Category

アルミ

  • NO IMAGE

    歯車加工とは?製造方法を詳しく解説!おすすめの工場もご紹介!

    「歯車加工を依頼する業者を選びたいが、数が多くて迷ってしまう・・・」「歯車加工の種類や加工機械などの知識を知りたい」歯車加工に関して、以上のようなお悩みをお持ちではありませんか?金属加工の中でもメジャーな加工のひとつである歯車加工には種類があり、企業に依頼する以外に個人で行うことも可能だと思われるかもしれません。ただ、実際に個人で加工する場合には気をつけるポイントがあり、事前に知っておく必要があります。この記事では、歯車加工に関する基礎知識から、歯車加工に強みを持つおすすめ企業までを網羅してご紹介します。歯車加工について詳しく知りたい方や、歯車加工を依頼しようと考えている方はぜひ最後までご覧ください。歯車加工とは歯車加工とは、主に金属を素材とした歯車について切削などの加工方法によって歯車形状を成形する加工のことです。家電や自動車などの機械の内部で、動力部などの重要な位置に使用されることも多い歯車は、複雑な形状をしており高精度な切削加工が必要になります。歯車は、噛み合わせて使用されるため、加工精度が直接寿命に影響します。精度が高いとスムーズに歯車が連動するため、部品の寿命は保たれます。しかし、精度が低い場合、歯車が接触する度に負荷がかかり、最終的に部品が破損してしまう可能性が高まります。歯車の種類歯車にはたくさんの種類がありますが、その中でも代表的な次の6種類について順にご説明していきます。代表的な歯車の種類1.かさ歯車2.はすば歯車3.ひら歯車4.ラック・ピニオンギア5.ウォームホイール・ウォームギア6.内歯歯車1.かさ歯車かさ歯車はベベルギアとも呼ばれ、開いた傘に似た形状をした歯車です。円錐状の外側に歯を持ち、軸の向きが異なるかさ歯車同士を組み合わせて、回転や動力を伝達するために使われます。2.はすば歯車歯車の中心にある軸に対し、歯すじが斜めになっているものがはすば歯車で、ヘリカルギアとも呼ばれます。歯車同士が接触する面積が大きくなるため、次に説明するひら歯車に比べて歯車自体の強度が高く、作動中も静かであるといった点が特徴です。産業機械や自動車部品など、大きな負荷がかかりやすい場所で採用されています。3.ひら歯車スプルーギアとも呼ばれるひら歯車は、歯車の中心軸に対して並行に歯すじが入っているタイプで、最もスタンダードな歯車です。平行な歯車同士を組み合わせることで、動力を伝達します。比較的容易に製造できるため、さまざまな場面で多用されています。4.ラック・ピニオンギアひら歯車に似たピニオンと直線状の棒に歯すじをつけたラックが噛み合う状態の組み合わせを、ラック・ピニオンギアといいます。歯車の回転力を直線に変換することができ、カメラの三脚の高さ調整部などにも採用されています。ラックはつなぎ合わせて長くして使うことも可能で、一例として製造工場内の搬送装置があります。5.ウォームホイール・ウォームギアネジのような歯車のウォームギアと、それに噛み合うようにらせん状に歯がついたウォームホイールは、セットで使用されます。1段で大きな減速が可能で、かさ歯車よりも静音、コンパクトかつ軽量という特徴があります。6.内歯歯車ひら歯車の噛み合う円筒形、あるいは円錐の内側に取り付けられる歯車を内歯歯車といいます。内歯歯車は外側の歯車と対で組み込まれ、同方向への回転を伝達する役割を果たします。歯車装置のサイズを小さくすることも可能で、減速機などで用いられます。歯車の製造工程続いて、歯車の製造過程を見ていきましょう。1.旋盤加工バイトと呼ばれる切削工具を使って、材料を回転させながら削り取る旋削加工を行い、歯車の外径、内径を決めます。この段階では、歯すじのない歯車に近い形に仕上がります。参考記事旋盤加工については下記記事でも詳しく紹介しています。⇒旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!2.ホブ盤加工ホブと呼ばれる刃物を軸に取り付けたホブ盤を回転させ、工作物に押し当てながら歯すじを加工します。主にひら歯車、はすば歯車、ウォームホイール・ウォームギアなどの加工に使用されます。ホブ盤は、ホブと工作物をラック・ピニオンの関係と同じように配置し、双方を回転させて加工するため効率的な加工が可能です。自動車や航空機、建築機械など幅広い産業分野での動力伝達用歯車の加工時に採用されています。3.焼き入れ歯すじがついた歯車は、一定以上の温度に加熱したあと、適切な方法で冷やす焼き入れを行い、より硬く強度の高い部材に仕上げます。焼き入れには種類があり、工作物の材質などに合わせて選ぶ必要があります。参考記事焼き入れ加工については次の記事でも解説していますので、ご参照ください。⇒焼き入れとは?焼き入れの種類ごとの特徴に分けて解説!4.研磨研磨は歯車の仕上がりを決める重要な工程です。歯車の歯すじに合わせて研磨できるよう、平面研削盤や円筒研削盤など複数の加工機を使って仕上げていきます。歯車加工で使用される機械歯車加工で使用される機械には、主に「NC歯車加工機」と「歯切り盤」があります。1.NC歯車加工機NC歯車加工機は、数値制御(NC)を搭載した加工機械です。縦横、高さなどの数値をあらかじめ設定すれば自動的に加工を行ってくれるので、高精度な加工を効率よく実行できます。また、対象物の素材や用途に応じて、研削を行う刃の送り速度や回転速度の調整が可能です。NCホブ盤はNC歯車加工機の中でも主流で、自動車産業などで採用されています。2.歯切り盤歯切り盤は、円柱形などの対象物を歯車の形状に切削する機械の総称です。ホブという刃を回転させて歯すじをつけるホブ盤の他、刃物を上下運動させて工作物を切削して歯車を成形するギヤシェーパーなどがあります。歯車の製造方法【歯切り加工】歯車の製造方法である歯切り加工は、主に「創成法」と「成形法」の2つに分かれます。1.創生法創生法は、歯車の歯を全体的に少しずつ成形する製造方法です。先ほど説明したホブ盤を用いた加工も創生法に属します。効率よく歯車を生産できるため、量産品などの製造に適しています。2.成形法全体をまんべんなく加工していく創生法に対して、歯車の歯を一枚ずつ成形していく方法を成形法と呼びます。回転軸にフライスという刃物を取り付けたエンドミルなどの切削工具を使って、歯溝をひとつずつ切削していく加工です。ひとつの歯を加工し終えた後、次の歯を加工するための工作物の適切な位置調節が非常に重要になってきます。歯車加工における歯すじ修整歯車の接触が悪く不具合や不快音などが鳴る場合は、歯すじの調整を行います。その際に用いられる修正方法として「クラウニング」と「レリービング」と呼ばれる加工があります。ここでは、2つの修正加工の方法について解説していきましょう。1.クラウニングクラウニング加工とは、歯車の歯すじ中央部に向かって丸みを持たせる加工です。中央部にふくらみをつけることで、歯幅端部の悪い歯当たりを防ぐことができます。その結果、歯車の故障や動作不良を事前に防ぐことが可能です。クラウニングを大きくすると悪い歯当たりが小さくなりますが、歯すじの強度に影響が出る場合もあるので加工時には注意しておきましょう。2.レリービング(エンドレリーフ)レリービングは、歯すじの両端を適度に逃す加工方法です。クラウニングが歯すじを中央部分に向かって丸みを持たせる加工をしますが、レリービングは両端だけを逃すように加工します。クラウニング同様に、歯幅端部に悪い当たりが集まるのを防ぐメリットがあります。レリービングは、クラウニングの簡易処理ともいえる加工です。そのため、材質や歯車の種類、人的コストなどの影響により、どうしてもクラウニング加工ができない場合は、レリービング加工を行うことになるでしょう。歯車加工でおすすめの業者3選歯車加工を得意とする業者をご紹介します。加工依頼時の参考にしてください。【単品試作にも対応】株式会社シンコウギヤー引用元:株式会社シンコウギヤー①会社概要本社:群馬県太田市植木野町227TEL:0276-26-1685FAX:0276-26-1691設立:平成元年2月28日加工:歯車加工(ホブ盤、シェービング盤など)、研削加工、溝削り加工 など 素材:鉄、アルミ、ステンレス、鋳物、真鍮、樹脂、MCナイロン、ベーク、木材 などHP:https://shinkou-gear.co.jp/②会社の紹介株式会社シンコウギヤーは、群馬県太田市に拠点を構え、工作機械の部品加工や各種歯車の製造を受注している企業です。③メリット・デメリット歯切り専門会社として、創業以来50年以上幅広い歯車を加工、製造してきました。単品加工から量産まで対応できる機械を複数備えており、図面や原型がなくても希望の歯車の製作が可能です。歯切り加工のみであれば、当日加工や発送もできますが、配送地域などによっては到着までに時間を要する場合もあります。詳しい条件については、事前に確認が必要でしょう。④製品紹介株式会社シンコウギヤーの製品例は次のとおりです。平歯車プーリースプロケット【小型歯車の製作なら】株式会社二水引用元:株式会社二水①会社概要本社:石川県白山市横江町1726-16TEL:076-275-2131FAX:076-276-7475設立:昭和39年4月加工:鉄、アルミ、ステンレス、MCナイロン など 素材:歯車加工(研削、ホブ歯切盤加工、ギヤシェーパー盤加工)、汎用フライス加工、歯車面取り などHP:https://www.nisui.co.jp/②会社の紹介株式会社二水は、石川県白山市に本社があり、歯車とその関連機械部品の加工、製作を担っている企業です。③メリット・デメリット高品質な製品を短納期で納品できるよう自社工場内に設備を集約し、表面処理や熱処理以外の作業は社内で一元管理を行っています。精密機械や重機械向けの歯車を主要取引会社に多数納品してきました。海外からの加工製造に関する問い合わせもホームページで受け付けていますが、大量生産に対応できるかどうかは加工を依頼する前に相談してみてください。 【歯車の特注制作なら】株式会社太陽メカテック引用元:株式会社太陽メカテック①会社概要本社:山形市大字漆山1480番地の2TEL:023-686-6801FAX:023-686-6802設立:2011年(平成23年)10月5日加工:旋盤加工、ホブ盤加工、焼入れ、研磨、歯研 など 素材:S45C(機械構造用炭素鋼)、SCM440・SCM415(クロムモリブデン鋼)、SUS303(ステンレススチィール)、銅合金(リン青銅、アルミ青銅)、FCD(ダクタイル鋳鉄)、MCナイロン などHP:http://taiyo-mecha-tech.co.jp/pc/index.html②会社の紹介株式会社太陽メカテックは、山形県村山地方に拠点を構え、東北地方を中心に特注歯車や量産品を加工、製造、販売しています。③メリット・デメリットオーダーメイドの歯車製作に強みを持つこちらの企業では、単品製作から図面のない現物の複製製作、量産まで幅広く歯車加工を受注しています。主に印刷機や製本機、公共交通機器の座席などの部品を製造してきました。村山地域の製作所ネットワークを駆使した短納期での対応も可能ですが、具体的な受注条件については事前に確認することをおすすめします。④製品紹介株式会社太陽メカテックの製品例は下記のとおりです。ウォームギヤとウォームホイール二段歯車(平歯車)フランジ一体型歯車(平歯車)歯車加工の見積り依頼ならMitsuri今回は歯車加工について詳しく解説してきました。歯車は日常生活のさまざまな場面で使われる重要な部品で、仕上がりの精度が重要です。それだけに高度な技術が必要になるため、歯車加工を得意とする企業に加工を依頼しましょう。歯車加工を請け負っている製作所や企業は全国に存在していますが、受注可能な加工や強みを持つ分野はそれぞれ異なります。配送地域や早期納品の可否など、加工依頼したい場合は事前に条件を確認しておくと安心です。歯車加工を依頼するメーカーを探している場合は、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国250社以上の提携企業の中から、お客様の要望に合った最適なメーカーを紹介可能です。また、Mitsuriでは複数の企業のお見積りをまとめて一度に取り寄せることができます。まずは一度お気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    めっきと塗装の違いは?それぞれの特徴、めっき塗装に関しても解説!

    「高級感を出したいけど、めっきと塗装どっちがいいの?」「耐食性が必要な製品だけど、めっきと塗装どちらが良いのかわからない・・・」こんな、お悩みをお持ちではありませんか。めっきと塗装は、似たような状況で必要となる加工法です。しかし、いざ依頼しようとした際、そのケースにはどちらが適切なのか、分からないことも多々あるかと思います。そこで、今回の記事では、めっきと塗装について説明すると共に、その違いや混同しやすいめっき塗装などについても解説していきます。めっきと塗装のメリット・デメリットも述べていますので、ご依頼する際の参考にしてください。めっきとはめっきとは、素材の表面に金属の薄膜を形成させる技術のことです。表面処理技術の一つで、素材が錆びることを防いだり、外観の装飾性を高めたり、素材に機能を付与したりするために行われます。付与できる機能は幅広く、金めっきを例にすれば、熱伝導性や導電性を付与できますし、抗菌効果も期待できます。また、硬い素材であるクロムのめっきは、優れた耐摩耗性を付与できることから、強度が必要な部品や擦り減りやすい部品に実施されることが多いです。めっき方法めっきの主要な加工方法としては、電気めっきと無電解めっきが挙げられます。どちらも、めっきする金属や薬品が溶けた液に素材を漬けることは共通です。ですが、電気めっきは電気を流すことで素材表面に金属膜を析出させる一方、無電解めっきは、薬品による化学反応だけを利用してめっきを行います。参考記事めっきの加工方法については、以下の記事に詳細がありますので、気になった方はぜひご覧ください。⇒メッキ加工方法について!【専門家が語る】メッキされるまでの工程が丸わかり!めっき金属の種類めっきする金属としては、上述した金やクロムのほか、銀や銅、ニッケルなどが代表的です。特にニッケルは、硬く腐食しにくい上、光沢や色味、性質などをめっき溶液に添加する薬品や合金化することによって調整できます。そのため、自動車部品や機械部品、精密機器のほか、装飾品にもよく用いられるめっきです。参考記事めっきの概要を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。⇒【メッキ処理とは?】目的・仕組み・種類・特徴について徹底解説!塗装とは塗装とは、素材表面に塗料を塗ったり、吹きかけたりすることで、塗膜を形成させる表面処理技術のことを言います。塗装もまた、防錆や装飾、機能の付与が主要な役割です。その一方、素材の保護を目的に塗装することもあり、塗り直すことを前提としている場合があります。防錆を目的とする塗装は、鉄が代表的です。鉄は、空気や水との接触で簡単に錆びてしまうため、めっきか塗装が必須となります。一方、塗装が不必要にみえるステンレスにも塗装することがあります。ステンレスは、サビに強い素材ですが、傷や亀裂から腐食が進むことがあります。このような、傷の発生を防ぐことなどを目的に、塗装する場合があります。塗装方法塗装方法には、様々なものがあります。刷毛(ハケ)・ローラー等を使った手作業による塗装や、塗料を高圧の空気で吹き付ける吹付塗装などは、建築物の外壁などに用いられているため、目にしたこともあるかも知れません。これらの方法の多くは、溶剤塗装に分類され、揮発性の溶剤を含有する塗料を乾燥させることで固化、密着させて塗膜を形成させます。専門的な塗装法としては、加熱して塗料を硬化させる焼付塗装、粉末状の塗料を静電気で付着させた後に加熱溶解させる粉体塗装、後述で説明する電着塗装などが挙げられます。参考記事焼付塗装の概要については、以下の記事で解説しています。ぜひ、参考にしてください。⇒焼付塗装ならMitsuri!1コ〜お受けいたします!塗料の種類塗料としては、ペンキやニス、樹脂(プラスチック)などが挙げられ、塗装方法や用途によって様々なものが選ばれます。ペンキは、一般的に、揮発性の溶剤を含む油性塗料、ニスは、有機溶剤などを含んだ樹脂塗料のことで、共に乾燥させることで塗膜を形成させる溶剤塗装の材料です。一方、焼付塗装に用いられるアクリル樹脂やメラミン樹脂、フッソ樹脂は、100~200℃程度の加熱を必要としますが、塗装の中では品質が良いです。塗料によりますが、焼付塗装は、インテリアやエクステリアのほか、様々な日用品などに用いられています。粉体塗装には、熱可塑性の塗料と熱硬化性の塗料があります。熱可塑性塗料としては、ポリエステル系や塩化ビニル系の樹脂、熱硬化性塗料としては、エポキシ系やポリエステル系、アクリル系の樹脂が挙げられます。熱可塑性塗料は、熱硬化させているわけではないので、焼付塗装による塗膜ほどの硬度は得られません。ですが、熱硬化性塗料は、焼付塗装に用いられる塗料と同様、高い強度が期待できます。また、粉体塗装に用いられる塗料は、環境や人体に悪影響を与える、有機溶剤を使用していないことが特徴です。めっきと塗装の種類次は、めっきと塗装の種類の中でも、名称や内容が分かりにくい「クロームめっき」と、めっきなのか塗装なのか混同しやすい「電着塗装(電着めっき)」と「めっき塗装」について説明します。クロームめっき(クロムめっき)クロームめっきとは、めっき金属としてクロムを使うめっき、つまり「クロムめっき」のことです。クロムめっきしたものは、英語で「chrome」と記述し、その読みはむしろ「クローム」に近いです。ですが、JIS規格では「クロムめっき」とされています。クロムめっきには、装飾用クロムめっきと工業用クロムめっきがあるのも分かりにくいところです。装飾用クロムめっきは、下地にニッケルをめっきし、その上に薄いクロムめっきを施しためっきで、「ニッケルクロムめっき」とも呼ばれています。一方、工業用クロムめっきは、クロムの優れた硬度や耐摩耗性を利用したもので、硬質クロムめっきとも呼ばれます。摩耗しやすい機械部品などに用いられ、耐用年数が必要なものほど厚いめっきを施します。クロムめっきと混同しやすいものに「クロメート処理」があります。クロメート処理は、クロムを含有した溶液に亜鉛やアルミなどを浸し、素材表面にクロムを含む酸化皮膜を形成する表面処理です。表面に膜を付着させるめっきではなく、化学反応を起こすことで表面の性質を変化させる化成処理に当たります。また、クロメート処理では、溶液のクロム含有量や添加する薬品を変化させることで、光沢や色味を調整することが可能です。そのような処理の中でも、光沢を付与する方法を光沢クロメート処理と呼び、亜鉛めっきに光沢クロメート処理を施すことを「ユニクロめっき」と言います。これも、クロムめっきを分かりにくくしています。電着塗装(電着めっき)電着塗装とは、塗料を溶かした液に素材を漬け、電気を流すことで素材に塗膜を形成する塗装方法です。素材と塗料の一方を正、もう一方を負にする必要があるため、導電性の素材にしか適用できませんし、電荷を付与できる塗料でないと、電着塗装の塗布物にはできません。電気めっきと加工方法が似ているためか、「電着めっき」と呼ばれることもあるようです。しかし、塗膜は樹脂であり、金属ではないので、電着メッキ(電着塗装)は、メッキではありません。電着塗装には、電気めっきと同様のメリットがあります。例えば、構造が複雑な部分にも均一な厚さの塗膜を形成できますし、膜厚の調整も容易です。また、そのほかの塗装方法と比べ、ラインを組みやすいという利点もあります。めっき塗装とは最近では、めっき塗装と呼ばれる、めっきなのか塗装なのか分かりにくい表面処理方法も目にします。しかし、これは、あくまで「めっき調塗装」であり、めっきではありません。めっき塗装は、銀を含んだ塗料をスプレーなどで素材に吹きかけ、素材表面で銀鏡反応を起こして鏡のような光沢ある塗膜を形成。その上に、透明な塗料を使った塗装を施すことで、金属的な光沢と質感が得られる塗装方法です。透明な塗料に色を加えれば、多様な金属的色彩を付けることもできます。この塗装方法は、薬品で銀を還元して析出させる銀鏡反応を利用することから、「銀鏡塗装」や「銀鏡めっき」とも呼ばれます。ですが、もちろん、銀を含んだ溶液に素材を漬け込み、表面から金属を析出させる銀めっきとは異なります。めっき塗装では、塗料を付着させた部分でのみ銀鏡反応が起こります。そのため、銀めっきとは違って、均一な膜形成は困難ですし、表面の微細な凹凸を完全に埋めることも容易ではありません。このように、めっき塗装の塗膜は、めっきに近い質感が得られるものの、密着性が弱く、剝がれやすいという欠点があります。ですが、塗装の前処理の工夫などにより、高い密着性を実現しているメッキ塗装もあります。Mitsuriでしたら、めっき塗装を得意としてるメーカーもご紹介できますので、ぜひご相談ください。めっきのメリット・デメリットそれでは、めっきと塗装のどちらを選べば良いのでしょうか。まず、めっきには、以下のようなメリットがあります。剥がれにくいめっきは、めっき金属が素材の金属と金属結合することで素材表面に析出したものです。このとき、素材とめっきの境界は、金属が連続的に存在しているかのように接着しています。そのため、素材とめっきが共に金属であるめっきは剥がれにくいです。ですが、無電解めっきなどで樹脂等の非金属にめっきする場合は、素材表面の微細な凹凸に入り込んだめっき金属が固化し、引っ掛かることで接着します。この効果をアンカー効果と呼びますが、金属同士の接着に比べると接着性が低いです。傷みにくく、長持ちするめっきは、傷みにくく、長持ちしやすいです。めっきは通常、傷や部分的な剥離をきっかけにサビや痛みが進行します。金属が塗料に比べて高強度であること、まためっきの剥がれにくさから、めっきは塗装に比べて長持ちし、長く機能を保持できます。多様な機能を付与できるめっきを行うと、めっきする金属の性質を利用することが可能です。耐食性を引き継げるのはもちろん、導電性や熱伝導性、磁気的性質など、様々な特性を素材に付与することができます。金属的な光沢や質感が得られる金属の特徴的な光沢や質感を素材に与えることができます。また、めっきを薄くすることで、下地の色味などを反映することができるため、多様な色彩や光沢を形作ることが可能です。複雑な構造の素材にもめっきすることができるめっき金属は、素材表面の原子レベルの凹凸にも入り込むことができます。そのため、構造が複雑な素材であってもめっきすることが可能です。膜厚が均一で、ムラが生じにくいめっきは、液体が浸透する箇所であれば、めっきすることが可能です。そのため、ムラが生じにくく、均一性の高い金属膜を形成することが可能です。しかし、めっきには、以下のようなデメリットがあります。加工工程が多く、時間がかかるめっきをしっかりと付けるには、素材が清浄であることや素材が露出していることが必要です。そのため、素材の前処理に多くの工程を必要とし、その結果、ある程度の時間を要します。設備が大掛かりで、工場内でしかめっきすることができないめっきは、加工工程が多いことから、様々な設備を必要とします。そのため、自然と設備が大掛かりになり、現地へ行ってめっきするといったことが難しくなります。めっきの貼り直しが困難めっきは、一部分が剥離したからといって、その上からめっきし直すことはできません。めっき可能かどうかは、素材とめっき金属のイオン化傾向の大小などにも依存するため、めっきの貼り直しには、一度全てのメッキを剥がすことなどが必要となります。素材によってはめっきすることが難しいある金属の上には、この金属をめっきできると言うように、めっき可能か否かには制限があります。例えば、金などの貴金属をめっきする場合には、素材へのめっき金属の拡散防止が必要となるため、ニッケルを下地めっきとして挟まなければなりません。また、イオン化傾向が大きいチタンやマグネシウムなどは、どのような金属に対してもめっきすることが難しいです。塗装のメリット・デメリット一方、塗装には、以下のようなメリットがあります。塗料の種類が豊富なため、多様な色彩を選択できる塗料は、樹脂や硬化剤、顔料など、さまざまな成分を混ぜ合わせたものです。それらは無数に存在し、その組み合わせも多様です。そのため、塗料には、どのような色彩にも対応可能というほどの種類があります。機能を付与できる塗装は、めっきと同様の機能を付与することもありますが、めっきできないものや、通常めっきしないものに施すことが多く、付与する機能もめっきとは異なることが多いです。代表的なものとして、耐火塗料や難燃性塗料を用いた防火機能の付与があります。そのほか、抗菌性を付与する抗菌塗料、カビの発生を抑制する防カビ塗料など、付与できる機能は様々です。現地へ行って塗装することができる塗装方法や塗装設備によりますが、塗装対象がある現地に行って塗装することができます。そのため、建築物など、動かせないものの塗装が可能です。塗り直しが容易塗装方法や塗料にもよりますが、塗装済みのものにも、そのまま上から塗装できます。塗り直しを前提としていることも多く、ひび割れや剥離が生じても、塗り直すことで元の品質や機能を容易に復元することができます。安価塗装方法や塗料にもよりますが、めっきに比べると低コストです。塗料自体が、めっきに使用する金属よりも安価ですし、加工工程もめっきより少なく、加工賃も安くなります。しかし、塗装には、以下のようなデメリットがあります。塗膜の均一性が低く、ムラが生じやすい塗膜の厚みや表面の均一性は、塗装の仕方に依存します。手塗りで不均一になるのは当然ですし、吹付塗装で機械的に360°を均一に塗装できたとしても、塗装対象の形状によっては、不均一性が生じてしまいます。電着塗装など、めっきに近い均一性が得られる塗装法もありますが、総じてめっきよりも均一性が低いです。剥がれやすい塗装は、めっきに比べて剥がれやすいです。塗装は主に、アンカー効果で接着しますが、めっきが素材表面の原子レベルの凹凸に入り込んで固化するのに対し、塗装は表面に付着するだけです。そのため、アンカー効果が弱く、接着性が低いです。また、塗料が金属よりも強度が低く、壊れやすいことも、塗装の剥離の原因となります。長持ちしない塗装は、めっきに比べると、長持ちしません。塗膜は、そもそも、金属めっきよりも強度が低く、また密着性も弱いため、剥がれたり、痛みやすかったりします。そのため、塗装は、定期的に塗り直すものとして用いることが多々あります。めっき塗装の一括見積りを依頼するなら【Mitsuri】この記事から、めっきは高級感があって品質が高く、塗装は手軽で多様な色彩にも対応可能であるとまとめることができます。ですが、近年では、めっき塗装のようなめっきに似せた塗装法も開発されており、いずれは、外観や品質を再現することも可能になるかもしれません。しかし、新しい技術ゆえに、メーカーごとの技術の差が大きく、品質もピンからキリまで、というのが現状です。その点、Mitsuriは、日本全国に協力会社が250社以上ございますので、めっき塗装を得意とする先進的な塗装メーカーのご紹介が可能です。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    金メッキ加工の工程は?用途や加工事例をご紹介!

    金メッキは、装飾品を綺麗に見せるためだけのものではありません。強度を増すと共に、サビに強くし、さらに組成を変えることで、光沢の具合や色味さえもコントロールすることができます。また近年では、金メッキの優れた導電性や耐食性、そして金合金メッキの高い強度から、電子部品などに欠かせないものとなっています。今回の記事では、金メッキの詳細や種類、加工工程、また工業用の用途を飛躍的に広げた硬質金メッキについて解説していきます。併せて、加工事例についてもご紹介していますので、金メッキを依頼したいという方は、ぜひ参考にしてください。金と金メッキの違いは?金メッキは、金属などの素材表面に金を付着させたものです。古来から装飾品や仏具などの表面に用いられてきました。加えて近年では、金の優れた性質から電子部品などの用途に用いられています。金の特徴金は、光沢のある黄色の金属で、金色や黄金色と言うように、色の名前に使われるほど、美しく審美性が高い金属です。性質としては、重い、柔らかい、展延性や導電性、耐食性に優れるなどが挙げられます。展延性に関しては金属中で一番とされ、1gの金は、平面状には数平方メートル、糸状には数千メートルにも延ばすことが可能です。導電性や熱伝導性にも優れ、純金属の中では銀と銅に続く低い電気抵抗率、高い熱伝導率を示す金属として知られています。また、金は耐食性にも優れた金属です。空気や湿気はもちろん、酸やアルカリといったほとんどの化学的腐食に対しても優れた耐性を示します。ただし、一般的に用いられる金属材料の中で最も重く、その比重は19.32と銀の約2倍、鉄や銅の約3倍にもなります。また、その柔らかさから、微細加工に不向きで形が崩れやすいです。そのため、金は、重さを無視できるメッキとして使用したり、強度が出る金合金にしたりして用いることが多い素材です。金メッキの種類金メッキの種類には、①軟質金メッキ②硬質金メッキがあります。①軟質金メッキは、いわゆる純金メッキと言われるものです。金そのものの性質を持つほか、他の素材との密着性や濡れ性(馴染みやすさ)に優れ、接触抵抗が小さいことから、半導体部品の接合用などに用いられています。②硬質金メッキは、コバルトやニッケル、銀、銅、インジウムなどを添加し、硬度や耐摩耗性を向上させたものです。硬質金メッキについては、後述します。金メッキは、これら軟質と硬質という分類のほか、JIS規格による分類方法があります。以下では、JIS規格の分類法と分類された金メッキの表示方法について説明します。金メッキの分類金メッキは、JIS規格により、様々な観点から以下のように分類されます。●用途別の金メッキの分類装飾用金メッキ工業用金メッキ●金含有率による金メッキの分類金メッキ・・・金含有率99.9%以上のメッキ。金合金メッキ・・・金含有率58.5%以上99.9%未満のメッキ。●層の数による金メッキの分類(金含有率の異なる金メッキを重ねることがあり、重ねる回数によって以下のように定義。)二層金メッキ・・・金含有率の異なる金メッキを2層重ねたメッキ。多層金メッキ・・・金含有率の異なる金メッキを2層以上重ねたメッキ。また、金メッキの厚さも分類対象となっています。ここで厚さとは、金メッキされている面の全てにおける、最小の金メッキの厚さのことです。●厚さによる金メッキの分類0.2 μm(工業用金メッキのみ規定)0.3 μm(装飾用金メッキのみ規定)0.5 μm1.0 μm2.0 μm3.0 μm5.0 μm10.0 μm20.0 μm(装飾用金メッキのみ規定)30.0 μm(装飾用金メッキのみ規定)40.0 μm(装飾用金メッキのみ規定)金メッキを示す記号メッキは、JIS規格により、その表示方法が決まっています。その中で、金メッキを示す記号は、装飾用が「D-Au」、工業用が「E-Au」です。例をいくつか見てみましょう。メッキ表示法の例1Ep-Zn/Cu 10、Ni 5 b、D-Au 0.5/PA例1は、亜鉛素地に、厚さ10μmの銅下地メッキ、厚さ5μmの光沢(b)ニッケル下地メッキを重ね、その上に厚さ0.5μm以上の装飾用金メッキを電気メッキ(Ep)で施し、塗装(PA)で仕上げたことを意味します。メッキ表示法の例2Ep-Fe*/Ni, E-Au** (99.7) 2例2は、ステンレス鋼素地(注*)に、ニッケル下地メッキを施し、その上に厚さ2μm以上、金含有率99.7%の工業用金・コバルト合金(注**)メッキを電気メッキ(Ep)で行ったことを示します。なお、注は、より詳細な内容を記述したい場合に使用します。このように、どのようなメッキを行ったかは、以下のように表示することが決まっており、金メッキもその表示方法に準じています。メッキの表示方法[メッキ法の種類]-[素地の種類]/[下地メッキの種類], [メッキの種類]/[後処理の種類]ここで、「メッキ法の種類」は、最終的に行ったメッキの方法だけを示します。電気メッキは「Ep」、無電解(化学)メッキは「ELp」で表します。次の「素地の種類」は、素地が金属の場合はその元素記号で、合金の場合には主成分金属の元素記号で表します。「下地メッキの種類」と「メッキの種類」では、メッキの材質・厚さ・タイプを順に表示します。メッキの材質は、メッキする金属の元素記号で表します。また、組成を示す場合は、質量パーセントの数値を括弧内に表示可能です。メッキの厚さは、μmで表示し、メッキのタイプは、例えば、光沢めっきならば「b」、半光沢めっきならば「s」などと表示します。「後処理の種類」は、最終メッキの後に施した後処理の種類を表示します。金メッキの加工工程金メッキの加工は通常、①前処理、②下地メッキ、③金ストライクメッキ、④本処理の順に行っていきます。ここでは、これら金メッキの各工程について説明します。なお、金メッキは、電気メッキでも無電解メッキでも施すことができます。無電解メッキは、非導電性の素材や複雑なパターンのメッキに用いられますが、メッキの厚さを確保しにくいなどのデメリットがあります。参考記事電気メッキ、及び無電解メッキについては、以下のサイトで解説していますので、気になる方はご覧ください。⇒専門家が電解メッキを徹底解説!無電解メッキとの違いについてもご紹介金メッキの加工工程①【前処理】前処理では、素材の汚れや酸化皮膜などを除去します。汚れや加工に用いた油などを取り除く場合は、アルカリ性の溶剤で洗浄。サビなどは、酸性の溶剤に漬け込んで除去します。その後、前工程で取り切れなかった、微細な凹凸中に着いたゴミやサビなどを電解洗浄によって除去。続いて、素材のメッキに対する反応性を向上させる活性化を行い、下地メッキの工程に進みます。なお、各工程で使用する溶剤や洗浄剤を次工程に持ち越さないよう、水洗や湯洗も各工程の間に行われます。金メッキの加工工程②【下地メッキ】下地メッキは、素材表面の凹凸を埋めて平滑化すると共に、素材とメッキの密着性を向上させるために行われます。金メッキでは、ニッケルを下地とすることが多く、耐食性の向上が期待できます。特に、金は銅と接すると銅に拡散する性質があるため、この拡散を防ぐ目的でニッケルを下地とします。また、メッキが薄い場合、下地メッキは光沢や艶消しなどの外観に対する効果を与えてくれます。金メッキの場合は、銀メッキや光沢ニッケルメッキなどを下地とすることで、外観にバリエーションを生み出すことができます。Mitsuriでしたら、多様な手法により、外観の豊富なバリエーションを提示できる金メッキの専門メーカーをご紹介できます。ぜひお気軽にご相談ください。金メッキの加工工程③【金ストライクメッキ】金ストライクメッキは、金が金属中で最も貴な金属、つまりイオン化傾向が最も小さい金属であることから必要となる工程です。金は、電気メッキによってメッキ皮膜を形成するより前に、下地メッキと置換して析出してしまいます。そのため、下地メッキの意味がなくなってしまうばかりか、良好な密着性も得られません。そこで、この置換反応が起こらないように調整したメッキ浴を用いて予備的に薄いメッキを施し、メッキの本処理を正常に行えるようにします。金メッキの加工工程④【本処理】実際にメッキを施す工程です。ただし、金ストライクメッキと本処理の双方を行うのは電気メッキのみです。無電解メッキでは、電気メッキの金ストライクメッキと全く同じではないですが、同様に置換反応を抑制するメッキ浴を用意して金メッキを施します。また、逆に、この置換反応を利用して金メッキを施す場合もあります。この方法では、あらかじめ置換対象となるメッキを施し、これを金と置き換えることで金メッキを行います。金メッキの加工工程④【後処理】引用元:株式会社テトラより高い耐食性が必要になる場合、封孔処理と呼ばれる後処理を行うことがあります。金メッキが薄い場合、上図に見られるように、メッキにピンホールが発生します。空気や湿気により、素材や下地メッキが腐食することがあります。そこで、薬剤などを表面に塗布する封孔処理を行うことで腐食を防ぎます。硬質金メッキとは?硬質金メッキは、ニッケルやコバルト、銀、銅、インジウムなどを0.1〜8.0%程度含有した高強度の金合金メッキです。特に、硬質金メッキの定義や規格はなく、何を硬質金メッキとしているかはメーカー毎に異なります。ただし、軟質金メッキのビッカース硬さがHv50~100であるのに対し、硬質金メッキの硬さがHv150以上であることは共通しています。特徴としては、軟質金メッキに比べ、硬度が高く耐摩耗性に優れています。また、厚いメッキを形成しやすく、軟質金メッキよりも均一にメッキできるという利点があります。しかし、導電性や他の素材に対する濡れ性などはわずかに劣り、接触抵抗も少し大きいです。硬質メッキの用途硬質金メッキは、導電性と硬度の両立が必要な摺動部品や、抜き挿しを繰り返す電子部品などによく用いられます。摺動部品の例としては、他の部品と擦れ合ったりするものの、電気も通す必要があるスリップリング(電気信号を伝達できる回転コネクタ)などが挙げられます。一方、電子部品の例としては、基盤に使用する各種電気接点や端子、コネクタ、ピンなどがあります。なお、これらの電子部品に金メッキを用いる理由は、銅や銀では表面に酸化膜が生じて導電性が低下してしまうからです。金メッキの用途・加工事例金メッキは、装飾用途のほか、リードフレームや電子部品など、工業用途にも多く用いられます。ここでは、これら用途毎の加工事例をご紹介します。装飾用途装飾用途で用いられる金メッキは、ネックレスやイヤリングなどのアクセサリのほか、自動車のエンブレムや内装部品、さらには仏具や時計部品など、多岐にわたります。下の写真は、純金メッキの加工事例です。引用元:株式会社スズキ次の写真は、ピンクゴールドと呼ばれる金75%と銅25%の金合金をメッキした洋食器です。ピンクゴールドは、純金メッキや銀メッキに比べ、耐食性と耐摩耗性に優れています。引用元:スワオメッキ有限会社続く写真のように、社寺用品や仏具にも金メッキはよく用いられています。引用元:中嶋金属株式会社電子部品や摺動部品上述したように、硬質金メッキと呼ばれる金合金メッキは、導電性と硬度の両立が必要な接点や端子、コネクタなどの電子部品や摺動部品に用いられます。下の写真は、金含有率99.7%の硬質金メッキの加工事例です。硬度は、Hk150~170Hvとのこと。引用元:株式会社コダマ次の写真も硬質金メッキの加工事例です。テストプローブと呼ばれる半導体部品や基盤の検査器具で、質量パーセントにして0.1~1.5%のコバルトを含有しており、硬度はHk200~250程度です。引用元:株式会社三ツ矢こちらは、厚さ30μmの硬質金メッキの加工事例です。引用元:中嶋金属株式会社リードフレーム半導体の回路基板に使われるリードフレーム(基板上の半導体部品や外部配線との接続に使用する部品)にも金メッキはよく用いられます。以下の2つの写真に見られるように、微細なメッキ加工を必要とするため、無電解金メッキが用いられます。引用元:ローム・メカテック株式会社引用元:清川メッキ工業株式会社金メッキ加工の一括見積もりならMitsuriにご相談を!金メッキは、昔から装飾品に使われていますが、今では様々な金合金メッキが現れたことで、光沢や色味、強度などが多様になりました。また現在では、金メッキ加工は、コンピュータや電子機器にも多用されることとなり、ますます重要なメッキ技術となっています。Mitsuriは、日本全国に協力会社が250社以上ございますので、金メッキを専門とする金属加工メーカーのご紹介が可能です。Mitsuriでのお見積りは複数社可能です。下の赤いボタンをクリックして、お気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介!

    旋盤加工の中に、「NC旋盤」と呼ばれる加工方法があります。NC旋盤は、コンピューターから入力した数値で制御する機能を旋盤に取り付けており、自動で加工を行うことができます。そのため、生産性の向上やコスト削減などを目的に、多くの企業がNC旋盤加工機を導入しています。NC旋盤加工を依頼するにあたり、「どういった基準でメーカーを選べばいいのか」、また「どの工場がNC旋盤加工に対応しているのか分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事は、そんなお悩みをお持ちの方必見!今回は、NC旋盤加工を得意としているMitsuriイチオシの加工メーカーを全国から3社ご紹介します。他にも、NC旋盤の構成、メリット、加工事例などについても解説します。これからNC旋盤加工の依頼を検討されている方は、ぜひ一読ください。NC旋盤加工とは旋盤とは、回転している材料に刃物をあて、円状や円筒状に部品を加工する工作機械を指します。そして、その旋盤にNC(Numerical Control、数値制御)を取り付けたのが「NC旋盤」となります。NC旋盤は、数値制御をもとに、あらかじめ設定した数値、手順通りに自動加工を行います。また、切り込みの加工位置を高精度で制御できるほか、目的とする形状に合わせて、回転速度や刃物の加工速度(送り)を制御できるため、高精度な加工を行うことができます。参考記事こちらの記事では、NC旋盤以外の旋盤加工についても詳しく解説しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。⇒旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!NC旋盤の構成次に、NC旋盤の基本構成を見ていきましょう。NC旋盤の基本構成は主に、主軸台、刃物台、心押台などの機械本体部に加えて、NC制御盤及び操作盤となっています。それでは、ここからはそれらについて、一つずつ詳しく解説していきます。NC旋盤の構成【機械本体】●主軸台加工物を固定し回転を与える、主軸やチャック(加工物を取り付ける装置)などの部分を主軸台と言います。モーターに主軸が組み込まれており、それを動力として加工物を回転させます。また、ポジションコーダという位置検出器が主軸に連結されており、主軸の回転角度をパルスの形にし、NC装置にフィードバックを行い、主軸の回転数を制御します。●刃物台刃物台には、旋盤加工に使用される様々な切削工具が取り付けられています。なお加工工程によって、工具は自動的に選択されます。刃物台の移動軸には、 加工物の直径寸法を決める横方向(X軸)と加工物の長さを決める縦方向(Z軸)の2軸があり、サーボモーター(位置決めを得意としたモーター)によって刃物台が移動します。●心押台心押台に回転センタを取付けて、長い工作物を支持する機能を持っています。チャックと心押台の両方で工作物を支持する(両端支持)ことで、高い加工精度が得られます。NC旋盤の構成【NC制御】●制御盤NC制御と機械を制御するプリント基板やリレー類が並んでいます。指令された複雑な動きを、位置・速度などの数値情報によってコンピュータ上で制御を行い、実行するための装置です。NC旋盤の構成【操作盤】●操作盤機械の運転のためのスイッチやボタンが並んでいます。使用する工具、主軸回転数、テーブル位置、移動距離などマシニングセンターの動きを操作するための操作盤です。その他生産の効率化やコストダウンなどを目的に、様々な付属装置が用いられます。●バーフィーダバー材加工時に長いバー材を送る装置で、このバーが短くなるまで連続して加工を行うことが可能となります。●ロボット素材をチャックに取り付けたり、また加工完了物をチャックから外して格納庫に搬送するなど、自動化、無人化での長時間の加工を可能とします。NC旋盤加工のメリット品質管理が容易汎用旋盤の場合では、手動加工のため、作業者の技量によって作業時間や精度が大きく異なってしまい、品質を管理するのが難しくなってきます。しかし、NC旋盤では、生産が自動化され、初期の設定を行えば、同一品質の製品を大量に生産することが可能となるため、品質管理がとても簡単です。高精度での加工ができるNC旋盤は、各軸移動の分解能が高く、テーブルやバイトの送りを1/1000mm単位という高精度で設定することができます。そのため、特殊形状の部品でも、高精度・高品質な加工が可能となります。NC旋盤加工事例次に、NC旋盤の加工事例についてご紹介いたします。<NC旋盤加工品(材質:SUS304B)>引用元:株式会社吉井製作所<シャフトロール(材質:S45C)>引用元:有限会社鈴精機<電極スリーブ(材質:真鍮)>引用元:有限会社鈴精機NC旋盤加工が得意な工場3選!NC旋盤加工を得意としている、Mitsuri選りすぐりのメーカーをご紹介します。【NC旋盤を用いた量産品なら】和泉製工株式会社引用元:和泉製工株式会社①会社概要本社:大阪市港区市岡元町2-3-4TEL:06-6581-4813FAX:06-6581-0428設立:2007年6月5日加工:切削加工、複合加工 など素材:SS400などの鉄系、S45Cなどの鋼系、SCM、アルミ、ジュラルミン、真鍮、ステンレス系(SUS304・SUS303・SUS316・SUS630など)ホームページ:https://izumiseiko.jp②会社の紹介和泉製工株式会社は、大阪でCNC旋盤を使用した切削加工・複合加工をメインに、各種機械部品を製造している加工メーカーです。③メリット・デメリット和泉製工株式会社では、NC旋盤による「丸物切削加工」を主に行っています。丸もの・六角ものの加工では、外径サイズはφ10mm~φ150mmが対応可能で、 φ65mm以下では定尺材よりの加工、φ66mm以上は切断材よりの加工となります。最小ロット数は、基本的に100個からとなっております。なお、板材よりの加工や異形物の加工には対応しておりませんので、依頼の際にはご注意ください。④製品紹介和泉製工株式会社での製品例はこちらです。異型フランジ片持ち異型フランジフランジ(SUS304)【ステンレスから難削材まで対応】株式会社木山製作所引用元:株式会社木山製作所①会社概要本社:千葉県松戸市松飛台271-1TEL:047-311-2671FAX:047-311-2672創業:1946年4月加工:NC旋盤、マシニングセンターを中心とした金属の切削加工 など素材:ステンレス、アルミ、鉄、チタン、インコネル、ハステロイ、ニッケル合金 などホームページ:http://www.kiyamaseisakusyo.co.jp②会社の紹介株式会社木山製作所は、NC旋盤、マシニングセンターを中心とした金属の切削加工を行っている老舗メーカーです。③メリット・デメリットNC旋盤、マシニングセンターの切削加工が自慢の企業です。 ステンレス、アルミ、鉄以外にも、インコネルやハステロイなどの難削材の加工にも対応しています。また、切削加工から表面処理など2次加工まで含めて、一括で請け負う事が可能なため、お客様の管理の手間を省くことができます。ただし、特急対応については、可能かどうか事前に確認することをおすすめします。確認の際には、ぜひMitsuriまでご相談下さい。④製品紹介株式会社木山製作所での製品例はこちらです。食品・医薬工場用の接続金具ガイドカバーパイプフランジ【アルミのNC旋盤加工なら】株式会社畑山金属工業所引用元:株式会社畑山金属工業所①会社概要本社:大阪府門真市三ッ島6丁目25-28TEL:072-800-0777FAX:072-800-0888創業:昭和35年4月加工:機械加工、金属加工、試作製作から機械部品の製造、加工素材:アルミ、鉄、ステンレス、チタンホームページ:http://www.hatayama-metal.jp②会社の紹介株式会社畑山金属工業所は、大阪府門真市に本社を構え、NC旋盤、マシニング、プレス、フライス、溶接、ダイカストなど、様々な金属加工を行っているメーカーです。③メリット・デメリット最新の製造機械を導入し、高精度の加工にも対応しています。また、材料の仕入れから製造まで、一貫した管理体制の下で行っているため、常に品質の高い製品を短納期で提供することが可能です。ただし、基本的にはΦ300(300mm)までのサイズの加工のみ対応可能であるため、それ以上のサイズの加工をご希望の場合には、可能かどうか事前に確認することをおすすめします。NC旋盤加工の見積もりならMitsuriへ!今回は、NC旋盤についての基本的な知識に加えて、NC旋盤加工を得意としている3つの工場をご紹介しました。NC旋盤を得意とすると言っても、メーカーごとに対応可能な材質や素材が異なるため、それぞれの特徴を十分に確認してから依頼することが重要です。NC旋盤の加工を依頼できるメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    タングステン加工について、タングステンの特徴を踏まえて解説!

    タングステンという金属をご存知でしょうか。原子番号74の元素で、元素記号はドイツ語のWOLFRAM(ウォルフラム)にちなんで、Wとなっています。タングステンは遷移金属に分類され、レアメタル(地殻中の存在量が比較的少なかったり、採掘と精錬のコストが高いなどの理由で流通・使用量が少ない非鉄金属)の一つとなっています。鉄やアルミニウムのように、普段の生活でよく耳にするような金属ではないのですが、実は、私たちの身の回りの様々なところで利用されているのです。今回は、タングステンについて、その特徴や、どんなところで使用されているのか、またタングステンを加工する上での注意点、加工事例など幅広く解説していきます。タングステンについてさらに知識を深めたい方や、タングステンの加工でお悩みの方は、ぜひご一読ください。タングステンとはまずは、タングステンの特徴について見ていきましょう。主に、タングステンの特徴は①高い耐熱性、②高金属密度の2点となります。それでは、詳しく解説していきます。①高い耐熱性タングステンの融点は、3422℃と、金属の中で最も融点が高いと言われています。その高い耐熱性から、熱処理炉など超高温下で使用される材料として広く活用されています。また、熱膨張率が低く、超高温での形状安定性が極めて高いという点も、タングステンの特徴の一つと言えます。②高密度で加工が難しいタングステンの金属密度(比重)は19.3g/cm3と、金とほぼ同じであり、鉄の約2.5倍、鉛と比べても、1.7倍となります。タングステンという言葉は、スウェーデン語で「重い石」という意を持つのですが、その名の通り、非常に重い金属となっています。また、金属密度が高いことから、放射線遮へい能力に優れているという特徴を持ちます。鉛も同様に、X線やガンマ線などの放射線の遮へい材にもなるのですが、環境負荷が大きく、人体への影響も大きいというデメリットがあります。一方で、タングステンは環境負荷が小さく、さらに放射線遮へい能力においても、鉛より高いため、X線CTなどの医療分野で活躍しています。このように、普段身近に感じない金属ですが、工業用、医療用として私達の生活に密接に関係があります。また、タングステンは硬度が高いという特徴も持っています。炭素などと結びつくことで、さらに硬度が高くなり、モース硬度ではダイヤモンドの10に次ぐ、9にランクされます。タングステンの炭化物であるWC(タングステンカーバイド)はそのように、非常に硬度が高いことから、ドリルや旋盤など、金属の切削工具として広く利用されています。身近に使われているタングステンタングステンの特徴について理解したところで、次は、それらの特徴を踏まえて、実際に私たちの身の回りで、どういったところにタングステンが使用されているか見ていきましょう。高い耐熱性を活用した使用用途タングステンの一つ目の性質である、高い耐熱性を利用して、白熱電球のフィラメントや電子レンジのマイクロ波を発生する、マグネトロンに使用されています。なお、以前はフィラメントによく使用されていましたが、近年はLEDが多用されるようになったために、フィラメントとしての需要は減っています。高い密度を活用した使用用途また、金属密度(比重)が高いという性質を活かして、釣りの重りやゴルフ道具のウエイト、さらには腕時計の重りなど、比較的狭いスペースにもかかわらず、しっかりした重量が必要な場所において使用されています。タングステンは、私たちの身近なところで活用されているということが分かりますね。タングステンの加工の仕方これまで、タングステンの特徴を見てきましたが、硬度が高く、融点が高いという特徴から、加工が非常に難しい金属として知られています。また、切削加工の被削性の観点から見ても難削材にあたるため、加工にあたってはいくつか注意するべきポイントがあります。ここでは、そのような難加工材であるタングステンを加工する方法について説明していきます。タングステンの旋盤加工タングステンに旋盤加工を施す場合、チップ素材の選び方で面粗度に差が現れます。例えば、超硬合金(タングステンカーバイドとコバルトを焼結した材料)のチップを用いると、チップの先端形状のすくい角が小さくなり、切りくずの厚さも厚く、切削抵抗が大きくなるため、結果、面粗度が荒くなってしまいます。<超硬度のチップを用いた場合>一方、サーメット(チタン化合物とニッケルやコバルトを焼結した材料)のチップを用いることで、すくい角が大きくなり、切りくずの厚さも薄く、切削抵抗が小さくなるため、面粗度を上げることが可能となります。<サーメットのチップを用いた場合>引用元:株式会社イプロスタングステンのフライス加工タングステンのフライス加工においては、荒加工を湿式(水や切削油剤などのクーラントを使いながら加工する方法)で、回転数を落として行い、仕上げ加工を乾式(水や切削油剤などのクーラントを使わずに加工する方法)で行うことにより、安定した仕上がりになります。仕上げ加工を湿式で行うと、刃物が逃げる傾向があり、仕上がりが安定しないので注意が必要です。フライス加工では、加工条件の設定が不適切な場合、特に硬い材料ではワークが熱を持ち、加工硬化を起こすので、適切な加工条件に設定することが重要となります。<切削熱の発生因子>引用元:難削材加工コストダウン.COMタングステンのタップ加工タングステンのような難削材をタップ加工する際には、大きな負荷が掛かるため、タップが折れやすく、さらに送り速度も制限されるので、加工に非常に長い時間がかかります。そのため、荒加工で穴を空けた後に、通常のタップではなく、プラネットカッタを使用することで、劇的に加工時間を短縮することが可能となります。<プラネットカッタ>引用元:株式会社MonotaRO参考記事切削加工に関する基礎知識については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。⇒【切削加工とは?】特徴・種類・注意点を動画と一緒にご紹介します!タングステンの加工事例最後に、タングステンの加工事例についてご紹介いたします。〈イモネジ(NC施盤加工、長ネジ加工))引用元:株式会社トップ精工<タングステン加工品(マシニングセンタ加工、左半分:R溝加工、 右半分:貫通穴とネジ加工)>引用元:株式会社トップ精工<タングステンボート(マシニングセンタ加工、ザグリ加工)>引用元:株式会社トップ精工タングステン加工の見積もりならMitsuriにお任せ加工が非常に難しいと言われているタングステンでは、加工メーカーを選ぶのも難しくなるでしょう。タングステンの加工を依頼できるメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!

    硬い金属を削って目的の形に仕上げていくフライス加工は、金属加工の中でも多くの場面で用いられる加工方法ですので、フライス加工の種類を詳しく知っておくと、ものづくりの幅が大きく広がります。また、フライス加工機の種類もたくさんあり、それそれの特徴も違うため、加工を依頼する工場がどのような加工機を使っているか知っておくと、理想の製品が作れるとも考えられます。そこで今回は、フライス加工の種類から金属加工工場で使われている加工機の種類や特徴について詳しくご紹介します。フライス加工とはフライス加工は、切削工具を高速で回転させながら金属を削り取り、目的の形状にする加工方法です。一般的に、工具を用いて金属の材料を削る加工を「切削加工」と言いますが、切削加工の中でも切削のやり方によって「旋盤加工」と「フライス加工」の2つに分けられます。まず「旋盤加工」は、丸物の工作物を回転させながら固定した切削工具に当てて削るため、円筒形状の加工物の外形や内径を加工します。中心に穴を開ける穴あけ加工やねじ切り、溝削りなどの加工が行えます。一方、フライス加工は、切削工具を高速で回転させながら固定した工作物に当てて削っていきます。作業台に固定さえできれば、どのような形状の工作物でも加工できます。材料を固定した作業台は前後左右にスライドし、切削工具は上下に動くため、組み合わせれば三次元的な動きが可能で、工作物の表面を平面や曲面に加工したり、穴を開けたり溝を掘ったりと、様々な加工が行えます。参考記事旋盤加工やフライス加工については以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒切削加工の種類【専門家が解説】フライス加工、旋盤加工について詳細をお伝えします!フライス加工で製作されるものは複雑な形状をしており、一見すると何をどうやって加工しているのかわからないと思います。しかし段加工や溝加工など、様々な加工方法が組み合わされて一つの製品が作られていますので、加工で使われる切削工具の役割さえわかれば、徐々に出来上がりのイメージが出来るようになりますので安心してください。フライス加工の種類フライス加工は使用する工具によって様々な形状に仕上げることができます。主に使われることが多い工具は、正面フライス、エンドミル、溝フライス、平フライスの4つとなります。主に使用される工具正面フライスエンドミル溝フライス平フライスそれぞれの特徴と成形できる形を見ていきましょう。参考記事こちらの記事にもフライス加工の種類について詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒【切削加工】切削加工の方法や特徴・種類を動画を交えてご紹介!!正面フライス円周上に多数の刃(チップ)が取り付けられており、高速で回転しながら平行移動して表面を平らに削ることができます。フライス加工で最も多く用いられる切削工具ですので、様々な大きさの正面フライスが存在します。広い平面を削りたい時は外径が大きな正面フライスを使えば一気に削れますが、サイズが大きな正面フライスは重量が重く、出力が大きいフライス加工機を使わなければなりません。そのため製品の加工には作業効率だけでなく、その加工機で使用できる工具サイズを配慮して選ぶ必要があります。エンドミルドリルの刃に似た縦長の切削工具で、主に平面を削るために用いられます。正面フライスよりも削れる面積が小さいため、細かな部分を削るときに重宝します。一見するとドリル刃と間違えそうですが、エンドミルは先端の両サイドが鋭く角張っている特徴があります。刃の枚数も2~5枚、ものによっては6枚以上まであるものも存在し、用途や工作物の素材によって最適なものを選びます。エンドミルは平面削りで削れる面積が少ないため、加工時間がかかる欠点がありますが、反対にエンドミルさえあれば、平面削りだけでなくそのまま段加工や溝加工もできるため、他の切削工具に比べて万能な切削工具とも言えます。溝フライス高速カッターの刃のような形状で回転し、工作物を当てながら平行移動させることで溝を掘ることができます。溝フライスのサイズも様々で、掘りたい溝の深さや幅によってサイズを決めます。サイズを決める基準は、刃の幅…溝の幅刃の外形…溝の深さとなっています。エンドミルでも溝加工ができますが、溝フライスの方が加工スピードが早く、切りくずも効率よく外に排出できるため、仕上がり精度を高くできる特徴があります。平フライスギアのように外周に刃を持った切削工具で、横型フライスに取り付けて平面を削ることができます。また、工作物の両端の加工に用いれば段加工も可能です。ただし、平フライスでは溝加工や穴加工ができませんので、現在は平面の加工は正面フライスで一気に加工し、エンドミルで溝加工や段加工、穴加工をするといったパターンが多く、平フライスの出番は徐々に無くなりつつあります。フライス加工機についてフライス加工機と聞くと、作業台の上に工作物を固定し、ハンドルで作業台を前後左右、切削工具を上下に動かしながら加工を行う機械が思う浮かぶのではないでしょうか?しかしフライス加工を行う機械は手動で動かすものや、自動で加工できるもの、コンピュータ制御されているものなど、様々な種類があります。主に一連の操作を手動で行うものを「汎用フライス」と呼び、フライス盤にNC(数値制御)の機構が付いて自動で加工できるものを「NCフライス(CNCフライス)」と呼ばれます。また、それ以外にも工具交換も自動で行ってくれる「マシニングセンタ」や、自動で歯車を製作する「NC歯車加工機」などが主流です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。参考記事フライス加工機については以下の記事でも詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒金属切削加工ならMitsuri!1コ〜お受けいたします!汎用フライス材料や切削工具の取り付けから加工完了まで、すべての作業を人の手で行うフライス加工機です。動作が人の手によるため、作業者の技量によって製品の出来栄えが変わる特徴があります。自動化が主流になりつつある現代において、手作業で行う加工機は一見時代遅れに見えるかもしれませんが、熟練した作業者が加工すれば手動でしか加工できないほど精密で高品質な製品ができるのも事実です。特に試作品やオーダー品などの製作現場で活躍しています。NCフライス(CNCフライス)NCは「Numerical Control」の略で、材料の位置や動きを数値化して機械を動かす方式を言います。最近は数値化したデータを加工機の内部にあるコンピュータに入力すると、数値制御を行い自動で加工してくれるCNC(Computerized Numerical Control)フライスが主流となってきました。元々はコンピュータを用いない「NCフライス」が先に開発され、後にコンピュータ制御が出来る「CNCフライス」が普及していたことから、「NC」と「CNC」は明確に線引きされていました。現代ではほとんどの「NCフライス」にもコンピュータ制御が搭載されているため、まとめて「NCフライス」と呼ばれることが多くなってきました。NCフライスはコンピュータに加工条件や動作プログラムを入力すれば自動で加工できるため、複雑な形状をしていても、同じものを作ることができます。また、材料や切削工具は入力された数値に従ってサーボモーターを制御しており、加工精度の狂いも少なく、高品質な製品を作ることができます。さらに形状を変更するときは、コンピュータ内のプログラムを変更するだけであるため、熟練した加工技術を必要としません。そのため現代の金属加工現場でとても重宝される加工機とも言えるでしょう。マシニングセンタ加工作業を数値制御によってコントロールされる「NCフライス」に「ATC(自動工具交換装置)」が付いている加工機を「マシニングセンタ」と呼びます。これまでのNCフライスは切削工具の交換作業は人の手で行なわなければならず、各工程が終わるごとに切削工具を交換し、工作物に合わせ込む時間が必要でしたので、複雑な形状の製品を加工する時はかなり時間がかかります。一方、ATCを装着していると、一度の加工で複数の切削工具が使えるため、工具交換の手間がなくなり、かなり効率的に加工が行えます。また、マシニングセンタで加工すれば、工具の脱着作業は必要ありませんので、工具の脱着作業によって発生する微妙なズレが起きません。そのため精密な部品の製作にも向いている加工機とも考えられます。NC歯車加工機歯車は伝達機構が三次元的な噛み合いとなっており、トルクを無駄なく伝達させることが求められる非常に精密な部品でもあります。一般的な歯車の成形方法は、歯車のもととなる材料に、「ホブ」と呼ばれる切削工具を押し当てて円盤の外周に歯を削り込んでいく「ホブ加工」で成形されます。歯車加工は用途によって歯の形状や数が細かく分かれているため、歯車を製作する時は切削工具や機械の加工条件を変えたりと、かなりの手間がかかります。NC歯車加工機は、歯車製造工程のホブ加工を自動で行える加工機で、切削速度の調整や歯数の指定も自由にできます。最近では穴の内面加工や切削加工、歯切り加工を一貫して行う複合機が開発されています。複合機を使うと各工程を自動化し、段取り替えを極力減らすことが可能ですので、複雑な製造工程でも効率的に生産できるようになりました。まとめフライス加工の種類やフライス加工機についてご紹介しました。金属加工の基本とも言える「削る」作業を担当するフライス加工は、ものづくりにおいて欠かすことができない技術とも言えます。しかし近年は自動化が進み、効率良く作業できる加工機の開発が進み、加工方法も複雑化されていますので、どのように加工すればいいのかわからないこともあるかもしれません。そんな時はMitsuriにご相談ください。Mitsuriは全国140社以上の金属加工会社と提携しており、汎用フライスからマシニングセンタまで様々な加工機を使用している工場がございますので、最適な工場をご紹介させていただきます。また、作り方にお悩みの際もMitsuriにご相談いただければ、作りたいものに適したフライス加工方法もご提案させていただきます!作りたいものがございましたら、まずMitsuriにお申し付けください!

  • NO IMAGE

    パンチングプレートならMitsuri!種類や材質について専門家が解説!

    パンチングプレートは、穴を開けた板状の金属材料のことです。しかし、パンチングプレートが何かも知らない方や、知ってはいるものの、どのような穴の種類があって、どんな材質のものがあるのか分からない方も多いことでしょう。自社で使用するときの参考に、どんな用途があるのかを知りたい方もいるかも知れません。そこでこの記事では、パンチングプレートの概要から多種多様な穴の種類や材質まで解説していきます。また、用途と加工事例も併せてご紹介しますので、パンチングプレートの選定や加工の参考にしてください。パンチングプレートとはパンチングプレートとは、パンチングプレスによって穴を開けた板状の金属材料のことで、パンチングメタルとも言われます。パンチングプレスは、パンチとダイという金型で材料を打ち抜くプレス機械です。打ち抜き加工は、主にNC制御(数値制御)によって行うため、規則的な位置に穴を開けることができます。また、金型を選定または製作することで様々な形状の穴を開けることが可能です。参考:タレパン】タレットパンチプレスの仕組みや特徴について詳しくご紹介!!パンチングプレートの穴の種類パンチングプレートの穴の形状は、下図の「丸穴」「角穴」「長丸穴」「長角穴」が代表的です。引用元:阪倉金網株式会社穴の形状にはこのほか、ダイヤ形や菱形、六角形の形状をしたものや、丸十穴などの丸穴と十字穴を交互に配列したものなどがあります。さらに近年では、プレス機械の複雑な制御がコンピュータでできるため、任意の形状の穴を開けることが可能です。穴の形状について述べましたが、穴径や穴ピッチ、穴の配列パターンもパンチングプレートの穴の種類を決定する要素です。穴径は丸穴の直径のことで、Φ5といった表記で直径5mmの丸穴が開いていることを表します。また、穴ピッチは、P10と表記して穴と穴の中心間隔が10mmであることを表します。一方、穴の代表的な配列には、下図の「60度千鳥」「45度千鳥」「並列」の3種類が挙げられます。引用元:松陽産業株式会社「60度千鳥」といった名称は、図のように1段下の穴との角度と、互い違いであることを意味する工業用語「千鳥」から来ています。穴の配列はこのほか、同形状の異なる穴径の丸穴を配置したり、異なる形状の穴を配置したりするなどの多様な配置があります。しかし、穴の形状と同じく、穴の配列もまた任意にデザインすることが可能となっています。パンチングプレートにとって、上述した穴の形状、穴径、穴ピッチ、穴の配列によって決まる開口率も忘れていはいけません。開口率は、プレート面積における穴を開けた部分が占める割合をパーセントで表したものです。開口率が大きいほど、金属部分が少なくなるので、当然強度は弱くなってしまいます。パンチングプレートの材質についてパンチングプレートの材質は、鋼、ステンレス、アルミ、銅、真鍮、チタンなど多種にわたります。しかし、一般的には鋼やステンレス、アルミを材料とすることが多いようです。パンチングプレートの主な材質…鋼、ステンレス、アルミ鋼板では、冷延・熱延鋼板や高張力鋼板、表面に防サビ加工を施した亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニール樹脂をコーディングした塩ビ鋼板など、表面処理済みの鋼板も対象となっています。また、ステンレスではSUS304やSUS430、アルミではA1050やA1100が多く使われています。パンチングプレートの定尺について金属材料の定尺とは、市場に流通している、つまり既製品として販売されている材料のサイズ・寸法のことです。注文品でないパンチングプレートの多くがこの定尺寸法で販売されています。定尺は材質によって異なりますが、パンチングプレートでよく用いられる鋼、ステンレス、アルミについては、以下のサイズの定尺材を見つけることができるでしょう。鋼●914 mm ✕ 1829 mm●1219 mm ✕ 2438 mm●1524 mm ✕ 2438 mm●1524 mm ✕ 3048 mm●1524 mm ✕ 6096 mmステンレス●1000 mm ✕ 2000 mm●1219 mm ✕ 2438 mmアルミ●1000 mm ✕ 2000 mm●1250 mm ✕ 2500 mmなお、板厚については、メーカーや販売店によってばらつきがありますが、鋼だと0.5~6.0 mm、ステンレスだと0.3~3.0 mm、アルミだと0.5~3.0 mm厚さのパンチングプレートがよく販売されています。パンチングプレートはどんなところに使われているかパンチングプレートは、単なるプレートにはない、より優れた以下のような特徴・機能を持つため、建築物から家電製品まで様々な用途があります。パンチングプレートの特徴・機能軽量採光通気/通風通水装飾/デザイン濾過滑り止め建材としては、その軽量性や通気性から、壁材や天井材、間仕切などに使われています。また、通風性や採光性に加え、装飾やデザイン性を活かした形で、門扉やフェンス、エクステリアなどにも使用されています。パンチングプレートは、穴を微細にすることで、フィルターのほか、電子機器や家電製品のメッシュカバーとしても使われています。通気や水切り、滑り止めの役割もできるため、側溝の蓋や床材などの用途もあります。そのほか、パンチングプレートは、防音壁に用いられ、吸音材の効果を高めるとともに保護・支持材としての役割も果たしています。また、暖房器具では、熱を放射・拡散できる安全のための仕切り板として用いられています。パンチングプレートの加工事例下の写真は既製品として販売されているもので、材質はSUS304、厚さは0.6mm、丸穴でΦ6✕P9、配列は60度千鳥のパンチングプレートです。引用元:モノタロウ下の写真は、穴径の異なる丸穴を配列したパンチングプレートで、高いデザイン性を持つため、店舗什器用として用いられています。引用元:三和打抜工業株式会社次の写真のパンチングプレートは、高耐食性メッキ鋼板を加工してビルの軒天に使用したもので、耐久性・通気性・意匠性を同時に満足しています。引用元:株式会社ウチヌキ下の写真は、パンチングプレートを筒状に2次加工したもので、穴を微細にすることでオイルフィルターとしての機能を発揮させています。引用元:パンチングワールド下の写真は、公園やアミューズメント施設のゴミ箱を用途として製作されたものですが、このような装飾性の高い加工もパンチングプレスで可能となっています。引用元:松陽産業株式会社参考:【パンチングメタルメーカー10選】本当に凄い技術を紹介(玄人必見)まとめ以上、パンチングプレートの概要や種類、材質や用途について解説しました。パンチングプレートは、プレス機械によって穴を開けた板金のことです。その種類は、丸や角といった穴の形状と穴径、穴ピッチ、穴の配列によって千差万別です。その素材には、鋼やステンレス、アルミを使用することが多いですが、チタンのパンチングプレートもあるように特に制限はありません。幅広い用途があり、通気性や採光性などの穴に由来する性質を活かした建材や防音壁、フィルターや家電製品など、多様に用いられています。パンチングプレートへの加工は、板が厚いほど、穴が微細になるほど難しくなります。しかし、Mitsuriなら加工事例でご紹介したような加工にも対応できます。Mitsuriの協力工場は全国に350社以上あり、多数のパンチング加工の実績があるため、安心してご依頼ください。素材の選択のご相談に加えて、パンチング加工が得意な工場のご紹介も可能です。

  • NO IMAGE

    鉄の溶接ならMitsuri!【全国どこでも】1コ~お受けいたします!

    「鉄溶接の特徴って何?」「鉄を溶接したい、でもどんな方法があるの?」「鉄溶接の事をもっと知りたい」この記事はこのような疑問をお持ちの方に向けた記事となっています。溶接とは、その名の通り鉄、またはその他の金属を溶かして接合させる事です。参考記事溶接に関して詳しく解説している記事はこちらです。⇒第1回 溶接加工とは?代表的な種類とメリット・デメリットを解説鉄製品の溶接を外注化している、もしくは外注化を検討している企業様にもご参考にしていただけたらと思います。溶接時の鉄の特徴溶接時の鉄は、1,538度~2,800度(鉄の融点)まで温度が上昇します。融点まで達した鉄は溶け、2つの隣接する母材が混ざり冷却されて一体化します。金属は高温になると膨張し、冷却されると縮小する特性があります。溶接は局所的にこの膨張収縮が起こるため加熱された個所とされない個所で変形量が異なってしまい、結果的に歪み(ひずみ)という現象が発生します。鉄の特徴としては、アルミ、ステンレスに比べて溶接時の歪み(ひずみ)が少なく、溶接しやすい材質です。少ないと言っても鉄の溶接時は歪み(ひずみ)の発生は避けられないので、どのように歪み(ひずみ)を抑えて溶接するか、修正するかが溶接時のポイントとなってきます。また、前述の通り歪み(ひずみ)は鉄だけではなく、アルミ、ステンレスでも同じように発生します。参考記事歪み(ひずみ)を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。⇒溶接歪みの原因について解説!修正方やそもそも歪みを出さない溶接法についてもご紹介!鉄溶接の方法鉄を溶接する方法はいくつかありますが、溶接が必要な鉄製品の用途や、溶接する箇所によって変わってきます。溶接は大きく分けて3つに分類されます。融接・・・被覆アーク溶接、半自動溶接、TIG溶接、プラズマ溶接など圧接・・・スポット溶接、シーム溶接、アプセット溶接などろう接・・・ろう付け、はんだ付け今回は融接の中でも代表的な被覆アーク溶接、半自動溶接、TIG溶接にフォーカスして解説していきます。被覆アーク溶接アーク溶接棒に付着しているフラックス(被覆材)は、大気や酸素から溶融地を守る働きがあります。仕組みとして、被覆アーク溶接時にフラックス(被覆材)が高温のアークによって分解、ガスとなりアークと溶融地を大気、酸素から保護します。したがって被覆アーク溶接は風に強く、屋外作業に向いている溶接方法です。ガスを使用せず、溶接機自体も比較的安価で複数台同時に稼働でき、作業効率も良い事から特に作業時間に制約がある(工期)屋外の建築現場では被覆アーク溶接を用いる事が多いです。また、被覆アーク溶接の特徴としてスラグが出ます。参考記事溶接時のスラグについて、詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。⇒溶接時のスラグはなぜでるのかを解説!スラグ巻き込みの原因と対処法についてもご紹介!半自動溶接半自動溶接は、フラックスワイヤーを使用しない場合、シールドガスでアーク周辺を保護します。通常、シールドガスの流量は20~30l/minで調整して溶接を行いますが、溶接部周辺の風速が1.2m/sec程度でも気孔が発生する恐れがあるので風に弱く、屋内作業に向いている溶接方法です。風の抵抗を受ける屋外での作業では、シールドガスを使用しないセルフシールド溶接があります。セルフシールド溶接の場合、シールドガスではなくフラックス(被覆材)入りのワイヤーを使用します。TIG溶接TIG溶接は、半自動溶接同様シールドガスを使用しているため、風に弱く屋内での作業に向いている溶接方法です。被覆アーク溶接や半自動溶接に比べて、音をあまり出さずに溶接が出来ること、見た目がキレイということもあり、小型製品の目に見える部分や、パイプの繋ぎ目などで使用されることが多いです。TIG溶接は、母材とタングステンの距離感やプールが出来てから溶接棒を入れるタイミング、さらには母材が高温になる事を計算した電流の調整などといった3つの中で最も技術習得に時間が必要で、作業者によってはピンホールが出来てしまったり、見た目も違ってきます。参考記事今回紹介した3つ以外の溶接方法を知りたいという方はこちらの記事を参考にしてください。⇒溶接方法はこの記事だけでOK!3分でわかる金属加工で代表的溶接方法!鉄溶接事例鉄の溶接は、溶接する箇所、用途によって使い分ける必要がある事をおわかりいたただけたと思います。溶接を外注化するにあたって、「この鉄製品はこういう用途に使用したい」「見た目はこだわらないがガッチリ溶接して欲しい」といった案を提示することで、作業者にどう溶接すればいいのかが伝わり、作業効率もアップします。鉄溶接を知る事でスムーズに取引が出来、納期短縮にも繋がります。では次に、鉄を溶接したらどのような仕上がりになるのか、鉄溶接の事例と共に紹介していきます。被覆アーク溶接での事例①溶接風景引用元:Bldy.マガジン火花が飛び散る範囲が広いので厚手の革手袋、作業着が必須です。高所での作業も可能ですがそのためには安定した足場が必要になります。②溶接箇所引用元:株式会社KRS厚物(鉄)を被覆アーク溶接で溶接した例です。(画像はスラグを取り除いたもの)半自動溶接での事例①溶接風景引用元:株式会社NIMURA風の影響を受けにくい屋内での作業風景です。半自動溶接は溶接棒を取り替える作業がなく、ワイヤーが自動で送り出されるので溶接速度が速く、量産性に優れています。②溶接箇所引用元:WELDTOOL写真に見える丸い粒のようなものはスパッタと呼ばれるものです。被覆アーク溶接にあるスラグよりも簡単に取り除くことが出来ます。スラグはハンマーなどで叩く必要がありますが、スパッタは残材などで擦ると取れます。半自動溶接は自動化させることも出来ます。参考記事溶接の自動化を詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしていただけたらと思います。⇒第6回 溶接の自動化とは?自動溶接・ロボット溶接TIG溶接での事例①溶接風景引用元:株式会社 三矢TIG溶接でパイプ形状のつなぎ目を溶接しています。密な溶接や細かな溶接も可能という事がTIG溶接のメリットと言えます。②溶接箇所引用元:サイクルパインTIG溶接は見た目がキレイに仕上がるため、目に見える部分に適している溶接です。画像の通り、自転車の鉄製フレームにもTIG溶接は使われる場合があります。TIG溶接は鉄の溶接に限らず、アルミやステンレスにも対応出来るのでマルチな溶接方法とも言えるでしょう。鉄の溶接ならMitsuri!今回は数ある鉄の溶接の中でも被覆アーク溶接、半自動溶接、TIG溶接の3つをピックアップしてご紹介させていただきました。「この鉄製品はTIG溶接にしよう!」「屋外で溶接したいから被覆アーク溶接かな?」などイメージしやすくなったと思います。溶接はとても手間のかかる作業であり、経験と技術も必要な工程です。「どこに溶接を依頼したらいいのかわからない…」「最短納期で溶接をして欲しい…」こんなお悩みをお持ちの方はぜひMitsuriにご相談ください!Mitsuriは、日本全国に協力企業が100社ございます。そのため、お客様にとって最適な溶接方法、最短納期での作業が得意な工場のご紹介も可能です。鉄製品の溶接加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!

  • NO IMAGE

    アルミと鉄の溶接は難しい!異種金属溶接について専門家が解説

    「異種金属溶接」という言葉をご存知でしょうか。これは、ふたつの異なる種類の金属を接合させる高度な技術のことです。この技術を活用すれば、コストパフォーマンスと強度を両立した部品の製造が可能となり、工場だけでなく発注元にとっても大きなメリットとなります。しかし、この技術は金属の材質によっては接合が非常に難しい場合もあります。たとえば鉄とアルミの場合、熱伝導率などに大きな差があるため、現代の技術では接合が困難とされているのです。この記事では、異種金属溶接の定義や特徴だけでなく、その難しさや問題点、活用法などについて、専門家の視点から解説していきます。 異種金属溶接とは本来溶接というのは、同じ種類の金属同士を接合するのが基本となっています。鉄でできた部品の場合、同じく鉄素材のものを接合させるというのが一般的です。しかし、異種金属溶接はそれと異なり、たとえば、チタンとステンレスといった別種の金属同士を溶かしつなぎ合わせるために行う手法です。異種金属を接合するための方法としては、ふたつの金属を電極で挟み、高圧電流によって溶接する「スポット溶接」や、タングステンに電気を流して発生させるアークを用いた「TIG溶接」があります。その他、レーザー光によって金属を溶かす「レーザー溶接」や、電子を加速させ発生させたビームによる「電子ビーム溶接」。融点の低い銀や真鍮などをろう材として利用し接着する「ろう付け」など、方法はさまざまです。異種金属溶接の難しさについて現在の溶接業界において、異種金属溶接は高いスキルが求められる手法として知られています。その大きな理由は、「電蝕」の発生です。錆びにくい「貴金属」と、錆びやすい「卑金属」を接合したものが、水などに接触することで電気が発生し、腐食劣化の原因となります。ガルバニック腐食はふたつの金属間の電位差が大きいほど発生しやすく、たとえばアルミとステンレスを接触させておいた場合、腐食の危険性がかなり大きいと言えます。もうひとつの理由として、「熱伝導率」や「融点」の差も問題です。熱伝導率および融点が高い金属と、それとは逆の性質を持つ金属を接合しようとしても、そう簡単にはいきません。一方の金属はなかなか溶解しないにも関わらず、もう一方は反対に溶けすぎてしまうといったことが発生すれば、適切な状態で繋ぎ合わせることができなくなります。溶接にあたっては、つなぎ合わせるものをそれぞれ互いに溶融させることが重要ですが、一方の溶け具合が不十分な場合、しっかり接合しているとは言えません。このような問題点を考慮せず、無理やり溶接を行おうとするのは危険です。 見た目としてはしっかりくっついているように見えても、継ぎ目の部分では腐食や金属ごとの強度差によって非常に脆い状態となっており、溶接割れなどさまざまなトラブルの原因となります。異種金属溶接が求められる場面とは異種金属溶接が必要となるのは、ふたつの金属の特徴を併せ持った素材を作る場合です。例えば、銅とアルミを接合すると、アルミ本来の弱点である脆さをカバーしつつも軽量といった、両金属のいいとこどりの素材を生み出すことができます。こうした素材が自動車などに導入された場合、重い金属を使わなくとも耐久性を補うことができ、車体の軽量化が実現しやすくなります。これはメーカーや工場だけでなく、消費者にとってもメリットのあることです。異種金属溶接によって複数の長所を持った素材が普及すれば、より低コストで、なおかつ耐久性に優れ扱いやすい商品を購入することができ、ライフスタイルの向上にもつながるでしょう。しかし、先の項目で述べた通り、ふたつの異なる金属を溶接するのは簡単なことではありません。電位差のみならず、熱伝導率などの要素を考慮に入れた上で、適切な接合を行わなければならないからです。異なる性質を持つ異種の金属を結合するにあたっては、双方の金属と相性のよいものを溶接素材として選ぶなどの対策が求められるでしょう。たとえば銅と鉄を異種金属溶接しようとする場合、本来は鉄が過剰に溶けてしまって適度な接合を行うことが難しいとされています。この問題を解決するため、銅や鉄との合金に用いられるニッケルを溶接素材として使用します。その結果、安定した強度を保った状態で接合できるようになるのです。こうした手法を実践するには、金属や溶接に関する豊富な知識に加え、ろうやレーザーなどを用いたさまざまな手法をこなせる熟練したスキルが必要です。そのため、異種金属が求められる場面では、専門的な技術を持った人材の存在が必要不可欠と言えるでしょう。アルミと鉄はくっつかない?さて、タイトルにもなっているアルミと鉄についてですが、これらふたつの金属を溶接できるかというと、かなり難しいと言わざるを得ません。そのもっとも大きな理由は、これらふたつの金属の融点や熱伝導率には大きな差があるためです。アルミの融点は約600℃に対し、鉄は1500℃とかなりの開きがあるため、均一に熱を加えても溶け出すタイミングを合わせることができません。そのため、うまく溶融させることができず、接合界面には不安定な金属間化合物が形成されてしまいます。これによって、わずかな衝撃でも簡単に割れてしまうような不十分な接合結果となります。加えて、鉄とは逆に熱伝導率の高いアルミは、熱が逃げやすい上に一度熱がこもると今度は一気に溶けだしてしまう特性があり、溶接の難易度が高めということもマイナスです。いわば、水と油のような関係とも言えるかもしれません。そのため、アルミと鉄をつなげ合わせる必要のある場面では、ボルトなど結合部品を利用した方法が一般的には用いられています。とは言え、鉄とアルミの溶接自体が決して不可能かというと、必ずしもそうとは言いきれません。特殊なツールを激しく回転させることによって接合部を摩擦し、その熱で金属を溶かしながら撹拌して軟化させつなぎ合わせるという「摩擦撹拌溶接(まさつかくはん、FSW)」という方法があります。この方法ならば、曲線部分の溶接が難しいこと、コストがかさむことなどの問題点はありますが、溶接自体は可能です。この技術自体は1991年にイギリスの学会にて発表されたものですが、現在でも自動車や鉄道車両の部品を製造する際、一部企業の工場にてこの技術が用いられています。まとめ 異種金属溶接は部品のコストや軽量化、利便性の向上などさまざまなメリットをもたらしてくれますが、同時にガルバニック腐食や金属ごとの融点の差による強度の問題など、クリアすべき課題も少なくありません。鉄とアルミの溶接に関しては、一部の企業にて摩擦攪拌による溶接が実施されているものの、コストや需要の問題などから用いられている現場が少なく、今後これらの技術が発展する可能性は低いと言えます。

  • NO IMAGE

    【専門家が選ぶ】間違いない溶接業者5選!出張対応できる業者もご紹介!

    「出張対応できる溶接業者が見つからなくて困っている・・」「なるべく低コストで溶接してほしい・・・」「短納期で溶接加工してくれる業者に頼みたい・・・」溶接業者を探す際に、このように考えたことありませんか?金属加工の中でも溶接加工は、欠かせない技術として知られています。ですが、業者さんがなかなか見つからず、迷ってしまうことがあるかと思います。今回は、そんな溶接加工業者を探している方に向けに、優秀な溶接業者を5選紹介していきます。メーカー探しでお困りの方は、是非参考にしてみて下さい。【出張溶接なら】有限会社川﨑製作所引用元:有限会社 川﨑製作所基本情報本社:東京都三鷹市大沢3-3-23 TEL:422-32-1059FAX:0422-29-8669設立:1982年1月加工:CO2半自動溶接・アルゴンTIG溶接 等素材:ステンレス・チタン・アルミ・銅・鉄 等HP:http://kawasaki-works.com/①会社紹介有限会社川﨑製作所は、プレス加工、ベンダー曲げ加工、CO2溶接、アルゴンTIG溶接を用いて特殊な金属の加工を得意としている会社です。素材調達から加工まで全て一貫してお受けすることが可能なため、低コストかつスピーディーな対応をすることができます。②メリット・デメリットメリットは、溶接加工なら薄物から厚物まで、全て対応可能な点です。アルゴンTIG溶接を得意としており、アルミパイピング、アルミホイール肉盛り、旋盤修正により割れてしまった物も修正可能です。また、出張溶接にも対応しているため、どこでも安心して依頼することができます。しかし、アルゴンTIG溶接、CO2半自動溶接以外の溶接は対応していない可能性がある為、事前に相談しておくことをおすすめします。③製品例【ステンレスの溶接なら】有限会社藤電設工業引用元:有限会社 藤電設工業基本情報本社:東京都小平市鈴木町1-144-7TEL:042-343-1500 FAX:042-343-1502設立:昭和45年9月16日加工:アルゴン溶接・スポット溶接 等素材:ステンレス・鉄・チタン・真鍮 等HP:http://fuji-den.com/①会社紹介有限会社藤電設工業は、ステンレスの溶接加工を専門としている会社です。短納期対応やオリジナル商品に力を入れており、他社ではできないような依頼が可能です。また、アルマイト処理なども得意としており、着色までの工程に迅速に対応することができます。②メリット・デメリットメリットは、溶接加工のみならず様々な金属加工をしており柔軟な対応が可能な点です。溶接に関してもスポット溶接からフランジ溶接まで豊富な溶接方法があるため、お客様のニーズに沿った対応が可能です。小ロットからの発注も受け付けており、細かい発注を得意としています。しかし、少数精鋭のため、大量発注などは受け付けていない可能性があるため、注意が必要です。③製品例溶接部品【短納期溶接案件なら】ANAテック株式会社引用元:ANAテック株式会社基本情報本社:神奈川県横須賀市内川1丁目7番23号TEL:046-838-4860FAX:046-838-4861設立:2007年6月21日加工:MIG自動溶接・アルゴンTIG溶接 等素材:鉄・アルミニウム・ステンレス 等HP:http://anatech.jp/①会社紹介ANAテック株式会社は、板金加工・溶接を得意とする金属加工メーカーです。溶接加工だけでなく、各種金属材料を在庫で保有しており商社機能も持っているので、多種多様な材料を手配できます。また、品質管理、検査までワンストップで対応しているおり、幅広い依頼に対応しています。②メリット・デメリットメリットは、短納期の溶接に対応している点です。材料の管理から加工までをワンストップ対応で行っているため、他社に比べ短納期で製品を仕上げることができます。また、現場溶接にも対応しており、他社では断るような依頼も受け付けています。しかし、鉄やアルミ、ステンレス以外の溶接は、要相談となる為、注意が必要です。③製品例【神奈川で溶接工場をお探しなら】株式会社片野工業引用元:株式会社 片野工業基本情報本社:神奈川県秦野市曽屋583-2TEL:0463-84-3211FAX:0463-84-3212設立:平成25年11月加工:アルゴンTIG溶接 等素材:鉄・アルミニウム・ステンレス 等HP:https://www.navida.ne.jp/snavi/100227_1.html①会社紹介株式会社片野工業は、溶接とレーザーカット加工を中心とした金属加工メーカーです。2001年に個人で溶接業者としてスタートし、それ以来、溶接や金属加工はもちろん、加工機械の販売・修理、鉄骨・鉄筋工事など、様々な分野で活躍しています。また、自社オリジナルの製品にも力を入れているので、他社とは違う依頼をすることもできます。②メリット・デメリットメリットは、溶接のみならず工作機械の修理なども請け負うことが可能な点です。また、少数精鋭の身軽さと技術力を強みとしており、柔軟な対応が可能です。しかしその半面、大量発注は依頼できない可能性があるので、依頼する際は業者に一度相談することをおすすめします。③製品例【持ち込み溶接案件なら】有限会社荒井製作所引用元:有限会社新井製作所基本情報本社:埼玉県久喜市菖蒲町三箇646TEL:0480-85-0187FAX:0480-85-4614設立:昭和44年3月加工:スポット溶接・CO2半自動溶接 等素材:ステンレス・アルミ 等HP:http://www.arai-ss.com/①会社紹介有限会社新井製作所は、プレス・溶接加工を中心とした金属加工メーカーです。製品例は、自動車部品や精密機械部品など様々です。試作から量産まで対応しているため、短納期かつ低コストで製品を仕上げることが可能です。また、製品の微修正等も受け入れてるため、アフターケアまで柔軟に対応してくれます。②メリット・デメリットメリットは、持ち込み溶接が可能な点です。そのため、他社では断られた依頼も対応可能です。また協力会社も複数あるため、万が一自社で加工や溶接が難しくても、協力会社と連携して対処することもできます。しかし、持ち込み溶接の場合は要相談になりますので、注意が必要です。③製品例一括で溶接業者から見積もりをとるならMitsuri!今回は溶接業者5選をご紹介しました。溶接業者のなかにも、様々な特徴や得意な加工方法があります。上記でご紹介した会社以外にも、多くの金属加工メーカーがあるので、興味のある方は是非、調べてみて下さい。もし、溶接の得意な金属加工メーカーに依頼をしたい・・・とお考えの場合は、まずMitsuriにご相談ください。

  • NO IMAGE

    歯車加工とは?製造方法を詳しく解説!おすすめの工場もご紹介!

    「歯車加工を依頼する業者を選びたいが、数が多くて迷ってしまう・・・」「歯車加工の種類や加工機械などの知識を知りたい」歯車加工に関して、以上のようなお悩みをお持ちではありませんか?金属加工の中でもメジャーな加工のひとつである歯車加工には種類があり、企業に依頼する以外に個人で行うことも可能だと思われるかもしれません。ただ、実際に個人で加工する場合には気をつけるポイントがあり、事前に知っておく必要があります。この記事では、歯車加工に関する基礎知識から、歯車加工に強みを持つおすすめ企業までを網羅してご紹介します。歯車加工について詳しく知りたい方や、歯車加工を依頼しようと考えている方はぜひ最後までご覧ください。歯車加工とは歯車加工とは、主に金属を素材とした歯車について切削などの加工方法によって歯車形状を成形する加工のことです。家電や自動車などの機械の内部で、動力部などの重要な位置に使用されることも多い歯車は、複雑な形状をしており高精度な切削加工が必要になります。歯車は、噛み合わせて使用されるため、加工精度が直接寿命に影響します。精度が高いとスムーズに歯車が連動するため、部品の寿命は保たれます。しかし、精度が低い場合、歯車が接触する度に負荷がかかり、最終的に部品が破損してしまう可能性が高まります。歯車の種類歯車にはたくさんの種類がありますが、その中でも代表的な次の6種類について順にご説明していきます。代表的な歯車の種類1.かさ歯車2.はすば歯車3.ひら歯車4.ラック・ピニオンギア5.ウォームホイール・ウォームギア6.内歯歯車1.かさ歯車かさ歯車はベベルギアとも呼ばれ、開いた傘に似た形状をした歯車です。円錐状の外側に歯を持ち、軸の向きが異なるかさ歯車同士を組み合わせて、回転や動力を伝達するために使われます。2.はすば歯車歯車の中心にある軸に対し、歯すじが斜めになっているものがはすば歯車で、ヘリカルギアとも呼ばれます。歯車同士が接触する面積が大きくなるため、次に説明するひら歯車に比べて歯車自体の強度が高く、作動中も静かであるといった点が特徴です。産業機械や自動車部品など、大きな負荷がかかりやすい場所で採用されています。3.ひら歯車スプルーギアとも呼ばれるひら歯車は、歯車の中心軸に対して並行に歯すじが入っているタイプで、最もスタンダードな歯車です。平行な歯車同士を組み合わせることで、動力を伝達します。比較的容易に製造できるため、さまざまな場面で多用されています。4.ラック・ピニオンギアひら歯車に似たピニオンと直線状の棒に歯すじをつけたラックが噛み合う状態の組み合わせを、ラック・ピニオンギアといいます。歯車の回転力を直線に変換することができ、カメラの三脚の高さ調整部などにも採用されています。ラックはつなぎ合わせて長くして使うことも可能で、一例として製造工場内の搬送装置があります。5.ウォームホイール・ウォームギアネジのような歯車のウォームギアと、それに噛み合うようにらせん状に歯がついたウォームホイールは、セットで使用されます。1段で大きな減速が可能で、かさ歯車よりも静音、コンパクトかつ軽量という特徴があります。6.内歯歯車ひら歯車の噛み合う円筒形、あるいは円錐の内側に取り付けられる歯車を内歯歯車といいます。内歯歯車は外側の歯車と対で組み込まれ、同方向への回転を伝達する役割を果たします。歯車装置のサイズを小さくすることも可能で、減速機などで用いられます。歯車の製造工程続いて、歯車の製造過程を見ていきましょう。1.旋盤加工バイトと呼ばれる切削工具を使って、材料を回転させながら削り取る旋削加工を行い、歯車の外径、内径を決めます。この段階では、歯すじのない歯車に近い形に仕上がります。参考記事旋盤加工については下記記事でも詳しく紹介しています。⇒旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!2.ホブ盤加工ホブと呼ばれる刃物を軸に取り付けたホブ盤を回転させ、工作物に押し当てながら歯すじを加工します。主にひら歯車、はすば歯車、ウォームホイール・ウォームギアなどの加工に使用されます。ホブ盤は、ホブと工作物をラック・ピニオンの関係と同じように配置し、双方を回転させて加工するため効率的な加工が可能です。自動車や航空機、建築機械など幅広い産業分野での動力伝達用歯車の加工時に採用されています。3.焼き入れ歯すじがついた歯車は、一定以上の温度に加熱したあと、適切な方法で冷やす焼き入れを行い、より硬く強度の高い部材に仕上げます。焼き入れには種類があり、工作物の材質などに合わせて選ぶ必要があります。参考記事焼き入れ加工については次の記事でも解説していますので、ご参照ください。⇒焼き入れとは?焼き入れの種類ごとの特徴に分けて解説!4.研磨研磨は歯車の仕上がりを決める重要な工程です。歯車の歯すじに合わせて研磨できるよう、平面研削盤や円筒研削盤など複数の加工機を使って仕上げていきます。歯車加工で使用される機械歯車加工で使用される機械には、主に「NC歯車加工機」と「歯切り盤」があります。1.NC歯車加工機NC歯車加工機は、数値制御(NC)を搭載した加工機械です。縦横、高さなどの数値をあらかじめ設定すれば自動的に加工を行ってくれるので、高精度な加工を効率よく実行できます。また、対象物の素材や用途に応じて、研削を行う刃の送り速度や回転速度の調整が可能です。NCホブ盤はNC歯車加工機の中でも主流で、自動車産業などで採用されています。2.歯切り盤歯切り盤は、円柱形などの対象物を歯車の形状に切削する機械の総称です。ホブという刃を回転させて歯すじをつけるホブ盤の他、刃物を上下運動させて工作物を切削して歯車を成形するギヤシェーパーなどがあります。歯車の製造方法【歯切り加工】歯車の製造方法である歯切り加工は、主に「創成法」と「成形法」の2つに分かれます。1.創生法創生法は、歯車の歯を全体的に少しずつ成形する製造方法です。先ほど説明したホブ盤を用いた加工も創生法に属します。効率よく歯車を生産できるため、量産品などの製造に適しています。2.成形法全体をまんべんなく加工していく創生法に対して、歯車の歯を一枚ずつ成形していく方法を成形法と呼びます。回転軸にフライスという刃物を取り付けたエンドミルなどの切削工具を使って、歯溝をひとつずつ切削していく加工です。ひとつの歯を加工し終えた後、次の歯を加工するための工作物の適切な位置調節が非常に重要になってきます。歯車加工における歯すじ修整歯車の接触が悪く不具合や不快音などが鳴る場合は、歯すじの調整を行います。その際に用いられる修正方法として「クラウニング」と「レリービング」と呼ばれる加工があります。ここでは、2つの修正加工の方法について解説していきましょう。1.クラウニングクラウニング加工とは、歯車の歯すじ中央部に向かって丸みを持たせる加工です。中央部にふくらみをつけることで、歯幅端部の悪い歯当たりを防ぐことができます。その結果、歯車の故障や動作不良を事前に防ぐことが可能です。クラウニングを大きくすると悪い歯当たりが小さくなりますが、歯すじの強度に影響が出る場合もあるので加工時には注意しておきましょう。2.レリービング(エンドレリーフ)レリービングは、歯すじの両端を適度に逃す加工方法です。クラウニングが歯すじを中央部分に向かって丸みを持たせる加工をしますが、レリービングは両端だけを逃すように加工します。クラウニング同様に、歯幅端部に悪い当たりが集まるのを防ぐメリットがあります。レリービングは、クラウニングの簡易処理ともいえる加工です。そのため、材質や歯車の種類、人的コストなどの影響により、どうしてもクラウニング加工ができない場合は、レリービング加工を行うことになるでしょう。歯車加工でおすすめの業者3選歯車加工を得意とする業者をご紹介します。加工依頼時の参考にしてください。【単品試作にも対応】株式会社シンコウギヤー引用元:株式会社シンコウギヤー①会社概要本社:群馬県太田市植木野町227TEL:0276-26-1685FAX:0276-26-1691設立:平成元年2月28日加工:歯車加工(ホブ盤、シェービング盤など)、研削加工、溝削り加工 など 素材:鉄、アルミ、ステンレス、鋳物、真鍮、樹脂、MCナイロン、ベーク、木材 などHP:https://shinkou-gear.co.jp/②会社の紹介株式会社シンコウギヤーは、群馬県太田市に拠点を構え、工作機械の部品加工や各種歯車の製造を受注している企業です。③メリット・デメリット歯切り専門会社として、創業以来50年以上幅広い歯車を加工、製造してきました。単品加工から量産まで対応できる機械を複数備えており、図面や原型がなくても希望の歯車の製作が可能です。歯切り加工のみであれば、当日加工や発送もできますが、配送地域などによっては到着までに時間を要する場合もあります。詳しい条件については、事前に確認が必要でしょう。④製品紹介株式会社シンコウギヤーの製品例は次のとおりです。平歯車プーリースプロケット【小型歯車の製作なら】株式会社二水引用元:株式会社二水①会社概要本社:石川県白山市横江町1726-16TEL:076-275-2131FAX:076-276-7475設立:昭和39年4月加工:鉄、アルミ、ステンレス、MCナイロン など 素材:歯車加工(研削、ホブ歯切盤加工、ギヤシェーパー盤加工)、汎用フライス加工、歯車面取り などHP:https://www.nisui.co.jp/②会社の紹介株式会社二水は、石川県白山市に本社があり、歯車とその関連機械部品の加工、製作を担っている企業です。③メリット・デメリット高品質な製品を短納期で納品できるよう自社工場内に設備を集約し、表面処理や熱処理以外の作業は社内で一元管理を行っています。精密機械や重機械向けの歯車を主要取引会社に多数納品してきました。海外からの加工製造に関する問い合わせもホームページで受け付けていますが、大量生産に対応できるかどうかは加工を依頼する前に相談してみてください。 【歯車の特注制作なら】株式会社太陽メカテック引用元:株式会社太陽メカテック①会社概要本社:山形市大字漆山1480番地の2TEL:023-686-6801FAX:023-686-6802設立:2011年(平成23年)10月5日加工:旋盤加工、ホブ盤加工、焼入れ、研磨、歯研 など 素材:S45C(機械構造用炭素鋼)、SCM440・SCM415(クロムモリブデン鋼)、SUS303(ステンレススチィール)、銅合金(リン青銅、アルミ青銅)、FCD(ダクタイル鋳鉄)、MCナイロン などHP:http://taiyo-mecha-tech.co.jp/pc/index.html②会社の紹介株式会社太陽メカテックは、山形県村山地方に拠点を構え、東北地方を中心に特注歯車や量産品を加工、製造、販売しています。③メリット・デメリットオーダーメイドの歯車製作に強みを持つこちらの企業では、単品製作から図面のない現物の複製製作、量産まで幅広く歯車加工を受注しています。主に印刷機や製本機、公共交通機器の座席などの部品を製造してきました。村山地域の製作所ネットワークを駆使した短納期での対応も可能ですが、具体的な受注条件については事前に確認することをおすすめします。④製品紹介株式会社太陽メカテックの製品例は下記のとおりです。ウォームギヤとウォームホイール二段歯車(平歯車)フランジ一体型歯車(平歯車)歯車加工の見積り依頼ならMitsuri今回は歯車加工について詳しく解説してきました。歯車は日常生活のさまざまな場面で使われる重要な部品で、仕上がりの精度が重要です。それだけに高度な技術が必要になるため、歯車加工を得意とする企業に加工を依頼しましょう。歯車加工を請け負っている製作所や企業は全国に存在していますが、受注可能な加工や強みを持つ分野はそれぞれ異なります。配送地域や早期納品の可否など、加工依頼したい場合は事前に条件を確認しておくと安心です。歯車加工を依頼するメーカーを探している場合は、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国250社以上の提携企業の中から、お客様の要望に合った最適なメーカーを紹介可能です。また、Mitsuriでは複数の企業のお見積りをまとめて一度に取り寄せることができます。まずは一度お気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    めっきと塗装の違いは?それぞれの特徴、めっき塗装に関しても解説!

    「高級感を出したいけど、めっきと塗装どっちがいいの?」「耐食性が必要な製品だけど、めっきと塗装どちらが良いのかわからない・・・」こんな、お悩みをお持ちではありませんか。めっきと塗装は、似たような状況で必要となる加工法です。しかし、いざ依頼しようとした際、そのケースにはどちらが適切なのか、分からないことも多々あるかと思います。そこで、今回の記事では、めっきと塗装について説明すると共に、その違いや混同しやすいめっき塗装などについても解説していきます。めっきと塗装のメリット・デメリットも述べていますので、ご依頼する際の参考にしてください。めっきとはめっきとは、素材の表面に金属の薄膜を形成させる技術のことです。表面処理技術の一つで、素材が錆びることを防いだり、外観の装飾性を高めたり、素材に機能を付与したりするために行われます。付与できる機能は幅広く、金めっきを例にすれば、熱伝導性や導電性を付与できますし、抗菌効果も期待できます。また、硬い素材であるクロムのめっきは、優れた耐摩耗性を付与できることから、強度が必要な部品や擦り減りやすい部品に実施されることが多いです。めっき方法めっきの主要な加工方法としては、電気めっきと無電解めっきが挙げられます。どちらも、めっきする金属や薬品が溶けた液に素材を漬けることは共通です。ですが、電気めっきは電気を流すことで素材表面に金属膜を析出させる一方、無電解めっきは、薬品による化学反応だけを利用してめっきを行います。参考記事めっきの加工方法については、以下の記事に詳細がありますので、気になった方はぜひご覧ください。⇒メッキ加工方法について!【専門家が語る】メッキされるまでの工程が丸わかり!めっき金属の種類めっきする金属としては、上述した金やクロムのほか、銀や銅、ニッケルなどが代表的です。特にニッケルは、硬く腐食しにくい上、光沢や色味、性質などをめっき溶液に添加する薬品や合金化することによって調整できます。そのため、自動車部品や機械部品、精密機器のほか、装飾品にもよく用いられるめっきです。参考記事めっきの概要を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。⇒【メッキ処理とは?】目的・仕組み・種類・特徴について徹底解説!塗装とは塗装とは、素材表面に塗料を塗ったり、吹きかけたりすることで、塗膜を形成させる表面処理技術のことを言います。塗装もまた、防錆や装飾、機能の付与が主要な役割です。その一方、素材の保護を目的に塗装することもあり、塗り直すことを前提としている場合があります。防錆を目的とする塗装は、鉄が代表的です。鉄は、空気や水との接触で簡単に錆びてしまうため、めっきか塗装が必須となります。一方、塗装が不必要にみえるステンレスにも塗装することがあります。ステンレスは、サビに強い素材ですが、傷や亀裂から腐食が進むことがあります。このような、傷の発生を防ぐことなどを目的に、塗装する場合があります。塗装方法塗装方法には、様々なものがあります。刷毛(ハケ)・ローラー等を使った手作業による塗装や、塗料を高圧の空気で吹き付ける吹付塗装などは、建築物の外壁などに用いられているため、目にしたこともあるかも知れません。これらの方法の多くは、溶剤塗装に分類され、揮発性の溶剤を含有する塗料を乾燥させることで固化、密着させて塗膜を形成させます。専門的な塗装法としては、加熱して塗料を硬化させる焼付塗装、粉末状の塗料を静電気で付着させた後に加熱溶解させる粉体塗装、後述で説明する電着塗装などが挙げられます。参考記事焼付塗装の概要については、以下の記事で解説しています。ぜひ、参考にしてください。⇒焼付塗装ならMitsuri!1コ〜お受けいたします!塗料の種類塗料としては、ペンキやニス、樹脂(プラスチック)などが挙げられ、塗装方法や用途によって様々なものが選ばれます。ペンキは、一般的に、揮発性の溶剤を含む油性塗料、ニスは、有機溶剤などを含んだ樹脂塗料のことで、共に乾燥させることで塗膜を形成させる溶剤塗装の材料です。一方、焼付塗装に用いられるアクリル樹脂やメラミン樹脂、フッソ樹脂は、100~200℃程度の加熱を必要としますが、塗装の中では品質が良いです。塗料によりますが、焼付塗装は、インテリアやエクステリアのほか、様々な日用品などに用いられています。粉体塗装には、熱可塑性の塗料と熱硬化性の塗料があります。熱可塑性塗料としては、ポリエステル系や塩化ビニル系の樹脂、熱硬化性塗料としては、エポキシ系やポリエステル系、アクリル系の樹脂が挙げられます。熱可塑性塗料は、熱硬化させているわけではないので、焼付塗装による塗膜ほどの硬度は得られません。ですが、熱硬化性塗料は、焼付塗装に用いられる塗料と同様、高い強度が期待できます。また、粉体塗装に用いられる塗料は、環境や人体に悪影響を与える、有機溶剤を使用していないことが特徴です。めっきと塗装の種類次は、めっきと塗装の種類の中でも、名称や内容が分かりにくい「クロームめっき」と、めっきなのか塗装なのか混同しやすい「電着塗装(電着めっき)」と「めっき塗装」について説明します。クロームめっき(クロムめっき)クロームめっきとは、めっき金属としてクロムを使うめっき、つまり「クロムめっき」のことです。クロムめっきしたものは、英語で「chrome」と記述し、その読みはむしろ「クローム」に近いです。ですが、JIS規格では「クロムめっき」とされています。クロムめっきには、装飾用クロムめっきと工業用クロムめっきがあるのも分かりにくいところです。装飾用クロムめっきは、下地にニッケルをめっきし、その上に薄いクロムめっきを施しためっきで、「ニッケルクロムめっき」とも呼ばれています。一方、工業用クロムめっきは、クロムの優れた硬度や耐摩耗性を利用したもので、硬質クロムめっきとも呼ばれます。摩耗しやすい機械部品などに用いられ、耐用年数が必要なものほど厚いめっきを施します。クロムめっきと混同しやすいものに「クロメート処理」があります。クロメート処理は、クロムを含有した溶液に亜鉛やアルミなどを浸し、素材表面にクロムを含む酸化皮膜を形成する表面処理です。表面に膜を付着させるめっきではなく、化学反応を起こすことで表面の性質を変化させる化成処理に当たります。また、クロメート処理では、溶液のクロム含有量や添加する薬品を変化させることで、光沢や色味を調整することが可能です。そのような処理の中でも、光沢を付与する方法を光沢クロメート処理と呼び、亜鉛めっきに光沢クロメート処理を施すことを「ユニクロめっき」と言います。これも、クロムめっきを分かりにくくしています。電着塗装(電着めっき)電着塗装とは、塗料を溶かした液に素材を漬け、電気を流すことで素材に塗膜を形成する塗装方法です。素材と塗料の一方を正、もう一方を負にする必要があるため、導電性の素材にしか適用できませんし、電荷を付与できる塗料でないと、電着塗装の塗布物にはできません。電気めっきと加工方法が似ているためか、「電着めっき」と呼ばれることもあるようです。しかし、塗膜は樹脂であり、金属ではないので、電着メッキ(電着塗装)は、メッキではありません。電着塗装には、電気めっきと同様のメリットがあります。例えば、構造が複雑な部分にも均一な厚さの塗膜を形成できますし、膜厚の調整も容易です。また、そのほかの塗装方法と比べ、ラインを組みやすいという利点もあります。めっき塗装とは最近では、めっき塗装と呼ばれる、めっきなのか塗装なのか分かりにくい表面処理方法も目にします。しかし、これは、あくまで「めっき調塗装」であり、めっきではありません。めっき塗装は、銀を含んだ塗料をスプレーなどで素材に吹きかけ、素材表面で銀鏡反応を起こして鏡のような光沢ある塗膜を形成。その上に、透明な塗料を使った塗装を施すことで、金属的な光沢と質感が得られる塗装方法です。透明な塗料に色を加えれば、多様な金属的色彩を付けることもできます。この塗装方法は、薬品で銀を還元して析出させる銀鏡反応を利用することから、「銀鏡塗装」や「銀鏡めっき」とも呼ばれます。ですが、もちろん、銀を含んだ溶液に素材を漬け込み、表面から金属を析出させる銀めっきとは異なります。めっき塗装では、塗料を付着させた部分でのみ銀鏡反応が起こります。そのため、銀めっきとは違って、均一な膜形成は困難ですし、表面の微細な凹凸を完全に埋めることも容易ではありません。このように、めっき塗装の塗膜は、めっきに近い質感が得られるものの、密着性が弱く、剝がれやすいという欠点があります。ですが、塗装の前処理の工夫などにより、高い密着性を実現しているメッキ塗装もあります。Mitsuriでしたら、めっき塗装を得意としてるメーカーもご紹介できますので、ぜひご相談ください。めっきのメリット・デメリットそれでは、めっきと塗装のどちらを選べば良いのでしょうか。まず、めっきには、以下のようなメリットがあります。剥がれにくいめっきは、めっき金属が素材の金属と金属結合することで素材表面に析出したものです。このとき、素材とめっきの境界は、金属が連続的に存在しているかのように接着しています。そのため、素材とめっきが共に金属であるめっきは剥がれにくいです。ですが、無電解めっきなどで樹脂等の非金属にめっきする場合は、素材表面の微細な凹凸に入り込んだめっき金属が固化し、引っ掛かることで接着します。この効果をアンカー効果と呼びますが、金属同士の接着に比べると接着性が低いです。傷みにくく、長持ちするめっきは、傷みにくく、長持ちしやすいです。めっきは通常、傷や部分的な剥離をきっかけにサビや痛みが進行します。金属が塗料に比べて高強度であること、まためっきの剥がれにくさから、めっきは塗装に比べて長持ちし、長く機能を保持できます。多様な機能を付与できるめっきを行うと、めっきする金属の性質を利用することが可能です。耐食性を引き継げるのはもちろん、導電性や熱伝導性、磁気的性質など、様々な特性を素材に付与することができます。金属的な光沢や質感が得られる金属の特徴的な光沢や質感を素材に与えることができます。また、めっきを薄くすることで、下地の色味などを反映することができるため、多様な色彩や光沢を形作ることが可能です。複雑な構造の素材にもめっきすることができるめっき金属は、素材表面の原子レベルの凹凸にも入り込むことができます。そのため、構造が複雑な素材であってもめっきすることが可能です。膜厚が均一で、ムラが生じにくいめっきは、液体が浸透する箇所であれば、めっきすることが可能です。そのため、ムラが生じにくく、均一性の高い金属膜を形成することが可能です。しかし、めっきには、以下のようなデメリットがあります。加工工程が多く、時間がかかるめっきをしっかりと付けるには、素材が清浄であることや素材が露出していることが必要です。そのため、素材の前処理に多くの工程を必要とし、その結果、ある程度の時間を要します。設備が大掛かりで、工場内でしかめっきすることができないめっきは、加工工程が多いことから、様々な設備を必要とします。そのため、自然と設備が大掛かりになり、現地へ行ってめっきするといったことが難しくなります。めっきの貼り直しが困難めっきは、一部分が剥離したからといって、その上からめっきし直すことはできません。めっき可能かどうかは、素材とめっき金属のイオン化傾向の大小などにも依存するため、めっきの貼り直しには、一度全てのメッキを剥がすことなどが必要となります。素材によってはめっきすることが難しいある金属の上には、この金属をめっきできると言うように、めっき可能か否かには制限があります。例えば、金などの貴金属をめっきする場合には、素材へのめっき金属の拡散防止が必要となるため、ニッケルを下地めっきとして挟まなければなりません。また、イオン化傾向が大きいチタンやマグネシウムなどは、どのような金属に対してもめっきすることが難しいです。塗装のメリット・デメリット一方、塗装には、以下のようなメリットがあります。塗料の種類が豊富なため、多様な色彩を選択できる塗料は、樹脂や硬化剤、顔料など、さまざまな成分を混ぜ合わせたものです。それらは無数に存在し、その組み合わせも多様です。そのため、塗料には、どのような色彩にも対応可能というほどの種類があります。機能を付与できる塗装は、めっきと同様の機能を付与することもありますが、めっきできないものや、通常めっきしないものに施すことが多く、付与する機能もめっきとは異なることが多いです。代表的なものとして、耐火塗料や難燃性塗料を用いた防火機能の付与があります。そのほか、抗菌性を付与する抗菌塗料、カビの発生を抑制する防カビ塗料など、付与できる機能は様々です。現地へ行って塗装することができる塗装方法や塗装設備によりますが、塗装対象がある現地に行って塗装することができます。そのため、建築物など、動かせないものの塗装が可能です。塗り直しが容易塗装方法や塗料にもよりますが、塗装済みのものにも、そのまま上から塗装できます。塗り直しを前提としていることも多く、ひび割れや剥離が生じても、塗り直すことで元の品質や機能を容易に復元することができます。安価塗装方法や塗料にもよりますが、めっきに比べると低コストです。塗料自体が、めっきに使用する金属よりも安価ですし、加工工程もめっきより少なく、加工賃も安くなります。しかし、塗装には、以下のようなデメリットがあります。塗膜の均一性が低く、ムラが生じやすい塗膜の厚みや表面の均一性は、塗装の仕方に依存します。手塗りで不均一になるのは当然ですし、吹付塗装で機械的に360°を均一に塗装できたとしても、塗装対象の形状によっては、不均一性が生じてしまいます。電着塗装など、めっきに近い均一性が得られる塗装法もありますが、総じてめっきよりも均一性が低いです。剥がれやすい塗装は、めっきに比べて剥がれやすいです。塗装は主に、アンカー効果で接着しますが、めっきが素材表面の原子レベルの凹凸に入り込んで固化するのに対し、塗装は表面に付着するだけです。そのため、アンカー効果が弱く、接着性が低いです。また、塗料が金属よりも強度が低く、壊れやすいことも、塗装の剥離の原因となります。長持ちしない塗装は、めっきに比べると、長持ちしません。塗膜は、そもそも、金属めっきよりも強度が低く、また密着性も弱いため、剥がれたり、痛みやすかったりします。そのため、塗装は、定期的に塗り直すものとして用いることが多々あります。めっき塗装の一括見積りを依頼するなら【Mitsuri】この記事から、めっきは高級感があって品質が高く、塗装は手軽で多様な色彩にも対応可能であるとまとめることができます。ですが、近年では、めっき塗装のようなめっきに似せた塗装法も開発されており、いずれは、外観や品質を再現することも可能になるかもしれません。しかし、新しい技術ゆえに、メーカーごとの技術の差が大きく、品質もピンからキリまで、というのが現状です。その点、Mitsuriは、日本全国に協力会社が250社以上ございますので、めっき塗装を得意とする先進的な塗装メーカーのご紹介が可能です。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    金メッキ加工の工程は?用途や加工事例をご紹介!

    金メッキは、装飾品を綺麗に見せるためだけのものではありません。強度を増すと共に、サビに強くし、さらに組成を変えることで、光沢の具合や色味さえもコントロールすることができます。また近年では、金メッキの優れた導電性や耐食性、そして金合金メッキの高い強度から、電子部品などに欠かせないものとなっています。今回の記事では、金メッキの詳細や種類、加工工程、また工業用の用途を飛躍的に広げた硬質金メッキについて解説していきます。併せて、加工事例についてもご紹介していますので、金メッキを依頼したいという方は、ぜひ参考にしてください。金と金メッキの違いは?金メッキは、金属などの素材表面に金を付着させたものです。古来から装飾品や仏具などの表面に用いられてきました。加えて近年では、金の優れた性質から電子部品などの用途に用いられています。金の特徴金は、光沢のある黄色の金属で、金色や黄金色と言うように、色の名前に使われるほど、美しく審美性が高い金属です。性質としては、重い、柔らかい、展延性や導電性、耐食性に優れるなどが挙げられます。展延性に関しては金属中で一番とされ、1gの金は、平面状には数平方メートル、糸状には数千メートルにも延ばすことが可能です。導電性や熱伝導性にも優れ、純金属の中では銀と銅に続く低い電気抵抗率、高い熱伝導率を示す金属として知られています。また、金は耐食性にも優れた金属です。空気や湿気はもちろん、酸やアルカリといったほとんどの化学的腐食に対しても優れた耐性を示します。ただし、一般的に用いられる金属材料の中で最も重く、その比重は19.32と銀の約2倍、鉄や銅の約3倍にもなります。また、その柔らかさから、微細加工に不向きで形が崩れやすいです。そのため、金は、重さを無視できるメッキとして使用したり、強度が出る金合金にしたりして用いることが多い素材です。金メッキの種類金メッキの種類には、①軟質金メッキ②硬質金メッキがあります。①軟質金メッキは、いわゆる純金メッキと言われるものです。金そのものの性質を持つほか、他の素材との密着性や濡れ性(馴染みやすさ)に優れ、接触抵抗が小さいことから、半導体部品の接合用などに用いられています。②硬質金メッキは、コバルトやニッケル、銀、銅、インジウムなどを添加し、硬度や耐摩耗性を向上させたものです。硬質金メッキについては、後述します。金メッキは、これら軟質と硬質という分類のほか、JIS規格による分類方法があります。以下では、JIS規格の分類法と分類された金メッキの表示方法について説明します。金メッキの分類金メッキは、JIS規格により、様々な観点から以下のように分類されます。●用途別の金メッキの分類装飾用金メッキ工業用金メッキ●金含有率による金メッキの分類金メッキ・・・金含有率99.9%以上のメッキ。金合金メッキ・・・金含有率58.5%以上99.9%未満のメッキ。●層の数による金メッキの分類(金含有率の異なる金メッキを重ねることがあり、重ねる回数によって以下のように定義。)二層金メッキ・・・金含有率の異なる金メッキを2層重ねたメッキ。多層金メッキ・・・金含有率の異なる金メッキを2層以上重ねたメッキ。また、金メッキの厚さも分類対象となっています。ここで厚さとは、金メッキされている面の全てにおける、最小の金メッキの厚さのことです。●厚さによる金メッキの分類0.2 μm(工業用金メッキのみ規定)0.3 μm(装飾用金メッキのみ規定)0.5 μm1.0 μm2.0 μm3.0 μm5.0 μm10.0 μm20.0 μm(装飾用金メッキのみ規定)30.0 μm(装飾用金メッキのみ規定)40.0 μm(装飾用金メッキのみ規定)金メッキを示す記号メッキは、JIS規格により、その表示方法が決まっています。その中で、金メッキを示す記号は、装飾用が「D-Au」、工業用が「E-Au」です。例をいくつか見てみましょう。メッキ表示法の例1Ep-Zn/Cu 10、Ni 5 b、D-Au 0.5/PA例1は、亜鉛素地に、厚さ10μmの銅下地メッキ、厚さ5μmの光沢(b)ニッケル下地メッキを重ね、その上に厚さ0.5μm以上の装飾用金メッキを電気メッキ(Ep)で施し、塗装(PA)で仕上げたことを意味します。メッキ表示法の例2Ep-Fe*/Ni, E-Au** (99.7) 2例2は、ステンレス鋼素地(注*)に、ニッケル下地メッキを施し、その上に厚さ2μm以上、金含有率99.7%の工業用金・コバルト合金(注**)メッキを電気メッキ(Ep)で行ったことを示します。なお、注は、より詳細な内容を記述したい場合に使用します。このように、どのようなメッキを行ったかは、以下のように表示することが決まっており、金メッキもその表示方法に準じています。メッキの表示方法[メッキ法の種類]-[素地の種類]/[下地メッキの種類], [メッキの種類]/[後処理の種類]ここで、「メッキ法の種類」は、最終的に行ったメッキの方法だけを示します。電気メッキは「Ep」、無電解(化学)メッキは「ELp」で表します。次の「素地の種類」は、素地が金属の場合はその元素記号で、合金の場合には主成分金属の元素記号で表します。「下地メッキの種類」と「メッキの種類」では、メッキの材質・厚さ・タイプを順に表示します。メッキの材質は、メッキする金属の元素記号で表します。また、組成を示す場合は、質量パーセントの数値を括弧内に表示可能です。メッキの厚さは、μmで表示し、メッキのタイプは、例えば、光沢めっきならば「b」、半光沢めっきならば「s」などと表示します。「後処理の種類」は、最終メッキの後に施した後処理の種類を表示します。金メッキの加工工程金メッキの加工は通常、①前処理、②下地メッキ、③金ストライクメッキ、④本処理の順に行っていきます。ここでは、これら金メッキの各工程について説明します。なお、金メッキは、電気メッキでも無電解メッキでも施すことができます。無電解メッキは、非導電性の素材や複雑なパターンのメッキに用いられますが、メッキの厚さを確保しにくいなどのデメリットがあります。参考記事電気メッキ、及び無電解メッキについては、以下のサイトで解説していますので、気になる方はご覧ください。⇒専門家が電解メッキを徹底解説!無電解メッキとの違いについてもご紹介金メッキの加工工程①【前処理】前処理では、素材の汚れや酸化皮膜などを除去します。汚れや加工に用いた油などを取り除く場合は、アルカリ性の溶剤で洗浄。サビなどは、酸性の溶剤に漬け込んで除去します。その後、前工程で取り切れなかった、微細な凹凸中に着いたゴミやサビなどを電解洗浄によって除去。続いて、素材のメッキに対する反応性を向上させる活性化を行い、下地メッキの工程に進みます。なお、各工程で使用する溶剤や洗浄剤を次工程に持ち越さないよう、水洗や湯洗も各工程の間に行われます。金メッキの加工工程②【下地メッキ】下地メッキは、素材表面の凹凸を埋めて平滑化すると共に、素材とメッキの密着性を向上させるために行われます。金メッキでは、ニッケルを下地とすることが多く、耐食性の向上が期待できます。特に、金は銅と接すると銅に拡散する性質があるため、この拡散を防ぐ目的でニッケルを下地とします。また、メッキが薄い場合、下地メッキは光沢や艶消しなどの外観に対する効果を与えてくれます。金メッキの場合は、銀メッキや光沢ニッケルメッキなどを下地とすることで、外観にバリエーションを生み出すことができます。Mitsuriでしたら、多様な手法により、外観の豊富なバリエーションを提示できる金メッキの専門メーカーをご紹介できます。ぜひお気軽にご相談ください。金メッキの加工工程③【金ストライクメッキ】金ストライクメッキは、金が金属中で最も貴な金属、つまりイオン化傾向が最も小さい金属であることから必要となる工程です。金は、電気メッキによってメッキ皮膜を形成するより前に、下地メッキと置換して析出してしまいます。そのため、下地メッキの意味がなくなってしまうばかりか、良好な密着性も得られません。そこで、この置換反応が起こらないように調整したメッキ浴を用いて予備的に薄いメッキを施し、メッキの本処理を正常に行えるようにします。金メッキの加工工程④【本処理】実際にメッキを施す工程です。ただし、金ストライクメッキと本処理の双方を行うのは電気メッキのみです。無電解メッキでは、電気メッキの金ストライクメッキと全く同じではないですが、同様に置換反応を抑制するメッキ浴を用意して金メッキを施します。また、逆に、この置換反応を利用して金メッキを施す場合もあります。この方法では、あらかじめ置換対象となるメッキを施し、これを金と置き換えることで金メッキを行います。金メッキの加工工程④【後処理】引用元:株式会社テトラより高い耐食性が必要になる場合、封孔処理と呼ばれる後処理を行うことがあります。金メッキが薄い場合、上図に見られるように、メッキにピンホールが発生します。空気や湿気により、素材や下地メッキが腐食することがあります。そこで、薬剤などを表面に塗布する封孔処理を行うことで腐食を防ぎます。硬質金メッキとは?硬質金メッキは、ニッケルやコバルト、銀、銅、インジウムなどを0.1〜8.0%程度含有した高強度の金合金メッキです。特に、硬質金メッキの定義や規格はなく、何を硬質金メッキとしているかはメーカー毎に異なります。ただし、軟質金メッキのビッカース硬さがHv50~100であるのに対し、硬質金メッキの硬さがHv150以上であることは共通しています。特徴としては、軟質金メッキに比べ、硬度が高く耐摩耗性に優れています。また、厚いメッキを形成しやすく、軟質金メッキよりも均一にメッキできるという利点があります。しかし、導電性や他の素材に対する濡れ性などはわずかに劣り、接触抵抗も少し大きいです。硬質メッキの用途硬質金メッキは、導電性と硬度の両立が必要な摺動部品や、抜き挿しを繰り返す電子部品などによく用いられます。摺動部品の例としては、他の部品と擦れ合ったりするものの、電気も通す必要があるスリップリング(電気信号を伝達できる回転コネクタ)などが挙げられます。一方、電子部品の例としては、基盤に使用する各種電気接点や端子、コネクタ、ピンなどがあります。なお、これらの電子部品に金メッキを用いる理由は、銅や銀では表面に酸化膜が生じて導電性が低下してしまうからです。金メッキの用途・加工事例金メッキは、装飾用途のほか、リードフレームや電子部品など、工業用途にも多く用いられます。ここでは、これら用途毎の加工事例をご紹介します。装飾用途装飾用途で用いられる金メッキは、ネックレスやイヤリングなどのアクセサリのほか、自動車のエンブレムや内装部品、さらには仏具や時計部品など、多岐にわたります。下の写真は、純金メッキの加工事例です。引用元:株式会社スズキ次の写真は、ピンクゴールドと呼ばれる金75%と銅25%の金合金をメッキした洋食器です。ピンクゴールドは、純金メッキや銀メッキに比べ、耐食性と耐摩耗性に優れています。引用元:スワオメッキ有限会社続く写真のように、社寺用品や仏具にも金メッキはよく用いられています。引用元:中嶋金属株式会社電子部品や摺動部品上述したように、硬質金メッキと呼ばれる金合金メッキは、導電性と硬度の両立が必要な接点や端子、コネクタなどの電子部品や摺動部品に用いられます。下の写真は、金含有率99.7%の硬質金メッキの加工事例です。硬度は、Hk150~170Hvとのこと。引用元:株式会社コダマ次の写真も硬質金メッキの加工事例です。テストプローブと呼ばれる半導体部品や基盤の検査器具で、質量パーセントにして0.1~1.5%のコバルトを含有しており、硬度はHk200~250程度です。引用元:株式会社三ツ矢こちらは、厚さ30μmの硬質金メッキの加工事例です。引用元:中嶋金属株式会社リードフレーム半導体の回路基板に使われるリードフレーム(基板上の半導体部品や外部配線との接続に使用する部品)にも金メッキはよく用いられます。以下の2つの写真に見られるように、微細なメッキ加工を必要とするため、無電解金メッキが用いられます。引用元:ローム・メカテック株式会社引用元:清川メッキ工業株式会社金メッキ加工の一括見積もりならMitsuriにご相談を!金メッキは、昔から装飾品に使われていますが、今では様々な金合金メッキが現れたことで、光沢や色味、強度などが多様になりました。また現在では、金メッキ加工は、コンピュータや電子機器にも多用されることとなり、ますます重要なメッキ技術となっています。Mitsuriは、日本全国に協力会社が250社以上ございますので、金メッキを専門とする金属加工メーカーのご紹介が可能です。Mitsuriでのお見積りは複数社可能です。下の赤いボタンをクリックして、お気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介!

    旋盤加工の中に、「NC旋盤」と呼ばれる加工方法があります。NC旋盤は、コンピューターから入力した数値で制御する機能を旋盤に取り付けており、自動で加工を行うことができます。そのため、生産性の向上やコスト削減などを目的に、多くの企業がNC旋盤加工機を導入しています。NC旋盤加工を依頼するにあたり、「どういった基準でメーカーを選べばいいのか」、また「どの工場がNC旋盤加工に対応しているのか分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事は、そんなお悩みをお持ちの方必見!今回は、NC旋盤加工を得意としているMitsuriイチオシの加工メーカーを全国から3社ご紹介します。他にも、NC旋盤の構成、メリット、加工事例などについても解説します。これからNC旋盤加工の依頼を検討されている方は、ぜひ一読ください。NC旋盤加工とは旋盤とは、回転している材料に刃物をあて、円状や円筒状に部品を加工する工作機械を指します。そして、その旋盤にNC(Numerical Control、数値制御)を取り付けたのが「NC旋盤」となります。NC旋盤は、数値制御をもとに、あらかじめ設定した数値、手順通りに自動加工を行います。また、切り込みの加工位置を高精度で制御できるほか、目的とする形状に合わせて、回転速度や刃物の加工速度(送り)を制御できるため、高精度な加工を行うことができます。参考記事こちらの記事では、NC旋盤以外の旋盤加工についても詳しく解説しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。⇒旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!NC旋盤の構成次に、NC旋盤の基本構成を見ていきましょう。NC旋盤の基本構成は主に、主軸台、刃物台、心押台などの機械本体部に加えて、NC制御盤及び操作盤となっています。それでは、ここからはそれらについて、一つずつ詳しく解説していきます。NC旋盤の構成【機械本体】●主軸台加工物を固定し回転を与える、主軸やチャック(加工物を取り付ける装置)などの部分を主軸台と言います。モーターに主軸が組み込まれており、それを動力として加工物を回転させます。また、ポジションコーダという位置検出器が主軸に連結されており、主軸の回転角度をパルスの形にし、NC装置にフィードバックを行い、主軸の回転数を制御します。●刃物台刃物台には、旋盤加工に使用される様々な切削工具が取り付けられています。なお加工工程によって、工具は自動的に選択されます。刃物台の移動軸には、 加工物の直径寸法を決める横方向(X軸)と加工物の長さを決める縦方向(Z軸)の2軸があり、サーボモーター(位置決めを得意としたモーター)によって刃物台が移動します。●心押台心押台に回転センタを取付けて、長い工作物を支持する機能を持っています。チャックと心押台の両方で工作物を支持する(両端支持)ことで、高い加工精度が得られます。NC旋盤の構成【NC制御】●制御盤NC制御と機械を制御するプリント基板やリレー類が並んでいます。指令された複雑な動きを、位置・速度などの数値情報によってコンピュータ上で制御を行い、実行するための装置です。NC旋盤の構成【操作盤】●操作盤機械の運転のためのスイッチやボタンが並んでいます。使用する工具、主軸回転数、テーブル位置、移動距離などマシニングセンターの動きを操作するための操作盤です。その他生産の効率化やコストダウンなどを目的に、様々な付属装置が用いられます。●バーフィーダバー材加工時に長いバー材を送る装置で、このバーが短くなるまで連続して加工を行うことが可能となります。●ロボット素材をチャックに取り付けたり、また加工完了物をチャックから外して格納庫に搬送するなど、自動化、無人化での長時間の加工を可能とします。NC旋盤加工のメリット品質管理が容易汎用旋盤の場合では、手動加工のため、作業者の技量によって作業時間や精度が大きく異なってしまい、品質を管理するのが難しくなってきます。しかし、NC旋盤では、生産が自動化され、初期の設定を行えば、同一品質の製品を大量に生産することが可能となるため、品質管理がとても簡単です。高精度での加工ができるNC旋盤は、各軸移動の分解能が高く、テーブルやバイトの送りを1/1000mm単位という高精度で設定することができます。そのため、特殊形状の部品でも、高精度・高品質な加工が可能となります。NC旋盤加工事例次に、NC旋盤の加工事例についてご紹介いたします。<NC旋盤加工品(材質:SUS304B)>引用元:株式会社吉井製作所<シャフトロール(材質:S45C)>引用元:有限会社鈴精機<電極スリーブ(材質:真鍮)>引用元:有限会社鈴精機NC旋盤加工が得意な工場3選!NC旋盤加工を得意としている、Mitsuri選りすぐりのメーカーをご紹介します。【NC旋盤を用いた量産品なら】和泉製工株式会社引用元:和泉製工株式会社①会社概要本社:大阪市港区市岡元町2-3-4TEL:06-6581-4813FAX:06-6581-0428設立:2007年6月5日加工:切削加工、複合加工 など素材:SS400などの鉄系、S45Cなどの鋼系、SCM、アルミ、ジュラルミン、真鍮、ステンレス系(SUS304・SUS303・SUS316・SUS630など)ホームページ:https://izumiseiko.jp②会社の紹介和泉製工株式会社は、大阪でCNC旋盤を使用した切削加工・複合加工をメインに、各種機械部品を製造している加工メーカーです。③メリット・デメリット和泉製工株式会社では、NC旋盤による「丸物切削加工」を主に行っています。丸もの・六角ものの加工では、外径サイズはφ10mm~φ150mmが対応可能で、 φ65mm以下では定尺材よりの加工、φ66mm以上は切断材よりの加工となります。最小ロット数は、基本的に100個からとなっております。なお、板材よりの加工や異形物の加工には対応しておりませんので、依頼の際にはご注意ください。④製品紹介和泉製工株式会社での製品例はこちらです。異型フランジ片持ち異型フランジフランジ(SUS304)【ステンレスから難削材まで対応】株式会社木山製作所引用元:株式会社木山製作所①会社概要本社:千葉県松戸市松飛台271-1TEL:047-311-2671FAX:047-311-2672創業:1946年4月加工:NC旋盤、マシニングセンターを中心とした金属の切削加工 など素材:ステンレス、アルミ、鉄、チタン、インコネル、ハステロイ、ニッケル合金 などホームページ:http://www.kiyamaseisakusyo.co.jp②会社の紹介株式会社木山製作所は、NC旋盤、マシニングセンターを中心とした金属の切削加工を行っている老舗メーカーです。③メリット・デメリットNC旋盤、マシニングセンターの切削加工が自慢の企業です。 ステンレス、アルミ、鉄以外にも、インコネルやハステロイなどの難削材の加工にも対応しています。また、切削加工から表面処理など2次加工まで含めて、一括で請け負う事が可能なため、お客様の管理の手間を省くことができます。ただし、特急対応については、可能かどうか事前に確認することをおすすめします。確認の際には、ぜひMitsuriまでご相談下さい。④製品紹介株式会社木山製作所での製品例はこちらです。食品・医薬工場用の接続金具ガイドカバーパイプフランジ【アルミのNC旋盤加工なら】株式会社畑山金属工業所引用元:株式会社畑山金属工業所①会社概要本社:大阪府門真市三ッ島6丁目25-28TEL:072-800-0777FAX:072-800-0888創業:昭和35年4月加工:機械加工、金属加工、試作製作から機械部品の製造、加工素材:アルミ、鉄、ステンレス、チタンホームページ:http://www.hatayama-metal.jp②会社の紹介株式会社畑山金属工業所は、大阪府門真市に本社を構え、NC旋盤、マシニング、プレス、フライス、溶接、ダイカストなど、様々な金属加工を行っているメーカーです。③メリット・デメリット最新の製造機械を導入し、高精度の加工にも対応しています。また、材料の仕入れから製造まで、一貫した管理体制の下で行っているため、常に品質の高い製品を短納期で提供することが可能です。ただし、基本的にはΦ300(300mm)までのサイズの加工のみ対応可能であるため、それ以上のサイズの加工をご希望の場合には、可能かどうか事前に確認することをおすすめします。NC旋盤加工の見積もりならMitsuriへ!今回は、NC旋盤についての基本的な知識に加えて、NC旋盤加工を得意としている3つの工場をご紹介しました。NC旋盤を得意とすると言っても、メーカーごとに対応可能な材質や素材が異なるため、それぞれの特徴を十分に確認してから依頼することが重要です。NC旋盤の加工を依頼できるメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    タングステン加工について、タングステンの特徴を踏まえて解説!

    タングステンという金属をご存知でしょうか。原子番号74の元素で、元素記号はドイツ語のWOLFRAM(ウォルフラム)にちなんで、Wとなっています。タングステンは遷移金属に分類され、レアメタル(地殻中の存在量が比較的少なかったり、採掘と精錬のコストが高いなどの理由で流通・使用量が少ない非鉄金属)の一つとなっています。鉄やアルミニウムのように、普段の生活でよく耳にするような金属ではないのですが、実は、私たちの身の回りの様々なところで利用されているのです。今回は、タングステンについて、その特徴や、どんなところで使用されているのか、またタングステンを加工する上での注意点、加工事例など幅広く解説していきます。タングステンについてさらに知識を深めたい方や、タングステンの加工でお悩みの方は、ぜひご一読ください。タングステンとはまずは、タングステンの特徴について見ていきましょう。主に、タングステンの特徴は①高い耐熱性、②高金属密度の2点となります。それでは、詳しく解説していきます。①高い耐熱性タングステンの融点は、3422℃と、金属の中で最も融点が高いと言われています。その高い耐熱性から、熱処理炉など超高温下で使用される材料として広く活用されています。また、熱膨張率が低く、超高温での形状安定性が極めて高いという点も、タングステンの特徴の一つと言えます。②高密度で加工が難しいタングステンの金属密度(比重)は19.3g/cm3と、金とほぼ同じであり、鉄の約2.5倍、鉛と比べても、1.7倍となります。タングステンという言葉は、スウェーデン語で「重い石」という意を持つのですが、その名の通り、非常に重い金属となっています。また、金属密度が高いことから、放射線遮へい能力に優れているという特徴を持ちます。鉛も同様に、X線やガンマ線などの放射線の遮へい材にもなるのですが、環境負荷が大きく、人体への影響も大きいというデメリットがあります。一方で、タングステンは環境負荷が小さく、さらに放射線遮へい能力においても、鉛より高いため、X線CTなどの医療分野で活躍しています。このように、普段身近に感じない金属ですが、工業用、医療用として私達の生活に密接に関係があります。また、タングステンは硬度が高いという特徴も持っています。炭素などと結びつくことで、さらに硬度が高くなり、モース硬度ではダイヤモンドの10に次ぐ、9にランクされます。タングステンの炭化物であるWC(タングステンカーバイド)はそのように、非常に硬度が高いことから、ドリルや旋盤など、金属の切削工具として広く利用されています。身近に使われているタングステンタングステンの特徴について理解したところで、次は、それらの特徴を踏まえて、実際に私たちの身の回りで、どういったところにタングステンが使用されているか見ていきましょう。高い耐熱性を活用した使用用途タングステンの一つ目の性質である、高い耐熱性を利用して、白熱電球のフィラメントや電子レンジのマイクロ波を発生する、マグネトロンに使用されています。なお、以前はフィラメントによく使用されていましたが、近年はLEDが多用されるようになったために、フィラメントとしての需要は減っています。高い密度を活用した使用用途また、金属密度(比重)が高いという性質を活かして、釣りの重りやゴルフ道具のウエイト、さらには腕時計の重りなど、比較的狭いスペースにもかかわらず、しっかりした重量が必要な場所において使用されています。タングステンは、私たちの身近なところで活用されているということが分かりますね。タングステンの加工の仕方これまで、タングステンの特徴を見てきましたが、硬度が高く、融点が高いという特徴から、加工が非常に難しい金属として知られています。また、切削加工の被削性の観点から見ても難削材にあたるため、加工にあたってはいくつか注意するべきポイントがあります。ここでは、そのような難加工材であるタングステンを加工する方法について説明していきます。タングステンの旋盤加工タングステンに旋盤加工を施す場合、チップ素材の選び方で面粗度に差が現れます。例えば、超硬合金(タングステンカーバイドとコバルトを焼結した材料)のチップを用いると、チップの先端形状のすくい角が小さくなり、切りくずの厚さも厚く、切削抵抗が大きくなるため、結果、面粗度が荒くなってしまいます。<超硬度のチップを用いた場合>一方、サーメット(チタン化合物とニッケルやコバルトを焼結した材料)のチップを用いることで、すくい角が大きくなり、切りくずの厚さも薄く、切削抵抗が小さくなるため、面粗度を上げることが可能となります。<サーメットのチップを用いた場合>引用元:株式会社イプロスタングステンのフライス加工タングステンのフライス加工においては、荒加工を湿式(水や切削油剤などのクーラントを使いながら加工する方法)で、回転数を落として行い、仕上げ加工を乾式(水や切削油剤などのクーラントを使わずに加工する方法)で行うことにより、安定した仕上がりになります。仕上げ加工を湿式で行うと、刃物が逃げる傾向があり、仕上がりが安定しないので注意が必要です。フライス加工では、加工条件の設定が不適切な場合、特に硬い材料ではワークが熱を持ち、加工硬化を起こすので、適切な加工条件に設定することが重要となります。<切削熱の発生因子>引用元:難削材加工コストダウン.COMタングステンのタップ加工タングステンのような難削材をタップ加工する際には、大きな負荷が掛かるため、タップが折れやすく、さらに送り速度も制限されるので、加工に非常に長い時間がかかります。そのため、荒加工で穴を空けた後に、通常のタップではなく、プラネットカッタを使用することで、劇的に加工時間を短縮することが可能となります。<プラネットカッタ>引用元:株式会社MonotaRO参考記事切削加工に関する基礎知識については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。⇒【切削加工とは?】特徴・種類・注意点を動画と一緒にご紹介します!タングステンの加工事例最後に、タングステンの加工事例についてご紹介いたします。〈イモネジ(NC施盤加工、長ネジ加工))引用元:株式会社トップ精工<タングステン加工品(マシニングセンタ加工、左半分:R溝加工、 右半分:貫通穴とネジ加工)>引用元:株式会社トップ精工<タングステンボート(マシニングセンタ加工、ザグリ加工)>引用元:株式会社トップ精工タングステン加工の見積もりならMitsuriにお任せ加工が非常に難しいと言われているタングステンでは、加工メーカーを選ぶのも難しくなるでしょう。タングステンの加工を依頼できるメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!

    硬い金属を削って目的の形に仕上げていくフライス加工は、金属加工の中でも多くの場面で用いられる加工方法ですので、フライス加工の種類を詳しく知っておくと、ものづくりの幅が大きく広がります。また、フライス加工機の種類もたくさんあり、それそれの特徴も違うため、加工を依頼する工場がどのような加工機を使っているか知っておくと、理想の製品が作れるとも考えられます。そこで今回は、フライス加工の種類から金属加工工場で使われている加工機の種類や特徴について詳しくご紹介します。フライス加工とはフライス加工は、切削工具を高速で回転させながら金属を削り取り、目的の形状にする加工方法です。一般的に、工具を用いて金属の材料を削る加工を「切削加工」と言いますが、切削加工の中でも切削のやり方によって「旋盤加工」と「フライス加工」の2つに分けられます。まず「旋盤加工」は、丸物の工作物を回転させながら固定した切削工具に当てて削るため、円筒形状の加工物の外形や内径を加工します。中心に穴を開ける穴あけ加工やねじ切り、溝削りなどの加工が行えます。一方、フライス加工は、切削工具を高速で回転させながら固定した工作物に当てて削っていきます。作業台に固定さえできれば、どのような形状の工作物でも加工できます。材料を固定した作業台は前後左右にスライドし、切削工具は上下に動くため、組み合わせれば三次元的な動きが可能で、工作物の表面を平面や曲面に加工したり、穴を開けたり溝を掘ったりと、様々な加工が行えます。参考記事旋盤加工やフライス加工については以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒切削加工の種類【専門家が解説】フライス加工、旋盤加工について詳細をお伝えします!フライス加工で製作されるものは複雑な形状をしており、一見すると何をどうやって加工しているのかわからないと思います。しかし段加工や溝加工など、様々な加工方法が組み合わされて一つの製品が作られていますので、加工で使われる切削工具の役割さえわかれば、徐々に出来上がりのイメージが出来るようになりますので安心してください。フライス加工の種類フライス加工は使用する工具によって様々な形状に仕上げることができます。主に使われることが多い工具は、正面フライス、エンドミル、溝フライス、平フライスの4つとなります。主に使用される工具正面フライスエンドミル溝フライス平フライスそれぞれの特徴と成形できる形を見ていきましょう。参考記事こちらの記事にもフライス加工の種類について詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒【切削加工】切削加工の方法や特徴・種類を動画を交えてご紹介!!正面フライス円周上に多数の刃(チップ)が取り付けられており、高速で回転しながら平行移動して表面を平らに削ることができます。フライス加工で最も多く用いられる切削工具ですので、様々な大きさの正面フライスが存在します。広い平面を削りたい時は外径が大きな正面フライスを使えば一気に削れますが、サイズが大きな正面フライスは重量が重く、出力が大きいフライス加工機を使わなければなりません。そのため製品の加工には作業効率だけでなく、その加工機で使用できる工具サイズを配慮して選ぶ必要があります。エンドミルドリルの刃に似た縦長の切削工具で、主に平面を削るために用いられます。正面フライスよりも削れる面積が小さいため、細かな部分を削るときに重宝します。一見するとドリル刃と間違えそうですが、エンドミルは先端の両サイドが鋭く角張っている特徴があります。刃の枚数も2~5枚、ものによっては6枚以上まであるものも存在し、用途や工作物の素材によって最適なものを選びます。エンドミルは平面削りで削れる面積が少ないため、加工時間がかかる欠点がありますが、反対にエンドミルさえあれば、平面削りだけでなくそのまま段加工や溝加工もできるため、他の切削工具に比べて万能な切削工具とも言えます。溝フライス高速カッターの刃のような形状で回転し、工作物を当てながら平行移動させることで溝を掘ることができます。溝フライスのサイズも様々で、掘りたい溝の深さや幅によってサイズを決めます。サイズを決める基準は、刃の幅…溝の幅刃の外形…溝の深さとなっています。エンドミルでも溝加工ができますが、溝フライスの方が加工スピードが早く、切りくずも効率よく外に排出できるため、仕上がり精度を高くできる特徴があります。平フライスギアのように外周に刃を持った切削工具で、横型フライスに取り付けて平面を削ることができます。また、工作物の両端の加工に用いれば段加工も可能です。ただし、平フライスでは溝加工や穴加工ができませんので、現在は平面の加工は正面フライスで一気に加工し、エンドミルで溝加工や段加工、穴加工をするといったパターンが多く、平フライスの出番は徐々に無くなりつつあります。フライス加工機についてフライス加工機と聞くと、作業台の上に工作物を固定し、ハンドルで作業台を前後左右、切削工具を上下に動かしながら加工を行う機械が思う浮かぶのではないでしょうか?しかしフライス加工を行う機械は手動で動かすものや、自動で加工できるもの、コンピュータ制御されているものなど、様々な種類があります。主に一連の操作を手動で行うものを「汎用フライス」と呼び、フライス盤にNC(数値制御)の機構が付いて自動で加工できるものを「NCフライス(CNCフライス)」と呼ばれます。また、それ以外にも工具交換も自動で行ってくれる「マシニングセンタ」や、自動で歯車を製作する「NC歯車加工機」などが主流です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。参考記事フライス加工機については以下の記事でも詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒金属切削加工ならMitsuri!1コ〜お受けいたします!汎用フライス材料や切削工具の取り付けから加工完了まで、すべての作業を人の手で行うフライス加工機です。動作が人の手によるため、作業者の技量によって製品の出来栄えが変わる特徴があります。自動化が主流になりつつある現代において、手作業で行う加工機は一見時代遅れに見えるかもしれませんが、熟練した作業者が加工すれば手動でしか加工できないほど精密で高品質な製品ができるのも事実です。特に試作品やオーダー品などの製作現場で活躍しています。NCフライス(CNCフライス)NCは「Numerical Control」の略で、材料の位置や動きを数値化して機械を動かす方式を言います。最近は数値化したデータを加工機の内部にあるコンピュータに入力すると、数値制御を行い自動で加工してくれるCNC(Computerized Numerical Control)フライスが主流となってきました。元々はコンピュータを用いない「NCフライス」が先に開発され、後にコンピュータ制御が出来る「CNCフライス」が普及していたことから、「NC」と「CNC」は明確に線引きされていました。現代ではほとんどの「NCフライス」にもコンピュータ制御が搭載されているため、まとめて「NCフライス」と呼ばれることが多くなってきました。NCフライスはコンピュータに加工条件や動作プログラムを入力すれば自動で加工できるため、複雑な形状をしていても、同じものを作ることができます。また、材料や切削工具は入力された数値に従ってサーボモーターを制御しており、加工精度の狂いも少なく、高品質な製品を作ることができます。さらに形状を変更するときは、コンピュータ内のプログラムを変更するだけであるため、熟練した加工技術を必要としません。そのため現代の金属加工現場でとても重宝される加工機とも言えるでしょう。マシニングセンタ加工作業を数値制御によってコントロールされる「NCフライス」に「ATC(自動工具交換装置)」が付いている加工機を「マシニングセンタ」と呼びます。これまでのNCフライスは切削工具の交換作業は人の手で行なわなければならず、各工程が終わるごとに切削工具を交換し、工作物に合わせ込む時間が必要でしたので、複雑な形状の製品を加工する時はかなり時間がかかります。一方、ATCを装着していると、一度の加工で複数の切削工具が使えるため、工具交換の手間がなくなり、かなり効率的に加工が行えます。また、マシニングセンタで加工すれば、工具の脱着作業は必要ありませんので、工具の脱着作業によって発生する微妙なズレが起きません。そのため精密な部品の製作にも向いている加工機とも考えられます。NC歯車加工機歯車は伝達機構が三次元的な噛み合いとなっており、トルクを無駄なく伝達させることが求められる非常に精密な部品でもあります。一般的な歯車の成形方法は、歯車のもととなる材料に、「ホブ」と呼ばれる切削工具を押し当てて円盤の外周に歯を削り込んでいく「ホブ加工」で成形されます。歯車加工は用途によって歯の形状や数が細かく分かれているため、歯車を製作する時は切削工具や機械の加工条件を変えたりと、かなりの手間がかかります。NC歯車加工機は、歯車製造工程のホブ加工を自動で行える加工機で、切削速度の調整や歯数の指定も自由にできます。最近では穴の内面加工や切削加工、歯切り加工を一貫して行う複合機が開発されています。複合機を使うと各工程を自動化し、段取り替えを極力減らすことが可能ですので、複雑な製造工程でも効率的に生産できるようになりました。まとめフライス加工の種類やフライス加工機についてご紹介しました。金属加工の基本とも言える「削る」作業を担当するフライス加工は、ものづくりにおいて欠かすことができない技術とも言えます。しかし近年は自動化が進み、効率良く作業できる加工機の開発が進み、加工方法も複雑化されていますので、どのように加工すればいいのかわからないこともあるかもしれません。そんな時はMitsuriにご相談ください。Mitsuriは全国140社以上の金属加工会社と提携しており、汎用フライスからマシニングセンタまで様々な加工機を使用している工場がございますので、最適な工場をご紹介させていただきます。また、作り方にお悩みの際もMitsuriにご相談いただければ、作りたいものに適したフライス加工方法もご提案させていただきます!作りたいものがございましたら、まずMitsuriにお申し付けください!

  • NO IMAGE

    パンチングプレートならMitsuri!種類や材質について専門家が解説!

    パンチングプレートは、穴を開けた板状の金属材料のことです。しかし、パンチングプレートが何かも知らない方や、知ってはいるものの、どのような穴の種類があって、どんな材質のものがあるのか分からない方も多いことでしょう。自社で使用するときの参考に、どんな用途があるのかを知りたい方もいるかも知れません。そこでこの記事では、パンチングプレートの概要から多種多様な穴の種類や材質まで解説していきます。また、用途と加工事例も併せてご紹介しますので、パンチングプレートの選定や加工の参考にしてください。パンチングプレートとはパンチングプレートとは、パンチングプレスによって穴を開けた板状の金属材料のことで、パンチングメタルとも言われます。パンチングプレスは、パンチとダイという金型で材料を打ち抜くプレス機械です。打ち抜き加工は、主にNC制御(数値制御)によって行うため、規則的な位置に穴を開けることができます。また、金型を選定または製作することで様々な形状の穴を開けることが可能です。参考:タレパン】タレットパンチプレスの仕組みや特徴について詳しくご紹介!!パンチングプレートの穴の種類パンチングプレートの穴の形状は、下図の「丸穴」「角穴」「長丸穴」「長角穴」が代表的です。引用元:阪倉金網株式会社穴の形状にはこのほか、ダイヤ形や菱形、六角形の形状をしたものや、丸十穴などの丸穴と十字穴を交互に配列したものなどがあります。さらに近年では、プレス機械の複雑な制御がコンピュータでできるため、任意の形状の穴を開けることが可能です。穴の形状について述べましたが、穴径や穴ピッチ、穴の配列パターンもパンチングプレートの穴の種類を決定する要素です。穴径は丸穴の直径のことで、Φ5といった表記で直径5mmの丸穴が開いていることを表します。また、穴ピッチは、P10と表記して穴と穴の中心間隔が10mmであることを表します。一方、穴の代表的な配列には、下図の「60度千鳥」「45度千鳥」「並列」の3種類が挙げられます。引用元:松陽産業株式会社「60度千鳥」といった名称は、図のように1段下の穴との角度と、互い違いであることを意味する工業用語「千鳥」から来ています。穴の配列はこのほか、同形状の異なる穴径の丸穴を配置したり、異なる形状の穴を配置したりするなどの多様な配置があります。しかし、穴の形状と同じく、穴の配列もまた任意にデザインすることが可能となっています。パンチングプレートにとって、上述した穴の形状、穴径、穴ピッチ、穴の配列によって決まる開口率も忘れていはいけません。開口率は、プレート面積における穴を開けた部分が占める割合をパーセントで表したものです。開口率が大きいほど、金属部分が少なくなるので、当然強度は弱くなってしまいます。パンチングプレートの材質についてパンチングプレートの材質は、鋼、ステンレス、アルミ、銅、真鍮、チタンなど多種にわたります。しかし、一般的には鋼やステンレス、アルミを材料とすることが多いようです。パンチングプレートの主な材質…鋼、ステンレス、アルミ鋼板では、冷延・熱延鋼板や高張力鋼板、表面に防サビ加工を施した亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニール樹脂をコーディングした塩ビ鋼板など、表面処理済みの鋼板も対象となっています。また、ステンレスではSUS304やSUS430、アルミではA1050やA1100が多く使われています。パンチングプレートの定尺について金属材料の定尺とは、市場に流通している、つまり既製品として販売されている材料のサイズ・寸法のことです。注文品でないパンチングプレートの多くがこの定尺寸法で販売されています。定尺は材質によって異なりますが、パンチングプレートでよく用いられる鋼、ステンレス、アルミについては、以下のサイズの定尺材を見つけることができるでしょう。鋼●914 mm ✕ 1829 mm●1219 mm ✕ 2438 mm●1524 mm ✕ 2438 mm●1524 mm ✕ 3048 mm●1524 mm ✕ 6096 mmステンレス●1000 mm ✕ 2000 mm●1219 mm ✕ 2438 mmアルミ●1000 mm ✕ 2000 mm●1250 mm ✕ 2500 mmなお、板厚については、メーカーや販売店によってばらつきがありますが、鋼だと0.5~6.0 mm、ステンレスだと0.3~3.0 mm、アルミだと0.5~3.0 mm厚さのパンチングプレートがよく販売されています。パンチングプレートはどんなところに使われているかパンチングプレートは、単なるプレートにはない、より優れた以下のような特徴・機能を持つため、建築物から家電製品まで様々な用途があります。パンチングプレートの特徴・機能軽量採光通気/通風通水装飾/デザイン濾過滑り止め建材としては、その軽量性や通気性から、壁材や天井材、間仕切などに使われています。また、通風性や採光性に加え、装飾やデザイン性を活かした形で、門扉やフェンス、エクステリアなどにも使用されています。パンチングプレートは、穴を微細にすることで、フィルターのほか、電子機器や家電製品のメッシュカバーとしても使われています。通気や水切り、滑り止めの役割もできるため、側溝の蓋や床材などの用途もあります。そのほか、パンチングプレートは、防音壁に用いられ、吸音材の効果を高めるとともに保護・支持材としての役割も果たしています。また、暖房器具では、熱を放射・拡散できる安全のための仕切り板として用いられています。パンチングプレートの加工事例下の写真は既製品として販売されているもので、材質はSUS304、厚さは0.6mm、丸穴でΦ6✕P9、配列は60度千鳥のパンチングプレートです。引用元:モノタロウ下の写真は、穴径の異なる丸穴を配列したパンチングプレートで、高いデザイン性を持つため、店舗什器用として用いられています。引用元:三和打抜工業株式会社次の写真のパンチングプレートは、高耐食性メッキ鋼板を加工してビルの軒天に使用したもので、耐久性・通気性・意匠性を同時に満足しています。引用元:株式会社ウチヌキ下の写真は、パンチングプレートを筒状に2次加工したもので、穴を微細にすることでオイルフィルターとしての機能を発揮させています。引用元:パンチングワールド下の写真は、公園やアミューズメント施設のゴミ箱を用途として製作されたものですが、このような装飾性の高い加工もパンチングプレスで可能となっています。引用元:松陽産業株式会社参考:【パンチングメタルメーカー10選】本当に凄い技術を紹介(玄人必見)まとめ以上、パンチングプレートの概要や種類、材質や用途について解説しました。パンチングプレートは、プレス機械によって穴を開けた板金のことです。その種類は、丸や角といった穴の形状と穴径、穴ピッチ、穴の配列によって千差万別です。その素材には、鋼やステンレス、アルミを使用することが多いですが、チタンのパンチングプレートもあるように特に制限はありません。幅広い用途があり、通気性や採光性などの穴に由来する性質を活かした建材や防音壁、フィルターや家電製品など、多様に用いられています。パンチングプレートへの加工は、板が厚いほど、穴が微細になるほど難しくなります。しかし、Mitsuriなら加工事例でご紹介したような加工にも対応できます。Mitsuriの協力工場は全国に350社以上あり、多数のパンチング加工の実績があるため、安心してご依頼ください。素材の選択のご相談に加えて、パンチング加工が得意な工場のご紹介も可能です。

  • NO IMAGE

    鉄の溶接ならMitsuri!【全国どこでも】1コ~お受けいたします!

    「鉄溶接の特徴って何?」「鉄を溶接したい、でもどんな方法があるの?」「鉄溶接の事をもっと知りたい」この記事はこのような疑問をお持ちの方に向けた記事となっています。溶接とは、その名の通り鉄、またはその他の金属を溶かして接合させる事です。参考記事溶接に関して詳しく解説している記事はこちらです。⇒第1回 溶接加工とは?代表的な種類とメリット・デメリットを解説鉄製品の溶接を外注化している、もしくは外注化を検討している企業様にもご参考にしていただけたらと思います。溶接時の鉄の特徴溶接時の鉄は、1,538度~2,800度(鉄の融点)まで温度が上昇します。融点まで達した鉄は溶け、2つの隣接する母材が混ざり冷却されて一体化します。金属は高温になると膨張し、冷却されると縮小する特性があります。溶接は局所的にこの膨張収縮が起こるため加熱された個所とされない個所で変形量が異なってしまい、結果的に歪み(ひずみ)という現象が発生します。鉄の特徴としては、アルミ、ステンレスに比べて溶接時の歪み(ひずみ)が少なく、溶接しやすい材質です。少ないと言っても鉄の溶接時は歪み(ひずみ)の発生は避けられないので、どのように歪み(ひずみ)を抑えて溶接するか、修正するかが溶接時のポイントとなってきます。また、前述の通り歪み(ひずみ)は鉄だけではなく、アルミ、ステンレスでも同じように発生します。参考記事歪み(ひずみ)を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。⇒溶接歪みの原因について解説!修正方やそもそも歪みを出さない溶接法についてもご紹介!鉄溶接の方法鉄を溶接する方法はいくつかありますが、溶接が必要な鉄製品の用途や、溶接する箇所によって変わってきます。溶接は大きく分けて3つに分類されます。融接・・・被覆アーク溶接、半自動溶接、TIG溶接、プラズマ溶接など圧接・・・スポット溶接、シーム溶接、アプセット溶接などろう接・・・ろう付け、はんだ付け今回は融接の中でも代表的な被覆アーク溶接、半自動溶接、TIG溶接にフォーカスして解説していきます。被覆アーク溶接アーク溶接棒に付着しているフラックス(被覆材)は、大気や酸素から溶融地を守る働きがあります。仕組みとして、被覆アーク溶接時にフラックス(被覆材)が高温のアークによって分解、ガスとなりアークと溶融地を大気、酸素から保護します。したがって被覆アーク溶接は風に強く、屋外作業に向いている溶接方法です。ガスを使用せず、溶接機自体も比較的安価で複数台同時に稼働でき、作業効率も良い事から特に作業時間に制約がある(工期)屋外の建築現場では被覆アーク溶接を用いる事が多いです。また、被覆アーク溶接の特徴としてスラグが出ます。参考記事溶接時のスラグについて、詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。⇒溶接時のスラグはなぜでるのかを解説!スラグ巻き込みの原因と対処法についてもご紹介!半自動溶接半自動溶接は、フラックスワイヤーを使用しない場合、シールドガスでアーク周辺を保護します。通常、シールドガスの流量は20~30l/minで調整して溶接を行いますが、溶接部周辺の風速が1.2m/sec程度でも気孔が発生する恐れがあるので風に弱く、屋内作業に向いている溶接方法です。風の抵抗を受ける屋外での作業では、シールドガスを使用しないセルフシールド溶接があります。セルフシールド溶接の場合、シールドガスではなくフラックス(被覆材)入りのワイヤーを使用します。TIG溶接TIG溶接は、半自動溶接同様シールドガスを使用しているため、風に弱く屋内での作業に向いている溶接方法です。被覆アーク溶接や半自動溶接に比べて、音をあまり出さずに溶接が出来ること、見た目がキレイということもあり、小型製品の目に見える部分や、パイプの繋ぎ目などで使用されることが多いです。TIG溶接は、母材とタングステンの距離感やプールが出来てから溶接棒を入れるタイミング、さらには母材が高温になる事を計算した電流の調整などといった3つの中で最も技術習得に時間が必要で、作業者によってはピンホールが出来てしまったり、見た目も違ってきます。参考記事今回紹介した3つ以外の溶接方法を知りたいという方はこちらの記事を参考にしてください。⇒溶接方法はこの記事だけでOK!3分でわかる金属加工で代表的溶接方法!鉄溶接事例鉄の溶接は、溶接する箇所、用途によって使い分ける必要がある事をおわかりいたただけたと思います。溶接を外注化するにあたって、「この鉄製品はこういう用途に使用したい」「見た目はこだわらないがガッチリ溶接して欲しい」といった案を提示することで、作業者にどう溶接すればいいのかが伝わり、作業効率もアップします。鉄溶接を知る事でスムーズに取引が出来、納期短縮にも繋がります。では次に、鉄を溶接したらどのような仕上がりになるのか、鉄溶接の事例と共に紹介していきます。被覆アーク溶接での事例①溶接風景引用元:Bldy.マガジン火花が飛び散る範囲が広いので厚手の革手袋、作業着が必須です。高所での作業も可能ですがそのためには安定した足場が必要になります。②溶接箇所引用元:株式会社KRS厚物(鉄)を被覆アーク溶接で溶接した例です。(画像はスラグを取り除いたもの)半自動溶接での事例①溶接風景引用元:株式会社NIMURA風の影響を受けにくい屋内での作業風景です。半自動溶接は溶接棒を取り替える作業がなく、ワイヤーが自動で送り出されるので溶接速度が速く、量産性に優れています。②溶接箇所引用元:WELDTOOL写真に見える丸い粒のようなものはスパッタと呼ばれるものです。被覆アーク溶接にあるスラグよりも簡単に取り除くことが出来ます。スラグはハンマーなどで叩く必要がありますが、スパッタは残材などで擦ると取れます。半自動溶接は自動化させることも出来ます。参考記事溶接の自動化を詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしていただけたらと思います。⇒第6回 溶接の自動化とは?自動溶接・ロボット溶接TIG溶接での事例①溶接風景引用元:株式会社 三矢TIG溶接でパイプ形状のつなぎ目を溶接しています。密な溶接や細かな溶接も可能という事がTIG溶接のメリットと言えます。②溶接箇所引用元:サイクルパインTIG溶接は見た目がキレイに仕上がるため、目に見える部分に適している溶接です。画像の通り、自転車の鉄製フレームにもTIG溶接は使われる場合があります。TIG溶接は鉄の溶接に限らず、アルミやステンレスにも対応出来るのでマルチな溶接方法とも言えるでしょう。鉄の溶接ならMitsuri!今回は数ある鉄の溶接の中でも被覆アーク溶接、半自動溶接、TIG溶接の3つをピックアップしてご紹介させていただきました。「この鉄製品はTIG溶接にしよう!」「屋外で溶接したいから被覆アーク溶接かな?」などイメージしやすくなったと思います。溶接はとても手間のかかる作業であり、経験と技術も必要な工程です。「どこに溶接を依頼したらいいのかわからない…」「最短納期で溶接をして欲しい…」こんなお悩みをお持ちの方はぜひMitsuriにご相談ください!Mitsuriは、日本全国に協力企業が100社ございます。そのため、お客様にとって最適な溶接方法、最短納期での作業が得意な工場のご紹介も可能です。鉄製品の溶接加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!

  • NO IMAGE

    アルミと鉄の溶接は難しい!異種金属溶接について専門家が解説

    「異種金属溶接」という言葉をご存知でしょうか。これは、ふたつの異なる種類の金属を接合させる高度な技術のことです。この技術を活用すれば、コストパフォーマンスと強度を両立した部品の製造が可能となり、工場だけでなく発注元にとっても大きなメリットとなります。しかし、この技術は金属の材質によっては接合が非常に難しい場合もあります。たとえば鉄とアルミの場合、熱伝導率などに大きな差があるため、現代の技術では接合が困難とされているのです。この記事では、異種金属溶接の定義や特徴だけでなく、その難しさや問題点、活用法などについて、専門家の視点から解説していきます。 異種金属溶接とは本来溶接というのは、同じ種類の金属同士を接合するのが基本となっています。鉄でできた部品の場合、同じく鉄素材のものを接合させるというのが一般的です。しかし、異種金属溶接はそれと異なり、たとえば、チタンとステンレスといった別種の金属同士を溶かしつなぎ合わせるために行う手法です。異種金属を接合するための方法としては、ふたつの金属を電極で挟み、高圧電流によって溶接する「スポット溶接」や、タングステンに電気を流して発生させるアークを用いた「TIG溶接」があります。その他、レーザー光によって金属を溶かす「レーザー溶接」や、電子を加速させ発生させたビームによる「電子ビーム溶接」。融点の低い銀や真鍮などをろう材として利用し接着する「ろう付け」など、方法はさまざまです。異種金属溶接の難しさについて現在の溶接業界において、異種金属溶接は高いスキルが求められる手法として知られています。その大きな理由は、「電蝕」の発生です。錆びにくい「貴金属」と、錆びやすい「卑金属」を接合したものが、水などに接触することで電気が発生し、腐食劣化の原因となります。ガルバニック腐食はふたつの金属間の電位差が大きいほど発生しやすく、たとえばアルミとステンレスを接触させておいた場合、腐食の危険性がかなり大きいと言えます。もうひとつの理由として、「熱伝導率」や「融点」の差も問題です。熱伝導率および融点が高い金属と、それとは逆の性質を持つ金属を接合しようとしても、そう簡単にはいきません。一方の金属はなかなか溶解しないにも関わらず、もう一方は反対に溶けすぎてしまうといったことが発生すれば、適切な状態で繋ぎ合わせることができなくなります。溶接にあたっては、つなぎ合わせるものをそれぞれ互いに溶融させることが重要ですが、一方の溶け具合が不十分な場合、しっかり接合しているとは言えません。このような問題点を考慮せず、無理やり溶接を行おうとするのは危険です。 見た目としてはしっかりくっついているように見えても、継ぎ目の部分では腐食や金属ごとの強度差によって非常に脆い状態となっており、溶接割れなどさまざまなトラブルの原因となります。異種金属溶接が求められる場面とは異種金属溶接が必要となるのは、ふたつの金属の特徴を併せ持った素材を作る場合です。例えば、銅とアルミを接合すると、アルミ本来の弱点である脆さをカバーしつつも軽量といった、両金属のいいとこどりの素材を生み出すことができます。こうした素材が自動車などに導入された場合、重い金属を使わなくとも耐久性を補うことができ、車体の軽量化が実現しやすくなります。これはメーカーや工場だけでなく、消費者にとってもメリットのあることです。異種金属溶接によって複数の長所を持った素材が普及すれば、より低コストで、なおかつ耐久性に優れ扱いやすい商品を購入することができ、ライフスタイルの向上にもつながるでしょう。しかし、先の項目で述べた通り、ふたつの異なる金属を溶接するのは簡単なことではありません。電位差のみならず、熱伝導率などの要素を考慮に入れた上で、適切な接合を行わなければならないからです。異なる性質を持つ異種の金属を結合するにあたっては、双方の金属と相性のよいものを溶接素材として選ぶなどの対策が求められるでしょう。たとえば銅と鉄を異種金属溶接しようとする場合、本来は鉄が過剰に溶けてしまって適度な接合を行うことが難しいとされています。この問題を解決するため、銅や鉄との合金に用いられるニッケルを溶接素材として使用します。その結果、安定した強度を保った状態で接合できるようになるのです。こうした手法を実践するには、金属や溶接に関する豊富な知識に加え、ろうやレーザーなどを用いたさまざまな手法をこなせる熟練したスキルが必要です。そのため、異種金属が求められる場面では、専門的な技術を持った人材の存在が必要不可欠と言えるでしょう。アルミと鉄はくっつかない?さて、タイトルにもなっているアルミと鉄についてですが、これらふたつの金属を溶接できるかというと、かなり難しいと言わざるを得ません。そのもっとも大きな理由は、これらふたつの金属の融点や熱伝導率には大きな差があるためです。アルミの融点は約600℃に対し、鉄は1500℃とかなりの開きがあるため、均一に熱を加えても溶け出すタイミングを合わせることができません。そのため、うまく溶融させることができず、接合界面には不安定な金属間化合物が形成されてしまいます。これによって、わずかな衝撃でも簡単に割れてしまうような不十分な接合結果となります。加えて、鉄とは逆に熱伝導率の高いアルミは、熱が逃げやすい上に一度熱がこもると今度は一気に溶けだしてしまう特性があり、溶接の難易度が高めということもマイナスです。いわば、水と油のような関係とも言えるかもしれません。そのため、アルミと鉄をつなげ合わせる必要のある場面では、ボルトなど結合部品を利用した方法が一般的には用いられています。とは言え、鉄とアルミの溶接自体が決して不可能かというと、必ずしもそうとは言いきれません。特殊なツールを激しく回転させることによって接合部を摩擦し、その熱で金属を溶かしながら撹拌して軟化させつなぎ合わせるという「摩擦撹拌溶接(まさつかくはん、FSW)」という方法があります。この方法ならば、曲線部分の溶接が難しいこと、コストがかさむことなどの問題点はありますが、溶接自体は可能です。この技術自体は1991年にイギリスの学会にて発表されたものですが、現在でも自動車や鉄道車両の部品を製造する際、一部企業の工場にてこの技術が用いられています。まとめ 異種金属溶接は部品のコストや軽量化、利便性の向上などさまざまなメリットをもたらしてくれますが、同時にガルバニック腐食や金属ごとの融点の差による強度の問題など、クリアすべき課題も少なくありません。鉄とアルミの溶接に関しては、一部の企業にて摩擦攪拌による溶接が実施されているものの、コストや需要の問題などから用いられている現場が少なく、今後これらの技術が発展する可能性は低いと言えます。

  • NO IMAGE

    【専門家が選ぶ】間違いない溶接業者5選!出張対応できる業者もご紹介!

    「出張対応できる溶接業者が見つからなくて困っている・・」「なるべく低コストで溶接してほしい・・・」「短納期で溶接加工してくれる業者に頼みたい・・・」溶接業者を探す際に、このように考えたことありませんか?金属加工の中でも溶接加工は、欠かせない技術として知られています。ですが、業者さんがなかなか見つからず、迷ってしまうことがあるかと思います。今回は、そんな溶接加工業者を探している方に向けに、優秀な溶接業者を5選紹介していきます。メーカー探しでお困りの方は、是非参考にしてみて下さい。【出張溶接なら】有限会社川﨑製作所引用元:有限会社 川﨑製作所基本情報本社:東京都三鷹市大沢3-3-23 TEL:422-32-1059FAX:0422-29-8669設立:1982年1月加工:CO2半自動溶接・アルゴンTIG溶接 等素材:ステンレス・チタン・アルミ・銅・鉄 等HP:http://kawasaki-works.com/①会社紹介有限会社川﨑製作所は、プレス加工、ベンダー曲げ加工、CO2溶接、アルゴンTIG溶接を用いて特殊な金属の加工を得意としている会社です。素材調達から加工まで全て一貫してお受けすることが可能なため、低コストかつスピーディーな対応をすることができます。②メリット・デメリットメリットは、溶接加工なら薄物から厚物まで、全て対応可能な点です。アルゴンTIG溶接を得意としており、アルミパイピング、アルミホイール肉盛り、旋盤修正により割れてしまった物も修正可能です。また、出張溶接にも対応しているため、どこでも安心して依頼することができます。しかし、アルゴンTIG溶接、CO2半自動溶接以外の溶接は対応していない可能性がある為、事前に相談しておくことをおすすめします。③製品例【ステンレスの溶接なら】有限会社藤電設工業引用元:有限会社 藤電設工業基本情報本社:東京都小平市鈴木町1-144-7TEL:042-343-1500 FAX:042-343-1502設立:昭和45年9月16日加工:アルゴン溶接・スポット溶接 等素材:ステンレス・鉄・チタン・真鍮 等HP:http://fuji-den.com/①会社紹介有限会社藤電設工業は、ステンレスの溶接加工を専門としている会社です。短納期対応やオリジナル商品に力を入れており、他社ではできないような依頼が可能です。また、アルマイト処理なども得意としており、着色までの工程に迅速に対応することができます。②メリット・デメリットメリットは、溶接加工のみならず様々な金属加工をしており柔軟な対応が可能な点です。溶接に関してもスポット溶接からフランジ溶接まで豊富な溶接方法があるため、お客様のニーズに沿った対応が可能です。小ロットからの発注も受け付けており、細かい発注を得意としています。しかし、少数精鋭のため、大量発注などは受け付けていない可能性があるため、注意が必要です。③製品例溶接部品【短納期溶接案件なら】ANAテック株式会社引用元:ANAテック株式会社基本情報本社:神奈川県横須賀市内川1丁目7番23号TEL:046-838-4860FAX:046-838-4861設立:2007年6月21日加工:MIG自動溶接・アルゴンTIG溶接 等素材:鉄・アルミニウム・ステンレス 等HP:http://anatech.jp/①会社紹介ANAテック株式会社は、板金加工・溶接を得意とする金属加工メーカーです。溶接加工だけでなく、各種金属材料を在庫で保有しており商社機能も持っているので、多種多様な材料を手配できます。また、品質管理、検査までワンストップで対応しているおり、幅広い依頼に対応しています。②メリット・デメリットメリットは、短納期の溶接に対応している点です。材料の管理から加工までをワンストップ対応で行っているため、他社に比べ短納期で製品を仕上げることができます。また、現場溶接にも対応しており、他社では断るような依頼も受け付けています。しかし、鉄やアルミ、ステンレス以外の溶接は、要相談となる為、注意が必要です。③製品例【神奈川で溶接工場をお探しなら】株式会社片野工業引用元:株式会社 片野工業基本情報本社:神奈川県秦野市曽屋583-2TEL:0463-84-3211FAX:0463-84-3212設立:平成25年11月加工:アルゴンTIG溶接 等素材:鉄・アルミニウム・ステンレス 等HP:https://www.navida.ne.jp/snavi/100227_1.html①会社紹介株式会社片野工業は、溶接とレーザーカット加工を中心とした金属加工メーカーです。2001年に個人で溶接業者としてスタートし、それ以来、溶接や金属加工はもちろん、加工機械の販売・修理、鉄骨・鉄筋工事など、様々な分野で活躍しています。また、自社オリジナルの製品にも力を入れているので、他社とは違う依頼をすることもできます。②メリット・デメリットメリットは、溶接のみならず工作機械の修理なども請け負うことが可能な点です。また、少数精鋭の身軽さと技術力を強みとしており、柔軟な対応が可能です。しかしその半面、大量発注は依頼できない可能性があるので、依頼する際は業者に一度相談することをおすすめします。③製品例【持ち込み溶接案件なら】有限会社荒井製作所引用元:有限会社新井製作所基本情報本社:埼玉県久喜市菖蒲町三箇646TEL:0480-85-0187FAX:0480-85-4614設立:昭和44年3月加工:スポット溶接・CO2半自動溶接 等素材:ステンレス・アルミ 等HP:http://www.arai-ss.com/①会社紹介有限会社新井製作所は、プレス・溶接加工を中心とした金属加工メーカーです。製品例は、自動車部品や精密機械部品など様々です。試作から量産まで対応しているため、短納期かつ低コストで製品を仕上げることが可能です。また、製品の微修正等も受け入れてるため、アフターケアまで柔軟に対応してくれます。②メリット・デメリットメリットは、持ち込み溶接が可能な点です。そのため、他社では断られた依頼も対応可能です。また協力会社も複数あるため、万が一自社で加工や溶接が難しくても、協力会社と連携して対処することもできます。しかし、持ち込み溶接の場合は要相談になりますので、注意が必要です。③製品例一括で溶接業者から見積もりをとるならMitsuri!今回は溶接業者5選をご紹介しました。溶接業者のなかにも、様々な特徴や得意な加工方法があります。上記でご紹介した会社以外にも、多くの金属加工メーカーがあるので、興味のある方は是非、調べてみて下さい。もし、溶接の得意な金属加工メーカーに依頼をしたい・・・とお考えの場合は、まずMitsuriにご相談ください。