シャフトは「軸」とも呼ばれ、回転部分を持つ産業機械や製造装置などの部品として欠かせない部材です。一般的には細く長い筒のような形状をした金属棒ですが、用途に応じて必要な加工が施されて仕様されています。切削から鍛造まで幅広い種類の加工が可能な機械や技術はもちろん、自動車の部品など大量生産が必要な場合に対応できる処理能力を備えているか、といった点も、シャフト製作を依頼する工場選びで大切なポイントです。
今回は、シャフト製作を得意としている工場を厳選してご紹介します。また、シャフト設計や製作の流れや、制作事例についても解説していますので、シャフト製作に興味がある方、製作依頼を検討している方は、最後まで読んでみてください。
株式会社サンエイ
引用元:株式会社サンエイ
①会社情報
大阪府羽曳野市島泉3丁目4番17号
TEL:072-959-2272
FAX:072-959-2212
創業:1987年4月14日
HP:http://shaft.sanei-buhin.co.jp/
②会社紹介
株式会社サンエイは、大阪を拠点としてシャフトやねじをはじめ、機械部品のオーダーメイドや特注品を受注製作しています。
③メリット・デメリット
東大阪エリア100社以上の協力会社との共同製作が可能な他、ベトナムにも海外拠点を広げるなど、積極的に活動の場を拡大中です。用途や使用環境に応じて、切削加工から表面処理まで一貫して受注するオーダーメイドサービスに定評があります。
対応可能な材質は、炭素鋼、みがき棒鋼、合金鋼、ステンレス鋼です。特殊シャフトの主な製作ジャンルは、高速回転タービンや荷重が大きい車軸などに使用するための高強度シャフト、摩耗(擦れ)への抵抗性が高い耐摩耗性シャフト、錆びに強い耐食性シャフト、中心部が空洞になったパイプ状の軽量シャフトなどがあります。
ただし、記載されていない材質の加工や製造は対応していない可能性があるので、事前に問い合わせて確認することをおすすめします。
④製品紹介
スプラインシャフト
キー溝シャフト
株式会社磯貝製作所
引用元:株式会社磯貝製作所
①会社情報
(本社)東京都杉並区阿佐谷南3-37-13-905
TEL:03-5335-7085
FAX:03-5335-7086
設立年月日:昭和33年6月
HP:http://www.isogai-ss.com/pc/company.html
②会社紹介
株式会社磯貝製作所は、東京に本社を構え、静岡県、茨城県に営業所、静岡県と埼玉県に工場を構える企業です。
③メリット・デメリット
あらゆるニーズに応えられるよう、シャフト加工に使用するNC自動盤やマシニング(全自動加工機)など合計50台の機械で対応しています。医療機器やロボット機器などのメーカーへも部品を供給するなど、高い技術と生産力を持っています。社内環境方針としてCO2排出量の削減や、4S活動(整理、整頓、清掃、清潔のイニシャル)を取り入れている点も特徴です。
ただし、アフターサービスの対応範囲については、依頼前に確認しておく必要があります。
④製品紹介
刺繍ミシン用軸
カムシャフト(断面が卵型のカムが取り付けられたシャフト)
株式会社小出ロール鐵工所
引用元:株式会社小出ロール鐵工所
①会社情報
(本社工場)千葉県習志野市東習志野6-21-8
TEL:047-475-3811
FAX:047-475-2422
創立:昭和23年11月17日
HP:https://www.koideroll.co.jp/
②会社紹介
株式会社小出ロール鐵工所は、創業大正3年と100年以上の歴史を持つ製作所です。材料調達から表面加工まで一貫して受注している点が特徴です。
③メリット・デメリット
経験豊富なベテランが培った体系化されたプログラムを引き継いでおり、品質マネージメントシステムISO(国際標準化機構)9001を認証取得するなど、高品質な製作を実現しています。発電用ローターやタービン内の精密シャフトや、船舶用プロペラシャフトなどを手掛けており、6m以上の長尺シャフトの製作など難易度の高い加工実績が豊富です。グループ会社の運送事業と提携していますが、エリアや距離によっては習志野市内の工場からの配送に対応していない可能性があります。
④製品紹介
ロール摩擦による劣化修正
株式会社信和精機
引用元:株式会社信和精機
①会社情報
神奈川県横浜市青葉区寺家町404
TEL:045-532-5911
FAX:045-532-5998
Facebook公式アカウント:https://www.facebook.com/sinwaseiki/
②会社紹介
株式会社信和精機は、神奈川県横浜市内に拠点を構える企業で、モーターシャフトをはじめ、幅広いシャフトの製造を行っています。
③メリット・デメリット
加工用機械として、NC旋盤や汎用フライス盤、汎用旋盤、円筒研削盤などを扱っており、これらを使った加工が可能です。Facebook公式アカウントでは、長さ50cm以上の大型モーターシャフトなど、加工の様子を動画や写真で紹介していますので、ぜひご覧ください。
ただし、膨大な数の大量生産や大規模なシャフト製造には対応していない可能性もありますので、事前に問い合わせするのが無難でしょう。
④製品紹介
モーターシャフト
ローレット加工(滑り止めやまわり止めの凹凸をつける加工)
有限会社英製作所
引用元:有限会社英製作所
①会社情報
千葉県鎌ケ谷市くぬぎ山1-10-8
TEL:047-385-3211
FAX:047-385-8382
創業:1964年
HP:http://www.hanabusa-s.co.jp/
②会社紹介
有限会社英製作所は、創業50年以上の歴史を持つ企業で、完全受注生産による精密シャフトやポンプユニットなどの加工、組み立てを請け負っています。
③メリット・デメリット
機械を使用した自動旋盤による複合加工がメインで、組み立て委託も可能です。ただし、完全受注生産以外の製造は承っていないので、試作品のみの製造などに対応していない可能性があります。確認の際にはMitsuriまでご連絡いただければ対応いたします。
④製品紹介
シャフトから関連した組み立て
自動旋盤による複合加工
シャフトの設計・製作の流れ
シャフトを設計し製造するまでの流れについてご説明します。
①お客様からのヒアリング
用途や条件を聞き取り、製作するシャフトの詳細を決定します。
②図面上でのシャフト設計
ヒアリングした内容を設計図面に落とし込みます。CAMやCADといったソフトを使うことが多いです。
③原材料の受け入れ
シャフト材料を受け入れます。長い棒状になっているのが一般的です。
④切断
- 引用元:株式会社協和製作所
必要な長さに切断します。
⑤加工
- 引用元:株式会社協和製作所
- 材料を自動旋削機械によって設計図面通りの寸法で加工します。旋削、歯切り、面取り、シェービング(噛合いの音を下げるため、歯車の表面精度を高める)、プレス(塑性加工)などの加工があり、プレス加工の前にはポンデ加工(表面を滑りやすくする工程)が必要です。
⑥洗浄
切り粉や切削油などをきれいに落とすために洗浄を行います。
⑦熱処理
焼き入れなどの熱処理を行い、硬度を確保します。
⑧研削
- 引用元:株式会社協和製作所
研削板などを使い、外径を研削して外径寸法や粗度を確保します。
⑨出荷検査
- 引用元:株式会社協和製作所
- 複数の測定器を用いて最終検査を行い、寸法を改めて確認していきます。
⑩お客様へ納品
- 引用元:株式会社協和製作所
- 検査に合格したら、完成品を納品します。
シャフトの制作事例
ここで、シャフトの制作事例を見ていきます。
ストレートシャフト
引用元:MISUMI-VONA
名前のとおり、ストレートの形状のシャフトで、加工をする前の一般的なシャフトの状態でもあります。
多段シャフト
引用元:株式会社サーフ・エンジニアリング
段がついたような形状のシャフトで、ストレートシャフトの外側を研磨しながら、部分ごとの太さを調節します。
異形状シャフト
引用元:MTK株式会社
断面を用途に応じて加工したシャフトです。形状や大きさなどはさまざまですが、多くは引き抜き加工と呼ばれる塑性加工によって製造されています。
偏芯シャフト
引用元:株式会社ヤマト
1本のシャフトの中心軸は異なる形状に切削したシャフトを、偏芯シャフトと呼びます。自動車やコンプレッサーなどの機械の部品であるクランクシャフト(ピストンの往復運動に関わる部分)などに使われます。
シャフトの製作の見積もりならMitsuri!
シャフト製作を受注している工場は、先に紹介した工場をはじめ都市部以外にも多数存在しており、シャフト製造を設計から加工まで一貫して担う業者もあります。
用途に合わせて的確にシャフトを加工するためには、機械加工における経験値と確かな技術が要求されます。
Mitsuriは、日本全国140社以上の協力企業の中から、シャフト製造が依頼可能な製作所や工場をご案内することができます。お客様のご要望や希望条件に合わせて、最適な業者をご紹介しています。
シャフト製作をご検討中の方は、ぜひ一度Mitsuriにご相談下さい!