レーザーでの精密微細加工とは?メリットやおすすめの工場もご紹介!

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抵抗溶接

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レーザーでの微細加工は、金属をはじめ、セラミックやガラスなどさまざまな素材に非常に細かな加工を施すことができる加工方法です。金属加工における先端技術の中でも特に注目を集めており、精密機械をはじめ幅広い業界や分野で高いニーズがあります。ただ、肉眼で識別できないほどの微細な切断や穴開けなどの加工を依頼したい、と思ってもレーザーでの微細加工についての知識や得意とする企業の情報がないと難しいですよね。

この記事では、レーザーを使った微細加工のメリットや種類、レーザー微細加工を得意とする企業をご紹介します。板金をはじめ金属へのレーザー微細加工の依頼を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

レーザー加工が微細加工に適している理由

レーザー加工は、名前のとおりレーザー光線を利用して切削や穴開けなどを行う加工方法です。レーザーを使って微細加工を行う際、レーザー光線が持つ波長のパルス幅が短い「超短波パルスレーザー」を採用しています。

超短波パルスレーザーとは

超短波パルスレーザーとは、パルス幅が非常に短いレーザー光で、波長によってナノ秒レーザーやフェムト秒レーザー、ピコ秒レーザーなどに区別されます。

パルス幅が短い程、光の直進距離が短くなるため、より精密な加工が可能となります。


超パルスレーザーのパルス幅について

名称パルス幅光の直進距離
フェムト秒10-15秒0.3um
ピコ秒10-12秒0.3mm
ナノ秒10-9秒30mm

通常のレーザー加工では、発生する熱によって変形や反りなどが出る可能性がありますが、超短波パルスレーザーは素材を原子化し、素材にピンポイントで加工を施すことが可能です。よって、熱による損傷を起こす前に低温状態で加工できます。


参考記事

金属へのレーザー加工については、下記記事にて詳しく解説しています。

【レーザー加工】原理や種類、メリット・デメリットを専門家が紹介!!

精密レーザー微細加工の種類

精密性を求められるレーザー微細加工と言っても種類は多岐に上ります。

代表的な加工であるのは微細穴加工と溝加工です。

双方順にご説明します。

レーザー微細加工の種類【微細穴加工】

微細穴加工は、直径1mm未満ほどのごく小さな穴を開ける加工です。レーザーを使用することで1個から高密度での多数の穴加工も可能になります。印刷用の治具や金型などの用途で採用されています。

レーザー微細加工の種類【微細溝加工】

微細溝加工は、幅1mm以下の溝を素材につける加工です。狭いピッチで均等、あるいは不均等な溝形状の加工を入れる方法で、コネクター端子や半導体などに使用されています。

従来は加工幅に成形した砥石を用いて職人によって加工されていましたが、レーザーを使用することで作業効率と安全性が確保され、熱による素材の変形を軽減することで、より高品質な製品が製作可能になりました。

レーザー微細加工のメリット

レーザーを使った微細加工を行うメリットについて見てきましょう。

バリやドロスが少ない

レーザーを使った微細加工では、金属や樹脂を加工した際に出る素材の出っ張りであるバリや、切断時に物質が溶けて溶解物として付着するドロスを軽減できます。微細加工に使用するレーザー光は集光性、指向性が確保されており、照射部分をピンポイントで融解できます。加工エリアが小さいため、熱による変形を最小限に抑えられるのです。

また、精密さが特徴であり、従来の刃物や砥石を使った加工とは違い接触不要なため、加工時の歪みやクラック(ひび割れ)が起こるリスクも少なくなります。ごく薄い板金などの穴加工、溝加工にも適した加工方法です。

多様な材質に対応

レーザーでの微細加工は、金属だけでなくセラミックやガラスなどの硬脆材や樹脂などにも採用できます。

溝の深さや幅を数μm単位で調節することで、規則正しい溝を任意の場所に高精度で施すことが可能です。


レーザー微細加工の加工事例

レーザー微細加工の加工事例をご紹介します。

1.狭ピッチ溝研削加工(コネクタ端子金型の入れ子)

引用元:株式会社ナガセインテグレックス

ピッチ精度:0.8μm

2.超硬材料の微細溝研削加工

引用元:株式会社ナガセインテグレックス

超硬材料へ50µmピッチの微細溝を研削加工。

3.タイバーカットパンチ研削加工(超硬材料)

引用元:株式会社ナガセインテグレックス

ピッチ精度:1.1μm


レーザー微細加工に強い工場3選!

【箔形状等の薄い形状の加工なら】株式会社リプス・ワークス

引用元:株式会社リプス・ワークス

①会社概要

本社:東京都大田区東糀谷6-4-17 OTAテクノCORE409

TEL:03-3745-0330

FAX:03-3745-0331

設立:2009年5月

加工:焼結・熱処理、メッキ加工、表面処理加工などの各種金属加工、試作品開発加工、各種切削 など 

素材:ステンレス、アルミ、鉄、合金、樹脂 など

HP:https://lps-works.com/

②会社の紹介

株式会社リプス・ワークスは、都内大田区に拠点を構え、試作品の開発加工や切削などの金属製品加工を行っています。

③メリット・デメリット

超短パルスレーザー加工機によるレーザー微細加工では、従来からの円柱や半球形状に加え、複雑な形状のエンボス加工を多く受注しています。エンボス加工の範囲や深さなども任意に調節できます。

ただ、納期の短縮は可能かどうかは、受注量などの条件によっても異なりますので、事前に相談してみましょう。

④製品紹介

株式会社リプス・ワークスの製品例は次のとおりです。

SUS304への複合エンボス加工

モリブデン(Mo)への高アスペクト微細ストレート穴加工

タングステン(W)へのストレート穴あけ加工


【金属、ガラス、樹脂等様々な素材に対応】株式会社ナノプロセス

引用元:株式会社ナノプロセス

①会社概要

本社:静岡県浜松市西区大久保町1349

TEL:053-482-1800

FAX:053-485-1512

設立:2007年4月

加工:レーザー加工、試作、装置開発 など 

素材:アルミ、タングステン、モリブデン、チタンなど金属全般、セラミック、シリコン、各種ガラス など

HP:https://www.nanoprocess.jp/

②会社の紹介

株式会社ナノプロセスは、浜松市にあるレーザー加工や試作品の製作、装置の開発を行っている企業です。

③メリット・デメリット

レーザーを使った微細加工に特化し、穴加工や溝・切断加工、マーキングや多段加工など多種の加工に対応しています。マイクロメートルレベルでの深穴や深溝、貫通加工が可能で、従来の機械加工では取り扱いが難しいタングステンやチタン、モリブデンといった脆性材料の加工も受注しています。早期納品ができるかどうかは事前に確認するようにしてください。

④製品紹介

株式会社ナノプロセスの製品例は次のとおりです。

アルミナ穴加工

窒化アルミ加工面(SEM画像)

アルミナ異形加工


【レーザー微細穴あけ加工なら】東成イービー東北株式会社

引用元:東成イービー東北株式会社

①会社概要

本社:福島県郡山市待池台1‐26

TEL:024-963-2411

FAX:024-963-0455

設立:1987年11月2日

加工:電子ビーム溶接加工、各種レーザ加工、レーザクリーニング など 

素材:ステンレス、アルミ、銅 など

HP:https://www.ebtohoku.co.jp/index.html

②会社の紹介

東成イービー東北株式会社は福島県郡山市に本社があり、レーザーを使用した加工やクリーニング、電子ビーム溶接加工を受注する企業です。

③メリット・デメリット

超短パルスレーザーによる微細加工では、幅広い材質に加工が可能です。ステンレスやアルミ、銅などの金属だけでなく、シリコンやタングステンといった素材にも数十μm単位で加工を施せます。

ただ、遠方からの依頼を受けられるかどうかは、事前に問い合わせた方が無難でしょう。

④製品紹介

東成イービー東北株式会社の製品例は次のとおりです。

タングステンWへの微細穴あけ加工(穴径    φ0.030mm・φ0.050mm)

シリコンSiへの微細穴あけ加工

ステンレスSUS304への微細穴あけ加工


レーザーでの微細加工の一括見積もりを依頼するなら【Mitsuri】

レーザーでの微細加工について、得意とするメーカーを含めてご紹介してきました。幅広い材料に緻密な加工ができる微細加工は、現時点では特殊な加工方法であり企業や製作所によって受注可能な素材や製品、生産数などに違いがあります。また、実績がある加工方法や分野なども異なるため、事前に依頼できるかどうか確認することをおすすめします。

レーザーでの微細加工を依頼するメーカーをお探しの際には、一度Mitsuriにご相談ください。提携している日本全国250社以上の企業から、お客様の要望に合った最適なメーカーを紹介いたいます。また、Mitsuriでのお見積りは複数の企業から一度にもらうことが可能です。まずは一度お気軽にお問い合わせください。

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