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  • パレットチェンジャー(APC)とは?種類と特徴を解説

    今回は工作機械に搭載するパレットチェンジャーについて解説します。パレットチェンジャーを搭載した工作機械は、外段取りによる工作物の着脱が可能です。外段取りとは、工作機械の機外で行う段取り作業のことで、加工中でも工作機械を停止せずに段取りを行えます。このためパレットチェンジャーを利用することで、工作機械の稼働率を向上させられます。また、機外による工作物のセッティングは、作業がしやすくなるのもポイントです。パレットチェンジャーとは?引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 2-2 自動化の仕組み:APC(オートマチック パレットチェンジャ、自動パレット交換装置)パレットチェンジャーとは、マシニングセンタなどの工作機械に搭載している、ツールや工具の自動交換機能のことです。別名でAPC(Automatic pallet Changer)や、自動パレット交換装置などとも呼ばれています。パレットチェンジャーは、工作物をセットしたパレットを、工作機械本体の位置に搬送したり、加工機から搬出したりできます。上図はパレットチェンジャーを利用している参考図を示しています。パレットチェンジャーの機能により、工作物を加工中に、別のパレットの工作物のセッティングや取り外しが行えるようになります。このことから、工作物の段取りにかかる時間を短縮でき、作業効率が向上します。機外で工作物をセッティングできるため、広いスペースで作業できるというメリットもあります。工作物をパレットへセットするには、基本的に人手を必要としますが、機器によっては自動搬送台車で行うものもあります。パレットチェンジャーは基本的に油圧を駆動力にしているものが多いですが、小型の場合はサーボモータを採用しているものもあります。サーボモータは油圧に比べてスムーズに交換できるほか、作動油が不要のため環境に優しいメリットがあります。参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説パレットチェンジャーの種類と特徴一口にパレットチェンジャーといっても、工作機械などの種類によってさまざまなタイプがあります。ここでは、各種類の特徴について解説します。ループタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 ループタイプ10面APC装置ループタイプは、横型マシニングセンタで多く採用されているパレットチェンジャーです。パレット数を多く搭載しているモデルは、その分だけ工作物をセットできるため、長時間の自動運転が可能になります。シャトルタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 シャトルタイプAPC装置シャトルタイプは、立型マシニングセンタや門型の大型工作機械などの幅広いタイプに適応するパレットチェンジャーです。パレットチェンジャー側でパレットが移動することから、工作機械側のテーブルが動かなくてもパレット交換が可能です。インデックスタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 インデックスタイプAPC装置インデックスタイプは、放射状に配置された段取りステーションや待機ステーションと、中央に配置された交換ステーションによって構成されたパレットチェンジャーです。段取りステーションに旋回機能があり、工作物のセッティングが容易に行えるように設計されています。デュアルタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 重量ワーク対応 APC装置デュアルタイプは、比較的大きなパレットサイズや、重たいワークを載せるパレットに適したパレットチェンジャーです。メーカーによってはシャトルタイプと同等のモデルになりますが、上図で掲載しているエイ・テイ・シイ株式会社のデュアルタイプは、搬入出の機構のみで、シャトルタイプと比べるとシンプルな構造になっています。ターンタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 大型4面ターンタイプAPC装置ターンタイプは、一般的に4面のパレットの場合に採用されているパレットチェンジャーです。パレットが4面よりも多い場合はループタイプになります。ターンタイプは、4つのパレットが同時に旋回する仕組みのため、セットする工作物が重たいものに対しては不向きです。一方で他のタイプに比べて設置面積が省スペースになることと、コストが少なく製作できるメリットがあります。ラインタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 パレットストッカー(ラインタイプ)ラインタイプは、上図のようにストッカを直線状に配置し、本機テーブルとの間に配置した交換台車により、パレット交換を行うタイプです。ラインタイプは拡張性に優れており、生産規模に合わせてストッカ数の増設が可能です。スイングタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 スイングタイプAPC装置(パレットチェンジャー)スイングタイプは2枚のパレットを同時にリフトアップして回転する仕組みのパレットチェンジャーです。パレットの交換時間が早い特徴がありますが、積載荷重が大きくなると設計が困難なほか、スイングタイプのメリットを活かせなくなってしまいます。セパレートタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 大型2面パレット交換装置セパレートタイプは、2面のパレットを本機のテーブルに対して各々交換するパレットチェンジャーです。パレットはX軸両エンドに並べて配置され、各パレット専用に設けた搬入出装置によりテーブルの受け渡しを行います。

  • ツールプリセッタとは?種類と導入のメリットを解説

    今回はツールプリセッタの種類や導入のメリットについて解説します。ツールプリセッタは、工具の刃径や突出し量などの調整を、工作機械上ではなく、機外で行える測定機器です。ツールプリセッタを使用すると、一部の工程を削減できるため、段取り時間を大幅に短縮できます。ツールプリセッタとは?引用元:共立精機株式会社 ツールプリセッタ AMⅢ-5030ツールプリセッタとは、切削工具を意味する「tool:ツール」と、事前にセットするという意味の「preset:プリセット」が組み合わさっているように、加工に必要な工具の径や突出し長さを、工作機械の機外で測定する機器のことを指します。NC工作機械やマシニングセンタでは、加工の際にとある地点から設定した地点までを移動するようプログラムを設定します。このとき、同じ設定のまま工具の径や突出し長さが変化すると、その分だけ得られる寸法に変化が生じます。特に高い寸法精度が求められるボーリング加工のような場合は、細かい調整が必要です。ツールプリセッタなしだと、工具の調整やテストカットなどを繰り返し行わなければなりません。このような場合、ツールプリセッタを利用することで、事前に工具径などを調整しておくことができ、高精度の加工を効率よく行えるようになります。ツールプリセッタの種類ツールプリセッタは、大きく分けて非接触カメラタイプ・非接触投影機タイプ・接触タイプの3種類があります。非接触カメラタイプ非接触カメラタイプは、光源から映し出される刃物の影をカメラで読み込み、モニターへ映し出して測定するタイプです。非接触カメラタイプは、刃径・高さ・角度・Rなどが個人差なくスピーディーに測定できる点がメリットで、カメラ機能を使って刃先の状態を確認することもできます。非接触投影機タイプ非接触投影機タイプは、ハロゲンランプの光源から刃物の影を投影して測定するタイプです。XとZ軸のクロスヘアに合わせて、刃径や高さの数値を測定します。クロスヘアを回転させれば、角度の測定も可能です。ただし、見る角度や位置などによっては個人差が出る場合があり、精密な測定には向きません。接触タイプ接触タイプは、非接触カメラや非接触投影機タイプのような光源はなく、刃物を直接測定子に当てて刃径や高さの数値を測定します。接触タイプは、測定子に直接触れる測定のため、高い精度が得られます。ただし、ダイヤルゲージの合わせ方によって個人差が出てしまう点に注意が必要です。また、角度の測定は不可能なほか、鋭利な超硬の刃先やダイヤモンド工具の測定では、測定子の接触により欠けが生じてしまうこともあります。ツールプリセッタを導入するメリットツールプリセッタを使用すると、工具径や突出し量の外段取りが可能になり、結果的に機械の稼働率の向上が期待できます。仮にツールプリセッタを使用しない場合、テストカット・加工後の寸法測定・工具径などの微調整を、目的の寸法が出るまで繰り返し行うことになります。繰り返し加工や調整を行うと、その分の手間が増えるだけでなく、次第に工具のチップも摩耗してしまいます。ツールプリセッタは、テストカットや工具径などの微調整をする手間が省けるので、加工に費やす時間が大幅に短縮されるほか、工具の寿命を縮めることもなくなり、コストの削減に繫がります。また、機上での工具調整は危険が伴うものですが、ツールプリセッタでは機外で工具調整を行えるので、安全性も向上します。

  • パレットチェンジャー(APC)とは?種類と特徴を解説

    今回は工作機械に搭載するパレットチェンジャーについて解説します。パレットチェンジャーを搭載した工作機械は、外段取りによる工作物の着脱が可能です。外段取りとは、工作機械の機外で行う段取り作業のことで、加工中でも工作機械を停止せずに段取りを行えます。このためパレットチェンジャーを利用することで、工作機械の稼働率を向上させられます。また、機外による工作物のセッティングは、作業がしやすくなるのもポイントです。パレットチェンジャーとは?引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 2-2 自動化の仕組み:APC(オートマチック パレットチェンジャ、自動パレット交換装置)パレットチェンジャーとは、マシニングセンタなどの工作機械に搭載している、ツールや工具の自動交換機能のことです。別名でAPC(Automatic pallet Changer)や、自動パレット交換装置などとも呼ばれています。パレットチェンジャーは、工作物をセットしたパレットを、工作機械本体の位置に搬送したり、加工機から搬出したりできます。上図はパレットチェンジャーを利用している参考図を示しています。パレットチェンジャーの機能により、工作物を加工中に、別のパレットの工作物のセッティングや取り外しが行えるようになります。このことから、工作物の段取りにかかる時間を短縮でき、作業効率が向上します。機外で工作物をセッティングできるため、広いスペースで作業できるというメリットもあります。工作物をパレットへセットするには、基本的に人手を必要としますが、機器によっては自動搬送台車で行うものもあります。パレットチェンジャーは基本的に油圧を駆動力にしているものが多いですが、小型の場合はサーボモータを採用しているものもあります。サーボモータは油圧に比べてスムーズに交換できるほか、作動油が不要のため環境に優しいメリットがあります。参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説パレットチェンジャーの種類と特徴一口にパレットチェンジャーといっても、工作機械などの種類によってさまざまなタイプがあります。ここでは、各種類の特徴について解説します。ループタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 ループタイプ10面APC装置ループタイプは、横型マシニングセンタで多く採用されているパレットチェンジャーです。パレット数を多く搭載しているモデルは、その分だけ工作物をセットできるため、長時間の自動運転が可能になります。シャトルタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 シャトルタイプAPC装置シャトルタイプは、立型マシニングセンタや門型の大型工作機械などの幅広いタイプに適応するパレットチェンジャーです。パレットチェンジャー側でパレットが移動することから、工作機械側のテーブルが動かなくてもパレット交換が可能です。インデックスタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 インデックスタイプAPC装置インデックスタイプは、放射状に配置された段取りステーションや待機ステーションと、中央に配置された交換ステーションによって構成されたパレットチェンジャーです。段取りステーションに旋回機能があり、工作物のセッティングが容易に行えるように設計されています。デュアルタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 重量ワーク対応 APC装置デュアルタイプは、比較的大きなパレットサイズや、重たいワークを載せるパレットに適したパレットチェンジャーです。メーカーによってはシャトルタイプと同等のモデルになりますが、上図で掲載しているエイ・テイ・シイ株式会社のデュアルタイプは、搬入出の機構のみで、シャトルタイプと比べるとシンプルな構造になっています。ターンタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 大型4面ターンタイプAPC装置ターンタイプは、一般的に4面のパレットの場合に採用されているパレットチェンジャーです。パレットが4面よりも多い場合はループタイプになります。ターンタイプは、4つのパレットが同時に旋回する仕組みのため、セットする工作物が重たいものに対しては不向きです。一方で他のタイプに比べて設置面積が省スペースになることと、コストが少なく製作できるメリットがあります。ラインタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 パレットストッカー(ラインタイプ)ラインタイプは、上図のようにストッカを直線状に配置し、本機テーブルとの間に配置した交換台車により、パレット交換を行うタイプです。ラインタイプは拡張性に優れており、生産規模に合わせてストッカ数の増設が可能です。スイングタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 スイングタイプAPC装置(パレットチェンジャー)スイングタイプは2枚のパレットを同時にリフトアップして回転する仕組みのパレットチェンジャーです。パレットの交換時間が早い特徴がありますが、積載荷重が大きくなると設計が困難なほか、スイングタイプのメリットを活かせなくなってしまいます。セパレートタイプ引用元:エイ・テイ・シイ株式会社 大型2面パレット交換装置セパレートタイプは、2面のパレットを本機のテーブルに対して各々交換するパレットチェンジャーです。パレットはX軸両エンドに並べて配置され、各パレット専用に設けた搬入出装置によりテーブルの受け渡しを行います。

  • ツールプリセッタとは?種類と導入のメリットを解説

    今回はツールプリセッタの種類や導入のメリットについて解説します。ツールプリセッタは、工具の刃径や突出し量などの調整を、工作機械上ではなく、機外で行える測定機器です。ツールプリセッタを使用すると、一部の工程を削減できるため、段取り時間を大幅に短縮できます。ツールプリセッタとは?引用元:共立精機株式会社 ツールプリセッタ AMⅢ-5030ツールプリセッタとは、切削工具を意味する「tool:ツール」と、事前にセットするという意味の「preset:プリセット」が組み合わさっているように、加工に必要な工具の径や突出し長さを、工作機械の機外で測定する機器のことを指します。NC工作機械やマシニングセンタでは、加工の際にとある地点から設定した地点までを移動するようプログラムを設定します。このとき、同じ設定のまま工具の径や突出し長さが変化すると、その分だけ得られる寸法に変化が生じます。特に高い寸法精度が求められるボーリング加工のような場合は、細かい調整が必要です。ツールプリセッタなしだと、工具の調整やテストカットなどを繰り返し行わなければなりません。このような場合、ツールプリセッタを利用することで、事前に工具径などを調整しておくことができ、高精度の加工を効率よく行えるようになります。ツールプリセッタの種類ツールプリセッタは、大きく分けて非接触カメラタイプ・非接触投影機タイプ・接触タイプの3種類があります。非接触カメラタイプ非接触カメラタイプは、光源から映し出される刃物の影をカメラで読み込み、モニターへ映し出して測定するタイプです。非接触カメラタイプは、刃径・高さ・角度・Rなどが個人差なくスピーディーに測定できる点がメリットで、カメラ機能を使って刃先の状態を確認することもできます。非接触投影機タイプ非接触投影機タイプは、ハロゲンランプの光源から刃物の影を投影して測定するタイプです。XとZ軸のクロスヘアに合わせて、刃径や高さの数値を測定します。クロスヘアを回転させれば、角度の測定も可能です。ただし、見る角度や位置などによっては個人差が出る場合があり、精密な測定には向きません。接触タイプ接触タイプは、非接触カメラや非接触投影機タイプのような光源はなく、刃物を直接測定子に当てて刃径や高さの数値を測定します。接触タイプは、測定子に直接触れる測定のため、高い精度が得られます。ただし、ダイヤルゲージの合わせ方によって個人差が出てしまう点に注意が必要です。また、角度の測定は不可能なほか、鋭利な超硬の刃先やダイヤモンド工具の測定では、測定子の接触により欠けが生じてしまうこともあります。ツールプリセッタを導入するメリットツールプリセッタを使用すると、工具径や突出し量の外段取りが可能になり、結果的に機械の稼働率の向上が期待できます。仮にツールプリセッタを使用しない場合、テストカット・加工後の寸法測定・工具径などの微調整を、目的の寸法が出るまで繰り返し行うことになります。繰り返し加工や調整を行うと、その分の手間が増えるだけでなく、次第に工具のチップも摩耗してしまいます。ツールプリセッタは、テストカットや工具径などの微調整をする手間が省けるので、加工に費やす時間が大幅に短縮されるほか、工具の寿命を縮めることもなくなり、コストの削減に繫がります。また、機上での工具調整は危険が伴うものですが、ツールプリセッタでは機外で工具調整を行えるので、安全性も向上します。