生産管理をエクセルで行う方法とは?メリット・デメリット・成功ポイントを徹底解説

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Mitsuri|生産管理

生産管理をエクセルで行って効率化する方法を知りたい、と考える企業ご担当者も多いかと思います。エクセルには関数・ガントチャート・マクロなど生産管理に適した機能が豊富に用意されています。それぞれを上手に活用することで多くの効果を得られるものの、取り組む前にデメリットや成功ポイントについてもしっかりと理解することが重要です。

そこで本記事では、生産管理に関するエクセルの機能、メリット・デメリット・成功に繋がるポイントについて、詳しく解説していきます。

生産管理をエクセルで効率化する方法

生産管理をエクセルで効率化する方法について、以下3点を説明します。

・関数の使用

・ガントチャートの使用

・マクロの活用

それでは、一つずつ見ていきましょう。

関数の使用

1つ目の方法は、関数の使用です。

エクセルには、さまざまな定型の計算を行える関数が豊富に用意されています。生産管理を効率的に行うための関数として、代表的なものが以下の表です。

関数

機能

SUM関数

指定したセル範囲の合計値を算出する。

AVERAGE関数

指定したセル範囲の平均値を算出する。

WORKDAY関数

開始日と日数を指定すれば、加算/減算した日付を算出する(土日や祝日など稼働外の日付は除外)。

SUMIF(S)関数

複数の検索条件に一致するセルの合計値を算出する。

COUNTIF関数

検索条件に一致するセルの数量をカウントする。

VLOOKUP関数

エクセルの縦(行)方向に対して、指定したデータに対応する値を取り出す。

IF関数

値と値を比較する。

MAX関数

指定したセル範囲から最大値を取り出す。

OFFSET関数

セルの範囲を答えとして返す関数。セル範囲を扱う関数と一緒に使われる。

COUNTA関数

検索条件に一致するセルの数をカウントする。

生産管理では、集めたデータの値を合計したり、平均値を出したり、データの必要部分を取り出したりして、生産管理表を作成します。上記で挙げた関数を利用することで、効率的に生産管理表を作成し、実業務に役立てられることでしょう。

上記は生産管理においてよく使われる関数ですので、覚えておくことをおすすめします。

ガントチャートの使用

2つ目の方法は、ガントチャートの使用です。

ガントチャートとは、工程・作業などの進行状況を可視化した表のことを指します。項目を縦軸・期間を横軸で表します。期間については、色を塗りつぶしたバーや、矢印などを使って、進捗状況を表すことが多いです。

ガントチャートを上手に活用すれば、生産計画に沿って、現在はどれくらいの作業進捗で進んでいるか、詳細まで把握することができます。そのため、生産管理や製造業の工程管理の見える化等に役立ちます。

マクロの活用

3つ目の方法は、マクロの活用です。

マクロとは、複数の操作をまとめて、必要に応じて呼び出せる機能のことです。生産管理を行う際に、VBAのプログラムを使ってマクロを作成すれば、現場で集めたデータの集計・集計したデータの種類別の分類・グラフ化することも容易にできます。マクロは、生産管理に必要な処理を一括して自動的に実行可能なため、生産管理を行うにあたって適した機能と言えるでしょう。

生産管理をエクセルでするメリット

生産管理をエクセルでするメリットについて、以下4点を説明します。

・少ないコストで実施できる

・簡単に始められる

・カスタマイズが容易

・データ連携が可能

それでは、一つずつ見ていきましょう。

少ないコストで実施できる

1つ目のメリットは、少ないコストで実施できることです。

エクセルは、基本的に一般的な企業の従業員のPCに導入済みなことがほとんどです。そのため、生産管理をエクセルでスタートする際、新たにソフトウェアやツールの購入・ライセンス費用などもかかりません。生産管理に役立つ機能の関数・ガンチャート・マクロも標準で搭載されています。

エクセルを利用することで、コストを最小限に抑えて生産管理をスタートできます。

簡単に始められる

2つ目のメリットは、簡単に始められることです。

エクセルはPCにインストール済みのため、すぐに始められます。生産管理システムやERPパッケージなどのように、基本操作を一から学ぶ必要もありません。

エクセルの基本機能(新規作成・文字入力・関数等)については、社会人であれば多くの従業員が知っているため、新人や中途入社の方でも取り組みやすいでしょう。

エクセルは、導入ハードルが低く生産管理も簡単にスタートできます。

カスタマイズが容易

3つ目のメリットは、カスタマイズが容易なことです。

エクセルを使って生産管理を行う際、標準機能を使って自由自在に自社のやりたいことを実現可能です。具体的には、データを入力して実行ボタンを押すだけで、自社にとって適切な形へのデータ加工・分析もできるようになります。また、自社に合わせた形式のレポート化も容易にできるでしょう。エクセルに搭載されているVBAマクロ機能を使うことで、ユーザーの操作を記録し同じ操作を自動化することができます。プログラミングの知識がない方でも、少し学ぶだけでプログラミングができ、自社の要望に合わせたカスタマイズができるでしょう。エクセルは、データの加工方法やレポート表示形式も変更可能であり、カスタマイズ性にも優れています。

データ連携が可能

4つ目のメリットは、データ連携が可能なことです。

生産管理に必要なデータを入力して、マクロを実行するだけで、あらかじめプログラムした内容に合わせて自動加工・CSVなどのデータ形式に出力することもできます。他のシステムのデータを取り込む、他のシステムに合わせたデータ形式に出力するなどのデータ連携も可能です。複数システムからデータを取り込んで、データを同じ形式に加工することもできます。

生産管理をエクセルですると発生しがちなデメリット

生産管理をエクセルですると発生しがちなデメリットについて、以下5点を説明します。

・複数人同時編集不可

・処理パフォーマンスの低下

・PCローカル管理

・データの整合性欠如

・属人化

それでは、一つずつ見ていきましょう。

複数人同時編集不可

1つ目のデメリットは、複数人同時編集不可なことです。

生産管理表を作成する際、従業員のPCに入っているエクセルソフトウェアを使うことになるため基本的に同時編集ができません。

どうしても複数人同時編集をしたい場合、Microsoft365製品であるSharepointに格納して編集する必要があります。しかしオンライン上で編集すると動作が重たくなる傾向にあるため、VBAマクロ等を使って開発する際には、ローカルで作り込んでからアップロードする方が適切でしょう。エクセルで生産管理を行う場合、基本的に最初の作り込みはローカル環境となり、複数人で編集することが難しい傾向にあります。

処理パフォーマンスの低下

2つ目のデメリットは、処理パフォーマンスの低下です。

扱うデータが増えれば、それだけエクセル処理への負担がかかります。そのため、パフォーマンスも低下する可能性が高いです。生産管理表を長期間使うほど、エクセルでマクロを実行してから完了するまでの時間が長くなるでしょう。処理パフォーマンスを向上したい場合、エクセルよりも生産管理に特化した生産管理システムや代替ツールを使う方が適しているかもしれません。

PCローカル管理

3つ目のデメリットは、PCローカル管理です。

エクセルで生産管理を始めると、データを編集する管理者のパソコンにファイルを置いて、編集することでしょう。そうなると、個人のファイルとして管理されがちになり、生産管理表を更新したとしても、オンライン上にアップロードするのを忘れると、関係者に最新版がすぐに共有されなくなります。一度作成した生産管理表を変更・更新する際は、PCローカルで編集するのではなくSharepointに格納したまま、直接編集する方が効率的かもしれません。

データの整合性欠如

4つ目のデメリットは、データの整合性欠如です。

エクセルは編集ソフトのため、データの登録・編集履歴をログなどで一元管理することができません。そのため、誰がいつ生産管理表を更新したか、エクセル内に入力されているデータの、どの部分がどのように変わったのかなどを一目で把握することができません。

正しい情報でないまま生産管理を行ってしまった場合、後からデータがおかしいことに気づき、膨大なデータを修正しなければならないリスクも十分に考えられます。

エクセルに入力されたデータの結合性を維持するためには、管理者が定期的に履歴などを確認して、データ更新者の更新タイミングを把握することや、登録されているデータが正しいかを都度判断する必要があります。

属人化

5つ目のデメリットは、属人化です。

個人の力量に頼って、エクセルのVBAマクロなどで作り込んで生産管理表を使用している場合、作成した人が転職などで不在になると残った担当者誰もが更新できなくなるかもしれません。VBAマクロは、プログラミングをしたことがない初心者でも学べばすぐに覚えられると言われていますが、実際に操作できる人材は限られていることが多いです。

エクセルでVBAマクロ等を使って生産管理表を作る際は、属人化しないよう、複数人でプログラム内容を理解して作成するなど、情報を共有して取り掛かることが大切です。

生産管理をエクセルで成功させるポイント

ここまで、生産管理の方法・メリット・デメリットについて紹介しました。

ここからは生産管理をエクセルで成功させる重要なポイントについて以下を説明します。

・各工程を詳細に分ける

・専門用語を避ける

・オンラインの活用

それでは、一つずつ見ていきましょう。

各工程を詳細に分ける

1つ目のポイントは、各工程を詳細に分けることです。

具体的には、エクセルのガントチャートなどを利用して、各工程を細かく分けて記載していきます。そうすることで、どのような工程がどう行われているか、期間はどれくらいを想定していて、実際はどれくらい進んでいるのかなど、スケジュール管理の進捗状況も可視化できます。

各工程を詳細に分けることで抜け漏れもなくなり、実用性も高まるでしょう。生産管理をエクセルで行う際は、現場が実際に取り組んでいる工程を細かく確認しながら、抜け漏れがないよう、細かく詳細に書き込んでいきましょう。

専門用語を避ける

2つ目のポイントは、専門用語を避けることです。

生産管理で作成した表などは、関係各所の誰が見ても、すぐに内容を理解できることが大切です。そのため、作成した本人や周りの数人だけがわかる専門用語を使うことは絶対に避けましょう。生産管理表のドラフト版を作成したら、関係者や現場作業担当者、特に生産管理に関わりが浅い新人担当者などに実際に使ってもらうことをおすすめします。現場で使ってみて、内容がわかりやすいか、操作手順は簡単か、利用する上で問題点や・課題などがないか、判断してもらうのが良いでしょう。

オンラインの活用

3つ目のポイントは、オンラインの活用です。

エクセルファイルで作成した生産管理表を変更する際、PCローカル環境にダウンロードして編集しがちです。そうなると、更新を忘れるなどのミスで最新版が共有されないなどの問題も考えられます。

最新版を常に共有できる状態にするためには、生産管理表が一度完成した後、オンライン上に共有・管理することが大切です。Sharpointなどに格納すれば、関係者が必要なときにすぐに参照することができます。また、変更が必要になった時に関係者がオンライン上で直接エクセルファイルを編集して更新することも可能です。

オンラインで共有することで、ファイルの更新手順も簡単になり、生産管理もしやすくなります。

まとめ

本記事では、生産管理をエクセルで効率化する方法、メリット・デメリット・ポイントについて解説しました。エクセルには生産管理に適した多くの機能が用意されています。生産管理を行いたい場合、関数やガントチャート・VBAマクロなどを自由に扱い、自社に適した形式で生産管理表を作成することができるでしょう。しかし、エクセルはパソコンにインストールするローカルソフトウェアのため、属人化しやすいなど、長期間使うことでさまざまなリスクが伴います。そのため、生産管理を成功させるポイントとして、実用化に向けた各工程の詳細化、誰にでも理解できるように専門用語を使わないこと、オンライン環境の活用をおすすめします。

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