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フライス削り

  • 汎用旋盤(普通旋盤)の基礎|旋盤加工の概要、NC旋盤についても併せてご紹介!

    旋盤とは、金属加工で用いられる主要な工作機械の一つです。大根のかつら剥きのように、回転させた素材に刃物を押し当て、不要な部分を取り除き、目的の形状を削り出していく機械のことを指します。旋盤には、コンピュータ制御によるものなど、様々な種類がありますが、手動で操作する汎用旋盤も製品によってはメリットが多く、まだまだ現役で使用されています。そこで、今回の記事では、汎用旋盤の基礎的な知識やメリット・デメリットについて説明していきます。旋盤加工の概要、汎用旋盤のNC旋盤との違いについても併せてご紹介しますので、ぜひご覧ください。汎用旋盤と旋盤加工の概要汎用旋盤は、旋盤加工に用いられる工作機械です。旋盤加工機には、NC旋盤やタレット旋盤など、いくつかの種類がありますが、特に手動で操作する、標準的な構造を持った旋盤のことを汎用旋盤と言います。単に「旋盤」と言う場合には、汎用旋盤を指すことが多く、また汎用旋盤を「普通旋盤」と呼ぶこともあります。旋盤加工は「削る」ことを主眼においた加工旋盤加工とは、材料を削ることで加工を行う切削加工の一種です。回転させた材料に「バイト」と呼ばれる切削工具を当てて材料の一部を削り取り、目的の形状を削り出していく加工方法のことを指します。旋盤加工では、このバイトを加工法に合わせて交換することで様々な形状が加工可能となります。材料の外周を円形や先細形状(テーパ)に加工する、材料に内側からバイトを当てて内径を加工する、溝を掘り進めて材料の一部を切断するなど、専用バイトを使用することで多様な形状を実現することができます。旋盤加工では、回転している材料を削るため、多くの場合材料には円形断面の棒材を用いています。しかし、材料を固定する「チャック」を変えることにより、四角形状の材料や、より歪な形状の材料も加工可能です。なお、下の写真は、4つの爪を持つチャックに四角形状の材料を固定したものです。また、加工後の形状が回転軸に対して対称となるため、完成品の形状も円筒や円錐、皿形といった対称形になります。ただし、材料を脱着するなどして、材料の回転軸を変えて削れば、より複雑な形状に加工することが可能です。汎用旋盤は手動で行う旋盤加工機引用元:機械設計エンジニアの基礎知識旋盤加工に使用される旋盤加工機の中でも、バイトの移動を「手動」で行うのが汎用旋盤です。汎用旋盤では、上図のように、バイトの土台にハンドルやレバーなどが存在し、これらを手動操作することでバイトの位置を決定します。このバイトを動かし、固定位置で回転している材料に当てることで、材料を削っていきます。なお、上図中のバイトの右方にある装置は、「心(芯)押し台」と呼ばれるものです。心押し台により、材料の回転中心を押して支えたり(下図参照)、ドリルやリーマなどを取り付けて穴加工を行ったりすることが可能となります。また、材料の回転中心を決定する「心出し」にも利用可能です。引用元:国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所プログラムを利用するNC旋盤加工機との違い手動で操作する汎用旋盤に対し、予めプログラムした手順通りにバイトを動かし、「自動」で加工していく旋盤加工機がNC旋盤です。NC旋盤では、縦・横・高さの座標軸を設定してバイトの位置を数値に落とし込み、バイトの移動を機械が制御します。本体付属の操作パネルに数値を入力して操作するのが一般的ですが、現在では、コンピュータに接続して操作するNC旋盤もあります。そのようなNC旋盤は、特に「CNC旋盤」と呼ばれます。NC旋盤では、プログラムを設定して材料をセットすれば、旋盤加工を全自動で行うことができます。この点、機械に張り付き、手作業で一つ一つ加工していく汎用旋盤とは異なります。また、加工は機械的に行われるため、作業員の技術や調子に依存することなく、高精度の加工を安定して行うことが可能です。しかし、その一方で、汎用旋盤の場合にはない、事前のプログラム作成という工程が必要となります。そのため、NC旋盤は、特注品の製造には向いておらず、製品のロット数が少ない場合には、汎用旋盤よりも工数や全体としての製造時間が長くなることがあります。また、追加工などへの対応にも、その都度、プログラム作成が必要となることに注意が必要です。とは言え、NC旋盤のプログラム作成には、バイトの送り量や材料への切り込み量、バイト交換のタイミングなど、汎用旋盤において手作業で行っていた全ての作業手順と操作をプログラムに落とし込まなければなりません。そのため、汎用旋盤は、作業者の技術教育のために現在でも重要な機械であり続けています。参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介!汎用旋盤のメリット・デメリット汎用旋盤メリット・試作品や特注品の加工に向いている・変更や修正、追加工が用意・バイト交換時における補正が不要・切り屑の状況や削った感触などが分かる汎用旋盤デメリット・作業者の技術によって作業品質が変わる・作業員が機械に張り付いている必要がある・大量生産に向かない・安全面に注意が必要汎用旋盤のメリット①単品や試作品の加工に向いている汎用旋盤では、NC旋盤では必要なプログラム作成の工程がないので、設計図さえあればすぐに加工を開始することができます。そのため、単品や特注品の加工に向いています。また、製造手順が定まっていなかったり、製作しながら微調整を繰り返したりする試作品の加工にも向いています。汎用旋盤のメリット②変更や修正、追加工が容易汎用旋盤では、一つ一つの加工を全て手作業で行います。そのため、変更があれば、その箇所の加工を変えれば良く、間違いなどがあれば、すぐに修正することができます。その点、NC旋盤を使用する場合には、加工終了までは間違い等を発見するのが難しく、発見しても変更・修正にプログラムの修正が必要となります。追加工についても、追加工用の手順を加えれば良いだけで、容易に対応することができます。一方、NC旋盤では、追加工用のプログラム作成が必要となります。汎用旋盤のメリット③バイト交換時における補正が不要汎用旋盤では、目視しながら加工を行うので、バイトが摩耗した場合でも切り込み量などを調整することで問題なく加工を行うことができます。そのため、バイト交換によって、バイトのサイズが変わった場合でも手動による補正で対応可能です。しかし、NC旋盤を使用する場合には、バイト交換やバイトの摩耗に合わせて、送り量や切り込み量などの補正値をプログラムに反映する必要があります。ただし、最近のNC旋盤では、このバイト交換に必要となる位置確認とプログラムへの補正値反映を自動で行う機能を持つものが多くなっています。そのため、むしろ汎用旋盤において手作業で行う方が実は手間になっているという側面もあります。とは言え、超高精度な製品を製造する上では、このような補正調整作業も高度な技術を持つ作業者の手の感覚には敵わない部分があります。汎用旋盤のメリット④切り屑の状況や削った感触などが分かる機械に張り付き、手作業で加工を行うので、切り屑の状況や削った感触などをリアルタイムに知ることができます。切り屑がバイトなどに絡まった場合でもすぐに分かりますし、削った感触からバイトの状態などを知ることが可能です。そのため、切り屑が絡まった場合には除去する、バイトが切れなくなった場合には交換するなどの対応をすぐに取ることができます。汎用旋盤のデメリット①作業者の技術によって作業品質が変わる手作業で加工を行うため、作業者の技術によって品質や作業スピードに差異が生じてしまいます。汎用旋盤のデメリット②作業員が機械に張り付いている必要がある加工の全行程において作業員の手を必要とするため、その分の工数がかかります。汎用旋盤のデメリット③大量生産に向かない製品一つ一つに対し、加工はもちろん、バイト交換なども全て手作業で行うため、大量生産には向いていません。汎用旋盤のデメリット④安全面に注意が必要汎用旋盤加工の作業員は、常に機械に触っている状態にあります。そのため、作業員の安全面については十分な注意が必要です。重要な注意事項としては、以下のような点が挙げられます。汎用旋盤注意事項・チャックハンドル(材料・工具をチャックに固定するための工具)は付けたままにしない・バイト交換や材料の測定は機械を停止してから行う・材料の固定や工具の取り付けは確実に行う・繊維が引っかかることがあるので、軍手はつけない汎用旋盤で対応できる加工汎用旋盤では、以下のような加工方法に対応することができます。汎用旋盤で対応できる加工外径加工外周に対する加工方法内径加工材料に空いた穴の内周に対する加工方法端面加工材料の端面を削り、全長を短くする加工方法溝入れ加工外周に溝を入れる加工方法突切り加工溝入れ加工の溝を深くしていき、切断する加工方法ねじ切り加工雄ネジや雌ネジのネジ山を成形する加工方法穴あけ加工材料の回転中心に穴を空ける加工方法テーパ加工円錐など円周が変化していく形状の加工方法ローレット加工外周に凹凸を付ける加工方法参考:旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!ただし、ねじ切り加工やテーパ加工を精度良く行うには、バイトの送り速度を一定にする「自動送り」という機能を使用する必要があります。その場合においても、加工形状に合わせた送り速度の計算や調整が必要です。そのため、ねじ切り加工やテーパ加工、また曲面を含む形状の加工には、NC旋盤が向いています。下の写真は、汎用旋盤による加工事例で、外径・内径加工を施した後、内側に70個の溝入れ加工を施したものです。汎用旋盤は、手動で操作する旋盤であり、大量生産には向かない工作機械です。しかし、一点物や試作品の製造を得意としており、まだまだ活躍の場はたくさんあります。また、製作する製品によっては汎用旋盤の取り扱いを得意とする業者にご依頼するのも、製品の複雑性が増し、多品種少量生産が台頭している現在においては、メリットが多いのではないでしょうか。Mitsuriは、日本全国250社以上の業者と提携しています。そのため、お客様のご要望に合わせた業者をご紹介できます。お見積りは複数社から可能です!旋盤加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください。

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    金属加工Webサービス2020年10月版カオスマップ

    製造業業界でも2017年頃から、DX(デジタルトランフォーメーション)が進んでおり、Web上で簡単に加工品の発注や、工場検索・依頼ができる環境が整い始めてきたことで、急速な発展を遂げています。その中でも今回は、金属加工のWebサービスに特化した企業・サービスをまとめてご紹介します。金属加工依頼の目的まず、金属加工依頼や部品調達時の目的は以下の二つに分けれます。1.既に製作された製品が欲しい2.設計案に則った加工品が欲しい製作された部品が欲しい際には、ECサイトの活用が適しています。一方、設計に基づく製品を求める場合には、加工業者に依頼を出すのが一般的です。加工業者例精密金型部品工場関東精密meviy野方電機工業PROTOLABSMETAL SPEEDKabuku Connect株式会社WBIMETALWORKSECサイト一般的にECサイトとは、WEBサイト上で商品・サービスを提示し、販売を行うサイトのことを指します。サイト上に製品の写真や値段が提示され、ユーザーはサイト上の情報を見て、購入の判断を行い、決済をします。今回カオスマップの作成にあたり、ECサイトを特徴ごとに以下の3つに区分しました。ECサイト1.製造業ECサイト2.金属材料ECサイト3.加工対応ECサイト1.製造業ECサイト製造業ECサイトとして区分したサイトの特徴は、製造業の広範囲にわたって必要な製品を販売していることです。サイト内で取り扱っているものは、ネジやブラケット等の金属加工部品に留まらず、化学や医療用の機器等も含まれます。製造業ECサイトMISUMIモノタロウaperza eコマース金属材料ECサイト金属材料のみを販売するサイトを、ここでは金属材料ECサイトとしました。金属材料ECサイト岩崎商店横山テクノMetal-super加工対応ECサイト加工対応ECサイトとは、簡単な加工であればユーザーがある程度寸法や角度を指定することが可能です。設計図を加工業者に提出することなく、サイト上で設計の寸法指定から発注まで全てが対応可能なことが特徴です。加工対応ECサイトE-Metals金属板.com板曲げ.com曲げ加工.com鉄板市場Mitsuri Catalogきりいた.com見積り依頼一般的に、金属加工を加工業者に依頼する際のフローは以下の通りです。①業者に設計図を提出②業者が設計図に対する見積りを回答③発注・製作開始(ユーザーの承認得た後)④発送と納品工場・金属加工業者に直接依頼するほか、後に紹介するマッチングサービスのように仲介者を通して依頼を行う場合もあります。マッチングサービス取引先開拓などで、最適な引き合わせを行うマッチングサービス。Zehitomoや比較Bizは金属加工業者に限らず、幅広い分野の専門家マッチングサービスを提供していることが特徴です。マッチングサービスZehitomo比較Biz金属加工マッチングサービスマッチングサービスの中でも金属加工に特化したものが、「金属加工マッチングサービス」です。先に述べたマッチングサービスとの違いとしては、基本的に加工業者とのやりとりにマッチングサービスの仲介者が存在し、必要に応じてサポートをします。金属加工マッチングサービスIoMファクトリーエージェントものづくりクラウドMitsuriCADDiBtoBデーターベースBtoBデーターベースとは、技術や製品などから会社を検索できるポータルサイトです。加工業者は、BtoBデータベースに製品を掲載したカタログや企業の保有技術などを公開します。一方、ユーザーはデーターベースから製品や加工方法などで検索を行い、目的に合う技術を持つ業者を探すことができます。BtoBデーターベースの多くは金属加工に限らず、製造業全般の業者を探すことが可能です。加工業者を宣伝する場・知る場となるのがBtoBデータベースと言えます。BtoBデータベースイプロスものづくりEMIDASaperza catalogまとめ2020年10月版、金属加工Webサービスカオスマップの詳しい説明でした。本マップは、Catallaxyが作成したもので、ロゴの大きさや配置等、業界規模やシェアとは関係性はありません。本マップ記載のロゴ・サービス名につきましては、各社に掲載許諾を事前に得ていないものもあります。使用上の問題がある場合は、削除・差し替え対応をいたしますので、お手数ですが「 info@catallaxy.me 」までご連絡ください。 カオスマップダウンロード

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    金属板の加工に関して解説!アルミやステンレス等の素材ごとの特徴もご紹介!

    金属板の加工技術は、私たちの生活の中で欠かせないものとなっています。自動車、土木・建築、医療、食品など幅広い分野に利用されているほか、家電機器、産業機器などの部品の製作にもなくてはならない技術です。例えば、家の中を見渡すだけでも、パソコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビなどさまざまな製品に使用されています。今回は、そんな金属板の加工について詳しく解説していきます。特に、金属板に用いられる代表的な素材とその特徴、また代表的な加工方法に関して、一つずつ丁寧にご説明していきます。金属板の加工についてさらに知識を深めたい方や、金属板の加工でお悩みの方は、ぜひご一読ください。金属板の加工について金属板の加工とは、文字通り金属でできた板材を加工することを指します。しかし、一口に金属板の加工と言っても、金属板にどういった材質を用いるのか、またどのような加工を施すのかで、その製品の持つ特徴や用途などが異なってきます。そのため、金属板の加工を用いて製品の設計・製作を行う場合には、素材や加工方法について十分理解した上で行っていくことが非常に重要となります。金属板の種類と用途ここでは、代表的な金属板の材質とその用途について説明していきます。アルミアルミは、比重が鉄や銅の約1/3と軽く、さらに軟らかくて展性も高いことから加工性に優れた金属となっています。また、空気中において酸化皮膜を形成するため、耐食性も有しています。さらにアルミの熱伝導率は鉄の約3倍と、非常に熱を伝えやすい材質です。これらの特徴を活かして、一円硬貨やアルミホイル、アルミ缶、鍋、エンジンのシリンダー、パソコンや家電製品の筐体などさまざまな用途で使用されています。ただし、1円硬貨などを除いて、ほとんどはアルミ合金としての利用となっています。アルミ合金は、その含有されている金属によって次のように分類されており、それぞれ特徴が異なります。アルミ合金の種類・1000番手系(純アルミ):強度は低いが、加工性や熱伝導性に優れる・2000番手系(アルミ-銅合金):強度や切削性に優れるが、やや耐食性に劣る・3000番手系(アルミ-マンガン合金):加工性にはあまり優れないが、高い強度を持つ・4000番手系(アルミ-ケイ素合金):耐摩耗性に優れる・5000番手系(アルミ-マグネシウム合金):強度、耐食性に優れ、さらに溶接性も良好・6000番手系(アルミ-マグネシウム-ケイ素合金):強度、耐食性に優れる・7000番手系(アルミ-亜鉛-マグネシウム合金):アルミ合金の中で最も強度が高いステンレスステンレスは、その表面を覆っている不動態皮膜によって、錆びにくく、耐食性に優れる金属です。その他にも、 耐熱性を有し、加工性、強度においても優れた特性を有しているほか、意匠性にも優れ、メンテナンスが容易であることも大きな特徴です。このような特徴から、建築、土木、家電・精密機器、厨房・家庭用機器、輸送機器、産業機器など非常に幅広い分野で利用されています。特に私たちに身近なものには、洗濯機や冷蔵庫、建物の外装や内装、またゴルフ用品にもステンレスが使用されています。また、ステンレスは、含有する金属及び金属組織の違いから、次のように5種類に分類されます。ステンレスの種類引用元:大同特殊鋼株式会社・マルテンサイト系:非常に硬いが、耐食性には劣る・フェライト系:耐食性は高く、応力腐食割れ(金属材に生じる経年損傷)を起こしにくい・オーステナイト系:耐食性が高く、加工性に優れる・析出硬化系:非常に硬く、耐食性にも優れる・二相系:塩化物(海水など)に対する高い耐食性を持つチタンチタンは、比重が鉄の約半分ととても軽くて、さらに海水中などでも優れた耐食性を発揮します。また、比強度(重量あたりの強度特性)が高く、アルミニウムの約3倍、鉄の約2倍の強度を示します。他にも、無毒性で、生体適合性も良く、人体にやさしい安全な金属です。これらの特徴を活かし、医療・食品の分野や化学工業、建築・土木産業、また航空宇宙産業などで広く用いられています。また、チタン合金は、焼なましの状態でのミクロ組織によって次のように分類されます。チタン合金の種類・純チタン:耐食性及び加工性に優れているが、耐摩耗性に劣る・α合金:低温から高温まで安定した強度を持つ・β合金:冷間加工性・時効硬化性(時間の経過とともに金属が硬化する現象)に優れる・α+β合金:強度が高く、また延性に優れる・耐食合金:耐食性に優れ、高い強度を持つ銅銅は、熱伝導性・電導性・加工性・展延性に優れている金属です。また、銅が酸素に触れると表面に酸化銅の被膜をつくることから、優れた耐食性を持っています。他にも、銅は抗菌作用を持つ金属としても知られています。これらの特徴から、電線や電子機器部品、調理道具や銅像、10円硬貨などに利用されています。銅には合金が存在し、含有する金属によって主に以下の3つに大別されます。銅合金の種類・黄銅(銅-アルミ合金):加工性がよく、意匠性に優れる・洋白(銅-亜鉛-ニッケル合金):耐食性・耐変色性に優れる・青銅(銅-すず合金):展延性に優れ、融点が低い鉄鉄は強度が高く、また優れた加工性を持つことから、古くから私たちの生活の中で欠かせない金属として幅広く用いられてきました。現在は、金属製品の約90%が鉄でできているとも言われています。そのため、自動車、造船、土木・建築、容器・缶、家電機器、産業機械などさまざまな分野で利用されています。また、鉄はその含有する炭素量の違いによって次の3つに分類されます。鉄の種類(カッコ内には炭素含有量を示す)・純鉄(0.02%以下):非常に脆く、軟らかい・鋼(0.02% - 2.1%):炭素含有量によるが、強度、靭性、磁性、耐熱性などに優れる・鋳鉄(2.1% - 6.7%):非常に硬いが、延性や靭性に劣るMitsuriは、これらすべての材質の加工を依頼できる多数のメーカーと提携しています。お気軽にお問い合わせください。金属板の加工法の種類最後に、金属板の各種加工方法について説明していきます。金属板の加工法【レーザー加工】レーザー加工とは、高エネルギー密度のレーザー光を照射し、熱エネルギーによって加工する方法を指します。主に、金属板の穴あけや切断に利用されています。レーザー加工では、加工領域が非常に狭いため、非常に微細な加工を行うことができるほか、高エネルギーのレーザー光を使用することで超硬金属や硬脆材料の加工も可能となります。参考記事こちらの記事では、レーザー加工についてその原理や種類など、さらに詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。⇒【レーザー加工】板金加工におけるレーザー加工について専門家が徹底解説!金属板の加工法【溶接加工】溶接加工とは、2種類以上の金属を接合する金属加工方法のことを指します。主に、金属を局部的に加熱して溶かすことで接合する「融接法」と、加熱した金属に圧力を加えて接合する「圧接法」、母材と違う素材を溶融して接合する「ロウ付法」の3つに大別されます。ただし、細かく溶接方法を分類すると、全部で60種類以上にも及びます。参考記事こちらの記事では、溶接加工の種類について、その特徴を詳しく説明しています。溶接加工についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。⇒ 第1回 溶接加工とは?代表的な種類とメリット・デメリットを解説金属板の加工法【プレス加工】プレス加工とは、被加工材を金型に当て、圧力を加えることで材料を金型の形に変形させる加工方法のことを指します。プレス加工では、一度金型を作成すれば短時間で同じ形のものを生産することが可能なため、低コストで大量に生産する場合に最適です。また、プレス加工では金型に合わせて切断するだけでなく、曲げや絞りなどさまざまな加工を施すことができます。参考記事Mitsuriは、さまざまなプレス加工を依頼できる多数のメーカーと提携しています。以下の記事ではおすすめの工場を紹介していますので、プレス加工でお悩みの方はご一読ください。⇒プレス加工のおすすめ工場5選!!金型製作や微細加工等様々な工場をご紹介金属板の加工法【切削加工】切削加工とは、文字通り工具などを使用して、材料を削って加工する方法を指します。主に切削加工は、加工する工作物を固定して工具を回転させる「転削」と、工作物を回転させる「旋削」とに大別されます。参考記事転削の代表として「フライス加工」、旋削の代表として「旋盤加工」が挙げられます。以下の記事では、それら2つの加工について詳しく解説していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。⇒切削加工の種類【専門家が解説】フライス加工、旋盤加工について詳細をお伝えします!金属板の加工を依頼するならMitsuri今回は、金属板の加工をテーマにその代表的な素材や加工方法についてご説明しましたが、いかがでしたか。金属板の素材、またその加工方法の種類は多岐に渡り、そのそれぞれが異なった特徴を持っています。そのため、金属板の加工を行う場合には、素材や加工方法の選択が非常に重要となります。また、メーカーに加工を依頼する際にも、金属板の素材や加工方法に関する基本的な知識を持っていると、より話が進みやすくなるでしょう。金属板の加工メーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。

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    【協力工場130社以上】アルミ加工でお困りならMitsuriにお任せください!個人の依頼案件も対応します!

    軽量でありながら高強度を誇ることで、身近な製品にさまざまな用途で用いられるアルミニウム。鉄などに比べて比較的加工の容易な材ですが、特に初めて加工を依頼する際などのアルミ加工業者選びは難しいものです。「アルミ材の切断、曲げ、抜き、溶接、切削などの加工を依頼したいけれど、初めてでどこに頼めばいいかわからない……」「他の工場で断られてしまって、依頼先に困っている……」探す中で、こんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。その他にも、「小ロットでの発注を断られてしまった……」といったお悩みや、あるいは「いつも依頼している工場に小ロットで発注するのが申し訳ない……」とお悩みの方もいるでしょう。小ロットの加工依頼をするならMitsuri小ロットの加工依頼をするならぜひ、Mitsuriにお任せください!Mitsuriなら、全国の協力工場に、簡単に見積もり依頼を出すことができます。協力工場は全国に140社あり、小ロットでの加工依頼をOKとしている工場に絞って見積もりすることも可能です。さらにMitsuriには多数の加工実績があるため、安心して依頼できるんです。「小ロットの依頼をするのが気が引けてしまって…」「普段の取引先には小ロットの発注は頼みづらい…」等小ロットの加工依頼でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください!見積もり依頼をする(無料)Mitsuriで依頼できるアルミ加工の種類①切断加工レーザー切断機、シャーリング、タップ、タレパン、カッターやソーなどのアルミ切断機を使用して、材を高速・高精度にカットします。切断は、その後の工程に大きく影響し、最終的な製品の仕上がり・精度にも関わる重要な加工工程です。特にアルミはバリや反りが発生しやすいため、高精度なカットが求められます。Mitsuriでは、高速・高精度な切断加工が可能です。小サイズの切り出し、溝部分の難加工など、あらゆるシーンで正確な切断を実現します。切断加工についてはこちら【板金加工 切断】せん断やシャー切断などの切断加工を専門家が解説!②曲げ加工アルミ板金における曲げ加工では、ベンダー(折り曲げ機)を使用して直線的に折り曲げ加工を施すほか、R曲げ、V曲げ、Z曲げ、ヘミング曲げ、ロール曲げといったあらゆる曲げを、発注に応じて使い分けます。特に小ロットでの発注の場合など、金型を用いず、叩いて成型する曲げ加工を採用することもあります。アルミ材は、曲げやすいからこそ、精密な曲げ加工には熟練の技術と適切な加工が必須です。一度断られてしまった難加工も、Mitsuriにぜひお任せください。曲げ加工についてはこちら【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!!③溶接MAG溶接やTIG溶接といった一般的なシールドガスアーク溶接に加え、スポット溶接やレーザー溶接、抵抗溶接などあらゆる加工法を駆使して材を溶接します。またアルミ材の場合は、比較的低温で溶着可能なろう付けが用いられることも多いです。溶接加工は機械化が進んでいるものの、アルミ溶接において最後の仕上がりを左右するのはやはり人の経験と技術です。溶融点の低いアルミは、溶接するうちにどうしても歪みが発生してしまいます。また、厚みや求められる強度などによっても注意すべきポイントが異なるのですが、そんな微妙な作業の使い分けを行える職人が、Mitsuriの協力工場には揃っています。溶接についてはこちら溶接方法について専門家が解説!【協力工場130社以上】溶接でお困りならMitsuri!④切削切削加工は大きく分けて、固定した材に対して機械を回転させて切削するフライス加工と、材を回転させる旋削加工に分けられます。フライス加工は材の表面加工に適しており、アルミの場合は特に鏡面仕上げなどを施す加工がこれに当たります。そのほかにも、穴あけや溝削りといったさまざまな加工が可能です。旋削加工では、パイプ状に加工した材にテーパ加工を施したり、中ぐり、ねじ切り、突切りといった加工を行うことができます。アルミはその他の金属と比較して溶融点が低いうえに延性が大きいため、バリが発生しやすいのが難点です。対策として、良質な工具の選定が欠かせないほか、必要に応じてクーラントを使用するなどノウハウが求められます。そんな切削加工も、Mitsuriにぜひお任せください!切削加工についてはこちら【切削加工】切削加工の方法や特徴・種類を動画を交えてご紹介!!見積もり依頼をする(無料)アルミ加工の難しさアルミ加工の中でも特に溶接加工は技術を要します。その理由は、アルミの融点にあります。鉄やステンレスの融点は1,000℃以上ありますが、一方アルミの融点は660.3℃と低いです。さらに、アルミは融点を超えた後、液体化するため、溶けたアルミが付着するのに注意して溶接作業を進める必要があります。アルミ加工実績引用:有限会社 相和シボリ工業(170Φ×120Φ×560H・へら絞り加工)引用:有限会社 相和シボリ工業(20Φ×28Φ×90H・パイプ加工)引用:多摩電子株式会社引用:布施金属工業株式会社(曲げ加工・溶接・仕上げ)見積もり依頼をする(無料)おすすめアルミ加工業者5選株式会社大盛基本情報埼玉県戸田市新曽南3-13-10TEL:048-444-0800/FAX:048-444-0842 創業年:昭和51年11月6日加工:アルミ加工、切削加工、切断加工素材:アルミ、その他非鉄金属HP:http://www.taisei-al.co.jp株式会社大盛は、アルミのマシニングセンターによる精密機械部品加工を行っています。特に、加工機械に力を入れているので、緊急の案件にも対応しやすい環境を整えています。そのため、他の工場で、この図面では製作が難しいと言われてしまった案件や、短納期の案件でお困りの際におすすめです。メリット株式会社大盛は、マシニングセンタなどの設備を導入しているので、加工に応用が効きやすく、対応できる幅が広い加工業者です。また、不良率が低いことも株式会社大盛の強みです。不良率が低いことを維持するために、設備の稼働状況に細心の注意を払っていたり、検査の際にはマイクロなどで寸法を検査することを大切にしています。メタルスピード基本情報大阪市東成区東今里2-8-12TEL:06-6976-3326/FAX:06-6976-9758創業年:昭和15年5月5日加工:フライス・マシニング加工、板金加工、NC旋盤加工素材:アルミ、鉄、ステンレス、銅、真鍮等HP:http://www.metal-speed.comメタルスピードは、良品率99.84%、納期厳守率99.86%(2018年1月時点)のとてもクリーンな会社です。また、製造コスト削減のために、ITの力を使って70年間の技術をデータベース化しています。メタルスピードが低価格で製造できるのは、この熟練工データベースのおかげです。メリットメタルスピードのメリットはなんといってもスピーディーな見積り対応。見積依頼からなんと2時間以内の回答を行っております。見積りが早いだけではなく、その後の打ち合わせや納品に至るまで、スピード感をもって対応します。製品例(治具:A5052)(アーム:A7075)株式会社シモノ基本情報石川県能美市浜開発町丙53-1TEL:0761-55-0139/FAX:0761-55-1030 創業年:昭和6年6月加工:アルミ加工素材:アルミ、その他非鉄金属HP:http://e-shimono.jp/株式会社シモノは、医療アルミ器具や食品加工機械アルミ部品の製造をはじめとする石川県の加工メーカーです。メリット株式会社シモノは、アルミ加工に注力し、常にアルミ加工の製造のために最新の設備を導入しているため、高い品質と短納期を実現できています。また、高い品質を要求される医療や食品加工用部品の製造を行っているほど、精密機械加工に確かな実績があります。有限会社城山精機製作所基本情報東京都板橋区高島平9-16-10TEL/FAX:048-421-5134創業年:昭和34年4月加工:アルミ加工、アルミ鋳物、金属加工、鉄加工素材:アルミ、鉄等HP:http://www.shiroyama-seiki.co.jp/城山精機製作所は、創業当初からアルミ加工、アルミ鋳物、鉄加工、ステンレス加工と幅広く受けていましたが、その中でもアルミ加工に注力している製作所です。メリット城山精機製作所は、中でも治具製作に力を入れています。設計はもちろんですが、設計の前の構想から城山精機製作所に入ってもらえます。治具製作をしてもらえることで、品質の向上やコスト削減に繋がります。製品例(医療部品:アルミ)(航空部品:アルミ)ニッカル商工基本情報東京都大田区東糀谷1-8-19TEL:0120-163-256/FAX:03-5735-2971 創業年:平成元年3月29日加工:アルミ加工(溶接、塗装、鋳物)、板金加工素材:アルミ、ステンレス等HP:https://nikkal.net/ニッカル商工は、1957年に日本で最初のアルミ製の平棒や角棒、パイプなどの押出材の在庫販売を行っていた会社で、現在はアルミの素材および加工品の販売を行っています。ニッカル商工のホームページ内にフリーダイヤルを用意していたり、24h対応可能のチャットを用意していたり、押出加工用の別ページを用意していたりと非常に依頼がしやすい環境が整っています。メリットニッカル商工は、試作・量産問わず対応が可能です。そして、長年培ってきたアルミ加工のノウハウを生かし、アルミコンシェルジュというアルミ加工の相談に乗っていただける人がいます。そのアルミコンシェルジュがご依頼者のニーズに合った加工を提案することが可能です。また、決済については、銀行振込やクレジット決済に加えて、手続きなしで請求書で掛け払いができる決済サービスも導入しており、依頼者のために利便性の向上を図っています。アルミ 加工を依頼するなら【アルミ加工のMitsuri】アルミ加工を依頼するなら、ぜひ技術と経験を備えた熟練の工場に依頼しましょう。Mitsuriでは、企業のご依頼だけでなく、個人での発注・見積もりにも対応しています。1個から、といった小ロットや試作のご依頼も大歓迎です!そして日本全国各地、どこからでもご相談可能です。アルミ加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください!小ロットの加工依頼をするならMitsuri小ロットの加工依頼をするならぜひ、Mitsuriにお任せください!Mitsuriなら、全国の協力工場に、簡単に見積もり依頼を出すことができます。協力工場は全国に140社あり、小ロットでの加工依頼をOKとしている工場に絞って見積もりすることも可能です。さらにMitsuriには多数の加工実績があるため、安心して依頼できるんです。「小ロットの依頼をするのが気が引けてしまって…」「普段の取引先には小ロットの発注は頼みづらい…」等小ロットの加工依頼でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください!見積もり依頼をする(無料)

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    ステンレス耐熱温度を種類別に専門家が解説!

    鉄より錆びにくく、耐食性が高いことから多くの現場で使用されているステンレス。ステンレスの加工を行う際には、その素材がどれだけの温度に耐えられるかどうかを知ることが大切です。ステンレスにも種類があり、それぞれ耐熱温度が異なります。ステンレスの種類に応じて向き不向きがあるため、事前に耐熱温度を知っておくと失敗のない素材選びをすることにつながります。今回は、各種ステンレスの耐熱温度と、それに関連したステンレスの特徴についてご紹介します。ステンレス耐熱温度ステンレスとは、英語表記の「stainless steel」をそのまま日本語として転用したものです。直訳すると錆びない鉄鋼となりますが、実際には錆びにくい鉄鋼という理解が正しくなります。SUHと略される耐熱鋼と違い、ステンレス(SUS)はあくまで常温の環境下における耐食性を高めることを目的として作られています。そのため、ステンレスは特別な耐熱性を持ち合わせているわけではありません。とはいえステンレスの一般的な耐熱温度は700℃~800℃。とりわけ900℃以上の環境で使用されることはありません。最低でも500℃前後は保障されていますので、一般的な利用範囲内でしたら安心です。ここでは各種ステンレスの耐熱温度をご紹介します。金属の耐熱性は様々な面から考察されるものですが、この記事における「耐熱温度」とは、高温下(700℃~800℃)における金属の引っ張り強さとします。オーステナイト系オーステナイト系とは、比較的加工がしやすく、耐食性にも優れたバランスの取れたステンレスです。通常の鉄鋼に加え、耐食性を持たせるクロムと金属組成を安定させるためのニッケルを含んでいます。幅広い耐食性を持っていることから、雨風にさらされる製品の素材として利用されることが多いです。具体的には、バネ、ベルトコンベア、プラント、工業炉などです。耐熱温度ですが、600℃あたりまではフェライト系とマルテンサイト系の中間程度の強度ですが、600℃以上では他のステンレスと比較して最も耐久性があります。参考:オーステナイト系ステンレス鋼の基礎知識まとめフェライト系フェライト系とは、ニッケルを含んでいないことが特徴のステンレスです。ニッケルが含まれていないことから金属の表面を保護する膜が形成されず、耐食性や強度は他のステンレスに劣るものの、その分廉価で制作することができます。それでもステンレスとしての最低限の耐食性は備えているため、キッチン用品をはじめとして幅広い用途で利用されています。具体的には、家電部品、ボルト・ナット、食品機器、自転車リムなどです。強い磁性を持っていることが特徴で、磁石にくっつくかどうかで素材を判別することがあります。こちらの耐熱性についてですが、300℃~400℃付近での耐熱性が比較的高めなものの、500℃以上で急激な低下が起こります。参考:フェライト系ステンレス鋼の基礎知識まとめマルテンサイト系マルテンサイト系とは、後から再度焼入れをすることで強度を増すことができる特徴を持つ種類です。ステンレスの中では炭素の含有量が多く、クロムが少なめの構成です。そのため他のステンレスに比べ強度を意識した組成となっており、耐食性よりも強度を重視したい製品で多く利用されます。具体的には、刃物、バルブ、ブレーキ、ベアリング、タービンブレードなどです。耐熱温度については、500℃までは他のステンレスに比べ高強度ですが、それ以上の温度になると耐熱性は急激に低下します。参考:マルテンサイト系ステンレス鋼の基礎知識まとめ析出硬化系析出硬化系とは、焼戻しの処理を施すことでより硬度を増したステンレスの種類です。通常のステンレスで用いる炭化物の代わりに、金属間化合物を使用していることが特徴で、他のステンレスに比べ製造に必要な工程が多くなるため価格が高くなってしまいます。ただし、その分性能が高く、高級な製品の素材として利用されることが多いです。具体的には、シャフト、タービン、スプリング、計器部品などに利用されます。常温帯(主に550℃以下)を想定して作られた素材のため、他のステンレスと比べ耐熱温度は低めになっています。具体的には、500℃までは高い強度を示すものの、それ以上になると急激に低下します。参考:析出硬化系ステンレス鋼の基礎知識まとめMitsuriでは、日本全国に250社以上の協力企業がございます。そのため、ご要望に合わせて適切な工場をご紹介することができます。ステンレスの耐熱温度でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください。その他ステンレスの特徴についてここでは、改めてステンレスがどのような金属かを説明すると共に、耐熱性以外のステンレスの特徴についてご紹介します。日本工業規格(JIS)では、鉄に10.5%以上のクロムを添加しており、かつ炭素の含有量が1.2%以下の鉄鋼をステンレス鋼と定義しています。クロムを添加する目的は、錆に強くすることです。クロムを添加することで不動態皮膜という金属を保護する薄い膜が表面上に現れます。この膜があることで、金属を錆から守ってくれます。ただし、錆に強いといっても特定の状況下では膜がはがれることがありますので、完全に錆びないわけではありません。不動態皮膜は傷ついても、クロムと周囲の酸素が結合して、ある程度は修復されます。完全ではないとはいえ、錆に対する強さと再生力がステンレスの一番の強みです。また、ステンレスは他の金属に比べ熱伝導率が低いという特徴があります。ステンレス協会のホームページによると、同じ条件下で熱伝導率を比較した際に、銀は4.12 (W/m・℃)×10-2、銅は3.71 (W/m・℃)×10-2、アルミニウムは1.95 (W/m・℃)×10-2、ステンレスは0.26~0.16 (W/m・℃)×10-2の数値を出したとのことです。この熱伝導率の低さと耐食性が組み合わさることにより、ステンレスの使用用途に幅が生まれます。熱伝導率の比較ステンレス…0.26~0.16 (W/m・℃)×10-2銀…4.12 (W/m・℃)×10-2銅…3.71 (W/m・℃)×10-2アルミニウム…1.95 (W/m・℃)×10-2たとえば、フライパンの焼き面を鉄、取っ手の部分をステンレスにすることにより、熱が焼き面に熱が伝わりやすくしつつも、取っ手まで熱が伝わりにくいように工夫することができるのです。それだけではありません。ステンレスは、加工がしやすく、安く生産できるため、多くの製品に使用しやすいメリットがあります。具体的には、土木工事で使用される基礎組み、包丁や鍋などのキッチン用品、冷蔵庫や洗濯機などの家電類、バネ等の工業用品などがあげられます。リサイクルしやすいこともステンレスのメリットです。ステンレスをリサイクルする際にはスクラップとして回収されるのですが、そのスクラップは錆びにくく、種類の判断が簡単で、スクラップ素材としての価値が高く、リサイクルの手順がシンプルです。そのため、再利用がしやすいという点を考慮するとステンレスは比較的環境にやさしい素材だと言えます。ステンレスは、業者による買取も行っています。ボルトやナット、ゲームセンターのメダル、浴槽やかご、流し台など、ステンレスでできている製品であれば業者に引き取ってもらうこともおすすめです。他にも、表面仕上げの方法が豊富なこともステンレスの大きな特徴です。ステンレスは多くの表面仕上げの方法があり、用途や顧客の希望に応じて柔軟に表面仕上げをすることができます。具体的には、光沢を出すか出さないか、仕上がりの目が粗くするのか、細かくするのか、反射率を高くするのか、低くするのかといった調節が可能です。参考:【ステンレス加工】ステンレスの加工方法や加工実績につい徹底解説!!ステンレスの耐熱温度まとめ今回は、耐熱温度を中心としたステンレスの特徴についてご紹介しました。ステンレスは耐熱性に優れているだけでなく、耐食性、リサイクルのしやすさなど多くの利点を持っています。ただしそれぞれの製品に応じて向いている素材は異なるため、ステンレス製の加工製品を利用する場合には用途に合わせて素材を使い分けることが大切です。Mitsuriでは、日本全国に250社以上の協力企業があるため、ご要望に合わせて適切な工場をご紹介することができます。ステンレスでお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください。

  • 汎用旋盤(普通旋盤)の基礎|旋盤加工の概要、NC旋盤についても併せてご紹介!

    旋盤とは、金属加工で用いられる主要な工作機械の一つです。大根のかつら剥きのように、回転させた素材に刃物を押し当て、不要な部分を取り除き、目的の形状を削り出していく機械のことを指します。旋盤には、コンピュータ制御によるものなど、様々な種類がありますが、手動で操作する汎用旋盤も製品によってはメリットが多く、まだまだ現役で使用されています。そこで、今回の記事では、汎用旋盤の基礎的な知識やメリット・デメリットについて説明していきます。旋盤加工の概要、汎用旋盤のNC旋盤との違いについても併せてご紹介しますので、ぜひご覧ください。汎用旋盤と旋盤加工の概要汎用旋盤は、旋盤加工に用いられる工作機械です。旋盤加工機には、NC旋盤やタレット旋盤など、いくつかの種類がありますが、特に手動で操作する、標準的な構造を持った旋盤のことを汎用旋盤と言います。単に「旋盤」と言う場合には、汎用旋盤を指すことが多く、また汎用旋盤を「普通旋盤」と呼ぶこともあります。旋盤加工は「削る」ことを主眼においた加工旋盤加工とは、材料を削ることで加工を行う切削加工の一種です。回転させた材料に「バイト」と呼ばれる切削工具を当てて材料の一部を削り取り、目的の形状を削り出していく加工方法のことを指します。旋盤加工では、このバイトを加工法に合わせて交換することで様々な形状が加工可能となります。材料の外周を円形や先細形状(テーパ)に加工する、材料に内側からバイトを当てて内径を加工する、溝を掘り進めて材料の一部を切断するなど、専用バイトを使用することで多様な形状を実現することができます。旋盤加工では、回転している材料を削るため、多くの場合材料には円形断面の棒材を用いています。しかし、材料を固定する「チャック」を変えることにより、四角形状の材料や、より歪な形状の材料も加工可能です。なお、下の写真は、4つの爪を持つチャックに四角形状の材料を固定したものです。また、加工後の形状が回転軸に対して対称となるため、完成品の形状も円筒や円錐、皿形といった対称形になります。ただし、材料を脱着するなどして、材料の回転軸を変えて削れば、より複雑な形状に加工することが可能です。汎用旋盤は手動で行う旋盤加工機引用元:機械設計エンジニアの基礎知識旋盤加工に使用される旋盤加工機の中でも、バイトの移動を「手動」で行うのが汎用旋盤です。汎用旋盤では、上図のように、バイトの土台にハンドルやレバーなどが存在し、これらを手動操作することでバイトの位置を決定します。このバイトを動かし、固定位置で回転している材料に当てることで、材料を削っていきます。なお、上図中のバイトの右方にある装置は、「心(芯)押し台」と呼ばれるものです。心押し台により、材料の回転中心を押して支えたり(下図参照)、ドリルやリーマなどを取り付けて穴加工を行ったりすることが可能となります。また、材料の回転中心を決定する「心出し」にも利用可能です。引用元:国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所プログラムを利用するNC旋盤加工機との違い手動で操作する汎用旋盤に対し、予めプログラムした手順通りにバイトを動かし、「自動」で加工していく旋盤加工機がNC旋盤です。NC旋盤では、縦・横・高さの座標軸を設定してバイトの位置を数値に落とし込み、バイトの移動を機械が制御します。本体付属の操作パネルに数値を入力して操作するのが一般的ですが、現在では、コンピュータに接続して操作するNC旋盤もあります。そのようなNC旋盤は、特に「CNC旋盤」と呼ばれます。NC旋盤では、プログラムを設定して材料をセットすれば、旋盤加工を全自動で行うことができます。この点、機械に張り付き、手作業で一つ一つ加工していく汎用旋盤とは異なります。また、加工は機械的に行われるため、作業員の技術や調子に依存することなく、高精度の加工を安定して行うことが可能です。しかし、その一方で、汎用旋盤の場合にはない、事前のプログラム作成という工程が必要となります。そのため、NC旋盤は、特注品の製造には向いておらず、製品のロット数が少ない場合には、汎用旋盤よりも工数や全体としての製造時間が長くなることがあります。また、追加工などへの対応にも、その都度、プログラム作成が必要となることに注意が必要です。とは言え、NC旋盤のプログラム作成には、バイトの送り量や材料への切り込み量、バイト交換のタイミングなど、汎用旋盤において手作業で行っていた全ての作業手順と操作をプログラムに落とし込まなければなりません。そのため、汎用旋盤は、作業者の技術教育のために現在でも重要な機械であり続けています。参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介!汎用旋盤のメリット・デメリット汎用旋盤メリット・試作品や特注品の加工に向いている・変更や修正、追加工が用意・バイト交換時における補正が不要・切り屑の状況や削った感触などが分かる汎用旋盤デメリット・作業者の技術によって作業品質が変わる・作業員が機械に張り付いている必要がある・大量生産に向かない・安全面に注意が必要汎用旋盤のメリット①単品や試作品の加工に向いている汎用旋盤では、NC旋盤では必要なプログラム作成の工程がないので、設計図さえあればすぐに加工を開始することができます。そのため、単品や特注品の加工に向いています。また、製造手順が定まっていなかったり、製作しながら微調整を繰り返したりする試作品の加工にも向いています。汎用旋盤のメリット②変更や修正、追加工が容易汎用旋盤では、一つ一つの加工を全て手作業で行います。そのため、変更があれば、その箇所の加工を変えれば良く、間違いなどがあれば、すぐに修正することができます。その点、NC旋盤を使用する場合には、加工終了までは間違い等を発見するのが難しく、発見しても変更・修正にプログラムの修正が必要となります。追加工についても、追加工用の手順を加えれば良いだけで、容易に対応することができます。一方、NC旋盤では、追加工用のプログラム作成が必要となります。汎用旋盤のメリット③バイト交換時における補正が不要汎用旋盤では、目視しながら加工を行うので、バイトが摩耗した場合でも切り込み量などを調整することで問題なく加工を行うことができます。そのため、バイト交換によって、バイトのサイズが変わった場合でも手動による補正で対応可能です。しかし、NC旋盤を使用する場合には、バイト交換やバイトの摩耗に合わせて、送り量や切り込み量などの補正値をプログラムに反映する必要があります。ただし、最近のNC旋盤では、このバイト交換に必要となる位置確認とプログラムへの補正値反映を自動で行う機能を持つものが多くなっています。そのため、むしろ汎用旋盤において手作業で行う方が実は手間になっているという側面もあります。とは言え、超高精度な製品を製造する上では、このような補正調整作業も高度な技術を持つ作業者の手の感覚には敵わない部分があります。汎用旋盤のメリット④切り屑の状況や削った感触などが分かる機械に張り付き、手作業で加工を行うので、切り屑の状況や削った感触などをリアルタイムに知ることができます。切り屑がバイトなどに絡まった場合でもすぐに分かりますし、削った感触からバイトの状態などを知ることが可能です。そのため、切り屑が絡まった場合には除去する、バイトが切れなくなった場合には交換するなどの対応をすぐに取ることができます。汎用旋盤のデメリット①作業者の技術によって作業品質が変わる手作業で加工を行うため、作業者の技術によって品質や作業スピードに差異が生じてしまいます。汎用旋盤のデメリット②作業員が機械に張り付いている必要がある加工の全行程において作業員の手を必要とするため、その分の工数がかかります。汎用旋盤のデメリット③大量生産に向かない製品一つ一つに対し、加工はもちろん、バイト交換なども全て手作業で行うため、大量生産には向いていません。汎用旋盤のデメリット④安全面に注意が必要汎用旋盤加工の作業員は、常に機械に触っている状態にあります。そのため、作業員の安全面については十分な注意が必要です。重要な注意事項としては、以下のような点が挙げられます。汎用旋盤注意事項・チャックハンドル(材料・工具をチャックに固定するための工具)は付けたままにしない・バイト交換や材料の測定は機械を停止してから行う・材料の固定や工具の取り付けは確実に行う・繊維が引っかかることがあるので、軍手はつけない汎用旋盤で対応できる加工汎用旋盤では、以下のような加工方法に対応することができます。汎用旋盤で対応できる加工外径加工外周に対する加工方法内径加工材料に空いた穴の内周に対する加工方法端面加工材料の端面を削り、全長を短くする加工方法溝入れ加工外周に溝を入れる加工方法突切り加工溝入れ加工の溝を深くしていき、切断する加工方法ねじ切り加工雄ネジや雌ネジのネジ山を成形する加工方法穴あけ加工材料の回転中心に穴を空ける加工方法テーパ加工円錐など円周が変化していく形状の加工方法ローレット加工外周に凹凸を付ける加工方法参考:旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!ただし、ねじ切り加工やテーパ加工を精度良く行うには、バイトの送り速度を一定にする「自動送り」という機能を使用する必要があります。その場合においても、加工形状に合わせた送り速度の計算や調整が必要です。そのため、ねじ切り加工やテーパ加工、また曲面を含む形状の加工には、NC旋盤が向いています。下の写真は、汎用旋盤による加工事例で、外径・内径加工を施した後、内側に70個の溝入れ加工を施したものです。汎用旋盤は、手動で操作する旋盤であり、大量生産には向かない工作機械です。しかし、一点物や試作品の製造を得意としており、まだまだ活躍の場はたくさんあります。また、製作する製品によっては汎用旋盤の取り扱いを得意とする業者にご依頼するのも、製品の複雑性が増し、多品種少量生産が台頭している現在においては、メリットが多いのではないでしょうか。Mitsuriは、日本全国250社以上の業者と提携しています。そのため、お客様のご要望に合わせた業者をご紹介できます。お見積りは複数社から可能です!旋盤加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください。

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    金属加工Webサービス2020年10月版カオスマップ

    製造業業界でも2017年頃から、DX(デジタルトランフォーメーション)が進んでおり、Web上で簡単に加工品の発注や、工場検索・依頼ができる環境が整い始めてきたことで、急速な発展を遂げています。その中でも今回は、金属加工のWebサービスに特化した企業・サービスをまとめてご紹介します。金属加工依頼の目的まず、金属加工依頼や部品調達時の目的は以下の二つに分けれます。1.既に製作された製品が欲しい2.設計案に則った加工品が欲しい製作された部品が欲しい際には、ECサイトの活用が適しています。一方、設計に基づく製品を求める場合には、加工業者に依頼を出すのが一般的です。加工業者例精密金型部品工場関東精密meviy野方電機工業PROTOLABSMETAL SPEEDKabuku Connect株式会社WBIMETALWORKSECサイト一般的にECサイトとは、WEBサイト上で商品・サービスを提示し、販売を行うサイトのことを指します。サイト上に製品の写真や値段が提示され、ユーザーはサイト上の情報を見て、購入の判断を行い、決済をします。今回カオスマップの作成にあたり、ECサイトを特徴ごとに以下の3つに区分しました。ECサイト1.製造業ECサイト2.金属材料ECサイト3.加工対応ECサイト1.製造業ECサイト製造業ECサイトとして区分したサイトの特徴は、製造業の広範囲にわたって必要な製品を販売していることです。サイト内で取り扱っているものは、ネジやブラケット等の金属加工部品に留まらず、化学や医療用の機器等も含まれます。製造業ECサイトMISUMIモノタロウaperza eコマース金属材料ECサイト金属材料のみを販売するサイトを、ここでは金属材料ECサイトとしました。金属材料ECサイト岩崎商店横山テクノMetal-super加工対応ECサイト加工対応ECサイトとは、簡単な加工であればユーザーがある程度寸法や角度を指定することが可能です。設計図を加工業者に提出することなく、サイト上で設計の寸法指定から発注まで全てが対応可能なことが特徴です。加工対応ECサイトE-Metals金属板.com板曲げ.com曲げ加工.com鉄板市場Mitsuri Catalogきりいた.com見積り依頼一般的に、金属加工を加工業者に依頼する際のフローは以下の通りです。①業者に設計図を提出②業者が設計図に対する見積りを回答③発注・製作開始(ユーザーの承認得た後)④発送と納品工場・金属加工業者に直接依頼するほか、後に紹介するマッチングサービスのように仲介者を通して依頼を行う場合もあります。マッチングサービス取引先開拓などで、最適な引き合わせを行うマッチングサービス。Zehitomoや比較Bizは金属加工業者に限らず、幅広い分野の専門家マッチングサービスを提供していることが特徴です。マッチングサービスZehitomo比較Biz金属加工マッチングサービスマッチングサービスの中でも金属加工に特化したものが、「金属加工マッチングサービス」です。先に述べたマッチングサービスとの違いとしては、基本的に加工業者とのやりとりにマッチングサービスの仲介者が存在し、必要に応じてサポートをします。金属加工マッチングサービスIoMファクトリーエージェントものづくりクラウドMitsuriCADDiBtoBデーターベースBtoBデーターベースとは、技術や製品などから会社を検索できるポータルサイトです。加工業者は、BtoBデータベースに製品を掲載したカタログや企業の保有技術などを公開します。一方、ユーザーはデーターベースから製品や加工方法などで検索を行い、目的に合う技術を持つ業者を探すことができます。BtoBデーターベースの多くは金属加工に限らず、製造業全般の業者を探すことが可能です。加工業者を宣伝する場・知る場となるのがBtoBデータベースと言えます。BtoBデータベースイプロスものづくりEMIDASaperza catalogまとめ2020年10月版、金属加工Webサービスカオスマップの詳しい説明でした。本マップは、Catallaxyが作成したもので、ロゴの大きさや配置等、業界規模やシェアとは関係性はありません。本マップ記載のロゴ・サービス名につきましては、各社に掲載許諾を事前に得ていないものもあります。使用上の問題がある場合は、削除・差し替え対応をいたしますので、お手数ですが「 info@catallaxy.me 」までご連絡ください。 カオスマップダウンロード

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    金属板の加工に関して解説!アルミやステンレス等の素材ごとの特徴もご紹介!

    金属板の加工技術は、私たちの生活の中で欠かせないものとなっています。自動車、土木・建築、医療、食品など幅広い分野に利用されているほか、家電機器、産業機器などの部品の製作にもなくてはならない技術です。例えば、家の中を見渡すだけでも、パソコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビなどさまざまな製品に使用されています。今回は、そんな金属板の加工について詳しく解説していきます。特に、金属板に用いられる代表的な素材とその特徴、また代表的な加工方法に関して、一つずつ丁寧にご説明していきます。金属板の加工についてさらに知識を深めたい方や、金属板の加工でお悩みの方は、ぜひご一読ください。金属板の加工について金属板の加工とは、文字通り金属でできた板材を加工することを指します。しかし、一口に金属板の加工と言っても、金属板にどういった材質を用いるのか、またどのような加工を施すのかで、その製品の持つ特徴や用途などが異なってきます。そのため、金属板の加工を用いて製品の設計・製作を行う場合には、素材や加工方法について十分理解した上で行っていくことが非常に重要となります。金属板の種類と用途ここでは、代表的な金属板の材質とその用途について説明していきます。アルミアルミは、比重が鉄や銅の約1/3と軽く、さらに軟らかくて展性も高いことから加工性に優れた金属となっています。また、空気中において酸化皮膜を形成するため、耐食性も有しています。さらにアルミの熱伝導率は鉄の約3倍と、非常に熱を伝えやすい材質です。これらの特徴を活かして、一円硬貨やアルミホイル、アルミ缶、鍋、エンジンのシリンダー、パソコンや家電製品の筐体などさまざまな用途で使用されています。ただし、1円硬貨などを除いて、ほとんどはアルミ合金としての利用となっています。アルミ合金は、その含有されている金属によって次のように分類されており、それぞれ特徴が異なります。アルミ合金の種類・1000番手系(純アルミ):強度は低いが、加工性や熱伝導性に優れる・2000番手系(アルミ-銅合金):強度や切削性に優れるが、やや耐食性に劣る・3000番手系(アルミ-マンガン合金):加工性にはあまり優れないが、高い強度を持つ・4000番手系(アルミ-ケイ素合金):耐摩耗性に優れる・5000番手系(アルミ-マグネシウム合金):強度、耐食性に優れ、さらに溶接性も良好・6000番手系(アルミ-マグネシウム-ケイ素合金):強度、耐食性に優れる・7000番手系(アルミ-亜鉛-マグネシウム合金):アルミ合金の中で最も強度が高いステンレスステンレスは、その表面を覆っている不動態皮膜によって、錆びにくく、耐食性に優れる金属です。その他にも、 耐熱性を有し、加工性、強度においても優れた特性を有しているほか、意匠性にも優れ、メンテナンスが容易であることも大きな特徴です。このような特徴から、建築、土木、家電・精密機器、厨房・家庭用機器、輸送機器、産業機器など非常に幅広い分野で利用されています。特に私たちに身近なものには、洗濯機や冷蔵庫、建物の外装や内装、またゴルフ用品にもステンレスが使用されています。また、ステンレスは、含有する金属及び金属組織の違いから、次のように5種類に分類されます。ステンレスの種類引用元:大同特殊鋼株式会社・マルテンサイト系:非常に硬いが、耐食性には劣る・フェライト系:耐食性は高く、応力腐食割れ(金属材に生じる経年損傷)を起こしにくい・オーステナイト系:耐食性が高く、加工性に優れる・析出硬化系:非常に硬く、耐食性にも優れる・二相系:塩化物(海水など)に対する高い耐食性を持つチタンチタンは、比重が鉄の約半分ととても軽くて、さらに海水中などでも優れた耐食性を発揮します。また、比強度(重量あたりの強度特性)が高く、アルミニウムの約3倍、鉄の約2倍の強度を示します。他にも、無毒性で、生体適合性も良く、人体にやさしい安全な金属です。これらの特徴を活かし、医療・食品の分野や化学工業、建築・土木産業、また航空宇宙産業などで広く用いられています。また、チタン合金は、焼なましの状態でのミクロ組織によって次のように分類されます。チタン合金の種類・純チタン:耐食性及び加工性に優れているが、耐摩耗性に劣る・α合金:低温から高温まで安定した強度を持つ・β合金:冷間加工性・時効硬化性(時間の経過とともに金属が硬化する現象)に優れる・α+β合金:強度が高く、また延性に優れる・耐食合金:耐食性に優れ、高い強度を持つ銅銅は、熱伝導性・電導性・加工性・展延性に優れている金属です。また、銅が酸素に触れると表面に酸化銅の被膜をつくることから、優れた耐食性を持っています。他にも、銅は抗菌作用を持つ金属としても知られています。これらの特徴から、電線や電子機器部品、調理道具や銅像、10円硬貨などに利用されています。銅には合金が存在し、含有する金属によって主に以下の3つに大別されます。銅合金の種類・黄銅(銅-アルミ合金):加工性がよく、意匠性に優れる・洋白(銅-亜鉛-ニッケル合金):耐食性・耐変色性に優れる・青銅(銅-すず合金):展延性に優れ、融点が低い鉄鉄は強度が高く、また優れた加工性を持つことから、古くから私たちの生活の中で欠かせない金属として幅広く用いられてきました。現在は、金属製品の約90%が鉄でできているとも言われています。そのため、自動車、造船、土木・建築、容器・缶、家電機器、産業機械などさまざまな分野で利用されています。また、鉄はその含有する炭素量の違いによって次の3つに分類されます。鉄の種類(カッコ内には炭素含有量を示す)・純鉄(0.02%以下):非常に脆く、軟らかい・鋼(0.02% - 2.1%):炭素含有量によるが、強度、靭性、磁性、耐熱性などに優れる・鋳鉄(2.1% - 6.7%):非常に硬いが、延性や靭性に劣るMitsuriは、これらすべての材質の加工を依頼できる多数のメーカーと提携しています。お気軽にお問い合わせください。金属板の加工法の種類最後に、金属板の各種加工方法について説明していきます。金属板の加工法【レーザー加工】レーザー加工とは、高エネルギー密度のレーザー光を照射し、熱エネルギーによって加工する方法を指します。主に、金属板の穴あけや切断に利用されています。レーザー加工では、加工領域が非常に狭いため、非常に微細な加工を行うことができるほか、高エネルギーのレーザー光を使用することで超硬金属や硬脆材料の加工も可能となります。参考記事こちらの記事では、レーザー加工についてその原理や種類など、さらに詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。⇒【レーザー加工】板金加工におけるレーザー加工について専門家が徹底解説!金属板の加工法【溶接加工】溶接加工とは、2種類以上の金属を接合する金属加工方法のことを指します。主に、金属を局部的に加熱して溶かすことで接合する「融接法」と、加熱した金属に圧力を加えて接合する「圧接法」、母材と違う素材を溶融して接合する「ロウ付法」の3つに大別されます。ただし、細かく溶接方法を分類すると、全部で60種類以上にも及びます。参考記事こちらの記事では、溶接加工の種類について、その特徴を詳しく説明しています。溶接加工についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。⇒ 第1回 溶接加工とは?代表的な種類とメリット・デメリットを解説金属板の加工法【プレス加工】プレス加工とは、被加工材を金型に当て、圧力を加えることで材料を金型の形に変形させる加工方法のことを指します。プレス加工では、一度金型を作成すれば短時間で同じ形のものを生産することが可能なため、低コストで大量に生産する場合に最適です。また、プレス加工では金型に合わせて切断するだけでなく、曲げや絞りなどさまざまな加工を施すことができます。参考記事Mitsuriは、さまざまなプレス加工を依頼できる多数のメーカーと提携しています。以下の記事ではおすすめの工場を紹介していますので、プレス加工でお悩みの方はご一読ください。⇒プレス加工のおすすめ工場5選!!金型製作や微細加工等様々な工場をご紹介金属板の加工法【切削加工】切削加工とは、文字通り工具などを使用して、材料を削って加工する方法を指します。主に切削加工は、加工する工作物を固定して工具を回転させる「転削」と、工作物を回転させる「旋削」とに大別されます。参考記事転削の代表として「フライス加工」、旋削の代表として「旋盤加工」が挙げられます。以下の記事では、それら2つの加工について詳しく解説していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。⇒切削加工の種類【専門家が解説】フライス加工、旋盤加工について詳細をお伝えします!金属板の加工を依頼するならMitsuri今回は、金属板の加工をテーマにその代表的な素材や加工方法についてご説明しましたが、いかがでしたか。金属板の素材、またその加工方法の種類は多岐に渡り、そのそれぞれが異なった特徴を持っています。そのため、金属板の加工を行う場合には、素材や加工方法の選択が非常に重要となります。また、メーカーに加工を依頼する際にも、金属板の素材や加工方法に関する基本的な知識を持っていると、より話が進みやすくなるでしょう。金属板の加工メーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。

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    【協力工場130社以上】アルミ加工でお困りならMitsuriにお任せください!個人の依頼案件も対応します!

    軽量でありながら高強度を誇ることで、身近な製品にさまざまな用途で用いられるアルミニウム。鉄などに比べて比較的加工の容易な材ですが、特に初めて加工を依頼する際などのアルミ加工業者選びは難しいものです。「アルミ材の切断、曲げ、抜き、溶接、切削などの加工を依頼したいけれど、初めてでどこに頼めばいいかわからない……」「他の工場で断られてしまって、依頼先に困っている……」探す中で、こんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。その他にも、「小ロットでの発注を断られてしまった……」といったお悩みや、あるいは「いつも依頼している工場に小ロットで発注するのが申し訳ない……」とお悩みの方もいるでしょう。小ロットの加工依頼をするならMitsuri小ロットの加工依頼をするならぜひ、Mitsuriにお任せください!Mitsuriなら、全国の協力工場に、簡単に見積もり依頼を出すことができます。協力工場は全国に140社あり、小ロットでの加工依頼をOKとしている工場に絞って見積もりすることも可能です。さらにMitsuriには多数の加工実績があるため、安心して依頼できるんです。「小ロットの依頼をするのが気が引けてしまって…」「普段の取引先には小ロットの発注は頼みづらい…」等小ロットの加工依頼でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください!見積もり依頼をする(無料)Mitsuriで依頼できるアルミ加工の種類①切断加工レーザー切断機、シャーリング、タップ、タレパン、カッターやソーなどのアルミ切断機を使用して、材を高速・高精度にカットします。切断は、その後の工程に大きく影響し、最終的な製品の仕上がり・精度にも関わる重要な加工工程です。特にアルミはバリや反りが発生しやすいため、高精度なカットが求められます。Mitsuriでは、高速・高精度な切断加工が可能です。小サイズの切り出し、溝部分の難加工など、あらゆるシーンで正確な切断を実現します。切断加工についてはこちら【板金加工 切断】せん断やシャー切断などの切断加工を専門家が解説!②曲げ加工アルミ板金における曲げ加工では、ベンダー(折り曲げ機)を使用して直線的に折り曲げ加工を施すほか、R曲げ、V曲げ、Z曲げ、ヘミング曲げ、ロール曲げといったあらゆる曲げを、発注に応じて使い分けます。特に小ロットでの発注の場合など、金型を用いず、叩いて成型する曲げ加工を採用することもあります。アルミ材は、曲げやすいからこそ、精密な曲げ加工には熟練の技術と適切な加工が必須です。一度断られてしまった難加工も、Mitsuriにぜひお任せください。曲げ加工についてはこちら【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!!③溶接MAG溶接やTIG溶接といった一般的なシールドガスアーク溶接に加え、スポット溶接やレーザー溶接、抵抗溶接などあらゆる加工法を駆使して材を溶接します。またアルミ材の場合は、比較的低温で溶着可能なろう付けが用いられることも多いです。溶接加工は機械化が進んでいるものの、アルミ溶接において最後の仕上がりを左右するのはやはり人の経験と技術です。溶融点の低いアルミは、溶接するうちにどうしても歪みが発生してしまいます。また、厚みや求められる強度などによっても注意すべきポイントが異なるのですが、そんな微妙な作業の使い分けを行える職人が、Mitsuriの協力工場には揃っています。溶接についてはこちら溶接方法について専門家が解説!【協力工場130社以上】溶接でお困りならMitsuri!④切削切削加工は大きく分けて、固定した材に対して機械を回転させて切削するフライス加工と、材を回転させる旋削加工に分けられます。フライス加工は材の表面加工に適しており、アルミの場合は特に鏡面仕上げなどを施す加工がこれに当たります。そのほかにも、穴あけや溝削りといったさまざまな加工が可能です。旋削加工では、パイプ状に加工した材にテーパ加工を施したり、中ぐり、ねじ切り、突切りといった加工を行うことができます。アルミはその他の金属と比較して溶融点が低いうえに延性が大きいため、バリが発生しやすいのが難点です。対策として、良質な工具の選定が欠かせないほか、必要に応じてクーラントを使用するなどノウハウが求められます。そんな切削加工も、Mitsuriにぜひお任せください!切削加工についてはこちら【切削加工】切削加工の方法や特徴・種類を動画を交えてご紹介!!見積もり依頼をする(無料)アルミ加工の難しさアルミ加工の中でも特に溶接加工は技術を要します。その理由は、アルミの融点にあります。鉄やステンレスの融点は1,000℃以上ありますが、一方アルミの融点は660.3℃と低いです。さらに、アルミは融点を超えた後、液体化するため、溶けたアルミが付着するのに注意して溶接作業を進める必要があります。アルミ加工実績引用:有限会社 相和シボリ工業(170Φ×120Φ×560H・へら絞り加工)引用:有限会社 相和シボリ工業(20Φ×28Φ×90H・パイプ加工)引用:多摩電子株式会社引用:布施金属工業株式会社(曲げ加工・溶接・仕上げ)見積もり依頼をする(無料)おすすめアルミ加工業者5選株式会社大盛基本情報埼玉県戸田市新曽南3-13-10TEL:048-444-0800/FAX:048-444-0842 創業年:昭和51年11月6日加工:アルミ加工、切削加工、切断加工素材:アルミ、その他非鉄金属HP:http://www.taisei-al.co.jp株式会社大盛は、アルミのマシニングセンターによる精密機械部品加工を行っています。特に、加工機械に力を入れているので、緊急の案件にも対応しやすい環境を整えています。そのため、他の工場で、この図面では製作が難しいと言われてしまった案件や、短納期の案件でお困りの際におすすめです。メリット株式会社大盛は、マシニングセンタなどの設備を導入しているので、加工に応用が効きやすく、対応できる幅が広い加工業者です。また、不良率が低いことも株式会社大盛の強みです。不良率が低いことを維持するために、設備の稼働状況に細心の注意を払っていたり、検査の際にはマイクロなどで寸法を検査することを大切にしています。メタルスピード基本情報大阪市東成区東今里2-8-12TEL:06-6976-3326/FAX:06-6976-9758創業年:昭和15年5月5日加工:フライス・マシニング加工、板金加工、NC旋盤加工素材:アルミ、鉄、ステンレス、銅、真鍮等HP:http://www.metal-speed.comメタルスピードは、良品率99.84%、納期厳守率99.86%(2018年1月時点)のとてもクリーンな会社です。また、製造コスト削減のために、ITの力を使って70年間の技術をデータベース化しています。メタルスピードが低価格で製造できるのは、この熟練工データベースのおかげです。メリットメタルスピードのメリットはなんといってもスピーディーな見積り対応。見積依頼からなんと2時間以内の回答を行っております。見積りが早いだけではなく、その後の打ち合わせや納品に至るまで、スピード感をもって対応します。製品例(治具:A5052)(アーム:A7075)株式会社シモノ基本情報石川県能美市浜開発町丙53-1TEL:0761-55-0139/FAX:0761-55-1030 創業年:昭和6年6月加工:アルミ加工素材:アルミ、その他非鉄金属HP:http://e-shimono.jp/株式会社シモノは、医療アルミ器具や食品加工機械アルミ部品の製造をはじめとする石川県の加工メーカーです。メリット株式会社シモノは、アルミ加工に注力し、常にアルミ加工の製造のために最新の設備を導入しているため、高い品質と短納期を実現できています。また、高い品質を要求される医療や食品加工用部品の製造を行っているほど、精密機械加工に確かな実績があります。有限会社城山精機製作所基本情報東京都板橋区高島平9-16-10TEL/FAX:048-421-5134創業年:昭和34年4月加工:アルミ加工、アルミ鋳物、金属加工、鉄加工素材:アルミ、鉄等HP:http://www.shiroyama-seiki.co.jp/城山精機製作所は、創業当初からアルミ加工、アルミ鋳物、鉄加工、ステンレス加工と幅広く受けていましたが、その中でもアルミ加工に注力している製作所です。メリット城山精機製作所は、中でも治具製作に力を入れています。設計はもちろんですが、設計の前の構想から城山精機製作所に入ってもらえます。治具製作をしてもらえることで、品質の向上やコスト削減に繋がります。製品例(医療部品:アルミ)(航空部品:アルミ)ニッカル商工基本情報東京都大田区東糀谷1-8-19TEL:0120-163-256/FAX:03-5735-2971 創業年:平成元年3月29日加工:アルミ加工(溶接、塗装、鋳物)、板金加工素材:アルミ、ステンレス等HP:https://nikkal.net/ニッカル商工は、1957年に日本で最初のアルミ製の平棒や角棒、パイプなどの押出材の在庫販売を行っていた会社で、現在はアルミの素材および加工品の販売を行っています。ニッカル商工のホームページ内にフリーダイヤルを用意していたり、24h対応可能のチャットを用意していたり、押出加工用の別ページを用意していたりと非常に依頼がしやすい環境が整っています。メリットニッカル商工は、試作・量産問わず対応が可能です。そして、長年培ってきたアルミ加工のノウハウを生かし、アルミコンシェルジュというアルミ加工の相談に乗っていただける人がいます。そのアルミコンシェルジュがご依頼者のニーズに合った加工を提案することが可能です。また、決済については、銀行振込やクレジット決済に加えて、手続きなしで請求書で掛け払いができる決済サービスも導入しており、依頼者のために利便性の向上を図っています。アルミ 加工を依頼するなら【アルミ加工のMitsuri】アルミ加工を依頼するなら、ぜひ技術と経験を備えた熟練の工場に依頼しましょう。Mitsuriでは、企業のご依頼だけでなく、個人での発注・見積もりにも対応しています。1個から、といった小ロットや試作のご依頼も大歓迎です!そして日本全国各地、どこからでもご相談可能です。アルミ加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください!小ロットの加工依頼をするならMitsuri小ロットの加工依頼をするならぜひ、Mitsuriにお任せください!Mitsuriなら、全国の協力工場に、簡単に見積もり依頼を出すことができます。協力工場は全国に140社あり、小ロットでの加工依頼をOKとしている工場に絞って見積もりすることも可能です。さらにMitsuriには多数の加工実績があるため、安心して依頼できるんです。「小ロットの依頼をするのが気が引けてしまって…」「普段の取引先には小ロットの発注は頼みづらい…」等小ロットの加工依頼でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください!見積もり依頼をする(無料)

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    ステンレス耐熱温度を種類別に専門家が解説!

    鉄より錆びにくく、耐食性が高いことから多くの現場で使用されているステンレス。ステンレスの加工を行う際には、その素材がどれだけの温度に耐えられるかどうかを知ることが大切です。ステンレスにも種類があり、それぞれ耐熱温度が異なります。ステンレスの種類に応じて向き不向きがあるため、事前に耐熱温度を知っておくと失敗のない素材選びをすることにつながります。今回は、各種ステンレスの耐熱温度と、それに関連したステンレスの特徴についてご紹介します。ステンレス耐熱温度ステンレスとは、英語表記の「stainless steel」をそのまま日本語として転用したものです。直訳すると錆びない鉄鋼となりますが、実際には錆びにくい鉄鋼という理解が正しくなります。SUHと略される耐熱鋼と違い、ステンレス(SUS)はあくまで常温の環境下における耐食性を高めることを目的として作られています。そのため、ステンレスは特別な耐熱性を持ち合わせているわけではありません。とはいえステンレスの一般的な耐熱温度は700℃~800℃。とりわけ900℃以上の環境で使用されることはありません。最低でも500℃前後は保障されていますので、一般的な利用範囲内でしたら安心です。ここでは各種ステンレスの耐熱温度をご紹介します。金属の耐熱性は様々な面から考察されるものですが、この記事における「耐熱温度」とは、高温下(700℃~800℃)における金属の引っ張り強さとします。オーステナイト系オーステナイト系とは、比較的加工がしやすく、耐食性にも優れたバランスの取れたステンレスです。通常の鉄鋼に加え、耐食性を持たせるクロムと金属組成を安定させるためのニッケルを含んでいます。幅広い耐食性を持っていることから、雨風にさらされる製品の素材として利用されることが多いです。具体的には、バネ、ベルトコンベア、プラント、工業炉などです。耐熱温度ですが、600℃あたりまではフェライト系とマルテンサイト系の中間程度の強度ですが、600℃以上では他のステンレスと比較して最も耐久性があります。参考:オーステナイト系ステンレス鋼の基礎知識まとめフェライト系フェライト系とは、ニッケルを含んでいないことが特徴のステンレスです。ニッケルが含まれていないことから金属の表面を保護する膜が形成されず、耐食性や強度は他のステンレスに劣るものの、その分廉価で制作することができます。それでもステンレスとしての最低限の耐食性は備えているため、キッチン用品をはじめとして幅広い用途で利用されています。具体的には、家電部品、ボルト・ナット、食品機器、自転車リムなどです。強い磁性を持っていることが特徴で、磁石にくっつくかどうかで素材を判別することがあります。こちらの耐熱性についてですが、300℃~400℃付近での耐熱性が比較的高めなものの、500℃以上で急激な低下が起こります。参考:フェライト系ステンレス鋼の基礎知識まとめマルテンサイト系マルテンサイト系とは、後から再度焼入れをすることで強度を増すことができる特徴を持つ種類です。ステンレスの中では炭素の含有量が多く、クロムが少なめの構成です。そのため他のステンレスに比べ強度を意識した組成となっており、耐食性よりも強度を重視したい製品で多く利用されます。具体的には、刃物、バルブ、ブレーキ、ベアリング、タービンブレードなどです。耐熱温度については、500℃までは他のステンレスに比べ高強度ですが、それ以上の温度になると耐熱性は急激に低下します。参考:マルテンサイト系ステンレス鋼の基礎知識まとめ析出硬化系析出硬化系とは、焼戻しの処理を施すことでより硬度を増したステンレスの種類です。通常のステンレスで用いる炭化物の代わりに、金属間化合物を使用していることが特徴で、他のステンレスに比べ製造に必要な工程が多くなるため価格が高くなってしまいます。ただし、その分性能が高く、高級な製品の素材として利用されることが多いです。具体的には、シャフト、タービン、スプリング、計器部品などに利用されます。常温帯(主に550℃以下)を想定して作られた素材のため、他のステンレスと比べ耐熱温度は低めになっています。具体的には、500℃までは高い強度を示すものの、それ以上になると急激に低下します。参考:析出硬化系ステンレス鋼の基礎知識まとめMitsuriでは、日本全国に250社以上の協力企業がございます。そのため、ご要望に合わせて適切な工場をご紹介することができます。ステンレスの耐熱温度でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください。その他ステンレスの特徴についてここでは、改めてステンレスがどのような金属かを説明すると共に、耐熱性以外のステンレスの特徴についてご紹介します。日本工業規格(JIS)では、鉄に10.5%以上のクロムを添加しており、かつ炭素の含有量が1.2%以下の鉄鋼をステンレス鋼と定義しています。クロムを添加する目的は、錆に強くすることです。クロムを添加することで不動態皮膜という金属を保護する薄い膜が表面上に現れます。この膜があることで、金属を錆から守ってくれます。ただし、錆に強いといっても特定の状況下では膜がはがれることがありますので、完全に錆びないわけではありません。不動態皮膜は傷ついても、クロムと周囲の酸素が結合して、ある程度は修復されます。完全ではないとはいえ、錆に対する強さと再生力がステンレスの一番の強みです。また、ステンレスは他の金属に比べ熱伝導率が低いという特徴があります。ステンレス協会のホームページによると、同じ条件下で熱伝導率を比較した際に、銀は4.12 (W/m・℃)×10-2、銅は3.71 (W/m・℃)×10-2、アルミニウムは1.95 (W/m・℃)×10-2、ステンレスは0.26~0.16 (W/m・℃)×10-2の数値を出したとのことです。この熱伝導率の低さと耐食性が組み合わさることにより、ステンレスの使用用途に幅が生まれます。熱伝導率の比較ステンレス…0.26~0.16 (W/m・℃)×10-2銀…4.12 (W/m・℃)×10-2銅…3.71 (W/m・℃)×10-2アルミニウム…1.95 (W/m・℃)×10-2たとえば、フライパンの焼き面を鉄、取っ手の部分をステンレスにすることにより、熱が焼き面に熱が伝わりやすくしつつも、取っ手まで熱が伝わりにくいように工夫することができるのです。それだけではありません。ステンレスは、加工がしやすく、安く生産できるため、多くの製品に使用しやすいメリットがあります。具体的には、土木工事で使用される基礎組み、包丁や鍋などのキッチン用品、冷蔵庫や洗濯機などの家電類、バネ等の工業用品などがあげられます。リサイクルしやすいこともステンレスのメリットです。ステンレスをリサイクルする際にはスクラップとして回収されるのですが、そのスクラップは錆びにくく、種類の判断が簡単で、スクラップ素材としての価値が高く、リサイクルの手順がシンプルです。そのため、再利用がしやすいという点を考慮するとステンレスは比較的環境にやさしい素材だと言えます。ステンレスは、業者による買取も行っています。ボルトやナット、ゲームセンターのメダル、浴槽やかご、流し台など、ステンレスでできている製品であれば業者に引き取ってもらうこともおすすめです。他にも、表面仕上げの方法が豊富なこともステンレスの大きな特徴です。ステンレスは多くの表面仕上げの方法があり、用途や顧客の希望に応じて柔軟に表面仕上げをすることができます。具体的には、光沢を出すか出さないか、仕上がりの目が粗くするのか、細かくするのか、反射率を高くするのか、低くするのかといった調節が可能です。参考:【ステンレス加工】ステンレスの加工方法や加工実績につい徹底解説!!ステンレスの耐熱温度まとめ今回は、耐熱温度を中心としたステンレスの特徴についてご紹介しました。ステンレスは耐熱性に優れているだけでなく、耐食性、リサイクルのしやすさなど多くの利点を持っています。ただしそれぞれの製品に応じて向いている素材は異なるため、ステンレス製の加工製品を利用する場合には用途に合わせて素材を使い分けることが大切です。Mitsuriでは、日本全国に250社以上の協力企業があるため、ご要望に合わせて適切な工場をご紹介することができます。ステンレスでお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください。