プレス金型とは?金型の機能・名称に関しても解説!

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溶接

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プレス金型は、プレス加工の際に必要な、製品を成形するためのもの。プレス加工品はさまざまな分野で活用されており、私たちの生活にかかせないものとなっています。ただし、品質の良いプレス加工品を提供するには、プレス金型の設計・製造から綿密に行う必要があります。また、一口にプレス金型と言ってもいくつか種類があるのをご存知でしょうか?

この記事では、プレス金型の種類について解説するだけでなく、機能や構成している部品の名称についても紹介します。

「プレス加工と金型の関係性とは何か?」

「プレス金型にはどういう種類があるのか?」

「プレス金型はどういった部品で構成されているか?」

上記のような疑問がある方は、ぜひご一読ください。

プレス加工と金型の関係性

プレス加工とは、被加工材を専用の加工機にてプレスすることで、製品を成形する加工方法です。プレス加工をするには、専用の加工機だけでは生産できず、事前に雄と雌の対になったプレス金型を用意する必要があります。

プレス加工は、金型の製作に初期費用がかかってしまうものの、大量生産が可能で品質のバラつきが少ないのが特徴です。

プレス加工は、自動車部品や家電製品、電子機器など幅広い分野で利用されており、現在では必要不可欠な技術と言えます。

参考記事

以下の記事にて、プレス加工の基礎知識や種類について詳細を解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!

金型とは

引用元:パンチ工業株式会社

金型とは、被加工材の塑性変形、および流動性を利用して成形するための金属の型のこと。今回ご紹介するプレス金型は、上図のように上下に分かれた型の間に被加工材をセットし、プレスすることで製品を成形します。プレス用の金型以外だと、プラスチック用・鍛造用・鋳造用・ダイカスト用・ガラス用・ゴム用が代表的です。

参考記事

金型の種類については、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。

【金型製作】金型の種類と基礎や流れについて徹底解説!!

プレス金型は、せん断加工のための「抜き型」、曲げ加工のための「曲げ型」、絞り加工のための「絞り型」などがあります。これらの金型を駆使することで、世の中の自動車部品や家電部品などが作られています。

金型の機能

金型には製品を作るために重要な機能が多数備わっています。製品を成形する機能はもちろんのこと、プレス機械へ取り付けるための機能・被加工材の位置決めをする機能・雄と雌の型を位置設定をする機能も有します。これらは、金型を構成する部品によって成り立っており、いずれかの機能が欠けてしまうとプレス加工できません。

プレス金型の種類

プレス金型の種類①【単発型】

単発型は、ひとつの金型に対し、せん断加工・曲げ加工・絞り加工などの工程をひとつのみ行えるタイプです。他のプレス金型と比べて最もシンプルで、金型の製作費や製品のコストも安価なのが特徴です。そのため、少ないロットやサイズの大きな製品の加工に適しています。

しかし、人の手でプレス機械を動かして加工する型のため、連続加工や自動化はできず、生産性に劣る点には注意が必要です。また、単発型を複数並べて、自動で生産できるようにした「タンデム加工」というものもあります。

プレス金型の種類②【順送型】

順送型は、せん断加工・曲げ加工・絞り加工など、複数の加工方法をひとつの型に搭載したもののことを言います。別名「プログレ型」と呼ばれることも。このタイプは、被加工材をプレスをする度に材料が順送りされ、製品を成形します。ロール状であるコイル材を用いてプレス加工するので生産効率が良く、大量生産に最適。機械による作業のため、品質も安定します。

ただし、単発型に比べて金型の作りが複雑で製作が難しいため、金型の製作費用は比較的高価です。

プレス金型の種類③【トランスファー型】

トランスファー型は、単発型が複数並んだ状態のタイプ。トランスファー型に被加工材を順番に通すことで、自動加工が可能です。材料はコイル材を用い、順番に加工した材料を次の工程に移していきます。次の工程に移す作業はフィンガーと呼ばれる治具により行われ、連続して加工。自動加工で生産するので大量生産に適しており、歩留まりも良いのが特徴です。

ただし、トランスファー型は搬送機構の設計が難しく、型の製作コストも高めな点には注意してください。

プレス金型の構成

引用元:プレス金型の基礎

プレス金型の構成は上図の通りです。以下で代表的な部品について解説します。

パンチ

パンチは、被加工材を押し付けるための工具。別名「ポンチ」や「雄型」とも呼ばれます。せん断加工・曲げ加工・絞り加工、いずれもパンチを用いることで成形が可能。ただしパンチだけでは成形できず、対となる「ダイ」も必要です。

ダイ

ダイはパンチの受けを意味しています。別名「雌型」と呼ばれることも。プレス金型で作られる製品は、パンチとダイの形状により加工後の形状が決まります。品質の良い製品を生産するためには、パンチとダイの位置関係も高い精度で製作する必要があります。

ダイセット

ダイセットは、金型をプレス機械に固定するためのもの。ガイドポストにより上下のダイセットが連結されており、ダイやパンチなどの部品も保持します。品質の良い製品を生産するには、上下のダイセットの作りも高い精度が必要です。また、他の部品の交換のしやすさも重要なポイントとなります。

ガイドポスト

ガイドポストは、上下のダイセット芯合わせをするための部品のこと。ガイドポストがあることで、上下の型を正確に嵌め合わせることが可能です。本部品がないと上下の型の位置関係がズレてしまい、製品の品質が悪くなってしまうほか、金型の部品の損傷にも繋がります。

パンチプレート

パンチプレートは、パンチの位置関係と垂直を保持するための板のことを言います。こちらも、製品の精度を保つために欠かせない部品です。

ストリッパプレート

ストリッパプレートは被加工材を押さえつけ、変形したりズレたりないようにするためのもの。また、パンチの先端が破損しないためのガイドの役割もあります。

バッキングプレート

バッキングプレートは、プレス加工時にパンチがダイセットにめり込むのを防止するための部品です。本部品自体に強度が必要なため一般的に熱処理が施されています。別名「バックアッププレート」「バックプレート」とも呼ばれることも。

ダイプレート

ダイプレートは、プレス加工時のダイの破損を防ぐための板のこと。ダイプレートは、ダイと一体化されているものや、入れ子式になっているものがあります。

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今回はプレス金型について解説しましたがいかがでしたでしょうか。プレス加工をする上で、プレス金型は必ず必要です。プレス金型があることで、製品の大量生産や品質の安定化を実現しています。

ただし、品質の良い製品を生産するには、金型の設計・製作の段階から高い精度で行わなければなりません。

また、プレス金型には、単発型・順送型・トランスファー型があり、各種類によってメリットとデメリットが異なります。プレス加工をする際には、いずれの種類が適しているのかを見極めることも重要です。

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