ルーバー加工とは?方法・用途・基礎知識

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ルーバーとは、「louver」と綴る、「よろい戸」や「よろい窓」を意味する言葉のことです。羽板と呼ばれる細長い板を隙間を空けて並行に並べたものを指します。ブラインダーのような構造を持った戸や窓のことで、通風性を保ったまま目隠しや採光を行いたい場合に設置する建具です。

ルーバー加工は、ルーバーに類似した構造を金属板に施すプレス加工の一種です。主に発熱する機器の筐体に施され、熱を外部に放出するために施されます。電子機器や産業機械、自動車など、様々な製品に適用されています。

この記事では、ルーバー加工の詳細や加工法、用途について解説していきます。

ルーバー加工とは?プレス加工の一種

引用元:NCネットワーク

ルーバー加工とは、金属板などに対して、上の写真のような開口部のある細長い出っ張り部分を成形する加工法のことです。プレス加工の一種で、多くの場合、一定の間隔で平行となるように施されます。

主に、発熱する部品・装置を内蔵する電子機器や産業機械、自動車などの内部の熱を放出するために適用される加工法です。

機器・機械の筐体・ボディの側面に施されることが多く、開口部が下方を向くように成形することで機器の内部にホコリなどが侵入することを防止しています。

参考:プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!

ルーバー加工の方法と金型の要否

ルーバー加工には、切断と絞りの2段階の加工で成形する方法と、切断加工と絞り加工を一気に行う(切り絞りと呼ばれる)成形方法があります。

2段階で加工する方法では、まず、シャーリングやレーザー加工機などによって板金に一定間隔で切り込み線を入れる「スリット加工」を施します。その後、スリットに沿ってプレス加工機の金型を押し当てることで板金を絞り、出っ張り部分を成形します。

引用元:株式会社コニック

切り絞り加工は、上図のように、プレス加工のみで行います。この場合、開口部はせん断加工、出っ張り部は絞り加工となるような金型を用意し、一度のプレスによってルーバー加工を行います。つまり、開口部は金属板を破断させることで、出っ張り部は金属板を引き伸ばすことで成形します。

これらの2つの方法では共に金型を必要としますが、多数の既製品がありますので特に問題がなければ、既製品を使用すると良いでしょう。もし、形状やサイズが特殊で、適合するものがなければ、金型の作製が必要となります。

参考:【金型製作】金型の種類と基礎や流れについて徹底解説!!

ルーバー加工の用途・種類

ルーバー加工は、主に、ダイオードやトランジスタ、電池などの発熱する電子部品を内蔵する電子機器や、モータやインバータ、エンジンなどの発熱する装置を内蔵する機械や輸送機器に施されています。身近なモノでは、デスクトップパソコンの筐体やディスプレイなどが挙げられます。

ルーバー加工による成形品の形状は、大きく2種類に分けられます。一つは、上述した出っ張り部の下方にのみ開口部があるものです。もう一つは、出っ張り部の上部のみが繋がっている形状で、下の写真のように出っ張り部が屋根のようになっている形状です。

引用元:有限会社大日工業

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