由鍛造との比較鍛造は、専用金型を使用する「型鍛造(型打ち鍛造)」と、専用金型を使用しない「自由鍛造(フリー鍛造)」に大別されます。<型鍛造と自由鍛造の比較表>適したロット数金型にかかるコスト製品精度型鍛造多数高価高自由鍛造少数安価並型鍛造は、専用金型を使った鍛造で、製品を素早く成形できるほか、金型を使いまわせるので大量生産に適しています。また、高い寸法精度が得られるのも特徴です。しかし金型を作るため、初期コストが大きくかかります。自由鍛造は、専用金型を必要とせず、汎用金型とハンマーなどで鍛造を行う手法です。初期コストがかからないため、小ロットの製品に適しています。しかし、ひとつの製品を作るのに時間がかかるため、大量生産には適していません。精度も型鍛造と比べると劣ります。参考:自由鍛造とは?特徴、製品例、メリット・デメリット

  • 自由鍛造とは?特徴、製品例、メリット・デメリット

    今回は自由鍛造の特徴や製品例、メリット・デメリットについてご紹介します。鍛造とは、金属を叩いて鍛えることから名付けられており、日本でも刀などの製造で古くから活用されている手法です。鍛造には、大きく分けて「自由鍛造」と「型鍛造」の2種類があります。自由鍛造は、金敷の上で金属材料をハンマーなどで叩いて成形する手法で、金属内部の結晶が整い、強い金属が得られます。参考:【鍛造加工とは?】加工方法や種類、歴史について1から解説します!参考:【鍛造と鋳造の違いとは?】工程や製品の比較でわかりやすく解説参考:【第3回】鍛造加工で使用する機械・道具とは?昔ながらの工具から最新機械までご紹介!自由鍛造とは?自由鍛造とは、専用の金型を必要とせず、ハンマーやプレスで金属材料を叩いて成形することで、別名「フリー鍛造」とも呼ばれています。自由鍛造は、熱間加工の一種で、金敷に金属材料をのせて、据込み・鍛伸・展伸・穴あけ・穴広げ・中空・背切り・せん断などの作業を行い、目的の製品へと成形します。鍛造は、温度で見た場合、主に冷間鍛造・温間鍛造・熱間鍛造の3つに分類されます。冷間鍛造は、熱を加えずに圧力だけで加工する手法です。精度に優れていますが、高い圧力が必要なほか、使用する工具や金型は高い剛性を必要とします。温間鍛造は、材料を常温以上(一般的に300~800℃程度、1000℃まで拡大することも)に加熱して鍛造を行う手法です。冷間鍛造では成形が難しい製品の加工や、熱間鍛造よりも高い精度を得たい場合に採用されています。熱間鍛造は、金属が再結晶する温度(約1200℃程度)に加熱してから鍛造を行う手法です。金属が柔らかくなった状態で加工を施すため、より自由な成形ができるメリットがあります。ただし、温間加工は冷えるときに収縮するため、後加工が必要です。自由鍛造では、主に熱間鍛造が採用されています。自由鍛造の特徴と製品例引用元:同和鍛造株式会社 大型・自由鍛造自由鍛造は、リング・パイプ・円盤などのさまざまな形状に成形できます。自由鍛造で成形した製品は、内部欠陥がなく、優れた強度が得られるので、耐久性を要する部品に採用されていることが多くあります。以下は、自由鍛造で作られている製品の一例です。・金槌やペンチなどの工具類・スプロケットなどの産業機械部品・耕運機の爪などの農機具・クランク軸などの自動車・船舶用部品・包丁、フォーク、ナイフなどの台所用品・指輪などの装飾品自由鍛造のメリット・デメリットメリット●金型を作るコストが発生しない。型鍛造の場合は、専用の金型を用意する必要があります。しかし自由鍛造では、既存の汎用的な金型を用いて成形するため、専用金型を作るコストがかからないメリットがあります。●型鍛造では難しい大型の製品にも対応が可能。自由鍛造は、専用の金型を必要としないことから、製造が難しい大型の製品も加工できます。●歩留まりがよく、材料費と機械加工にかかるコストを抑えられる。自由鍛造では、完成品に近い形状に鍛造を行うため、歩留まりがよく、材料費を節約できます。また、機械加工にかかる時間や費用を削減できるのもポイントです。●金属の内部欠陥が発生せず、強度が向上する。鍛造は、体積移動により材料が鍛錬され、製品形状に沿った鍛流線(メタルフローライン・ファイバーフローライン)が生まれます。鍛流線とは、金属材料を鍛造した際にみられる繊維状の金属組織の流れのことです。鍛流線が得られる鍛造品は、鋳造や削り出しで製造したものに比べて、機械的性質が高められ、強度が向上します。デメリット●加工時間が長く、大量生産に不向き。自由鍛造は、ハンマーなどで1点ごとに成形する手法のため、加工時間がかかります。そのため、専用の金型で成形する型鍛造に比べて大量生産には不向きです。自由鍛造は、主に大きな製品の鍛造や、多種類の製品を小ロットで作る場合に適しています。●複雑な形状の加工は難しい。自由鍛造は、ハンマーなどで叩いて成形する手法のため、複雑かつ精度が求められる製品は難しい傾向にあります。複雑かつ精度の要求される製品を鍛造する場合は、型鍛造が適しています。●仕上がりが作業者の技術に左右されやすい。自由鍛造は、型鍛造に比べて作業者の技術に左右されやすく、製品によっては希望する精度に満たない製品にできあがる可能性があります。そのため自由鍛造を依頼する場合は、技術力と実績のある業者に依頼するようにしましょう。自由鍛造の手法自由鍛造では、さまざまな作業を使い分けることで、目的の形状に成形していきます。ここでは、自由鍛造で行われている代表的な作業の手法についてご紹介します。据込み据込みは、平行平面型を用いて上から力を加えることで、素材の高さを圧縮し、材料を横方向に広げる手法です。別名で「すえ」や「圧縮」とも呼ばれています。据込みは、「アプセット鍛造」とも呼ばれており、ボルト・釘・ピンなどの頭を成形する際に採用されます。鍛伸鍛伸は、棒状の素材を回転させながら上下から加圧することで、断面積を縮小させて、長さを得る手法です。別名「伸ばし」とも呼ばれており、主に軸部品の成形に採用されます。展伸展伸は、幅が広い工具で材料を一方向から圧力をかけて、厚みを縮小し、伸ばす手法です。別名「延べ」とも呼ばれており、包丁やブロック部品の成形に採用されます。穴広げ穴広げは、リング状の素材を穴の内側と外側とで挟んで加圧することで、リングの厚みを薄くし、穴を広げる手法です。主にリング状の部品の成形や、指輪のサイズ調整に採用されます。背切り背切りは、工具や金型を用いて材料を圧延する方法を指します。背切りを繰り返すことで、薄板状に成形できます。型鍛造との違い鍛造は、専用金型を使用する「型鍛造(型打ち鍛造)」と、専用金型を使用しない「自由鍛造(フリー鍛造)」に大別されます。型鍛造と自由鍛造は、どちらも完成した形状に近い製品が得られるので、歩留まりがよいこと、そのほかにも内部欠陥のない成形、機械的性質の向上といったメリットがあります。<型鍛造と自由鍛造の比較表>適したロット数金型にかかるコスト製品精度型鍛造多数高価高自由鍛造少数安価並型鍛造と自由鍛造の違いについては上表の通りです。型鍛造は専用金型による成形のため、ロット数の多い製品に適しています。また、自由鍛造に比べて安定した精度が得られるのも特徴です。ただし、専用金型を製作するのにコストがかかるので、小ロットの製作には適していません。自由鍛造の場合は、成形に時間がかかるため、大ロットには適していませんが、金型の製作費にかかるコストを抑えられるメリットがあります。参考:型鍛造とは?特徴、メリット・デメリット、製品例

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    【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!

    銅と言えば、日本人なら誰もが使っている10円玉やオリンピックの銅メダルなんかが真っ先に思い付くでしょうか。実は銅は10円玉だけでなく、1円玉以外のすべての硬貨に使われていたりするんですよ。今回は私たちの生活の中に意外なほど溢れている銅のについて紹介していきましょう。まず銅の基礎知識を始めとして、順に銅の特徴と用途、そして最後に真鍮について解説していきます。銅の基礎知識銅の歴史銅と言うと金銀銅というイメージからちょっと高価なものという印象があるかもしれませんが、製造業においては重要な加工素材です。現在、金属資源として大量に使われている銅素材ですが、実は太古の時代から利用されていて、人類が最初に使い始めた金属と言われています。青銅器時代と呼ばれる時代がある通り、銅は青銅器や和同開珎などの貴重品から武器や農具といった一般的に使われる道具まで、昔から大変よく使われていた金属なのです。銅の種類銅の種類には先ほどから出ている青銅のほか、純銅や真鍮、白銅などがあります。この記事でも取り上げる真鍮(しんちゅう)とは銅の仲間の一つなんですね。真鍮は別の言い方で黄銅(おうどう)と呼ばれる黄色い銅で、五円玉や仏具などに使用されます。純銅とは工業用に製造される赤色の銅のことを言います。普通の銅は多くの不純物を含んでいるので、製品や部品の材料などに扱う際は、不純物を可能な限り取り除いた高純度な銅にします。そして、その純銅にすずや亜鉛を加えることで青銅や真鍮となり、色彩も変わるのです。銅の種類を硬貨に沿って紹介していくと、5円玉は真鍮、10円玉は青銅、50円玉と100円玉は白銅、500円玉はニッケル黄銅で作られています。銅の種類と使われている硬貨5円玉=真鍮10円玉=青銅50円玉・100円玉=白銅500円玉=ニッケル黄銅10円玉は赤色ですが純銅ではなく青銅なんですね。色が赤いのは青銅の材料であるすずの割合が少ないためです。ちなみに1円玉の材料はアルミですね。銅ではありません。銅は他にも洋白、クロム銅、ベリリウム銅など普段聞き慣れない種類が数多くあります。銅の特徴銅は優れた性質を持ち、いろいろな加工方法をとれるため、身の回りの製品から工業製品まで幅広く活用されています。その分野は工業だけでなく、医療・船舶・建築業など様々。それでは、現代だけでなく古来より人々の支えになっている銅の特徴について理解を深めていきましょう。銅の特徴①加工性が高い②耐食性が高い③熱や電気が伝わりやすい④抗菌作用がある⑤見た目が綺麗に仕上がる①加工性が高い銅は柔らかいので伸ばしたり押し込んだりして形を変えやすい金属です。そのため銅線、銅板、銅管、銅棒など多種多様な製品を作ることができます。加工の方法も曲げ加工や切削加工、絞り加工と様々な方法がとれるため、複雑な形にしたり細かい模様を描いたりすることもしやすい金属です。また、銅は金属としての寿命も長いため、市販の製品以外にもバルブや歯車といった長期間の使用が求められる部品にも多用されます。②耐食性が高い耐食性とは錆びのことです。銅は他の金属と比べて錆びにくい性質を持っています。たまに何百年、何千年も前の埋蔵品が出てきたというニュースを見聞きすることがあると思いますが、それは銅が錆びにくいのが一躍買っているんですね。この錆びにくい性質を利用して、屋根や船のスクリューなど建築や船の材料としてもよく使われます。③熱伝導率や導電性が高い銅は熱が伝わりやすく電気を通しやすい金属です。もともと金属は熱や電気が伝わりやすい素材ですが、銅は金属の中でも特に優れた熱伝導性と導電性を持ちます。その特性から熱交換器や電子機器の材料として多用され、今やエアコン、冷蔵庫、パソコン、携帯電話など生活に欠かせない金属となっています。④殺菌作用がある銅には殺菌作用があります。金属に殺菌作用というとピンとこないかもしれませんが、科学的な実証実験により何種類もの細菌に対して効果があることが分かっています。有名なところではO-157やノロウイルスなんかにも殺菌効果があるようです。硬貨の製造には銅が採用されていますが、これも殺菌効果があるというのが理由の一つなのです。⑤見た目が綺麗に仕上がる銅は赤、黄、白といった様々な色の種類があり、仕上がりにも鮮やかな色調や光沢が出せるため綺麗に仕上がります。硬貨も長年使い続けられたお金は黒ずんでいますが新品は綺麗ですよね。硬貨以外にも銅で作られた製品や建物は鉄製やアルミ製のものより高級感が漂います。特に真鍮は金色になるので高級感がグッと増します。手間は掛かりますが手入れをすることで綺麗な色合いを持続させることができますし、他の金属よりも錆びないので製品としても長持ちします。ただし、値段も相応に見た目通り高いのがネックだったりしますね。銅の用途では、優れた特徴の多い銅が何に使われているか見ていきましょう。生活の中でいろいろな使われ方をしている銅ですが、パッと思い浮かぶものはそれほどないかもしれません。ですが銅は、隠れたところで人々が暮らしていくのに欠かせないほど広い分野で使われています。日用品用途:鍋、やかん、フライパン、抗菌スポンジなど鍋やフライパンには鉄製、アルミ製、ステンレス製といった種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。銅で作られたフライパンには熱が広がりやすいというメリットがありますね。熱を通しやすいという銅の特徴が活かされているのです。他にも、銅の性質である錆びにくかったり殺菌効果がある点も、やかんやスポンジなどの日用品に備えることができます。ただ、銅製の日用品は重い・値段が高いといった手を出しにくい点がネックとなっている側面がありますね。そのため、安くて扱いがお手軽な鉄製やアルミ製の商品が使われていることが大半で、銅製の日用品を目にする機会はあまりないという背景が伺えます。家電製品用途:テレビ、パソコン、エアコン、スマートフォン、冷蔵庫など銅が生活必需品であることが分かるラインナップですね。主に銅の導電性や熱伝導性を利用した製品に使われています。熱伝導性が高いということは熱くなりやすい反面、冷めやすい性質も持つことになるので、エアコンや冷蔵庫を作るのに適しているのです。また、銅の加工がしやすいという利点も製品内部の細かい部品を作るのに重宝されています。車両・船舶用途:自動車のガスケット、エンジン、ブレ-キパイプ、船の船底など自動車には多くの銅製の部品が組み込まれています。エンジンやブレーキパイプなどの走るための部分以外にも、エアコンやオーディオ、カーナビなど多くの機能が求められる車は、通電性の良い銅が電子機器に数多く使用されています。船では銅の耐食性が役に立っています。船のスクリューにはアルミニウム青銅という銅が使われていたり、船の船底には銅が塗られていたりします。引用元:銀星の瓦版船底とは画像の赤く塗られている部分ですね。実はこの部分はデザインのためではなく、水棲生物が引っ付かないようにするためと錆びにくいようにするために船底を守っているのです。船底にフジツボや海草などの水棲生物が大量に引っ付くと、船の重量が増してしまいスピードが落ちるのに加え、余計な動力を消費して燃費が悪くなります。そういった船の劣化を防ぎ安全な航行を維持するため、船の底の部分には銅が含まれる赤い塗料が塗られているのです。建築物用途:ドアの取っ手、家の屋根板、電柱の電線、配管など家の屋根板や給水管・ガス管などの配管は錆びにくいように銅が使われることが多いですね。ドアの取っ手は錆びにくさにプラスして殺菌作用も加味して銅が使用されています。電柱の導線は伝導率の良さから昭和の頃は銅が使われていました。今となっては軽くてそこそこ伝導率の良いアルミの電線がほとんどですが、一昔前までは銅が主流だったのです。引用元:モノタロウ電線こそアルミに取って代わられましたが、ワイヤーや画像のような銅線は今でも耐食性や柔軟性を買われ銅が重宝されています。その他の製品用途:貨幣、ばね、ボルト、銅像、金管楽器など貨幣や銅像は言わずもがな、ばねやボルトなどの機械部品にも銅素材が使われることがあります。特にトランペットやホルンなどの金管楽器は主に真鍮や洋白を古くから材料にしています。錆びにくい・加工がしやすいといった機能的な面だけでなく、材料によって音の響きや重厚感が変わってくるので、より重要な役割を担っていると言えます。真鍮真鍮(しんちゅう)とは銅に亜鉛を混ぜた合金で、黄色、または金色をした銅のことです。先にも説明しましたが真鍮は黄銅(おうどう)とも呼ばれます。元が銅なので金属としての性質も銅と似ていますね。黄銅は知名度としては青銅に劣るものの、実は使用頻度で言えば黄銅の方が圧倒的に高くなります。銅を伸ばしたり圧縮したりして加工する製品を伸銅品と言いますが、その伸銅品の内もっとも多く使われるのは黄銅です。そして次に使われるのが銅(純銅)で、銅の使用率は黄銅と銅でほとんどを占めていると言われています。青銅は一般的に有名ではあるものの、そこまで使われている銅ではないんですね。引用元:NETSEA SHOPLIST.com真鍮は5円玉や金管楽器の他、その綺麗な色合いからアクセサリーやアンティークに使われていたりします。画像のネックレスやアンティークも金色に輝く色彩がとても美しく高級感がありますね。ただし、真鍮は銅が素材なので、時間が経つと酸化により黒ずんでしまいます。5円玉も製造されたばかりの硬貨は綺麗ですが、何年も経つと汚れたように黒くなってしまいますよね。あれは空気や人の手に触れたことで酸化してしまっているのです。ですが真鍮は酸化により黒ずんでしまっても、専用のクリームやお酢で磨いて手入れをすることにより元の輝きに戻すことができます。定期的に手入れをするのは少々手間ですが、真鍮製の宝物はいつまでも綺麗なままで保っておくことが可能なのです。まとめ銅について説明してきましたが、使いやすい・性能がいい・美しいと3拍子そろった金属でしたね。想像よりも使い道が多い素材だったのではないでしょうか。銅は加工素材として便利なだけでなく、古くから装飾品として人気がある奥ゆかしさがあります。スマートフォンや車の部品などの新しい製品から埋蔵品やアンティークといった骨董品まで、用途として幅が広いだけでなく大昔から活用されている歴史の長い金属なんですね。

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    【静岡県】で【板金加工】メーカー探しなら…腕の立つオススメ板金加工メーカー10選!

    みなさんが、業者探しをするのは、どのような場面でしょうか?「事業拡大のため、新しくこの加工ができる業者を探したい!」「今まで信頼してお願いしていたところが、後継者不足で廃業してしまって・・・」背景は様々かと思いますが、共通していることは、「早く、なんとかして新しい業者を決めたい!!」ではないでしょうか。とはいえ、まず直面するのが、「どこの業者がいいのかが分からない・・・」という問題。家電量販店を巡るように、いろんなところをチェックして、ベストなメーカーをチョイスできれば一番ですが、時間の制約や立地、気軽に入れない環境ということもあり、なかなかそうはいきませんよね。そこで今回の記事では、静岡県で板金加工メーカーをお探しの方に、腕の立つオススメの板金加工メーカー10選をご紹介します。【デザインに強み】山崎製作所基本情報住所:静岡県静岡市清水区長崎241番地TEL:054-345-2186/FAX:054-346-4392創業年:昭和45年加工:精密板金加工全般素材:ステンレス、アルミ、各種鉄鋼HP:https://www.yamazaki-metal.co.jp/会社概要表面処理・組み立て作業を含めた、製品の一貫生産から、パーツ部品製作まで対応しているのが、こちらの山崎製作所。20代~70代の技術者が現場でともに働き、熟練の技術を継承しています。メリット・デメリット社長をはじめ、技術や開発のフィールドで女性が活躍しているのも大きな特徴。こまやかな気遣いや繊細な感覚を活かし、山崎製作所が最も得意とするのは「デザイン」だそうです。板金に関わるデザインはもちろん、工作機械のデザインまで提案のフィールドを拡大し、経済産業省より、「地域未来牽引企業」に選出されています。以前、Mitsuriでも取材させていただきました!(詳しくはこちらです)こちらの工場では、主にレーザー・タレットパンチ複合機が使用されていますが、対応できる板サイズや板厚が限られているため、もし切断や穴あけなどの加工を必要とする場合は、適応サイズかどうか、事前に確認してみてください。製品例【素材からの一貫生産体制】矢部製作所基本情報住所:静岡県牧之原市大江1359-1(本社)TEL:0548-52-3121創業年:昭和48年加工:板金加工全般、溶接等素材:アルミ、ステンレス、各種鉄鋼HP:http://yabe-ss.co.jp/会社概要矢部製作所は、本社、菅ヶ谷工場、金型製造部の3つの工場を構え、切断、曲げ、組み立て、溶接、梱包まで行う一貫体制のメーカーです。製茶機械部品や、空調設備部品、各種機械部品加工、建設用モニュメント等を製作し、鉄、アルミ、ステンレスの板金加工に力を注いでいます。メリット・デメリット各工場には最新の機械が導入され、新鋭の機械と優れた人材により、新しい発想でものづくりを行っています。素材からの一貫生産体制を貫き、蓄積された技術力を駆使して、その精度と品質で信頼を獲得している点がメリットです。お急ぎの場合の特急対応や、小ロットの加工については、取り扱いが少ないようなので、要確認です。製品例【提案型板金設計開発】星製作所基本情報住所:静岡県沼津市小諏訪26-2(本社)TEL:055-926-8003/FAX:055-926-8004創業年:昭和42年加工:精密板金、溶接、塗装、樹脂加工素材:アルミ、ステンレス、銅、その他鋼板HP:http://www.hoshiss.com/index.html会社概要工作機械などの筐体から、少量生産の大型制御盤、機械部品などの板金・塗装・配線まで、一貫して請け負っているのがこの星製作所。県内3ヶ所に工場を構え、レーザーパンチ複合機の自動ラインより、量産品製造も行っています。メリット・デメリット提案型板金設計開発として、製品開発の段階から参加することで、部品製造の立場から、量産に適したモデルの提案を行い、全体のコストダウンを実現しています。また、試作品の検証データ提供など、サポート体制も整っているため、量産を見据えた試作が可能です。お急ぎの場合の特急対応については、扱いが少ないようなので、要確認です。製品例【大型板金の大量生産なら】晃永製作所基本情報住所:静岡県沼津市西沢田231-1TEL:055-923-5360/FAX:055-922-7248創業年:昭和55年加工:板金加工全般、精密板金加工、溶接、塗装、組立素材:ステンレス、アルミ、その他鋼板HP:http://www.koei-ss.co.jp/index.html会社概要短納期・試作品から、量産にも対応しているのが、こちらの晃永製作所。ステンレスの小さい板を最短納期で欲しい、といった要望から、5mを超える大型板金の量産まで、幅広いニーズに対応しています。メリット・デメリット板金設計、塗装、メッキ処理などの相談にも応じており、焼き付け塗装までの一貫した生産が可能です。ステンレス、アルミなどの板金・溶接加工にも実績をもち、工場の広さを活かして、大型板金の大量生産も行っています。3Dデータについては、取り扱いをしていない可能性があるので、事前に確認が必要です。製品例【短納期にも柔軟に】エスティ―基本情報住所:静岡県磐田市海老塚747-1(本社)TEL:0538-37-5136/FAX:0538-37-7438創業年:昭和61年加工:板金加工全般、溶接素材:ステンレス、その他鉄鋼HP:http://www.esty-s.jp/会社概要材料の仕入れから展開、切断、曲げ、溶接、表面処理と、納品まで一貫して対応可能なのが、エスティー。転造やタップ加工、穴あけ、ねじ切りなどの二次加工も行い、お客様に完成品に近い形で提供することを実現している企業です。メリット・デメリット切断のみ、溶接のみ、など一加工に特化した対応も可能で、図面がない場合や、急な設変対応、1個からの製作、短納期にも柔軟に応じてくれます。各種表面処理や塗装は、協力会社に依頼しているとのことなので、短納期の依頼の場合は事前に確認した方が良さそうです。製品例■2日対応:材SUS329/size50×100/ロット300■3日対応:材SUS304・316/size15A×300A/ロット1~5■3日対応:材SS/size200×250/ロット10【産業機械の製造なら】株式会社関東精工引用元:株式会社関東精工基本情報住所:静岡県富士宮市西山2103TEL:0544-65-1540FAX:0544-65-2301創業年:昭和35年加工:板金、切削、溶接、塗装、電装、組立など素材:鉄、ステンレス、アルミなどHP:http://www.kantoseiko.co.jp/会社概要関東精工は、精密板金に強みを持つ総合金属加工メーカーです。産業機械や工作機械、またそのユニット部品などを、設計から機械加工、溶接、塗装、電装、組立まで一貫して請け負い製造しています。特に設計段階では、WEBを通してCADデータを顧客と共有。迅速かつ明解な設計提案を実現しています。メリット・デメリット独自の板金フレキシブル生産システム(FMS)を構築していますので、精密板金加工の多品種・小ロット生産に迅速に対応できます。マシニングセンタなどの切削加工機も多数保有。小物から大物、複雑形状から精密さを必要とする製品まで、多様なニーズに対応可能です。溶接にも力を入れており、技術を磨くと共に最新設備も導入。製缶やステンレス薄板の接合にも対応できます。吹き付け塗装と焼付け塗装にも対応。幅4000✕長さ3600✕高さ2400の水洗式塗装ブースを備えており、大物製品の高効率な塗装が可能です。特に苦手とする製品分野はありませんが、チタンなどの特殊金属の加工は対応していない可能性があります。事前に相談すると良いでしょう。製品例下の写真は、油圧タンク装置のユニット部品で、外装カバーの板金加工はもちろん組立工程では配線作業も実施されています。次の写真は、スプラッシュガードと呼ばれる工作機械のカバーです。100点以上の部品から構成されており、板金加工、機械加工、溶接、塗装を駆使して製作され、組み立てられました。続く写真は、医療機器で使用されるミキシングチャンバーです。厚さ3.0mmと1.5mmのステンレス(SUS316)部品を接合したもので、その溶接に高い技術が必要とされます。【工作機械カバーなら】株式会社畠山製作所引用元:株式会社畠山製作所基本情報住所:静岡県沼津市足高396-47TEL:055-921-3058FAX:055-922-0041創業年:大正11年加工:板金、切削、溶接、塗装、組立など素材:鉄などHP:http://www.hatakeyama-k.co.jp/会社概要畠山製作所は、主に工作機械や駆動・摺動機構のカバーを製作しているメーカーです。設計開発から機械加工、溶接、塗装、組立、保守管理まで、ワンストップで提供できる体制を整備。そのほか、機械の周辺装置や安全・防音カバーの設計、製作にも対応しています。メリット・デメリットレーザー加工機、レーザーパンチ複合機、マシニングセンタなどを保有しており、複雑形状の部品でも高精度に加工できます。最新鋭ベンディングマシンの熟練技能者による制御により、大型から小型まで多様なサイズの高精度な曲げ加工が可能です。駆動・電装部品を含む多数の部品から構成されるアセンブリの組み立てが可能で、動作確認にも対応できます。ただし、各種カバーを専門としているため、そのほかの製品のご依頼は要確認です。また、多品種・少量生産を中心に扱っているため、大量生産品については事前に確認することをおすすめします。製品例畠山製作所の製品例をいくつかご紹介します。下の写真は、工作機械のカバーであるスプラッシュガードです。スプラッシュガードは、切り屑の飛散を防ぐと共にその排出をコントロールします。次の写真は、工作機械の駆動・摺動機構を保護するテレスコカバーです。【長尺製品の加工なら】株式会社竜洋引用元:株式会社竜洋基本情報住所:静岡県磐田市南平松10番地1TEL:0538-66-2808FAX:0538-66-4660創業年:大正15年加工:板金、切断、溶接、塗装、組立など素材:鉄、ステンレス、アルミなどHP:http://www.ryuyo.jp/会社概要竜洋は、主に建築用金属製品の設計・製造・販売を行っているメーカーです。大型製品加工専門の工場を保有しており、長尺製品の加工に強みがあります。溶接、塗装、組立にも対応しているため、設計から組立までの一貫した生産が可能です。また、アウトドア用品ブランドのマーベリックを保有。焚き火台や調理鉄板などの製造・販売も行っています。メリット・デメリット多品種・少量生産が可能な生産管理システムを構築しており、オーダーメイドやリピートに迅速に応えることができます。板金加工を得意としており、厚さ0.1mmから9mmまで、長さ12mまでの金属材の曲げ加工が可能です。塗装・組立にも対応していますが、塗装のみ、組み立てのみの作業は請けていません。また、NC旋盤やマシニングセンタは保有していませんので、削り出しを要する精密部品などには対応できない可能性があります。製品例竜洋の製品例をいくつかご紹介します。下の写真に見られるような、ステンレスの加工も請け負っています。5m超の薄くて長いステンレス製品にも対応しています。次の写真のような、建設部材も多数製造。過去10年で、数千種類の建築金物や建設部材を数千種類製造しています。続く写真は、折りたたみ可能なステンレス(SUS304)製の焚き火台です。【配電盤の製作なら】平井工業株式会社引用元:平井工業株式会社基本情報住所:静岡県田方郡函南町肥田519TEL:055-978-2722FAX:055-978-2974創業年:昭和44年加工:板金、切断、溶接、組立など素材:鉄、ステンレス、アルミ、銅などHP:http://www.hirai-k.net/会社概要平井工業は、配電盤や各種制御盤、架台などを主に製作しているメーカーです。設計・製作・検査はもちろん、配電盤類に関する電気工事や土木工事、点検や維持管理までトータルに対応しています。また、板金加工も請け負っており、ステンレスやアルミ、銅製品の製造もしています。メリット・デメリット配電盤の工事だけでなく、太陽光発電システムや非常用発電機の設置など電気設備一般の工事も請け負っていますので、電力系統システム全体の構築をおまかせできます。また、配電盤類に関しては、既設盤の現地改造も引き受けています。ただし、板金加工では架台や筐体などを主に扱っているため、微細な加工を要する精密部品などには対応できない可能性があります。製品例平井工業の製品例をいくつかご紹介します。下の写真のような、動力制御盤などを主に製作しています。次の写真は、市庁舎に設置した配電盤です。この案件では、太陽光発電パネル設置なども含め、電気設備全体の施工も請け負っています。続く写真は、板金加工によって製作したアルミ製盤の筐体です。【レーザー加工なら】有限会社レーザテクノ静岡引用元:有限会社レーザテクノ静岡基本情報住所:静岡県静岡市清水区宮加三343-1TEL:054-334-3853FAX:054-334-5960創業年:昭和20年加工:板金、切削、溶接、製缶など素材:鉄、ステンレス、アルミ、銅、真鍮、樹脂などHP:http://laser-ts.co.jp/会社概要レーザテクノ静岡は、レーザー加工の受託や食品関連工場の機械付属設備、搬送設備などの製作を行っている板金加工メーカーです。レーザー加工に強みを持ち、デザイン性の高い看板文字や絵などの切り抜き加工も引き受けています。高い技術を要するステンレスの溶接も得意とし、多様なステンレス製品を製作しています。メリット・デメリットレーザー加工では、直径20mm~400mmのパイプ加工に対応。板金に対しては、厚さ12mmまでのステンレス、19mmまでの鉄、8mmまでのアルミなど、多様な厚さ、素材のレーザー加工を請け負うことができます。なお、ステンレスのクリーンカットにも対応しています。ファイバーレーザー溶接機を保有しており、高精度な溶接が可能です。ただし、NC旋盤やマシニングセンタは保有していません。削り出しが必要な加工には対応していないので、事前に確認することをおすすめします。また、一点物や少量生産品を主に扱っているため、大量生産品はご依頼できない可能性があります。製品例レーザテクノ静岡の3つの製品例をご紹介します。以下のような、微細かつ複雑な加工を要するモニュメントなどの引き合いが多いようです。まとめいかがでしたでしょうか。静岡県には、一貫体制で請け負っているメーカーが多くあり、各メーカー独自の強みを活かして顧客獲得に結びつけているようです。Mitsuriでは、静岡県に限らず、全国各地の加工メーカー様とお付き合いをさせていただいています。板金加工メーカーにお願いしたい…そんなあなたのために、板金加工のMitsuriが生まれました。板金加工でお悩みであれば、ぜひご相談ください!

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    【イベント】「AI/IoTでささえる、かがやく子どもの未来」から学ぶ、未来創造のための技術活用

    昨今、板金加工やものづくりの現場では、機械化・ロボット化が進んでいます。その中でも、特に注目されており、今後浸透していくと考えられているのが、「AI・IoT」化です。AI・IoTは、既存の産業をますます効率化し、新しいビジネスを生み出す可能性をもっています。人の暮らしそのものを大きく変える、とも言われていますが、「子どもの未来」を輝かしいものにするためには、どのような活用のしかたがあるのでしょうか。今回は、3月25日に開催されたイベント「AI/IoTでささえる、かがやく子どもの未来」のレポートをお届けいたします。AI・IoTとは?AI・IoTとは簡単にいうとどんな技術なのでしょうか。AI(人工知能)は、機械やソフトウェアが人間のような考え方をすることにより「データを分析して活用するもの」、IoTは、物がインターネットを介してつながることで「データを収集するもの」、と言い表すことができます。この二者が連携することで、私たちの生活は想像以上に便利で効率的なものになります。AI・IoTは既存の産業の効率化を促進し、新しいビジネスを生み出し、さらには人の暮らしそのものを大きく変える可能性があるものと言われています。特に、研究機関が多く集まる千葉県柏市では、AI・IoTに関する様々なプレーヤーが最先端の研究・実践を行なっています。AI・IoTと少子高齢化今日の日本が抱える問題の一つに、少子高齢化が挙げられます。少子高齢化は全国共通の課題となっており、「まちづくり」の中心に「子ども」に関するテーマを設定している自治体も数多くあります。そのような地域では、行政のみならず、多くの民間・個人のプレーヤーが様々な活動・サービスを行っていますが、ここにAI・IoTを掛け合わせることで、AI・IoTを活用した最先端の「子どもの未来をかがやかせる」サービスが生まれる可能性があるのではないか、と考えられています。 本イベントの目的今回、柏の葉キャンパスで開催されたイベント「AI/IoTでささえる、かがやく子どもの未来」では、幅広い分野の人々との対話を通してこの可能性を追求し、AI・IoTを活用した「子どもの未来をかがやかせる」新たなサービスを、自由な発想で生み出すことを目的としています。行政や研究機関、一般企業、中小ベンチャー企業など、様々な所属の参加者が集い、「子どもの未来」にフォーカスを当て、情報収集・議論・発表を行いました。会場:柏の葉キャンパス オープンイノベーションラボKOIL引用元:KASHIWA-NO-HA SMART CITY イベントの流れStep1「AI/IoT」に関する最新の状況を理解するStep2「AI/IoT」によって「子どもの未来」がかがやくシーンを描くStep3「子どもの未来」がかがやくシーンを実現する「AI/IoT」を活用したサービスアイデアを考えるStep1:「AI/IoT」に関する最新の状況を理解する(株)ファーストアセントの服部伴之氏と(株)カラダノートの彦坂真依子氏から、現代の子育てにおける育児や産後うつなどの課題解決として、AI・IoTを活用した事例の紹介がありました。彦坂氏は、子育てと最新技術を掛け合わせた取り組みを「子育Tech」と名付け、AI・IoTで実現できることとして、①育児記録の共有・効率化②育児データの情報収集③コミュニケーションの3つを紹介しました。AI・IoTで実現できる子育て支援①育児記録の共有・効率化②育児データの情報収集③コミュニケーションAI・IoTの介入が進んでいる海外の育児状況や、日本の子育て特有の「人の手間ひま=愛情≠技術」という考え方の中で、どのようにAI・IoTを取り入れていくかが課題であるという指摘も挙げられました。この最新の取り組みを導入として、「子どもの未来」がかがやくものになるためのAI・IoTの活用方法について、6つのグループごとにディスカッションを進めました。Step2:「AI/IoT」によって「子どもの未来」がかがやくシーンを描く4~5名の6グループ毎に、「子どもの未来」がかがやくシーンを考えるにあたり、まず「子どもがかがやかない未来とは?」を議題にブレーンストーミングを行いました。「AI・IoTに親が依存してしまい子どもが管理対象になってしまう未来」「子どもが自発的に学ばなくなる未来」「遊びの心がなくなってしまう未来」など、子どもが幼少期に獲得するべきことに対して、無関心になってしまうことや、技術依存が起こることについての意見が多く挙げられました。後半はグループシャッフルを行い、他グループで得られた意見を共有し、より様々な意見について触れる時間が設けられました。特に育児中の参加者からは、「親がかがやかない社会では、子どももかがやけない」など、切実な言葉も聞こえました。 Step3:「子どもの未来」がかがやくシーンを実現する「AI/IoT」を活用したサービスアイデアを考えるStep2でグループごとに洗い出した意見から、代表となるものを2つ掲示して、強く共感する内容に投票し、Step3ではその内容ごとにチーム編成して提案内容を練っていきます。「子どもがかがやかない未来」をもとに、どうすれば「子どもがかがやく未来」が実現するのか、意見を出し合います。例えば、子どもにとって「感動がない未来」を避けるためにはどうすれば良いのか。「生き方の選択肢を知らない未来」にならないためには、どのような提案ができるのか。その議論を元に、課題解決策としてのAI・IoTの活用方法を提案します。各チーム毎に提案内容を一枚の紙にまとめ、全体発表会として最後はプレゼンテーションを行いました。発表では、「個性と共感を育むために、子どもと社会・他の子どもを結びつけるマッチングAI」や、「子どもの選ぶ力・考える力を伸ばすために、『正解』を教えないAI」など、各チーム個性豊かなアイディアが提案されました。また、実現のために必要なリソースについても検討し、実用化に向けて一歩踏み込んだ提案内容になりました。 まとめAI・IoTの活用は、現在の日本が抱える課題を解決するだけでなく、望ましい未来の創造にもつながります。本イベントでは、「子どもの未来」にフォーカスを当て、参加者それぞれが、現代の子どもをとりまく環境や、未来の子供に獲得してほしい体験・感情について考え、技術発展の中でそれらをより良いものにしていく方法を検討しました。今後より一層AI・IoTが身近になる中で、私たちはそれに依存することなく、使い方や使う意図を考えて、望ましい未来のビジョンを描きながら活用していくことが大切なのかもしれません。

  • 型鍛造とは?特徴、メリット・デメリット、製品例

    今回は型鍛造の特徴、メリット・デメリット、製品例について解説します。鍛造とは、金属の塊に圧力をかけて目的の形に成形する加工方法です。鍛造は日本で古くから活用されており、高い強度を必要とする農具の鋤や日本刀といったものを作るのに採用されていました。鍛造には大きく分けて「型鍛造」「自由鍛造」の2種類があります。今回ご紹介する型鍛造は、専用の金型を用いて金属材料を成形する手法で、自由鍛造とは異なる特徴があります。参考:【鍛造加工とは?】加工方法や種類、歴史について1から解説します!参考:【鍛造と鋳造の違いとは?】工程や製品の比較でわかりやすく解説参考:【第3回】鍛造加工で使用する機械・道具とは?昔ながらの工具から最新機械までご紹介!型鍛造とは?型鍛造とは、別名「型打ち鍛造」とも呼ばれる手法で、専用の金型を用いて鍛造を行うことを指します。金型は上下で一対の構造になっており、間に金属材料を入れて圧力をかけ、成型を行います。参考:【金型製作】金型の種類と基礎や流れについて徹底解説!!型鍛造は、さらに細かく分けると「密閉鍛造」「半密閉鍛造」「閉塞鍛造」「中空鍛造」の4つがあります。●密閉鍛造引用元:株式会社イプロス Tech Note 鍛造加工とは?鍛造加工の種類は?:鍛造加工の基礎知識1密閉鍛造は、上下の型に隙間なく材料を閉じ込めて成形する手法です。バリが出ないので、除去する工程を省くことができ、製造時間の短縮と材料費を削減できます。●半密閉鍛造引用元:株式会社イプロス Tech Note 鍛造加工とは?鍛造加工の種類は?:鍛造加工の基礎知識1半密閉鍛造は、上下の型に材料を閉じ込めて成形を行いますが、目的の形状から余分に材料をはみ出させて鍛造する手法です。こうすることによって、型内に材料を充満させられるほか、余分な体積をバリとして逃すことができます。しかし、バリを後工程にて除去する必要があります。●閉塞鍛造引用元:鍛造事典 鍛造の種類Ⅰ(金型および変型方式・加工温度)閉塞鍛造は、上図のように上下の型に材料を閉じ込めたあと、パンチで押し込み圧力をかけて、型全体に流動させる手法です。パンチの形状や数によって複雑な形状を成形することもできます。●中空鍛造引用元:鍛造事典 鍛造の種類Ⅰ(金型および変型方式・加工温度)中空鍛造は、上図のように上下の型に材料を閉じ込めて、成型ピンを挿入することで、中空形状を成形する手法です。成型ピンは横からだけでなく、上下からも挿入させれば、より複雑な形状にすることもできます。また、鍛造には「熱間鍛造」「冷間鍛造」「温間鍛造」「半溶融鍛造」といった材料の加熱温度による違いもあります。●熱間鍛造熱間鍛造は、金属が再結晶する温度(約1200℃程度)に熱してから行う鍛造法です。高温に加熱することで金属が柔らかくなるほか、金属の結晶が正常に変化します。熱間鍛造は、複雑な形状でも強度を確保しやすいメリットがあります。●冷間鍛造冷間鍛造は、常温で行う鍛造を指します。金属が硬い状態のまま加工を行うため、高い精度が得られますが、成形するために高い圧力を必要とします。●温間鍛造温間鍛造は、熱間鍛造と冷間鍛造の間(一般的に300~800℃程度、1000℃まで拡大することも)で行われる鍛造を指します。冷間鍛造では成形が難しい複雑な形状の加工や、高硬度の材料にも対応が可能です。●半溶融鍛造半溶融鍛造は、鍛造と鋳造(溶融させた金属を成型する工法)の間のような手法で、主に車のアルミホイール成型などで採用されています。材料を半凝固状態で加圧して成形を行うため、鋳造のように自由な形状が作れるほか、鋳造で問題となる巣ができにくく、鍛造のように強度も得られます。参考:【鍛造と鋳造の違いとは?】工程や製品の比較でわかりやすく解説型鍛造の特徴型鍛造は、目的の製品に合った専用金型を使って成形する鍛造のため、同じ形状の製品を大量生産するのに適しています。専用金型での成形は寸法精度が高く、短時間で成形できるのもポイントです。型鍛造に限らず、自由鍛造にも共通している特徴は、「鍛流線」と呼ばれる金属組織の流れが形成されることで、金属材料が機械的性質が向上する点にあります。これにより、切削加工や鋳造で作られた製品に比べて耐久性が高く、肉厚を薄く作ることもできます。ただし型鍛造は、専用金型を作るのに初期費用がかかるので、小ロットの生産には適していません。型鍛造のメリット・デメリットメリット●材料を節約できる。型鍛造は、完成形状に近いものを成形するため、後工程で除去する金属の量が少なく済みます。これにより無駄になる材料が少なく、材料費の節約が可能です。後加工にかかる時間も削減できるので、作業効率の向上も期待できます。●内部欠陥のない成形が可能。型鍛造は、鋳造と違って内部欠陥がなく製品を成形できるほか、圧力が加えられることで金属の結晶粒が細かくなり、耐久性を向上させられます。●鍛流線の形成により、機械的性質が向上する。鍛造で作られた製品は、切削加工や鋳造で作られたものと違って「鍛流線」と呼ばれる金属組織の流れが形成されます。鍛流線が形成された金属は、硬さ・引張強度などの機械的性質を高められます。●専用金型を使った大量生産が可能。型鍛造は、目的の製品を作るために専用金型を用意します。専用金型はひとつの製品を作るのに使いまわしが効くほか、素早くに成形できるので大量生産に適しています。●自由鍛造よりも高い寸法精度が得られる。型鍛造は、専用金型による成形のため、ハンマーで叩くなどして成形する自由鍛造に比べて高い寸法精度が得られます。デメリット●専用金型の製作にコストがかかる。型鍛造は、専用金型を要するため、自由鍛造に比べて初期コストがかかります。金型の設計・製作に時間もかかるので、少ロットの生産には不向きです。●自由鍛造に比べて歩留まりが落ちる。型鍛造は、半密閉鍛造のようなバリが出る手法の場合は、後加工で除去する必要があるので、自由鍛造に比べて歩留まりが落ちるデメリットがあります。型鍛造の製品例型鍛造は、専用金型に金属材料を入れて成型する手法のため、自由鍛造に比べて小型部品や量産品を製造するのに適しています。型鍛造で作られている製品は、主に以下の製品が挙げられます。・ベアリング、フック、ボルトなどの工業製品・レンチ、スパナ、ペンチなどの工具類・クランクシャフト、コネクティングロッドなどの自動車部品・電車や航空機などに用いられる部品・ナイフ、フォーク、スプーンなどのカトラリー類・ハサミ、爪切りなどの日用品型鍛造の工程型鍛造の基本的な工程は以下の通りです。1.材料の切り出し2.材料の加熱3.鍛造4.バリ取り・表面処理型鍛造では、始めに金属の塊から材料の切り出しを行います。材料のサイズは専用の金型に合うように切り出します。加工用の寸法に切り出された金属の塊は「ビレット」と呼ばれます。次にビレットを加熱して金属を成形しやすくします。そのあと、加熱したビレットを専用金型に入れて成形します。始めに使う型は粗型で、最終形状に近いおおよその形状を作ります。次に仕上げ型を用いて精度の高い寸法に仕上げます。鍛造した製品はバリ処理や表面処理などを行い、製品が完成します。自由鍛造との比較鍛造は、専用金型を使用する「型鍛造(型打ち鍛造)」と、専用金型を使用しない「自由鍛造(フリー鍛造)」に大別されます。<型鍛造と自由鍛造の比較表>適したロット数金型にかかるコスト製品精度型鍛造多数高価高自由鍛造少数安価並型鍛造は、専用金型を使った鍛造で、製品を素早く成形できるほか、金型を使いまわせるので大量生産に適しています。また、高い寸法精度が得られるのも特徴です。しかし金型を作るため、初期コストが大きくかかります。自由鍛造は、専用金型を必要とせず、汎用金型とハンマーなどで鍛造を行う手法です。初期コストがかからないため、小ロットの製品に適しています。しかし、ひとつの製品を作るのに時間がかかるため、大量生産には適していません。精度も型鍛造と比べると劣ります。参考:自由鍛造とは?特徴、製品例、メリット・デメリット

  • 自由鍛造とは?特徴、製品例、メリット・デメリット

    今回は自由鍛造の特徴や製品例、メリット・デメリットについてご紹介します。鍛造とは、金属を叩いて鍛えることから名付けられており、日本でも刀などの製造で古くから活用されている手法です。鍛造には、大きく分けて「自由鍛造」と「型鍛造」の2種類があります。自由鍛造は、金敷の上で金属材料をハンマーなどで叩いて成形する手法で、金属内部の結晶が整い、強い金属が得られます。参考:【鍛造加工とは?】加工方法や種類、歴史について1から解説します!参考:【鍛造と鋳造の違いとは?】工程や製品の比較でわかりやすく解説参考:【第3回】鍛造加工で使用する機械・道具とは?昔ながらの工具から最新機械までご紹介!自由鍛造とは?自由鍛造とは、専用の金型を必要とせず、ハンマーやプレスで金属材料を叩いて成形することで、別名「フリー鍛造」とも呼ばれています。自由鍛造は、熱間加工の一種で、金敷に金属材料をのせて、据込み・鍛伸・展伸・穴あけ・穴広げ・中空・背切り・せん断などの作業を行い、目的の製品へと成形します。鍛造は、温度で見た場合、主に冷間鍛造・温間鍛造・熱間鍛造の3つに分類されます。冷間鍛造は、熱を加えずに圧力だけで加工する手法です。精度に優れていますが、高い圧力が必要なほか、使用する工具や金型は高い剛性を必要とします。温間鍛造は、材料を常温以上(一般的に300~800℃程度、1000℃まで拡大することも)に加熱して鍛造を行う手法です。冷間鍛造では成形が難しい製品の加工や、熱間鍛造よりも高い精度を得たい場合に採用されています。熱間鍛造は、金属が再結晶する温度(約1200℃程度)に加熱してから鍛造を行う手法です。金属が柔らかくなった状態で加工を施すため、より自由な成形ができるメリットがあります。ただし、温間加工は冷えるときに収縮するため、後加工が必要です。自由鍛造では、主に熱間鍛造が採用されています。自由鍛造の特徴と製品例引用元:同和鍛造株式会社 大型・自由鍛造自由鍛造は、リング・パイプ・円盤などのさまざまな形状に成形できます。自由鍛造で成形した製品は、内部欠陥がなく、優れた強度が得られるので、耐久性を要する部品に採用されていることが多くあります。以下は、自由鍛造で作られている製品の一例です。・金槌やペンチなどの工具類・スプロケットなどの産業機械部品・耕運機の爪などの農機具・クランク軸などの自動車・船舶用部品・包丁、フォーク、ナイフなどの台所用品・指輪などの装飾品自由鍛造のメリット・デメリットメリット●金型を作るコストが発生しない。型鍛造の場合は、専用の金型を用意する必要があります。しかし自由鍛造では、既存の汎用的な金型を用いて成形するため、専用金型を作るコストがかからないメリットがあります。●型鍛造では難しい大型の製品にも対応が可能。自由鍛造は、専用の金型を必要としないことから、製造が難しい大型の製品も加工できます。●歩留まりがよく、材料費と機械加工にかかるコストを抑えられる。自由鍛造では、完成品に近い形状に鍛造を行うため、歩留まりがよく、材料費を節約できます。また、機械加工にかかる時間や費用を削減できるのもポイントです。●金属の内部欠陥が発生せず、強度が向上する。鍛造は、体積移動により材料が鍛錬され、製品形状に沿った鍛流線(メタルフローライン・ファイバーフローライン)が生まれます。鍛流線とは、金属材料を鍛造した際にみられる繊維状の金属組織の流れのことです。鍛流線が得られる鍛造品は、鋳造や削り出しで製造したものに比べて、機械的性質が高められ、強度が向上します。デメリット●加工時間が長く、大量生産に不向き。自由鍛造は、ハンマーなどで1点ごとに成形する手法のため、加工時間がかかります。そのため、専用の金型で成形する型鍛造に比べて大量生産には不向きです。自由鍛造は、主に大きな製品の鍛造や、多種類の製品を小ロットで作る場合に適しています。●複雑な形状の加工は難しい。自由鍛造は、ハンマーなどで叩いて成形する手法のため、複雑かつ精度が求められる製品は難しい傾向にあります。複雑かつ精度の要求される製品を鍛造する場合は、型鍛造が適しています。●仕上がりが作業者の技術に左右されやすい。自由鍛造は、型鍛造に比べて作業者の技術に左右されやすく、製品によっては希望する精度に満たない製品にできあがる可能性があります。そのため自由鍛造を依頼する場合は、技術力と実績のある業者に依頼するようにしましょう。自由鍛造の手法自由鍛造では、さまざまな作業を使い分けることで、目的の形状に成形していきます。ここでは、自由鍛造で行われている代表的な作業の手法についてご紹介します。据込み据込みは、平行平面型を用いて上から力を加えることで、素材の高さを圧縮し、材料を横方向に広げる手法です。別名で「すえ」や「圧縮」とも呼ばれています。据込みは、「アプセット鍛造」とも呼ばれており、ボルト・釘・ピンなどの頭を成形する際に採用されます。鍛伸鍛伸は、棒状の素材を回転させながら上下から加圧することで、断面積を縮小させて、長さを得る手法です。別名「伸ばし」とも呼ばれており、主に軸部品の成形に採用されます。展伸展伸は、幅が広い工具で材料を一方向から圧力をかけて、厚みを縮小し、伸ばす手法です。別名「延べ」とも呼ばれており、包丁やブロック部品の成形に採用されます。穴広げ穴広げは、リング状の素材を穴の内側と外側とで挟んで加圧することで、リングの厚みを薄くし、穴を広げる手法です。主にリング状の部品の成形や、指輪のサイズ調整に採用されます。背切り背切りは、工具や金型を用いて材料を圧延する方法を指します。背切りを繰り返すことで、薄板状に成形できます。型鍛造との違い鍛造は、専用金型を使用する「型鍛造(型打ち鍛造)」と、専用金型を使用しない「自由鍛造(フリー鍛造)」に大別されます。型鍛造と自由鍛造は、どちらも完成した形状に近い製品が得られるので、歩留まりがよいこと、そのほかにも内部欠陥のない成形、機械的性質の向上といったメリットがあります。<型鍛造と自由鍛造の比較表>適したロット数金型にかかるコスト製品精度型鍛造多数高価高自由鍛造少数安価並型鍛造と自由鍛造の違いについては上表の通りです。型鍛造は専用金型による成形のため、ロット数の多い製品に適しています。また、自由鍛造に比べて安定した精度が得られるのも特徴です。ただし、専用金型を製作するのにコストがかかるので、小ロットの製作には適していません。自由鍛造の場合は、成形に時間がかかるため、大ロットには適していませんが、金型の製作費にかかるコストを抑えられるメリットがあります。参考:型鍛造とは?特徴、メリット・デメリット、製品例

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    【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説!

    銅と言えば、日本人なら誰もが使っている10円玉やオリンピックの銅メダルなんかが真っ先に思い付くでしょうか。実は銅は10円玉だけでなく、1円玉以外のすべての硬貨に使われていたりするんですよ。今回は私たちの生活の中に意外なほど溢れている銅のについて紹介していきましょう。まず銅の基礎知識を始めとして、順に銅の特徴と用途、そして最後に真鍮について解説していきます。銅の基礎知識銅の歴史銅と言うと金銀銅というイメージからちょっと高価なものという印象があるかもしれませんが、製造業においては重要な加工素材です。現在、金属資源として大量に使われている銅素材ですが、実は太古の時代から利用されていて、人類が最初に使い始めた金属と言われています。青銅器時代と呼ばれる時代がある通り、銅は青銅器や和同開珎などの貴重品から武器や農具といった一般的に使われる道具まで、昔から大変よく使われていた金属なのです。銅の種類銅の種類には先ほどから出ている青銅のほか、純銅や真鍮、白銅などがあります。この記事でも取り上げる真鍮(しんちゅう)とは銅の仲間の一つなんですね。真鍮は別の言い方で黄銅(おうどう)と呼ばれる黄色い銅で、五円玉や仏具などに使用されます。純銅とは工業用に製造される赤色の銅のことを言います。普通の銅は多くの不純物を含んでいるので、製品や部品の材料などに扱う際は、不純物を可能な限り取り除いた高純度な銅にします。そして、その純銅にすずや亜鉛を加えることで青銅や真鍮となり、色彩も変わるのです。銅の種類を硬貨に沿って紹介していくと、5円玉は真鍮、10円玉は青銅、50円玉と100円玉は白銅、500円玉はニッケル黄銅で作られています。銅の種類と使われている硬貨5円玉=真鍮10円玉=青銅50円玉・100円玉=白銅500円玉=ニッケル黄銅10円玉は赤色ですが純銅ではなく青銅なんですね。色が赤いのは青銅の材料であるすずの割合が少ないためです。ちなみに1円玉の材料はアルミですね。銅ではありません。銅は他にも洋白、クロム銅、ベリリウム銅など普段聞き慣れない種類が数多くあります。銅の特徴銅は優れた性質を持ち、いろいろな加工方法をとれるため、身の回りの製品から工業製品まで幅広く活用されています。その分野は工業だけでなく、医療・船舶・建築業など様々。それでは、現代だけでなく古来より人々の支えになっている銅の特徴について理解を深めていきましょう。銅の特徴①加工性が高い②耐食性が高い③熱や電気が伝わりやすい④抗菌作用がある⑤見た目が綺麗に仕上がる①加工性が高い銅は柔らかいので伸ばしたり押し込んだりして形を変えやすい金属です。そのため銅線、銅板、銅管、銅棒など多種多様な製品を作ることができます。加工の方法も曲げ加工や切削加工、絞り加工と様々な方法がとれるため、複雑な形にしたり細かい模様を描いたりすることもしやすい金属です。また、銅は金属としての寿命も長いため、市販の製品以外にもバルブや歯車といった長期間の使用が求められる部品にも多用されます。②耐食性が高い耐食性とは錆びのことです。銅は他の金属と比べて錆びにくい性質を持っています。たまに何百年、何千年も前の埋蔵品が出てきたというニュースを見聞きすることがあると思いますが、それは銅が錆びにくいのが一躍買っているんですね。この錆びにくい性質を利用して、屋根や船のスクリューなど建築や船の材料としてもよく使われます。③熱伝導率や導電性が高い銅は熱が伝わりやすく電気を通しやすい金属です。もともと金属は熱や電気が伝わりやすい素材ですが、銅は金属の中でも特に優れた熱伝導性と導電性を持ちます。その特性から熱交換器や電子機器の材料として多用され、今やエアコン、冷蔵庫、パソコン、携帯電話など生活に欠かせない金属となっています。④殺菌作用がある銅には殺菌作用があります。金属に殺菌作用というとピンとこないかもしれませんが、科学的な実証実験により何種類もの細菌に対して効果があることが分かっています。有名なところではO-157やノロウイルスなんかにも殺菌効果があるようです。硬貨の製造には銅が採用されていますが、これも殺菌効果があるというのが理由の一つなのです。⑤見た目が綺麗に仕上がる銅は赤、黄、白といった様々な色の種類があり、仕上がりにも鮮やかな色調や光沢が出せるため綺麗に仕上がります。硬貨も長年使い続けられたお金は黒ずんでいますが新品は綺麗ですよね。硬貨以外にも銅で作られた製品や建物は鉄製やアルミ製のものより高級感が漂います。特に真鍮は金色になるので高級感がグッと増します。手間は掛かりますが手入れをすることで綺麗な色合いを持続させることができますし、他の金属よりも錆びないので製品としても長持ちします。ただし、値段も相応に見た目通り高いのがネックだったりしますね。銅の用途では、優れた特徴の多い銅が何に使われているか見ていきましょう。生活の中でいろいろな使われ方をしている銅ですが、パッと思い浮かぶものはそれほどないかもしれません。ですが銅は、隠れたところで人々が暮らしていくのに欠かせないほど広い分野で使われています。日用品用途:鍋、やかん、フライパン、抗菌スポンジなど鍋やフライパンには鉄製、アルミ製、ステンレス製といった種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。銅で作られたフライパンには熱が広がりやすいというメリットがありますね。熱を通しやすいという銅の特徴が活かされているのです。他にも、銅の性質である錆びにくかったり殺菌効果がある点も、やかんやスポンジなどの日用品に備えることができます。ただ、銅製の日用品は重い・値段が高いといった手を出しにくい点がネックとなっている側面がありますね。そのため、安くて扱いがお手軽な鉄製やアルミ製の商品が使われていることが大半で、銅製の日用品を目にする機会はあまりないという背景が伺えます。家電製品用途:テレビ、パソコン、エアコン、スマートフォン、冷蔵庫など銅が生活必需品であることが分かるラインナップですね。主に銅の導電性や熱伝導性を利用した製品に使われています。熱伝導性が高いということは熱くなりやすい反面、冷めやすい性質も持つことになるので、エアコンや冷蔵庫を作るのに適しているのです。また、銅の加工がしやすいという利点も製品内部の細かい部品を作るのに重宝されています。車両・船舶用途:自動車のガスケット、エンジン、ブレ-キパイプ、船の船底など自動車には多くの銅製の部品が組み込まれています。エンジンやブレーキパイプなどの走るための部分以外にも、エアコンやオーディオ、カーナビなど多くの機能が求められる車は、通電性の良い銅が電子機器に数多く使用されています。船では銅の耐食性が役に立っています。船のスクリューにはアルミニウム青銅という銅が使われていたり、船の船底には銅が塗られていたりします。引用元:銀星の瓦版船底とは画像の赤く塗られている部分ですね。実はこの部分はデザインのためではなく、水棲生物が引っ付かないようにするためと錆びにくいようにするために船底を守っているのです。船底にフジツボや海草などの水棲生物が大量に引っ付くと、船の重量が増してしまいスピードが落ちるのに加え、余計な動力を消費して燃費が悪くなります。そういった船の劣化を防ぎ安全な航行を維持するため、船の底の部分には銅が含まれる赤い塗料が塗られているのです。建築物用途:ドアの取っ手、家の屋根板、電柱の電線、配管など家の屋根板や給水管・ガス管などの配管は錆びにくいように銅が使われることが多いですね。ドアの取っ手は錆びにくさにプラスして殺菌作用も加味して銅が使用されています。電柱の導線は伝導率の良さから昭和の頃は銅が使われていました。今となっては軽くてそこそこ伝導率の良いアルミの電線がほとんどですが、一昔前までは銅が主流だったのです。引用元:モノタロウ電線こそアルミに取って代わられましたが、ワイヤーや画像のような銅線は今でも耐食性や柔軟性を買われ銅が重宝されています。その他の製品用途:貨幣、ばね、ボルト、銅像、金管楽器など貨幣や銅像は言わずもがな、ばねやボルトなどの機械部品にも銅素材が使われることがあります。特にトランペットやホルンなどの金管楽器は主に真鍮や洋白を古くから材料にしています。錆びにくい・加工がしやすいといった機能的な面だけでなく、材料によって音の響きや重厚感が変わってくるので、より重要な役割を担っていると言えます。真鍮真鍮(しんちゅう)とは銅に亜鉛を混ぜた合金で、黄色、または金色をした銅のことです。先にも説明しましたが真鍮は黄銅(おうどう)とも呼ばれます。元が銅なので金属としての性質も銅と似ていますね。黄銅は知名度としては青銅に劣るものの、実は使用頻度で言えば黄銅の方が圧倒的に高くなります。銅を伸ばしたり圧縮したりして加工する製品を伸銅品と言いますが、その伸銅品の内もっとも多く使われるのは黄銅です。そして次に使われるのが銅(純銅)で、銅の使用率は黄銅と銅でほとんどを占めていると言われています。青銅は一般的に有名ではあるものの、そこまで使われている銅ではないんですね。引用元:NETSEA SHOPLIST.com真鍮は5円玉や金管楽器の他、その綺麗な色合いからアクセサリーやアンティークに使われていたりします。画像のネックレスやアンティークも金色に輝く色彩がとても美しく高級感がありますね。ただし、真鍮は銅が素材なので、時間が経つと酸化により黒ずんでしまいます。5円玉も製造されたばかりの硬貨は綺麗ですが、何年も経つと汚れたように黒くなってしまいますよね。あれは空気や人の手に触れたことで酸化してしまっているのです。ですが真鍮は酸化により黒ずんでしまっても、専用のクリームやお酢で磨いて手入れをすることにより元の輝きに戻すことができます。定期的に手入れをするのは少々手間ですが、真鍮製の宝物はいつまでも綺麗なままで保っておくことが可能なのです。まとめ銅について説明してきましたが、使いやすい・性能がいい・美しいと3拍子そろった金属でしたね。想像よりも使い道が多い素材だったのではないでしょうか。銅は加工素材として便利なだけでなく、古くから装飾品として人気がある奥ゆかしさがあります。スマートフォンや車の部品などの新しい製品から埋蔵品やアンティークといった骨董品まで、用途として幅が広いだけでなく大昔から活用されている歴史の長い金属なんですね。

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    【静岡県】で【板金加工】メーカー探しなら…腕の立つオススメ板金加工メーカー10選!

    みなさんが、業者探しをするのは、どのような場面でしょうか?「事業拡大のため、新しくこの加工ができる業者を探したい!」「今まで信頼してお願いしていたところが、後継者不足で廃業してしまって・・・」背景は様々かと思いますが、共通していることは、「早く、なんとかして新しい業者を決めたい!!」ではないでしょうか。とはいえ、まず直面するのが、「どこの業者がいいのかが分からない・・・」という問題。家電量販店を巡るように、いろんなところをチェックして、ベストなメーカーをチョイスできれば一番ですが、時間の制約や立地、気軽に入れない環境ということもあり、なかなかそうはいきませんよね。そこで今回の記事では、静岡県で板金加工メーカーをお探しの方に、腕の立つオススメの板金加工メーカー10選をご紹介します。【デザインに強み】山崎製作所基本情報住所:静岡県静岡市清水区長崎241番地TEL:054-345-2186/FAX:054-346-4392創業年:昭和45年加工:精密板金加工全般素材:ステンレス、アルミ、各種鉄鋼HP:https://www.yamazaki-metal.co.jp/会社概要表面処理・組み立て作業を含めた、製品の一貫生産から、パーツ部品製作まで対応しているのが、こちらの山崎製作所。20代~70代の技術者が現場でともに働き、熟練の技術を継承しています。メリット・デメリット社長をはじめ、技術や開発のフィールドで女性が活躍しているのも大きな特徴。こまやかな気遣いや繊細な感覚を活かし、山崎製作所が最も得意とするのは「デザイン」だそうです。板金に関わるデザインはもちろん、工作機械のデザインまで提案のフィールドを拡大し、経済産業省より、「地域未来牽引企業」に選出されています。以前、Mitsuriでも取材させていただきました!(詳しくはこちらです)こちらの工場では、主にレーザー・タレットパンチ複合機が使用されていますが、対応できる板サイズや板厚が限られているため、もし切断や穴あけなどの加工を必要とする場合は、適応サイズかどうか、事前に確認してみてください。製品例【素材からの一貫生産体制】矢部製作所基本情報住所:静岡県牧之原市大江1359-1(本社)TEL:0548-52-3121創業年:昭和48年加工:板金加工全般、溶接等素材:アルミ、ステンレス、各種鉄鋼HP:http://yabe-ss.co.jp/会社概要矢部製作所は、本社、菅ヶ谷工場、金型製造部の3つの工場を構え、切断、曲げ、組み立て、溶接、梱包まで行う一貫体制のメーカーです。製茶機械部品や、空調設備部品、各種機械部品加工、建設用モニュメント等を製作し、鉄、アルミ、ステンレスの板金加工に力を注いでいます。メリット・デメリット各工場には最新の機械が導入され、新鋭の機械と優れた人材により、新しい発想でものづくりを行っています。素材からの一貫生産体制を貫き、蓄積された技術力を駆使して、その精度と品質で信頼を獲得している点がメリットです。お急ぎの場合の特急対応や、小ロットの加工については、取り扱いが少ないようなので、要確認です。製品例【提案型板金設計開発】星製作所基本情報住所:静岡県沼津市小諏訪26-2(本社)TEL:055-926-8003/FAX:055-926-8004創業年:昭和42年加工:精密板金、溶接、塗装、樹脂加工素材:アルミ、ステンレス、銅、その他鋼板HP:http://www.hoshiss.com/index.html会社概要工作機械などの筐体から、少量生産の大型制御盤、機械部品などの板金・塗装・配線まで、一貫して請け負っているのがこの星製作所。県内3ヶ所に工場を構え、レーザーパンチ複合機の自動ラインより、量産品製造も行っています。メリット・デメリット提案型板金設計開発として、製品開発の段階から参加することで、部品製造の立場から、量産に適したモデルの提案を行い、全体のコストダウンを実現しています。また、試作品の検証データ提供など、サポート体制も整っているため、量産を見据えた試作が可能です。お急ぎの場合の特急対応については、扱いが少ないようなので、要確認です。製品例【大型板金の大量生産なら】晃永製作所基本情報住所:静岡県沼津市西沢田231-1TEL:055-923-5360/FAX:055-922-7248創業年:昭和55年加工:板金加工全般、精密板金加工、溶接、塗装、組立素材:ステンレス、アルミ、その他鋼板HP:http://www.koei-ss.co.jp/index.html会社概要短納期・試作品から、量産にも対応しているのが、こちらの晃永製作所。ステンレスの小さい板を最短納期で欲しい、といった要望から、5mを超える大型板金の量産まで、幅広いニーズに対応しています。メリット・デメリット板金設計、塗装、メッキ処理などの相談にも応じており、焼き付け塗装までの一貫した生産が可能です。ステンレス、アルミなどの板金・溶接加工にも実績をもち、工場の広さを活かして、大型板金の大量生産も行っています。3Dデータについては、取り扱いをしていない可能性があるので、事前に確認が必要です。製品例【短納期にも柔軟に】エスティ―基本情報住所:静岡県磐田市海老塚747-1(本社)TEL:0538-37-5136/FAX:0538-37-7438創業年:昭和61年加工:板金加工全般、溶接素材:ステンレス、その他鉄鋼HP:http://www.esty-s.jp/会社概要材料の仕入れから展開、切断、曲げ、溶接、表面処理と、納品まで一貫して対応可能なのが、エスティー。転造やタップ加工、穴あけ、ねじ切りなどの二次加工も行い、お客様に完成品に近い形で提供することを実現している企業です。メリット・デメリット切断のみ、溶接のみ、など一加工に特化した対応も可能で、図面がない場合や、急な設変対応、1個からの製作、短納期にも柔軟に応じてくれます。各種表面処理や塗装は、協力会社に依頼しているとのことなので、短納期の依頼の場合は事前に確認した方が良さそうです。製品例■2日対応:材SUS329/size50×100/ロット300■3日対応:材SUS304・316/size15A×300A/ロット1~5■3日対応:材SS/size200×250/ロット10【産業機械の製造なら】株式会社関東精工引用元:株式会社関東精工基本情報住所:静岡県富士宮市西山2103TEL:0544-65-1540FAX:0544-65-2301創業年:昭和35年加工:板金、切削、溶接、塗装、電装、組立など素材:鉄、ステンレス、アルミなどHP:http://www.kantoseiko.co.jp/会社概要関東精工は、精密板金に強みを持つ総合金属加工メーカーです。産業機械や工作機械、またそのユニット部品などを、設計から機械加工、溶接、塗装、電装、組立まで一貫して請け負い製造しています。特に設計段階では、WEBを通してCADデータを顧客と共有。迅速かつ明解な設計提案を実現しています。メリット・デメリット独自の板金フレキシブル生産システム(FMS)を構築していますので、精密板金加工の多品種・小ロット生産に迅速に対応できます。マシニングセンタなどの切削加工機も多数保有。小物から大物、複雑形状から精密さを必要とする製品まで、多様なニーズに対応可能です。溶接にも力を入れており、技術を磨くと共に最新設備も導入。製缶やステンレス薄板の接合にも対応できます。吹き付け塗装と焼付け塗装にも対応。幅4000✕長さ3600✕高さ2400の水洗式塗装ブースを備えており、大物製品の高効率な塗装が可能です。特に苦手とする製品分野はありませんが、チタンなどの特殊金属の加工は対応していない可能性があります。事前に相談すると良いでしょう。製品例下の写真は、油圧タンク装置のユニット部品で、外装カバーの板金加工はもちろん組立工程では配線作業も実施されています。次の写真は、スプラッシュガードと呼ばれる工作機械のカバーです。100点以上の部品から構成されており、板金加工、機械加工、溶接、塗装を駆使して製作され、組み立てられました。続く写真は、医療機器で使用されるミキシングチャンバーです。厚さ3.0mmと1.5mmのステンレス(SUS316)部品を接合したもので、その溶接に高い技術が必要とされます。【工作機械カバーなら】株式会社畠山製作所引用元:株式会社畠山製作所基本情報住所:静岡県沼津市足高396-47TEL:055-921-3058FAX:055-922-0041創業年:大正11年加工:板金、切削、溶接、塗装、組立など素材:鉄などHP:http://www.hatakeyama-k.co.jp/会社概要畠山製作所は、主に工作機械や駆動・摺動機構のカバーを製作しているメーカーです。設計開発から機械加工、溶接、塗装、組立、保守管理まで、ワンストップで提供できる体制を整備。そのほか、機械の周辺装置や安全・防音カバーの設計、製作にも対応しています。メリット・デメリットレーザー加工機、レーザーパンチ複合機、マシニングセンタなどを保有しており、複雑形状の部品でも高精度に加工できます。最新鋭ベンディングマシンの熟練技能者による制御により、大型から小型まで多様なサイズの高精度な曲げ加工が可能です。駆動・電装部品を含む多数の部品から構成されるアセンブリの組み立てが可能で、動作確認にも対応できます。ただし、各種カバーを専門としているため、そのほかの製品のご依頼は要確認です。また、多品種・少量生産を中心に扱っているため、大量生産品については事前に確認することをおすすめします。製品例畠山製作所の製品例をいくつかご紹介します。下の写真は、工作機械のカバーであるスプラッシュガードです。スプラッシュガードは、切り屑の飛散を防ぐと共にその排出をコントロールします。次の写真は、工作機械の駆動・摺動機構を保護するテレスコカバーです。【長尺製品の加工なら】株式会社竜洋引用元:株式会社竜洋基本情報住所:静岡県磐田市南平松10番地1TEL:0538-66-2808FAX:0538-66-4660創業年:大正15年加工:板金、切断、溶接、塗装、組立など素材:鉄、ステンレス、アルミなどHP:http://www.ryuyo.jp/会社概要竜洋は、主に建築用金属製品の設計・製造・販売を行っているメーカーです。大型製品加工専門の工場を保有しており、長尺製品の加工に強みがあります。溶接、塗装、組立にも対応しているため、設計から組立までの一貫した生産が可能です。また、アウトドア用品ブランドのマーベリックを保有。焚き火台や調理鉄板などの製造・販売も行っています。メリット・デメリット多品種・少量生産が可能な生産管理システムを構築しており、オーダーメイドやリピートに迅速に応えることができます。板金加工を得意としており、厚さ0.1mmから9mmまで、長さ12mまでの金属材の曲げ加工が可能です。塗装・組立にも対応していますが、塗装のみ、組み立てのみの作業は請けていません。また、NC旋盤やマシニングセンタは保有していませんので、削り出しを要する精密部品などには対応できない可能性があります。製品例竜洋の製品例をいくつかご紹介します。下の写真に見られるような、ステンレスの加工も請け負っています。5m超の薄くて長いステンレス製品にも対応しています。次の写真のような、建設部材も多数製造。過去10年で、数千種類の建築金物や建設部材を数千種類製造しています。続く写真は、折りたたみ可能なステンレス(SUS304)製の焚き火台です。【配電盤の製作なら】平井工業株式会社引用元:平井工業株式会社基本情報住所:静岡県田方郡函南町肥田519TEL:055-978-2722FAX:055-978-2974創業年:昭和44年加工:板金、切断、溶接、組立など素材:鉄、ステンレス、アルミ、銅などHP:http://www.hirai-k.net/会社概要平井工業は、配電盤や各種制御盤、架台などを主に製作しているメーカーです。設計・製作・検査はもちろん、配電盤類に関する電気工事や土木工事、点検や維持管理までトータルに対応しています。また、板金加工も請け負っており、ステンレスやアルミ、銅製品の製造もしています。メリット・デメリット配電盤の工事だけでなく、太陽光発電システムや非常用発電機の設置など電気設備一般の工事も請け負っていますので、電力系統システム全体の構築をおまかせできます。また、配電盤類に関しては、既設盤の現地改造も引き受けています。ただし、板金加工では架台や筐体などを主に扱っているため、微細な加工を要する精密部品などには対応できない可能性があります。製品例平井工業の製品例をいくつかご紹介します。下の写真のような、動力制御盤などを主に製作しています。次の写真は、市庁舎に設置した配電盤です。この案件では、太陽光発電パネル設置なども含め、電気設備全体の施工も請け負っています。続く写真は、板金加工によって製作したアルミ製盤の筐体です。【レーザー加工なら】有限会社レーザテクノ静岡引用元:有限会社レーザテクノ静岡基本情報住所:静岡県静岡市清水区宮加三343-1TEL:054-334-3853FAX:054-334-5960創業年:昭和20年加工:板金、切削、溶接、製缶など素材:鉄、ステンレス、アルミ、銅、真鍮、樹脂などHP:http://laser-ts.co.jp/会社概要レーザテクノ静岡は、レーザー加工の受託や食品関連工場の機械付属設備、搬送設備などの製作を行っている板金加工メーカーです。レーザー加工に強みを持ち、デザイン性の高い看板文字や絵などの切り抜き加工も引き受けています。高い技術を要するステンレスの溶接も得意とし、多様なステンレス製品を製作しています。メリット・デメリットレーザー加工では、直径20mm~400mmのパイプ加工に対応。板金に対しては、厚さ12mmまでのステンレス、19mmまでの鉄、8mmまでのアルミなど、多様な厚さ、素材のレーザー加工を請け負うことができます。なお、ステンレスのクリーンカットにも対応しています。ファイバーレーザー溶接機を保有しており、高精度な溶接が可能です。ただし、NC旋盤やマシニングセンタは保有していません。削り出しが必要な加工には対応していないので、事前に確認することをおすすめします。また、一点物や少量生産品を主に扱っているため、大量生産品はご依頼できない可能性があります。製品例レーザテクノ静岡の3つの製品例をご紹介します。以下のような、微細かつ複雑な加工を要するモニュメントなどの引き合いが多いようです。まとめいかがでしたでしょうか。静岡県には、一貫体制で請け負っているメーカーが多くあり、各メーカー独自の強みを活かして顧客獲得に結びつけているようです。Mitsuriでは、静岡県に限らず、全国各地の加工メーカー様とお付き合いをさせていただいています。板金加工メーカーにお願いしたい…そんなあなたのために、板金加工のMitsuriが生まれました。板金加工でお悩みであれば、ぜひご相談ください!

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    【イベント】「AI/IoTでささえる、かがやく子どもの未来」から学ぶ、未来創造のための技術活用

    昨今、板金加工やものづくりの現場では、機械化・ロボット化が進んでいます。その中でも、特に注目されており、今後浸透していくと考えられているのが、「AI・IoT」化です。AI・IoTは、既存の産業をますます効率化し、新しいビジネスを生み出す可能性をもっています。人の暮らしそのものを大きく変える、とも言われていますが、「子どもの未来」を輝かしいものにするためには、どのような活用のしかたがあるのでしょうか。今回は、3月25日に開催されたイベント「AI/IoTでささえる、かがやく子どもの未来」のレポートをお届けいたします。AI・IoTとは?AI・IoTとは簡単にいうとどんな技術なのでしょうか。AI(人工知能)は、機械やソフトウェアが人間のような考え方をすることにより「データを分析して活用するもの」、IoTは、物がインターネットを介してつながることで「データを収集するもの」、と言い表すことができます。この二者が連携することで、私たちの生活は想像以上に便利で効率的なものになります。AI・IoTは既存の産業の効率化を促進し、新しいビジネスを生み出し、さらには人の暮らしそのものを大きく変える可能性があるものと言われています。特に、研究機関が多く集まる千葉県柏市では、AI・IoTに関する様々なプレーヤーが最先端の研究・実践を行なっています。AI・IoTと少子高齢化今日の日本が抱える問題の一つに、少子高齢化が挙げられます。少子高齢化は全国共通の課題となっており、「まちづくり」の中心に「子ども」に関するテーマを設定している自治体も数多くあります。そのような地域では、行政のみならず、多くの民間・個人のプレーヤーが様々な活動・サービスを行っていますが、ここにAI・IoTを掛け合わせることで、AI・IoTを活用した最先端の「子どもの未来をかがやかせる」サービスが生まれる可能性があるのではないか、と考えられています。 本イベントの目的今回、柏の葉キャンパスで開催されたイベント「AI/IoTでささえる、かがやく子どもの未来」では、幅広い分野の人々との対話を通してこの可能性を追求し、AI・IoTを活用した「子どもの未来をかがやかせる」新たなサービスを、自由な発想で生み出すことを目的としています。行政や研究機関、一般企業、中小ベンチャー企業など、様々な所属の参加者が集い、「子どもの未来」にフォーカスを当て、情報収集・議論・発表を行いました。会場:柏の葉キャンパス オープンイノベーションラボKOIL引用元:KASHIWA-NO-HA SMART CITY イベントの流れStep1「AI/IoT」に関する最新の状況を理解するStep2「AI/IoT」によって「子どもの未来」がかがやくシーンを描くStep3「子どもの未来」がかがやくシーンを実現する「AI/IoT」を活用したサービスアイデアを考えるStep1:「AI/IoT」に関する最新の状況を理解する(株)ファーストアセントの服部伴之氏と(株)カラダノートの彦坂真依子氏から、現代の子育てにおける育児や産後うつなどの課題解決として、AI・IoTを活用した事例の紹介がありました。彦坂氏は、子育てと最新技術を掛け合わせた取り組みを「子育Tech」と名付け、AI・IoTで実現できることとして、①育児記録の共有・効率化②育児データの情報収集③コミュニケーションの3つを紹介しました。AI・IoTで実現できる子育て支援①育児記録の共有・効率化②育児データの情報収集③コミュニケーションAI・IoTの介入が進んでいる海外の育児状況や、日本の子育て特有の「人の手間ひま=愛情≠技術」という考え方の中で、どのようにAI・IoTを取り入れていくかが課題であるという指摘も挙げられました。この最新の取り組みを導入として、「子どもの未来」がかがやくものになるためのAI・IoTの活用方法について、6つのグループごとにディスカッションを進めました。Step2:「AI/IoT」によって「子どもの未来」がかがやくシーンを描く4~5名の6グループ毎に、「子どもの未来」がかがやくシーンを考えるにあたり、まず「子どもがかがやかない未来とは?」を議題にブレーンストーミングを行いました。「AI・IoTに親が依存してしまい子どもが管理対象になってしまう未来」「子どもが自発的に学ばなくなる未来」「遊びの心がなくなってしまう未来」など、子どもが幼少期に獲得するべきことに対して、無関心になってしまうことや、技術依存が起こることについての意見が多く挙げられました。後半はグループシャッフルを行い、他グループで得られた意見を共有し、より様々な意見について触れる時間が設けられました。特に育児中の参加者からは、「親がかがやかない社会では、子どももかがやけない」など、切実な言葉も聞こえました。 Step3:「子どもの未来」がかがやくシーンを実現する「AI/IoT」を活用したサービスアイデアを考えるStep2でグループごとに洗い出した意見から、代表となるものを2つ掲示して、強く共感する内容に投票し、Step3ではその内容ごとにチーム編成して提案内容を練っていきます。「子どもがかがやかない未来」をもとに、どうすれば「子どもがかがやく未来」が実現するのか、意見を出し合います。例えば、子どもにとって「感動がない未来」を避けるためにはどうすれば良いのか。「生き方の選択肢を知らない未来」にならないためには、どのような提案ができるのか。その議論を元に、課題解決策としてのAI・IoTの活用方法を提案します。各チーム毎に提案内容を一枚の紙にまとめ、全体発表会として最後はプレゼンテーションを行いました。発表では、「個性と共感を育むために、子どもと社会・他の子どもを結びつけるマッチングAI」や、「子どもの選ぶ力・考える力を伸ばすために、『正解』を教えないAI」など、各チーム個性豊かなアイディアが提案されました。また、実現のために必要なリソースについても検討し、実用化に向けて一歩踏み込んだ提案内容になりました。 まとめAI・IoTの活用は、現在の日本が抱える課題を解決するだけでなく、望ましい未来の創造にもつながります。本イベントでは、「子どもの未来」にフォーカスを当て、参加者それぞれが、現代の子どもをとりまく環境や、未来の子供に獲得してほしい体験・感情について考え、技術発展の中でそれらをより良いものにしていく方法を検討しました。今後より一層AI・IoTが身近になる中で、私たちはそれに依存することなく、使い方や使う意図を考えて、望ましい未来のビジョンを描きながら活用していくことが大切なのかもしれません。